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体罰で示談
体罰で示談
体罰をして示談するケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【ケース】
Xさんは、千葉県千葉市の公立中学校で英語の授業を担当している教員で、教師になってから3年目でした。
Xさんの勤める中学校は、素行のよくない生徒が少なくなかったため、授業中集中して授業を受ける生徒の数の方が少なく、多くの生徒はスマホをいじっていたり、会話をしたり、授業と関係ない作業を行っていました。
そういった状況でも普段は、淡々と授業を行ってきたXさんでしたが、この日は体調が悪かったこともあり、生徒に対し、イライラが募っていきました。
この日、Xさんは、普段と違って、生徒に対し、スマホを使用しないよう注意しました。すると、ある生徒がXさんに反抗し、そのままスマホをいじり続けていました。
Xさんは突発的な怒りから、スマホをいじっていた生徒の手をたたき、スマホを取り上げました。
クラスは大騒ぎになり、被害生徒の両親が被害届取下げを提出、その結果、Xさんは、千葉県警千葉中央警察署の警察官により傷害事件の犯人として取り調べを受けることになりました。
(フィクションです。)
【体罰と刑事事件】
学校というのは、生徒に対して心身の発達段階に応じた教育・指導を行い、個人の健全な育成を図る場です。
そうした学校の役割から、学校教育法11条は、「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない」と定めています。
この懲戒は当然ですが、「教育上必要があると認められるとき」にしか行えません。
そして、生徒に対して暴力を振るったりする「体罰」は、いかなる場合においても許されません。
では、どういった行為が、「懲戒」として許され、どういった行為が「体罰」として許されないのでしょうか。
文部科学省はホームページ上で参考事例と称し、具体例を挙げています(文部科学省HP 学校教育法第11条に規定する児童生徒の懲戒・体罰等に関する参考事例参照)。
具体的には、「体育の授業中、危険な行為をした児童の背中を足で踏みつける」、「授業態度について指導したが反抗的な言動をした複数の生徒らの頬を平手打ちする」行為は、体罰として許されない行為であるが、
他方、「授業中、教室内に起立させる」、「立ち歩きの多い児童生徒を叱って席につかせる」行為は懲戒の範囲として許されると考えられています。
体罰が発覚した場合、生徒の親をはじめとする関係者から責任を追及されたり、人事権者から懲戒処分を下されたりする場面はよく見られます。
ところが、体罰は、懲戒処分で済むとは限らず、当然ですが、それが、犯罪に当たる行為であれば、懲戒処分に加えて、刑事責任を追及される可能性があることも忘れるべきではありません。
暴行を加えれば、暴行罪や傷害罪などになる可能性があり、義務のないことを無理やり行わせれば強要罪になることもあります。
以上のような犯罪が成立する場合の刑事責任の追及は、先ほど挙げた懲戒処分などとは別であることには注意が必要です。
謝罪や依願退職などを行い、学校内での処分を免れたとしても、刑事手続きが終了するとは限りません。
特に、被害者やその両親が被害届を出したとなると、刑事事件として扱われる可能性は高まるでしょう。
【示談で解決するには】
体罰が刑事事件となった場合には、通常の刑事事件と同じく示談は重要な弁護活動になります。
体罰という名前がついていたとしても、傷害ないし暴行事件という実態に変わりはないからです。
ただ、体罰が問題になるケースにおいては、当事者が教員と生徒の関係にあるという特殊性があります。
保護者が交渉の窓口になるため、これまでの保護者と先生との人間関係が示談交渉に直接的に関係してくることになります。被害届が出てしまっている場合には、保護者の感情が悪化している恐れがあるため、示談交渉は難航するおそれがあります。
そうしたケースでは、少なくとも弁護士に示談交渉を委ねる必要があるでしょう。
加害者側の先生としては、たとえ保護者の連絡先を知っていたとしても、安易に接触することにより逮捕の可能性が高まることはもとより、交渉そのものも感情面が先に立ちうまくいかない可能性が高まります。
示談交渉は、感情がこじれると長期化、難化する可能性が高まるため、最初から弁護士を入れたうえで交渉に臨む方が示談成功の可能性は高まるでしょう。
示談が成立すれば不起訴や執行猶予となることも十分考えられます。
自己の体罰を反省して再び前を向くためにも、示談は弁護士に依頼して不起訴や執行猶予の可能性を少しでも高めましょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が、体罰をしてしまった方のための示談交渉に手を尽くします。
もし体罰をしてしまったら、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所(0120-631-881)にお電話ください。
