Archive for the ‘刑事事件’ Category
強盗罪で逮捕
Aさんは、競馬のために借金をし、その返済に追われていました。
そこで、何か簡単にお金を手に入れる方法はないかと考えた結果、コンビニ強盗を行うことにしました。
Aさんはマスクと帽子で極力顔が割れないようにし、千葉県山武市にあるコンビニへ行きました。
Aさんは様子を探るべく店内を数分歩き回ったあと、レジにいる店員に包丁を示して「金を出せ。殺すぞ」と言いました。
店員は恐怖に怯え、レジのキャッシャーを開けて1万円札と1000円札を全て渡しました。
Aさんはそれを受け取ってすぐに逃走しましたが、後日強盗罪の疑いで山武警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、保釈による身柄解放を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【強盗罪について】
刑法(一部抜粋)
第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
強盗罪は、暴行または脅迫を加えて他人の財産を奪取した場合に成立する可能性のある罪です。
ニュースなどでは、何らかの凶器を示してお金を要求するケースがよく見られるかと思います。
そうしたケースは、正に強盗罪の典型例と言うべきでしょう。
一般的にはお金や物が対象となることが多いかと思いますが、引用した条文にあるとおり、財産上の利益であっても対象となります。
たとえば、あるサービスの料金の請求を暴行または脅迫により断念させた場合、債務を免れたとしてやはり強盗罪が成立する余地があります。
こうした財産上の利益を対象とする強盗罪は、強盗利得罪や2項強盗罪(刑法236条2項に規定されているため)と呼ばれることもあります。
強盗罪によく似た罪として、恐喝罪が挙げられます。
恐喝罪も暴行または脅迫により財産の交付を受ける罪ですが、両者は被害者の判断能力の程度が異なるとされています。
簡単に言うと、強盗罪は財産の交付に関する被害者の判断を不可能あるいは著しく困難にするのに対し、恐喝罪は被害者の判断を害するにとどまるということです。
こうした区別は主に暴行・脅迫の程度によるので、暴行・脅迫が激しければ恐喝罪を超えて強盗罪となる可能性が高まるでしょう。
【保釈とは何か】
保釈とは、裁判所に一定の金銭を預けるのと引き換えに、少なくとも裁判が終わるまで一時的に身柄を解放してもらう手続のことです。
被告人(被疑者の起訴後の呼称)に限って認められるため、逮捕されてからすぐに行えるわけではありません。
逮捕されてから起訴されるまでに身柄解放を実現するには、検察官や裁判官に対して勾留(逮捕から2~3日後に開始される長期の身体拘束)をしないよう求めることになります。
起訴前の身柄解放が何の犠牲もなく行えるのに対し、起訴後の身柄解放である保釈は高額な金銭の納付が必要です。
そうすると、保釈は起訴前の身柄解放活動より劣っているような印象を受けるかもしれません。
ですが、保釈には、起訴前の身柄解放活動と比べて身柄解放を実現しやすいというメリットがあります。
その理由は、預けた金銭が逃亡や証拠隠滅などを防ぐ担保の役割を果たし、被告人がそうした行動に及ぶ可能性が低いと評価されるためです。
また、そのような役割を持つことから、保釈保証金は逃亡や証拠隠滅を含む一定の事由が発生しない限り後に全額返還されます。
ですので、感覚としては、お金を支払うというより一旦預けると言う方が近いでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、保釈の実現に向けて迅速かつ的確な弁護活動を行います。
ご家族などが強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所 千葉支部は、刑事事件・少年事件の当事者の弁護活動を専門に取り扱う弁護士事務所です。
刑事・少年事件を数多く扱ってきた実績を活かし、相談者様、依頼者様の不安を解消することに努めます。刑事・少年事件に精通した弁護士、職員が連携をとることで、迅速・綿密な弁護活動を提供します。
当事務所では初回無料法律相談サービスを実施しております。また、土日祝日、夜間でも法律相談・接見面会の受付が可能です。お困りの際には、ぜひご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部 弁護士紹介
強要罪で逮捕
Aさんは、友人らと談笑しながら千葉県東金市内を歩いていたところ、前から歩いてきたVさんと肩がぶつかりました。
Aさんが「おっさん気をつけなよ」と言ったところ、Vさんが睨んできたことから、AさんらとVさんは口論になりました。
AさんらはVさんを囲って軽い暴行を加え、スマートフォンで動画を撮りながらVさんに土下座するよう迫りました。
Vさんは言われたとおりに土下座をしましたが、騒ぎを聞いて駆けつけた東金警察署の警察官により、Aさんらは強要罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、今後の事件の流れを説明しました。
