取調べが録音・録画されている場合

取調べは警察官,検察官によって行われますが,被疑者(犯罪の嫌疑がかけられている人のことを言います。)は一人で取調べに臨まなくてはなりません。

たとえ弁護士に依頼をしていても,取調べの場に弁護士が同席することは,法律上も認められていないためです。それゆえ,警察署の取調室や検察庁の検事室において,被疑者はたった一人で取調べを受けることになります。

警察官,検察官は当然,法律に則った取調べを心がけますが,残念ながら違法,不適切な取調べがされてしまう可能性は否定できず,現にそのような取調べがされた例も過去に存在します。

そして,そのような取調べがされてしまった場合,事の真相は違法な取調べを受けた被疑者本人しか知りえません。

違法な取調べで作成された調書に署名,押印してしまえば,裁判になってからこれを争うのは非常に困難です。しかし,取調べの状況が客観的に明らかにされる場合があります。

 

それを可能にするのが,取調べの録音,録画です。

新聞,テレビ等の報道でご存知の方も多いかと思われます。取調べの可視化と呼ばれることもありますが,ここでは取調べの録音,録画についてご説明致します。

取調べの録音,録画は裁判員対象事件等,一部の事件で警察,検察による取調べで試験的に行われてきました。

平成28年には刑事訴訟法が改正されて,裁判員対象事件と検察官独自捜査事件(汚職事件や経済事件が対象になります)の取調べ過程が録音,録画されることになりました。

施行されるまでには時間がありますが,裁判員対象事件での取調べ録音,録画は既に行われています。

録音,録画がされていれば,違法・不適切な取調べがされた場合も,証拠をもって明らかにできるため,重要な改正になります。

注意しなければいけないのは,全ての事件が録音,録画の対象になったわけではないということです。

録音,録画が法律上義務化された裁判員対象事件,検察官独自捜査事件が事件全体の中で占める割合はわずかに3パーセントです。

つまり,録音,録画が法律上義務化されていない事件の方が多いわけです。

また,録音,録画の対象事件であっても,録音,録画をしなくてよい場合が例外的に法律で定められています。

このように,一部の事件について取調べの録音,録画が法律上義務付けられたとはいえ,違法,不適切な取調べがされてしまう余地はあります。

取調べを受けるにあたっての適切なアドバイスは,法律の専門家である弁護士から受けるのが一番です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では,刑事事件を扱う弁護士事務所として,事件に応じた取調べ対応をレクチャーします。

録音,録画の対象事件か否かに関わらず対応しますので,ご不安な点があればぜひ一度ご相談ください。

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