刑事事件・少年事件専門の法律事務所として、示談交渉をはじめとする多様な弁護活動に取り組みます。
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詐欺事件で保釈請求③
詐欺事件で保釈請求を行うケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【ケース】
Aさんは,知人であるBさんからの誘いを受け,あるバイトをすることになりました。
そのバイトの内容は,「民事訴訟最終通達書」と題する文書を葉書に印刷し,その葉書を投函するというものでした。
葉書に印刷された文書は「訴訟告知センター」という架空の団体名義(押印つき)であり,民事訴訟が提起されていること,記載してある連絡先に連絡しなければ強制執行が行われることなどが書かれていました。
そして,実際にこの葉書を見て連絡した人が,電話の相手に言われるがまま口座に金銭を振り込むという詐欺事件も起きていました。
Aさんは,バイトが詐欺に関するものだとうっすら気づいていましたが,時給が良いという理由で続けていました。
そうしたところ,Aさんは有印私文書偽造罪の疑いで我孫子警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は,今回の件で詐欺罪に問われる可能性を伝えたうえで,身柄解放の手段として保釈について説明しました。
(フィクションです。)
【保釈制度の概要】
「保釈」という言葉は,たとえば芸能人が逮捕された事件に関するニュースなどで耳にすることがあるのではないかと思います。
今回の記事では,保釈について詳しく見ていきます。
保釈とは,一定額の金銭を裁判所に預けるのと引き換えに,少なくとも判決が下されるまで身体拘束を解いてもらうという手続です。
逮捕された直後から行えるわけではなく,起訴されて被告人となった段階ではじめて可能となるものです。
保釈に至るまでの流れは,①裁判所に対する保釈請求,②裁判所による保釈の許可,③保釈保証金の納付,④保釈,というかたちになっています。
まず,保釈の許可を受ける前提として,裁判所に対して保釈請求をしなければなりません。
請求を受けた裁判所は,保釈請求書や事件記録の内容に基づき,法律上保釈を許可しても差し支えないか審査することになります。
もし裁判所が保釈を認めてもよいと判断した場合,保釈の許可決定と保釈保証金の額を伝えられます。
その伝達を受けたら,裁判所にて保釈保証金の納付の手続を行い,それが正常に処理されてはじめて保釈に至ります。
保釈の際に預けた保釈保証金は,被告人が逃亡や証拠隠滅などの特定の行動に及ぶと没収されるおそれがあります。
そして,保釈保証金は個々人の経済力などを考慮して高額と感じるような金額が設定されるため,被告人としては逃亡や証拠隠滅などを図りづらくなります。
このようなかたちでいわば担保が存在しているからこそ,逃亡などに及ぶ可能性が低いとして身柄解放が比較的認められやすくなっているのです。
起訴前の段階では身柄解放の実現が難しい事案でも,保釈による身柄解放であれば実現する可能性があるということは珍しくありません。
上記のとおり,保釈保証金は没収のリスクにより被告人の逃亡などを防ぐ役割を果たします。
そのため,被告人が逃亡などに及ぶことなく無事に判決が下された場合には,一定の期間を置いて最終的に返還されます。
この点は,たとえ被告人が刑務所へ入ることになったとしても変わりません。
もし保釈保証金の捻出が難しければ,保釈支援協会という機関を頼ることもできます。
ですので,お金を支払えないからという理由で早々に保釈を諦めるのはもったいないと言っても過言ではないでしょう。
以上のとおり,今回の記事では保釈について取り扱いました。
ですが,今回述べた事柄は保釈制度の一部に過ぎず,このほかにどうしても法律上の難解な点がつきまとうことになります。
もし保釈に関して何か疑問点などございましたら,お近くの弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、個々のケースに応じて保釈に関するご説明を致します。
ご家族などが詐欺事件で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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詐欺事件で保釈請求②
詐欺事件で保釈請求を行うケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
このテーマは前編・中編・後編と分かれており,前編と中編(今回)で詐欺事件を,後編で保釈請求を取り扱います。
【ケース】
Aさんは,知人であるBさんからの誘いを受け,あるバイトをすることになりました。
そのバイトの内容は,「民事訴訟最終通達書」と題する文書を葉書に印刷し,その葉書を投函するというものでした。