(フィクションです。)
【強要罪について】
刑法(一部抜粋)
第二百二十三条 生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は、罰する。
強要罪は、暴行または脅迫を手段として、他人に無理やり何かをやらせたり、逆にやらせなかったりした場合に成立する可能性のある罪です。
相手方の意思決定の自由を妨げるにとどまらず、その意思決定に基づく行為を妨げる点において、脅迫罪より重大な罪と言えます。
一時期ニュースなどで「土下座強要」が話題になりましたが、正にそうした行為が強要罪に当たることになるでしょう。
ここで注意したいのは、強要の内容や相手方の意思によっては、強要罪とは別の罪が成立する余地があることです。
たとえば、強要罪の手段となる暴行により相手方に傷害を負わせた場合、強要罪と併せて傷害罪が成立する可能性があります。
また、他人に犯罪を強要すれば、その犯罪の共犯者として責任を問われる可能性があります。
更に、強要したのが自殺であれば、自殺教唆罪や殺人罪が成立する可能性も出てくるのです。
殺人罪については、相手方が自ら死を選択したにもかかわらず自身が殺害したものと扱われることに違和感を覚えるかもしれません。
ですが、実務では実質的に誰が責任を負うかという観点も重視されており、こうした取り扱いが認められています。
【逮捕された場合の事件の流れ】
刑事事件の被疑者として逮捕された場合、捜査はおおむね以下のように進みます。
①逮捕から勾留決定まで
逮捕されると、警察署で弁解の録取などが行われたあと、48時間以内に事件が警察署から検察庁へ送致されます。
検察庁でも同様に弁解の録取などが行われ、検察官が身体拘束を引き続き行うべきだと考えた場合、検察官が被疑者の身柄を受け取ってから24時間以内に勾留請求を行います。
そして、裁判所で勾留質問が行われたあと、裁判官の判断で勾留の決定が下されます。
以上のそれぞれの段階において、勾留の必要がないと判断されればその場で釈放されます。
②勾留決定から起訴まで
勾留決定が下されると、はじめに勾留請求の日から10日間の拘束が行われます。
この間、捜査機関は必要な捜査を行い、検察官が起訴すべきか不起訴にすべきか判断します。
起訴されれば裁判を行うことが決定し、不起訴あるいは処分保留となれば釈放されます。
処分保留となった場合については、身体拘束こそ解けるものの事件自体は続くので注意が必要です。
これらに対して、長期の捜査が必要であるとして勾留延長が行われることがあります。
勾留延長も検察官の請求と裁判官の判断により行われ、最長で10日間延長される可能性があります。
③起訴後
起訴された被疑者は被告人と呼ばれるようになります。
被告人の勾留の期間は数か月間(2か月に加えて場合により1か月単位で延長)と非常に長期に及びます。
その期間中に裁判が行われ、最終的に判決が下されて事件は終了となります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、事件の段階に合わせて的確な弁護活動を行います。
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風営法違反(無許可営業)で初回接見
風営法違反(無許可営業)で初回接見
Aさんは、千葉県長生郡白子町にあるマンションの一室において、ファッションヘルスを営んでいました。
Aさんの店の周辺には他に風俗店が存在せず、それなりの利益が出ると踏んでその場所で営業を行うことにしたという経緯がありました。
ただ、営業に際していわゆる風営法上の営業許可は取得しておらず、無許可営業を行っている状態でした。
ある日、茂原警察署は、白子町で違法風俗店が存在するという情報を掴んで捜査を開始しました。
そして、Aさんの無許可営業の事実を突き止め、Aさんを風営法違反(無許可営業)の疑いで逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの母親は、弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです。)
【風営法における無許可営業について】
日本国民は、公共の福祉に反しない限り、職業選択および営業の自由を有するとされています。
こうした自由を制約する代表的な規制の一つとして、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(通称:風営法)による規制が挙げられます。
この法律は、社会に悪影響を与えるおそれのある一部の営業活動を「風俗営業」とし、その営業に際して種々の規定を設けています。
ちなみに、一般的に「風俗」と言うと性風俗を指すかと思いますが、「風俗営業」はそれだけにとどまりません。
たとえば、パチンコ店やスナックなども「風俗営業」とされています。
風営法は、風俗営業を行うに当たり、各都道府県の公安委員会から営業許可を受けなければならないと定めています。
この営業許可を受けずに行う営業は無許可営業とされ、①2年以下の懲役、②200万円以下の罰金、③①②の両方が科されるおそれがあります。
