少年事件の特徴

20歳に満たない者は少年法上,「少年」とされて,少年法による規律がされます(少年法2条1項)。

これは,民法上の「成年」が18歳からとなったこととは異なり,これまでと変わりません。

少年事件というと,成人に比べて処分が軽いというイメージを抱かれている方も多いかもしれませんが,実際のところはどうでしょうか。

ここでは,成人の刑事事件と比較して,少年事件の持つ特徴についてご紹介します。

 

少年事件の特徴

まず知っていただきたいのは,少年事件は単なる成人事件の少年版ではないということです。

成人の刑事事件では「行為責任」がキーワードとなります。

つまり,犯してしまった罪の重さに応じて,刑罰を科すことになります。

これに対して,少年法は「少年の健全な育成を期し,非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行う」ことを目的としています(少年法1条)。

少年事件では,弁護士(少年事件では付添人と呼ばれます。)だけでなく,事件を家庭裁判所に送致する検察官や,審判を行う裁判官,裁判官に事件の調査報告を行う家庭裁判所調査官いずれも,この少年法の理念に基づいて手続を進めています。

簡単にまとめると,悪いことをしたからそれに見合う罰を与えるのではなく,どうすれば少年を更生させて再非行を防げるかを関係者で考えていくのが少年事件なのです。

この少年法の理念は,必ずしも成人より処分を軽くすることにはなりません。

成人の場合は行為責任ですので,罪に見合った刑罰になります。

それゆえ,幸いにして被害が大きくならずに済んだ,被害回復が図られたという場合は,刑罰も軽くなります。

これに対して,少年法では要保護性が問題となります。

簡単に述べると,再非行の危険性がどれほどあるかが処分を決めるうえで重要になります。

そして,再非行性を理由に,成人よりも処分が重くなることもありうるのです。

なお,18歳以上の少年は,「特定少年」として成人の刑事事件で考慮される「行為責任」も考慮して保護処分が決められることになりました。ただ,「犯情の軽重」のみを考慮して保護処分が決められるわけではなく,要保護性の観点からの働きかけが重要であることは変わらないでしょう。

例えば,万引きを行ったような場合

例えば,万引きを行ったような場合,成人なら示談で被害弁償をすることで処分は軽くなります。

しかし,少年の場合は,生活環境や本人の性格等を考慮して再非行の危険性が高い場合,被害弁償をしたからといって,一概に処分が軽くなるとは限らないのです。

このように,少年事件では処分の見通しを考えるうえで,通常の成人刑事事件と同様に考えるだけでは足りないのです。

少年事件では,少年事件の特徴を踏まえた活動が弁護士に要求されるのです。

また,少年審判(少年の更生を目的に裁判官が判断を行います。)では,成人の刑事事件以上に時間が限られているため,迅速な準備も必要になります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では,刑事事件,少年事件専門の弁護士事務所として,少年事件の特徴を踏まえた付添人活動を行います。

少年事件の経験豊富な弁護士への依頼,相談をお考えの場合は,まず一度ご連絡ください。

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