葉書に印刷された文書は「訴訟告知センター」という架空の団体名義(押印つき)であり,民事訴訟が提起されていること,記載してある連絡先に連絡しなければ強制執行が行われることなどが書かれていました。
そして,実際にこの葉書を見て連絡した人が,電話の相手に言われるがまま口座に金銭を振り込むという詐欺事件も起きていました。
Aさんは,バイトが詐欺に関するものだとうっすら気づいていましたが,時給が良いという理由で続けていました。
そうしたところ,Aさんは有印私文書偽造罪の疑いで我孫子警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は,今回の件で詐欺罪に問われる可能性を伝えたうえで,身柄解放の手段として保釈について説明しました。
(フィクションです。)
【今回のケースにおいて問題となる行為】
今回のケースで問題となりうるのは,①葉書の作成および投函,②葉書を受け取った者による金銭の振込,の2点です。
今回の記事では,このうち②について取り扱います。
【②について~詐欺罪成立の可能性~】
まず,今回のケースで問題となっている葉書は,民事訴訟が提起されていること,記載してある連絡先に連絡しなければ強制執行が行われることなどが書かれているものです。
そして,この葉書を見て連絡した人に対し,電話担当が金銭の振込を促し,これにより葉書を見た人が金銭を振り込んでいると考えられます。
このような行為について,詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪は,他人を欺いて財産を受け取った場合に成立する可能性のある罪です。
具体的に言うと,①他人を欺く行為(「欺罔行為」と呼ばれます)により,②その他人が錯誤に陥り,③錯誤に陥った状態で財産を交付することが詐欺罪の要件です。
今回のケースにおける葉書の郵送と電話での案内は,民事訴訟が提起されており,指定された口座に金銭を振り込まなければ強制執行などの不利益を被ると他人に誤信させる内容のものと考えられます。
そうすると,金銭を支払う必要があるように装う点で,①の他人を欺く行為に当たると言えます。
更に,振込を行った人は,葉書と電話を受けてそのように誤信したと考えられるため,②の錯誤も認められるでしょう。
そして,これにより振込を行った以上,③の財産の交付はあったと評価できます(厳密に言うとこの点はもう少し検討が必要ですが,難解であるため割愛します)。
よって,やはり詐欺罪が成立する可能性があります。
それでは,Aさんも詐欺罪の責任を負うことになるのでしょうか。
Aさんは葉書を作成して投函しただけで,金銭を振り込ませるような行為は行っていないことから,せいぜい詐欺未遂罪の責任を負うに過ぎないようにも思えます。
ですが,結論としては,Aさんに詐欺罪が成立する可能性があります。
今回のように複数人が互いに通じ合って犯行に及び,なおかつそれぞれが重要な役割を果たしている場合,犯罪に関与した者は「共同正犯」(刑法60条)という関係に当たる余地が出てきます。
仮に共同正犯の関係に立つとすると,たとえ一部の行為しかしていなくても,全部の行為をおこなったものとして責任を負うことになるのです。
したがって,Aさんは他の者が行った行為についても責任を負うおそれがあるということになります。
前回の記事で確認したように,今回のケースではAさんに有印私文書偽造罪と偽造有印私文書行使罪も成立する可能性があります。
これに詐欺罪が加わるので,事件としては重い部類に属すると評価できます。
ちなみに,文書偽造罪,偽造文書行使罪,詐欺罪はそれぞれ牽連犯(前回の記事参照)の関係に立つとされています。
そのため,1個の罪とみなされて1個の刑が科されることが予想されるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、比較的なじみのある犯罪である詐欺罪についても詳しく説明いたします。
ご家族などが詐欺事件で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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詐欺事件で保釈請求
詐欺事件で保釈請求を行うケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
このテーマは前編・中編・後編と分かれており,前編(今回)と中編で詐欺事件を,後編で保釈請求を取り扱います。
【ケース】
Aさんは,知人であるBさんからの誘いを受け,あるバイトをすることになりました。
そのバイトの内容は,「民事訴訟最終通達書」と題する文書をはがきに印刷し,そのはがきを投函するというものでした。
はがきに印刷された文書は「訴訟告知センター」という架空の団体名義(押印つき)であり,民事訴訟が提起されていること,記載してある連絡先に連絡しなければ強制執行が行われることなどが書かれていました。
そして,実際にこのはがきを見て連絡した人が,電話の相手に言われるがまま口座に金銭を振り込むという詐欺事件も起きていました。