上記事例において、Aさんが営業しているのはファッションヘルスです。
ファッションヘルスは、「風俗営業」に含まれる「性風俗関連特殊営業」に当たります。
そのため、風営法上の許可を受けなければ、Aさんのように無許可営業に当たる可能性があります。
ある日突然摘発されるということもたびたび起こっているので、無許可営業になっていないか十分注意する必要があると言えます。
【初回接見のメリット】
刑事事件の捜査は秘密裏に行われるのが通常であり、ある日突然逮捕されてしまうことも珍しくありません。
逮捕されてしまうと、外部との接触を著しく制限され、ひたすら事件の取調べが行われるという事態に陥ってしまいます。
そうした状況下においては、弁護士による初回接見が大きな支えとなることが期待できます。
弁護士は被疑者・被告人の利益を守る存在であり、接見(面会)に際しても特権と呼ぶに値するものが認められています。
まず、初回接見に限らず、弁護士は逮捕後の被疑者・被告人といつでも接見を行うことができます。
この接見は捜査に支障が及ぶ場合でなければ基本的に妨げられず、特に初回接見はいっそうその点が重視されています。
ですので、弁護士であれば、被疑者・被告人と迅速に初回接見を行って様々なアドバイスをすることができます。
次に、弁護士の接見においては、弁護士以外の者との接見を異なり警察の立会を要しません。
そのため、事件の詳細や捜査機関に知られたくないことを含め、あらゆる話を心置きなくすることができます。
これにより、初回接見を通すことで、これまで周囲が知ることができなかった情報も知らせることができます。
以上のように、初回接見は刑事事件において非常に重要な役割を果たします。
もし逮捕の知らせを受けたら、すぐに弁護士に初回接見を依頼することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の刑事事件を扱ってきた弁護士が、最短でお申込み直後、遅くともお申込み後24時間以内に初回接見を行います。
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初回法律相談:無料

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恐喝罪で接見禁止解除
恐喝罪で接見禁止解除
Aさんは、知人のBさんおよびCさんと共に、千葉県内で中学生や高校生を狙っていわゆるカツアゲをしていました。
その手口は、被害者が一人でいるところを3人で近づき、「君お金持ってるでしょ。痛い目見たくなかったらお兄さんたちにくれない?」と脅すというものでした。
こうした事件を何件か起こしたところ、千葉県夷隅郡御宿町で行った件でいすみ警察署に被害届が出されました。
それからしばらくして、BさんとCさんの行方が知れず逮捕されない間に、Aさんが恐喝罪の疑いで逮捕されました。
Aさんの勾留の際に接見禁止決定が出たことから、弁護士は接見禁止解除に向けて動くことにしました。
(フィクションです。)
【恐喝罪について】
人を恐喝して財産を交付させた場合、恐喝罪が成立する可能性があります。
恐喝罪における「恐喝」とは、暴行または脅迫であって、相手方の反抗を抑圧するに至らない程度のものです。
つまり、暴行または脅迫により畏怖を生じさせ、判断能力が低下した相手方から財産の交付を受けるのが恐喝罪だと言うことができます。
相手方の判断能力を低下させるという点では、欺く行為を手段とする詐欺罪に通ずるものがあります。
そのためか、恐喝罪の法定刑は、詐欺罪と同じく10年以下の懲役となっています。
恐喝罪は財産犯と呼ばれる類型に属しますが、他に暴行・脅迫を手段とする財産犯として強盗罪があります。
恐喝罪と異なり、強盗罪における暴行・脅迫は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のものとされています。
この反抗の抑圧に至ったかどうかという点は、被害者がどう感じたかではなく、被害者が遭遇した状況に基づき客観的に判断される事柄です。
上記事例では、Aさんら3名が、中学生や高校生に対し、身体に害を加える旨示唆して金銭を要求しています。
Aさんらの人数と被害者が中高生であることは反抗の抑圧を肯定する事情と言える一方、脅迫の内容や凶器を用いていないことは反抗の抑圧を否定する事情と言えます。
個々の事案にもよりますが、このようなケースでは恐喝罪に当たる可能性が比較的高いと言えるでしょう。
【接見禁止とその解除の申立て】
刑事事件における被疑者の身体拘束には、72時間という比較的短期の逮捕と、10日以上という長期の勾留の2つがあります。
逮捕から2~3日が経って勾留決定が下されると、以後弁護士以外の者が被疑者・被告人と面会できるようになるのが原則です。
これが一般面会であり、弁護士とは異なり指定の日時など限定された範囲内で行うことができます。
大半の事件では原則どおり勾留決定後に面会が可能となりますが、一部の事件では接見(等)禁止という措置により面会が許されないことがあります。
