多くの人にとって,刑事事件の当事者になるのは初めてのことだと思います。
身体拘束の伴う逮捕に,事件によっては長時間・長期間に及ぶ取調べを受けるなど,未知なことが多いと思います。
そして,裁判になった場合はどうなるのかということも、大きな関心事の一つだと思います。
ここでは裁判になった場合の手続の進行について確認していきましょう。
裁判になった場合の手続の進行ついて
被疑者(犯罪の嫌疑がかけられている人のことを言います。)を裁判にかけることを起訴と言います。
起訴の権限は検察官が有しています。
起訴された場合,被疑者は被告人と呼び方が変わり,余罪がある場合等を除き,以後は取調べを受けることがほとんどなくなります。
また,起訴された場合,警察署内の留置所から,拘置所へと拘束場所が変わります。
ただし、起訴されても,すぐに裁判が始まるわけではありません。
裁判所の法定に立つのは,起訴されてから通常1ヶ月ないし2ヶ月後になります。
身体拘束されている場合,裁判中も拘束が継続します。
ただし,起訴されてからは保釈の請求ができるようになり,保釈請求が認められれば拘束は解かれます。
裁判の対象になっている犯罪事実に争いがない場合,裁判所の審理は1回で終わることが多いです。
この場合,最初に裁判所へ出頭した第一審で審理は終了し,次の回で判決が言い渡されます。
起訴された事件では,有罪判決が下される可能性は極めて高いです。
これは,犯人の特定や犯罪の成立に疑問が残る場合に,検察官が起訴を避けるためです。
もっとも,裁判所から有罪判決を受けたとしても,必ずしも刑務所に収容されるわけではありません。
犯した罪の重さや再犯可能性を考慮して,社会内でも十分に更生が期待できると裁判所が判断した場合,刑務所への収容が猶予されるのです。
これがよく耳にする執行猶予の制度です。
執行猶予になった場合
執行猶予になった場合,すぐに刑務所へ収容されるのではなく,一定期間,収容までの猶予がもらえます。
例えば,懲役3年,執行猶予5年の判決が言い渡された場合,判決から5年間は刑務所に行かなくて済みます。
そして,この5年の間に罪を犯すことなく過ごしていれば,3年の懲役刑も受けずに済むのです。
ただし,再び罪を犯してしまった場合は,執行猶予が取り消されて刑務所に収容される可能性があります。
また,犯した罪が重大な場合,そもそも執行猶予が法律上つけられない罪もあるため,注意が必要です。
このように,起訴された場合は,執行猶予を求めて弁護活動を展開していくことになります。
執行猶予の有無で刑務所に収容されるかが決まってしまうため,起訴された場合に執行猶予を目指す活動は非常に重要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では,刑事事件を扱う弁護士事務所として,執行猶予獲得に向けた弁護活動を誠心誠意進めさせていただきます。