Aさんは,バイトが詐欺に関するものだとうっすら気づいていましたが,時給が良いという理由で続けていました。
そうしたところ,Aさんは有印私文書偽造罪の疑いで我孫子警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は,今回の件で詐欺罪に問われる可能性を伝えたうえで,身柄解放の手段として保釈について説明しました。
(フィクションです。)
【今回のケースにおいて問題となる行為】
今回のケースで問題となりうるのは,①はがきの作成および投函,②はがきを受け取った者による金銭の振込,の2点です。
今回の記事では,①の行為につきどのような犯罪が成立する可能性があるか順に見ていきます。
【①について~文書偽造罪成立の可能性~】
Aさんは,「訴訟告知センター」という名義の文書を作成し,それをポストに投函しています。
このような行為につき,文書偽造罪と偽造文書行使罪が成立する可能性があります。
文書偽造罪は,一定の内容の文書を「偽造」した場合に成立する可能性のある罪です。
文書偽造罪における「偽造」とは,①作成権限のない者が文書を作成することを指すと考えられています。
また,このことを別の観点から説明した定義として,②「作成者と名義人の人格の同一性を偽ること」を指すとされることもあります。
今回のケースでは,結論から言うと「偽造」に当たる可能性があると言えます。
Aさんはバイトの業務として指示のもと「訴訟告知センター」を名乗っているので,この名義ではがきを作成することにつき作成権限はあるように思えます。
しかし,文書偽造罪というのは文書に対する社会一般の信頼を保護する罪なので,文書の名義についてはその名義が持つ意味なども重要になると考えられます。
そう考えたとき,今回問題となったはがきの名義人は,「訴訟に関して一定の対応を行うことが許されている『訴訟告知センター』という団体」だと言えます。
一方,はがきの作成者であるAさんを含め,「訴訟告知センター」という団体名を名乗っている者に,訴訟に関して一定の対応を行うことは許されていません。
こうした場合については,作成者と名義人が異なるとして「偽造」に当たると判断されることが予想されるのです。
Aさんによるはがきの作成が「偽造」に当たるとすると,はがきの内容などからして,Aさんには有印私文書偽造罪が成立すると考えられます。
更に,作成したはがきを郵送することで他人が閲覧できる状態にしたことから,更に偽造有印私文書行使罪の成立もありえます。
有印私文書偽造罪の法定刑は3か月以上5年以下の懲役であり,偽造有印私文書行使罪の法定刑も偽造罪と同様です。
これらの罪は,手段と結果の関係に立つとして54条1項が適用されます(こうした関係は「牽連犯」と呼ばれます)。
そのため,それぞれの罪につき別々に刑が科されてそれが合算されたりせず,1個の罪を犯した場合と同様に1個の刑が科されることになるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、個々のケースを丁寧に聞き取ったうえで文書偽造罪の成否をお伝えします。
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強要罪と逮捕
強要罪と逮捕について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所名古屋支部が解説します。
【ケース】
Aさんは,千葉県松戸市のコンビニで弁当を買った際,従業員のVさんが弁当を雑に扱ったことに怒りを覚えました。
Aさんがそのことを指摘しましたが,Vさんはぼそぼそと「すんません」などと口走っただけでした。
それに激昂したAさんは,Vさんに怒鳴り散らしたうえで,「お前土下座しろや。せんとどうなるかわかっとんのやろな」と詰め寄りました。
これを受けて恐怖心を抱いたVさんは,Aさんに対して土下座をしました。
後日,Vさんがコンビニの店長に事の詳細を話したのがきっかけで,松戸東警察署が強要罪の疑いで捜査を開始しました。
後日,Aさんは松戸東警察署から呼び出しを受けたため,逮捕のことなどを含めて出頭前に弁護士に相談しておくことにしました。
(フィクションです)
【強要罪について】
刑法第二百二十三条
生命,身体,自由,名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,又は暴行を用いて,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した者は,三年以下の懲役に処する。
2 親族の生命,身体,自由,名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し,人に義務のないことを行わせ,又は権利の行使を妨害した者も,前項と同様とする。
3 前二項の罪の未遂は,罰する。
他人に義務のない行為を無理やり行わせたり,本来であれば他人が自由に行える行為を無理やり妨害したりした場合,強要罪に当たる可能性があります。
強要罪の具体的な成立要件を挙げると,①暴行または脅迫,②相手方による義務のない行為または権利の不行使,③①と②との間の因果関係,です。