「接見」とは面会のことを指し、「等」とあるのは他に物の授受なども併せて禁止されるからです。
接見禁止決定が下されると、本来は可能なはずの勾留以後の面会も叶わなくなってしまいます。
そこで、弁護士としては、接見禁止の解除を目指して裁判官に対する申立てを行うことが考えられます。
たとえば、家族など一部の者だけでも面会を可能とするよう促したり、接見禁止の判断が正しいか上級の裁判所に再検討を求めたりします。
こうした申立てが奏功すれば、被疑者が家族などと面会できるようになり、多少なりとも精神の負担を取り除くことが期待できます。
接見禁止解除を求めるなら、ぜひお近くの弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、接見禁止を解除してほしいというご相談を真摯にお聞きします。
ご家族などが恐喝罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
いすみ警察署までの初回接見費用:42,300円

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殺人未遂罪で逮捕
会社員のAさんは、上司のVさんから日常的に殴る、怒鳴るといったパワハラを受けていました。
そのパワハラがあまりにも激しかったことから、Aさんはうつ病の診断を受け、会社を休職して自宅で療養することになりました。
ある日、Aさんが千葉県匝瑳市内の駅で電車を待っていたところ、偶然にも前にVさんが並んでいることに気づきました。
そこで、Aさんは偶然を装ってVさんにぶつかり、Vさんを線路に落としました。
幸いにもVさんに怪我はなく、他の乗客により電車が来る前に救出されました。
その後、監視カメラの映像や目撃者の証言が証拠となり、Aさんは殺人未遂罪の疑いで匝瑳警察署に逮捕されました。
起訴後にAさんの弁護人となった弁護士は、情状弁護を行って執行猶予を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【殺人未遂罪について】
人を殺害しようとしたものの、その目的を遂げなかった場合、殺人未遂罪が成立する可能性があります。
「殺人未遂」という言葉はニュースなどでよく耳にすることから、数ある犯罪の中では比較的なじみのある方かもしれません。
ですが、実は殺人未遂罪は犯罪の中で少し特殊な部類に属します。
というのは、元の犯罪(殺人罪)が想定している権利・利益(人の生命)を侵害していないにもかかわらず、犯罪として罰するものとされているからです。
本来、犯罪というのは全て保護の対象となる権利・利益が想定されており、それを侵害してはじめて処罰が正当化されます。
そこで、刑法はわざわざ「未遂を罰する場合は、各本条で定める」(刑法44条)という規定を置いています。
つまり、未遂罪を認めるのであれば必ずその旨規定されなければなりません。
これに従って殺人未遂罪が規定されているからこそ、殺人未遂罪という罪の存在が認められているのです。
殺人未遂罪が成立するのは、殺人の現実的危険性を惹起する行為に及んだ場合です。
この判断は法的な評価に左右されるものであり、個々の事案における様々な事情を考慮して決せられます。
注意すべきは、相手方が怪我を負わずとも殺人未遂罪が成立する余地がある点です。
上記事例では、AさんがVさんを線路の上に突き落としています。
仮に電車が通過した場合、Vさんが轢かれて死亡する可能性は決して低くないと言えます。
そうすると、線路に突き落とすことで殺人の現実的危険性を惹起したとして、殺人未遂罪が成立する余地があるのです。
【情状弁護による刑の減軽】
殺人未遂罪を犯した場合に科される刑は、殺人罪の法定刑を基準に未遂という事情を加味したものになります。
ただし、未遂による刑の減軽を認めるかどうかは裁判官に委ねられており、必ず減軽されるとは限らない点に注意が必要です。
もし未遂減軽となるのであれば、殺人未遂罪の刑は重いもので無期懲役、軽いもので2年半の懲役となるでしょう。
また、他に酌むべき事情があれば刑の範囲に更に影響を及ぼす可能性があります。
その例としては、被害者との示談の締結や、精神疾患による判断能力の欠如などが考えられます。
弁護士としては、これらを含む被告人に有利な事情を可能な限りピックアップし、それを裁判で説得的に主張することになります。
裁判というのは闇雲に喋るだけでは評価されにくいので、事実を整理し、それを証拠などと共に適切に述べることが重要です。
こうした情状弁護は弁護士の得意分野なので、特に殺人未遂罪のような重い罪を犯したケースでは、弁護士に依頼することが有益でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、豊富な知識と経験に基づき最適な情状弁護を行います。
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児童買春で示談
会社員のAさんは、SNSを通じて千葉県旭市に住む高校2年生のVさんと知り合い、連絡を取るようになりました。
やがて、AさんはVさんと遊びに行くようになり、ある日Vさんに「エッチさせて」と冗談半分で言いました。
