殺人未遂罪で逮捕

会社員のAさんは、上司のVさんから日常的に殴る、怒鳴るといったパワハラを受けていました。
そのパワハラがあまりにも激しかったことから、Aさんはうつ病の診断を受け、会社を休職して自宅で療養することになりました。
ある日、Aさんが千葉県匝瑳市内の駅で電車を待っていたところ、偶然にも前にVさんが並んでいることに気づきました。
そこで、Aさんは偶然を装ってVさんにぶつかり、Vさんを線路に落としました。
幸いにもVさんに怪我はなく、他の乗客により電車が来る前に救出されました。
その後、監視カメラの映像や目撃者の証言が証拠となり、Aさんは殺人未遂罪の疑いで匝瑳警察署に逮捕されました。
起訴後にAさんの弁護人となった弁護士は、情状弁護を行って執行猶予を目指すことにしました。
(フィクションです。)

【殺人未遂罪について】

人を殺害しようとしたものの、その目的を遂げなかった場合、殺人未遂罪が成立する可能性があります。
「殺人未遂」という言葉はニュースなどでよく耳にすることから、数ある犯罪の中では比較的なじみのある方かもしれません。
ですが、実は殺人未遂罪は犯罪の中で少し特殊な部類に属します。
というのは、元の犯罪(殺人罪)が想定している権利・利益(人の生命)を侵害していないにもかかわらず、犯罪として罰するものとされているからです。
本来、犯罪というのは全て保護の対象となる権利・利益が想定されており、それを侵害してはじめて処罰が正当化されます。
そこで、刑法はわざわざ「未遂を罰する場合は、各本条で定める」(刑法44条)という規定を置いています。
つまり、未遂罪を認めるのであれば必ずその旨規定されなければなりません。
これに従って殺人未遂罪が規定されているからこそ、殺人未遂罪という罪の存在が認められているのです。

殺人未遂罪が成立するのは、殺人の現実的危険性を惹起する行為に及んだ場合です。
この判断は法的な評価に左右されるものであり、個々の事案における様々な事情を考慮して決せられます。
注意すべきは、相手方が怪我を負わずとも殺人未遂罪が成立する余地がある点です。
上記事例では、AさんがVさんを線路の上に突き落としています。
仮に電車が通過した場合、Vさんが轢かれて死亡する可能性は決して低くないと言えます。
そうすると、線路に突き落とすことで殺人の現実的危険性を惹起したとして、殺人未遂罪が成立する余地があるのです。

【情状弁護による刑の減軽】

殺人未遂罪を犯した場合に科される刑は、殺人罪の法定刑を基準に未遂という事情を加味したものになります。
ただし、未遂による刑の減軽を認めるかどうかは裁判官に委ねられており、必ず減軽されるとは限らない点に注意が必要です。
もし未遂減軽となるのであれば、殺人未遂罪の刑は重いもので無期懲役、軽いもので2年半の懲役となるでしょう。

また、他に酌むべき事情があれば刑の範囲に更に影響を及ぼす可能性があります。
その例としては、被害者との示談の締結や、精神疾患による判断能力の欠如などが考えられます。
弁護士としては、これらを含む被告人に有利な事情を可能な限りピックアップし、それを裁判で説得的に主張することになります。
裁判というのは闇雲に喋るだけでは評価されにくいので、事実を整理し、それを証拠などと共に適切に述べることが重要です。
こうした情状弁護は弁護士の得意分野なので、特に殺人未遂罪のような重い罪を犯したケースでは、弁護士に依頼することが有益でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、豊富な知識と経験に基づき最適な情状弁護を行います。
ご家族などが殺人未遂罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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