強要罪を疑われた事件の中で記憶に新しいものとして,今回のケースのようないわゆる土下座強要が挙げられるかと思います。
今回のケースでは,AさんがVさんに対し「お前土下座しろや。せんとどうなるかわかっとんのやろな」と発言し,これに恐怖心を抱いたVさんが土下座しています。
まず,Aさんの発言は,世間一般の感覚からすれば「土下座をしないと身体に危害を加えられる」と受け取られるものだと考えられます。
この点は,発言に至った経緯や発言の仕方といった具体的な状況に左右されますが,おおむね「脅迫」と評価されても不思議ではないでしょう。
そして,この発言を受けたVさんは,最終的に土下座に至っています。
いくらVさんが謝罪すべき立場にあったとしても,土下座という方法をとることに義務はないと言えます。
以上より,Aさんは脅迫によりVさんに義務のない行為をさせていることから,強要罪に当たると考えられます。
【逮捕がもつ本当の意味】
刑事事件において行われる逮捕については,一般の方々の認識と実際の意味とにずれがあるかもしれません。
第一に,逮捕はしばしば刑事事件を起こしたことに対する制裁のように捉えられますが,実際にはそうではありません。
逮捕が行われる段階というのは,有罪か無罪かの判断が下される前に当たり,逮捕される被疑者は飽くまでも罪を犯した疑いがあるに過ぎません。
逮捕の本当の目的は,被疑者の行動の自由を制限することで,逃亡や証拠隠滅を防止して裁判の準備をしやすくするというものなのです。
また,ニュースを見ていると,重大な犯罪と共に「逮捕」という文字を見ることが多いかもしれません。
ですが,本来犯罪の重さと逮捕の可能性とは直接的な結びつきを持ちません。
重大な犯罪と逮捕が結びつきやすい理由としては,犯罪が重大であればあるほど,被疑者が逃亡や証拠隠滅に及ぶ可能性が高いと考えられやすいからです。
結局のところ,逮捕の目的は逃亡と証拠隠滅の防止にあるので,これらの行為に及ぶ危険性が高ければ犯罪の軽重を問わず逮捕されやすくなると言えます。
更に,細かいことではありますが,厳密な意味での「逮捕」というのは,捜査機関による身柄の確保から72時間の身体拘束のことです。
これより長い身体拘束については,正確に言うと「勾留」という手続であって,本来の逮捕ではありません。
とはいえ,弁護士であっても身体拘束されている状態一般を便宜上「逮捕されている」と言ったりするので,この点に殊更気をつける必要はあまりないように思えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,釈放を実現した実績のある弁護士が,逮捕された方の釈放を目指して的確な弁護活動を行います。
ご家族などが強要罪の疑いで逮捕されたら,刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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飲酒運転と執行猶予
飲酒運転と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【ケース】
Xさんは普段はお酒を飲まないため、同僚や上司飲み会を断っていました。ところが、年末の忘年会だけはどうしても断ることができず、参加することになりました。
忘年会でもXさんはお酒を飲むつもりがなかったため、当日は自身の車で千葉県市原市にある会社まで通勤し、仕事終わりに、会社の近くにある居酒屋で会社の同僚と忘年会を行いました。
忘年会では飲むつもりはなかったXさんでしたが、社長から「乾杯くらいはいいだろ。あと数時間もすればお酒も抜けるよ。」と言われ、どうしても断ることができず乾杯だけすることにし、ビールをグラスで1杯だけ飲みました。
その後、Xさんはお酒を飲むことなく忘年会が終了し、自分の車で帰ることになりましたが、普段からの疲労と久しぶりの飲み会で気が緩んだのか、うとうとしてしまい、運転中、壁に激突してしまいました。
その後、通行人から通報があり、千葉県市原警察署の警察官がやってきて、呼気検査がなされ、その結果が呼気1ℓ中のアルコール濃度が0.3mgであったため、道路交通法違反(酒気帯び運転)の疑いで取り調べを受けることになりました。
実は、Xさんは、3年前に飲酒運転で罰金刑を受けたことがあり、今回注意をしていたのですが、すっかりアルコールが抜けていると思っていたので運転してしまっていたのでした。
(フィクションです。)
【飲酒運転について】
飲酒運転については、道路交通法に禁止規定と罰則が定められています。
まず、道路交通法65条は、「酒気帯び運転等の禁止」として、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」としています。
この規定が飲酒運転の禁止を定めたものです。
他方で、飲酒運転の罰則については、飲酒運転の具体的な内容に応じて以下のとおり2通り存在します。
ひとつは、「酒気帯び運転」と呼ばれるものです。