すると、Vさんが「1万くれたらやってあげる」と言ったことから、ホテルに入って性交に及びました。
その後、ホテルを出たAさんらでしたが、周辺を警らしていた警察官から職務質問を受けました。
これにより児童買春の事実が明らかとなり、Aさんは旭警察署にて取調べを受けることになりました。
Aさんから相談を受けた弁護士は、児童買春事件における示談について説明しました。
(フィクションです。)
【児童買春の罪について】
児童買春の定義と罰則は、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」に規定されています。
まず、「児童買春」とは、児童(18歳未満の者)等に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、児童に対し、「性交等」をすることを指します。
「性交等」には、通常の性交およびその類似行為のほか、児童の性器等(性器、肛門または乳)を触ったり、自己の性器等を児童に触らせたりする行為が該当します。
更に、性交等の対償を供与する相手方は、①児童のみならず、②児童との性交等をあっせんする者、③児童の保護者や児童を自己の支配下に置く者も含まれます。
ですので、たとえば違法風俗店でお金を払って児童と性交等に及んだ場合も児童買春に当たるということになります。
一方、対償の供与の相手方が上記の者以外であったり、そもそも対償の供与やその約束自体なかったりすれば、児童買春は成立しません。
ただし、その場合には、各都道府県が条例で定める「淫行」に該当すると考えられます。
児童買春の罰則は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金とされています。
一方、淫行の罰則は、千葉県の場合2年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
この罰則の差は決して軽視できないものであり、実質的に対償の供与またはその約束の事実の有無がこうした差異をもたらしていると考えられます。
最終的な処分に少なからず影響を及ぼす以上、これらの罪の違いは留意しておくべきでしょう。
【児童買春事件における示談の効果】
被害者との示談は、刑事事件においてその重要性がしばしば説かれるところです。
示談は事件の当事者間において取り交わす合意であり、金銭による被害の補填の事実や、厳しい処罰は望まないという被害者の意思が表れるものだからです。
児童買春事件においては、児童本人が児童買春に同意していることも珍しくないため、そもそも示談に疑問を持たれるかもしれません。
ですが、児童は法による保護の対象とされていますし、なにより未成年者の法定代理人である児童の保護者も実質的な被害者と言えます。
ですので、やはり児童買春事件についても示談の余地はあるのです。
ここで注意しなければならないのは、児童買春事件に関しては、必ずしも示談に高い効果が期待できるとは限らないことです。
たとえば強制わいせつ罪や強制性交等罪については、被害者との示談が不起訴や執行猶予の可能性を大きく高める要素となります。
その理由は、強制わいせつ罪や強制性交等罪が究極的には被害者個人を害する罪であり、その個人の意向を尊重すべきだという考えが根底にあるからだと推測できます。
これらに対し、児童買春は児童の性的搾取を行うものであり、その性質は社会一般を害する罪とされています。
そのため、示談を理由に寛大な処分を下すことに抵抗を抱く検察官や裁判官が珍しくなく、結果的に軽い処分を下すとしても罰金刑にとどめる傾向にあるのです。
以上は飽くまでも一般論であり、実際にどのような弁護活動を行えるかは個々の事件により変わってきます。
示談の当否も含めて、まずは弁護士に相談するのが得策でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、示談に関する様々なご相談にお答えします。
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名誉毀損罪で告訴
千葉県銚子市所在の会社(従業員数50名程度)に勤めるAさんは、上司であるVさんの性格が気に入らず、仕事をやめてほしいと常々思っていました。
ある日、Aさんの会社内で窃盗事件が起こり、社内で聞き取り調査が行われることになりました。
そこで、Aさんは同僚を中心に「Vさんが社員のデスクを物色しているのを見た」という内容の噂を広めました。
Vさんは、噂の出どころがAさんであることを知り、名誉毀損罪として銚子警察署に告訴しました。
焦ったAさんは、弁護士に不起訴にできないか聞いてみました。
(フィクションです。)
【名誉毀損罪について】
刑法(一部抜粋)
第二百三十条 公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。
名誉毀損罪は、公の場で他人の評価を低下させるような事実を摘示した場合に成立する可能性のある罪です。
主なポイントとして、①「公然と」なされたこと、②「事実」の摘示であること、③「事実」の内容の真偽は問わないこと、の3点が挙げられます。
まず、「公然と」とは、摘示された事実を不特定または多数人が認識できる状態であることを指します。
情報の受け手を特定の人物のみに絞っていない、あるいはその特定の人物が人の社会的評価に関わると言えるほど多数であれば、「公然と」に当たると考えられます。
更に、裁判例においては、特定かつ少数の者から不特定または多数の者に事実が伝播しても「公然と」を満たすとされています。
次に、「事実」の摘示が必要であることから、単なる価値判断を示しても名誉毀損罪は成立しません。
たとえば、「あいつは馬鹿だ」という発言は事実の摘示に当たらず、飽くまでも侮辱罪の成否が問題になるに過ぎないでしょう。
最後に、名誉毀損罪の条文には「その事実の有無にかかわらず」とあることから、事実の内容の真偽は問いません。
たとえ摘示された事柄が真実であっても、それが人の社会的評価を低下させる以上は名誉毀損罪による保護に値すると考えられているからです。
ただし、社会一般の利益となるような事実(たとえば政治家の汚職事件の公表)については、一定の要件で適法となり、名誉毀損罪が成立しません。
【不起訴を目指すには】
不起訴とは、ある刑事事件について、裁判が開かれることなく事件が終了することを意味します。
裁判が開かれなければ有罪か無罪かも決まらないので、刑罰が下されたり前科がついたりすることもありません。
理論上は不起訴となった事件を起訴して裁判にかけることもできますが、その要件は厳しいものとされており、実際のところごく稀にしか起こりません。
刑事事件において、起訴か不起訴かの判断を下すのは検察官です。
これは、日本の裁判のルール上、刑事責任の追及が検察官に任されていることに由来します。
検察官としては、被疑者の態度、経歴、有罪となった場合の影響、犯罪立証の難易など、実に様々な事情を考慮して起訴するか不起訴にするかを決めることになります。
主な不起訴の理由は①起訴猶予、②嫌疑不十分、③嫌疑なし、の3つとされており、①は主に被疑者の事情や事件の軽重を考慮した結果、②③は犯罪立証の難易や疑いの程度を考慮した結果なされるものです。
罪を犯したこと自体は争いがない場合、不起訴というと基本的に起訴猶予を目指すことになるかと思います。
名誉毀損罪のケースでは、被害者との示談が非常に重要と考えて差し支えないでしょう。
特に、名誉毀損罪は起訴の際に告訴を要する親告罪なので、示談の際に告訴の取消しを合意できればほぼ確実に不起訴になることが見込まれます。
仮に示談ができなくとも、個々の事案ごとに応じた弁護活動はありうるので、不起訴を目指すならまずは弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に強い弁護士が、不起訴を実現したいというご相談を真摯にお聞きします。
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刑事・少年事件を数多く扱ってきた実績を活かし、相談者様、依頼者様の不安を解消することに努めます。刑事・少年事件に精通した弁護士、職員が連携をとることで、迅速・綿密な弁護活動を提供します。
当事務所では初回無料法律相談サービスを実施しております。また、土日祝日、夜間でも法律相談・接見面会の受付が可能です。お困りの際には、ぜひご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部 弁護士紹介
危険運転致死傷罪で逮捕②
会社員のAさんは、夜勤の日に仮眠を長くとり過ぎてしまい、大慌てで準備をして車に乗りました。
Aさんは「急げば間に合うだろう」と考え、夜間で人通りが少ないことも考慮して、時速50キロ制限の道路を80キロ程度で走行していました。
千葉県印西市の交差点に差し掛かった際、Aさんは信号が赤であることに気づかず、横断歩道を渡っていたVさんに接触してしまいました。
Vさんは跳ね飛ばされて意識を失い、Aさんは危険運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
印西警察署に留置されたAさんは、接見に来た弁護士に取調べ対応を聞きました。
(フィクションです)
【取調べ対応をどうするべきか】
前回の記事では、危険運転致死傷罪の詳細について取り扱いました。
今回は、取調べを受ける際にどのような対応をすべきか説明していきます。
取調べにあたっては、全ての事項について素直に供述するか、それとも一部または全部の事項について供述せず黙秘するか、という選択があります。
被疑者・被告人には、自己の意思に反する供述を強要されないために、黙秘権という権利が定められています。
そのため、逮捕されているか否かを問わず、被疑者は取調べで必ず供述をしなければいけないわけではないのです
取調べの際、素直に供述するか、それとも黙秘するかは、時に判断が難しい事柄です。
というのは、それぞれの振舞いにメリットとデメリットの両方が存在するからです。
まず、素直に供述した場合、被疑者に反省が見られる、捜査に協力的な姿勢である、といった肯定的な評価が得られます