酒気帯び運転は、身体に一定程度以上のアルコールを保有した状態で運転した場合に成立するものです。
具体的なアルコールの基準値は道路交通法施行令に定められており、令和元年12月現在,①血液1mlにつき0.3mgまたは②呼気1ℓにつき0.15mgです。
実務においては、②の基準を通常利用します。
罰則は3年以下の懲役または50万円以下の罰金です(同法117条の2の2の3号)。
もうひとつは、「酒酔い運転」と呼ばれるものです。
酒酔い運転は、「酒に酔つた状態」、すなわち「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」で運転した場合に成立します。
酒酔い運転に該当するかどうかは、飲酒運転を検挙した警察官などが視認することで確認する場合が多く、呼気検査の数値が大きいかどうかだけで判断されるものではありません。
たとえば、道路の白線の上を真っすぐ歩けるか、受け答えがはっきりしているか、などの事情が考慮されることとなります。
警察によりこういった判定がなされた結果、酒酔い運転と判断された場合、たとえ呼気検査の結果が低かったとしても安心することはできないので、注意が必要です。
罰則は、酒気帯び運転よりも重い、5年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています(117条の2の1号)。
【執行猶予を獲得するには】
飲酒運転が発覚した場合、初犯(これまで前科がなかった人)であれば、呼気検査の結果がそれほど重いものでなければ、略式命令(法廷ではなく書面で裁判を行う簡易な手続)による罰金刑で終わる可能性があり、裁判所に出頭することなく、簡便に事件が終了する可能性も見込めます。
ところが、上記事例のXさんのように2回目の飲酒運転となると呼気検査の結果が高い数値でなかったとしても、反省を促すなどの目的で、検察官が裁判を請求する可能性が出てきます。
そうなってしまった場合、刑務所への収容を回避するために、公判廷で罰金刑を求めるかあるいは、懲役刑を受けるとしても、執行猶予を目指していくこととなります。
執行猶予付きの判決とは、被告人に対し、懲役刑を課しながら、一定期間社会内で更生のチャンスを与え、その期間被告人が何らかの犯罪行為を犯すことなく期間が経過した場合には、懲役刑を免除するという判決であり、懲役刑の判決を受けたとしても、刑務所に行かず引き続き社会内で生活を行うことができる判決です。
裁判官が、懲役刑執行猶予を付するかどうかは、アルコール濃度ももちろんですが、アルコールを摂取するに至った経緯や飲酒運転に至った経緯、事件後の被告人の反省の程度、更生に向けた被告人の動きなどの様々な事情を考慮して決めるものです。
今回のXさんは2度目の飲酒運転であり、裁判官に対し、単に「もう飲酒運転をしません」と話したところで説得力に欠ける部分があることは否定できません。
そうした状況下で執行猶予の可能性を高めるのであれば、今回の件を真摯に受け止めていること、更生の余地があることをよりしっかりとアピールする必要があるでしょう。
執行猶予を目指すなら、まずは弁護士に相談するのが賢明と言えます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、執行猶予の獲得を目指して尽力します。
飲酒運転を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、示談の締結をはじめとする的確な弁護活動を行います。
強要罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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盗撮事件で示談
盗撮事件で示談を目指すケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【ケース】
Xさんは、JR船橋駅から津田沼駅を走行中の列車内で好みの女性を発見し、衝動的に下着を見たいと思いました。
スーツのポケットに入っていたスマホを手提げ鞄のポケットに、動画モードにしたうえでレンズが表になるように入れ、女性の下着が映る角度になるよう、鞄を移動させました。
不自然な位置に鞄があることに違和感を持った被害者の女性がXさんに声をかけ、スマホを見せるよう要求したところ、Xさんは津田沼駅で降りて逃走を図りましたが、駅員に取り押さえられ、そのまま千葉県警習志野警察の警察官が来て、千葉県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで捜査を受けることとなりました。
(フィクションです。)
【盗撮の罪について】
電車内で盗撮行為を行うことは、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(いわゆる迷惑防止条例)違反として、犯罪行為となり、罰金または懲役刑を科される可能性があります。
実は、盗撮を犯罪として処罰する旨規定しているのは、法律ではなく各都道府県が定める条例です。