これらの事情により、最終的な処分が軽くなったり、長期の身体拘束の回避につながったりすることがあります。
一方で、素直に供述することで、自己に不利益な事実を認定されてしまうリスクが生じることは見逃せません。
典型例は犯行を自白する場合ですが、否認の場合であっても捜査機関の誘導により誤った事実を認定されてしまう危険はなお残ります。
これに対して、黙秘を貫くのであれば、先ほど見たような不利益な事実の認定は回避できます。
ですが、この場合には、素直に供述することで期待できた処分の軽減や長期の身体拘束の回避といったメリットが享受できなくなります。
以上を前提に、上記事例のAさんがどのような状況に至るか考えてみます。
今回の争点として、Aさんの行為が危険運転に当たるか、すなわちAさんが「赤色信号…を殊更に無視し」たと言えるかどうかが挙げられます(詳しくは前回の記事参照)。
そうすると、仮にAさんが「信号を見落としただけだ」と弁解した場合、捜査機関はこの点が本当か厳しく追及する可能性が高いと考えられます。
もしAさんが厳しい取調べに耐えられなかったり誤導に乗ったりするおそれがあれば、いっそ黙秘してしまうというのも一つの手でしょう。
他方、そうしたおそれがないのであれば、供述できる範囲できちんと供述した方が望ましいかもしれません。
以上の判断は、Aさんの性格や認識などに加えて、他に想定される証拠の存否にも左右されます。
そうすると、総合的に見て最善だと思われる選択を行うことは、一般の方々にとっておそらく難しいかと思います。
ですので、事件の内容を問わず、取調べへの対応については一度弁護士に確認することをおすすめします。
自己の不利益な事実が調書に残ってしまうとそれを覆すのは難しいので、手遅れになる前に弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、豊富な知識と経験に基づき最適な取調べ対応をご教示します。
危険運転致死傷罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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危険運転致死傷罪で逮捕①
会社員のAさんは、夜勤の日に仮眠を長くとり過ぎてしまい、大慌てで準備をして車に乗りました。
Aさんは「急げば間に合うだろう」と考え、夜間で人通りが少ないことも考慮して、時速50キロ制限の道路を80キロ程度で走行していました。
千葉県印西市の交差点に差し掛かった際、Aさんは信号が赤であることに気づかず、横断歩道を渡っていたVさんに接触してしまいました。
Vさんは跳ね飛ばされて意識を失い、Aさんは危険運転致傷罪の疑いで逮捕されました。
印西警察署に留置されたAさんは、接見に来た弁護士に取調べ対応を聞きました。
(フィクションです)
【危険運転による人身事故】
昨今、あおり運転などの危険な運転による凄惨な事故がたびたび見聞されます。
自動車というのは便利な一方で危険性も孕んでおり、一部の法律はそのことを意識して制定されています。
自動車による人身事故の罰則について定めた「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(通称:自動車運転処罰法)は、正にそうした法律の典型例と言えるでしょう。
自動車運転処罰法は、以下のような運転により人を死傷させた場合に、通常の過失運転致死傷罪より重い危険運転致死傷罪が成立するとしています。
① アルコール又は薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為
② その進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
③ その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為
④ 人又は車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人又は車に著しく接近し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
⑤ 赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
⑥ 通行禁止道路(道路標識若しくは道路標示により、又はその他法令の規定により自動車の通行が禁止されている道路又はその部分であって、これを通行することが人又は車に交通の危険を生じさせるものとして政令で定めるものをいう。)を進行し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
上記事例のAさんは、上記⑤の危険運転を疑われています。
⑤の「赤色信号…を殊更に無視し」とは、赤色信号であることを認識しているにもかかわらず、それを全く意に介さないような場合を指します。
そのため、単に信号を見落としたに過ぎないAさんには、上記⑤の危険運転には当たらない可能性があります。
ただ、本当に見落としかどうかは究極的には裁判で判断される事項であり、捜査の段階で危険運転を疑われる可能性は十分あります。
もし上記⑤の危険運転に当たるとすると、Vさんが死傷したと考えられる上記事例では、危険運転致死傷罪が成立する可能性があります。
危険運転致死傷罪の罰則は、結果が負傷にとどまっていれば(1か月以上)15年以下の懲役、死亡に至っていれば1年以上(20年以下)の有期懲役です。
通常の過失運転致死傷罪(7年以下の懲役もしくは禁錮または100万円以下の罰金)と比べると、危険運転を理由とする加重の程度は相当と言えるでしょう。
先述のように、捜査の段階で真実より重い事実を疑われることは、刑事事件において日常的と言えるほど多く見られます。
こうしたケースについては、捜査の要と考えられる取調べにおいてどのように振る舞うかが重要となります。
その点については次回の記事で説明します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、危険運転致死傷罪の弁護活動を徹底的に行います。
危険運転致死傷罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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窃盗事件で不起訴
Aさんは、お金を下ろそうと千葉県流山市内の郵便局へ行ったところ、ATMに財布が置かれていることに気づきました。
その財布は、Aさんが郵便局に来る5分程度前に持ち主のVさんが忘れたものでした。
財布の中には1万円札が数枚とカード類が入っていたことから、Aさんは財布ごと自宅に持ち帰りました。
それから10分後、財布を忘れたことに気づいて戻ってきたVさんが郵便局に相談し、防犯カメラの映像からAさんが持ち去ったことが明らかになりました。
Aさんは窃盗罪の疑いで流山警察署から呼び出しを受けたため、弁護士に不起訴にできないか聞いてみました。
(フィクションです)
【窃盗罪と占有離脱物横領罪】
上記事例において成立する可能性のある罪として、①窃盗罪(刑法235条)と②占有離脱物横領罪(刑法254条)の2つが挙げられます。
刑法(一部抜粋)
第二百三十五条 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第二百五十四条 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
他人の物を盗んだ場合、窃盗罪における「窃取」と占有離脱物横領罪における「横領」の両方に当たると考えられます。
これらの罪を分かつ実質的な基準は、盗んだ物に他人の「占有」が認められるかどうかだと言えます。
「占有」とは財物に対する事実上の支配を指し、占有離脱物横領罪の規定に明記されているだけでなく、窃盗罪における「他人の財物」の解釈にも織り込まれています。
この「占有」の有無は、財物の支配に関する客観的な状況と持ち主の意思から判断されます。
上記事例において、Vさんは財布を忘れたに過ぎず、なおかつ時系列で見てもVさんが財布を肌身から離したのはせいぜい20分程度にとどまっています。
こうした事実は、財布に対するVさんの支配が継続していることを肯定する方向に働くものと言えます。
そうすると、財布にはVさんの「占有」が認められる結果、Aさんには窃盗罪が成立する可能性が高いでしょう。
【不起訴を目指す】
窃盗罪が成立するケースであっても、最終的な処分がどの程度になるのかは事案により様々です。
たとえば、万引きなどで被害額が少額にとどまる場合、回数が重ならない限り微罪処分(訓戒をするなどして警察署限りで事件を終了させること)や不起訴で終了することが多い傾向にあります。
一方、被害額が高額であれば、初犯であってもそうはいかなくなります。
そうしたケースでは、第一に被害者と示談を行って不起訴を獲得することが考えられます。
不起訴とは、裁判を行うことなく検察庁において事件を終了させる決定を指します。
日本において、裁判で有罪を立証する立場にあるのは検察官にあり、ある事件で起訴して裁判を行うかどうかも検察官が決定します。
そのため、検察官が不起訴処分を下すということは、その事件について基本的に刑罰が科されなくなることを意味します。
この点において、不起訴は刑事事件の結果の中で特に望ましいものと言えます。
不起訴処分の理由は様々ですが、その中でも特に多いものとして起訴猶予があります。
起訴猶予とは、事件の内容、被疑者の態度、事件後の事情などの様々な事実を考慮し、有罪立証の見込みが高くとも敢えて起訴を見送るというものです。
これによる不起訴の実現を目指すのであれば、弁護士に依頼して的確な弁護活動を行ってもらうのが得策でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、不起訴による事件の終了を目指して尽力します。
窃盗罪などを疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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