条例というのは各自治体が定めるものであり、「国」単位での決まりではなく、「都道府県」や「市町村」単位での決まりです。つまり、たとえば、千葉県で行った電車内での盗撮行為と、東京都で行った電車内での盗撮行為は同じ行為であっても、適用されるルールが異なるというわけです。
千葉県では、「千葉県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(通称:千葉県迷惑防止条例)が盗撮に関する規定を置いています。
この条例によれば、公共の場所または公共の乗物における「卑わいな言動」が禁止されています。法解釈上、「卑わいな言動」に盗撮行為が含まれると解釈されています。
千葉県における盗撮行為に対する罰則は、通常、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金です。仮に常習であると認められた場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という通常のケースの2倍重い処理がなされることになります。
また、盗撮行為を行った人が、以前にも盗撮行為で警察に捕まったことがあったり、警察沙汰になっていないとしても、スマホ内に大量に盗撮画像があるなど、いわゆる「余罪」が複数にある場合には、通常の盗撮行為と比較して、より厳しい刑が科される可能性は高まります。
ちなみに、今回のケースとは異なりますが、たとえばホテルの部屋の中で女性を盗撮するなど、公共の場所または公共の乗物とは言えない場所で盗撮行為を行った場合には、迷惑防止条例ではなく軽犯罪法に違反することが予想されます。
軽犯罪法違反の罰則は拘留(1日以上30日未満の拘置)または科料(1000円以上1万円未満の金銭の納付)なので,条例違反の場合と比べて刑罰は軽い処理となる可能性が高いでしょう。
もっとも、例えば東京都は、近年「公共性」をより広く解釈し、住居、便所、浴場、更衣室なども処罰の対象に加えるなど処罰範囲を拡大しています。このように、都道府県によっては、一般的に見て、公共の場所または公共の乗物と評価できないような場合にも条例が処罰の対象とすることがありうるので、注意が必要です。
【示談交渉の困難さ】
盗撮を含む性犯罪の場合には特に、被害者の方から示談交渉を含めて一切の接触をしたくないと言われることも珍しくありません。
うまく連絡先を被害者の方からいただけたとしても、当然ですが被害者の方は怒っておられることが多く、被害者の方も、頭では金銭的賠償を受ける必要があるとわかってはいても、感情的に弁償を受けたくない、弁償を受けることで加害者が軽く処罰されるのは許せないなど、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いており、容易に示談ができないことが多いです。
とはいえ、示談成功により刑事処分が軽減される可能性は小さくありません。示談がうまくいくかどうかで刑事処分の見込みも大きく変わってくる可能性があります。
弁護士による示談交渉には、以下のようなメリットがあります。
まず、事件の当事者同士が直接交渉を行う必要がありません。
当事者同士で示談交渉を行うことは、被害者あるいは、被害者の関係者と接触を行うということであり、それだけで逮捕のリスクが高まってしまいます。また、交渉そのものも、当事者自身が窓口となっていると、感情面が先に立ってしまうことが多く困難となるケースが多くみられます。
この点、弁護士による交渉であれば、こういったマイナス面なく純粋に交渉に臨むことができる可能性が高まります。
被害者としても、加害者と直接連絡を取る必要がないことから、安心して示談交渉を行うことができます。
次に、法律の専門家としての強みを発揮できます。
つまり、単純に「お金を支払う」だけではなく、刑事処分との関係で意味のある条項を示談の内容に盛り込むことでより有効な合意を締結することができます。
書面を作成することで、後々紛争が蒸し返された際に上手く対処できる可能性も高まります。
以上の点から、示談交渉は弁護士に任せるとよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の刑事事件と接してきた弁護士が、示談交渉にも自信を持って取り組みます。
盗撮を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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強制わいせつ罪と少年院送致
強制わいせつ罪と少年院送致について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【ケース】
千葉県浦安市に住むAさんは,中学3年生の頃,強制わいせつ事件を起こして家庭裁判所で保護観察処分を受けました。
ですが,そのときにAさんの両親は特段Aさんに指導などを行わず,「そういう年頃だから」と楽観的に受け止めていました。
やがてAさんは高校に入学し,近所に住む女児Vさん(8歳)にわいせつな行為をするという事件を起こしました。
なお,この事件の際,AさんはVさんに暴行や脅迫を加えて無理やり行為に及んだわけではありませんでした。
この事件に関して被害届を受けた浦安警察署は,強制わいせつ罪の疑いでAさんを逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は,弁護士から少年院について説明を受けました。
(フィクションです。)
【強制わいせつ罪について】
刑法(一部抜粋)
第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪は,被害者が13歳以上か否かによって成立要件が異なります。
被害者が13歳以上の場合は,「強制わいせつ罪」という名のとおり,暴行または脅迫を手段としてわいせつな行為に及ぶことで強制わいせつ罪が成立します。
一方,被害者が13歳未満の場合は,暴行・脅迫がなくともわいせつな行為のみで強制わいせつ罪が成立します。
13歳未満の者は性的な事柄に関する判断能力を一般的に欠いているため,同意を理由に強制わいせつ罪の成立を否定すべきではないという考えに基づき,こうした区別がなされています。
上記ケースでは,Aさんが8歳のVさんに対してわいせつな行為を行っているものの,暴行や脅迫は加えていません。
ですが,先述のとおり13歳未満の者については暴行・脅迫が不要であることから,Aさんには強制わいせつ罪が成立すると考えられます。
ちなみに,わいせつな行為は,無理やりキスをする,乳首を弄ぶ,陰部に触る,といったものが挙げられます。
ただし,通常の性交,口腔性交,肛門性交については,強制性交等罪により更に重く処罰される余地があります。
【少年院送致について】
少年(20歳未満の者)が罪を犯した場合,その事件は少年事件となり,原則として通常の手続ではなく少年事件特有の手続によることになります。
少年事件特有の手続の最たる特徴は,最終的な処分が刑罰ではなく保護処分というものである点です。
一般に,少年は心身が未成熟で可塑性があることから,家庭裁判所の適切な介入によって少年の更生や健全な育成を図るという趣旨によります。
保護処分は家庭裁判所での審判を経て下されるものであり,少年院送致は保護処分の一つに位置づけられます。
少年院送致は,少年を少年院に収容し,そこでの教育を通して更生を図るというものです。
少年の更生を図るという点では少年の健全な育成に奉仕する処分ですが,少年院での生活を余儀なくされる以上,可能ならば避けたいというご要望をお持ちの方もいらっしゃいます。
少年院送致を避けるためには,少年を本来の生活圏に置いたままでも更生が見込めることが重要だと言えます。
具体的には,両親による適切な指導・監督,友人関係の整理,少年の嗜好の矯正,などが挙げられます。
少年の性格や周囲の環境に関する問題点は,少年本人やその両親からは分かりにくいことが往々にしてあります。
もし少年院送致が行われないか不安であれば,ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に強い弁護士が,少年院送致を回避してほしいというご要望に沿うべく奔走します。
お子さんが強制わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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強盗罪と執行猶予
強盗罪と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【ケース】
千葉県市川市に住むAさんは,お金がなくて困っているという相談をBさんにしたところ,Bさんから強盗の誘いを受けました。
強盗の内容は,道端を歩く見知らぬ女性をターゲットとして,ペティナイフで脅して金銭を奪い取るというものでした。
AさんとBさんは,この計画どおりに犯行に及び,手に入った金銭およそ30万円を折半しました。
後日,Aさん宅を行徳警察署の警察官が訪ね,Aさんを強盗罪の疑いで逮捕しました。
Aさんの母親から依頼を受けた弁護士は,なんとか被害者と示談を行って執行猶予を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【強盗罪について】
刑法(一部抜粋)
第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
暴行または脅迫を手段として他人の財産を奪取した場合,強盗罪が成立する可能性があります。
たとえば,刃物を他人に差し向けて「金を出さないと殺すぞ」などと言い,その他人から金銭を受け取るというのが典型例です。
強盗罪によく似た罪として恐喝罪が挙げられます。
恐喝罪について定めた刑法249条を見ると,「人を恐喝して財産を交付させた者」が恐喝罪に当たるとされています。
ここでいう「恐喝」とは,財産の交付を目的とする暴行または脅迫であることから,強盗罪と成立要件が同じのように思えます。
これらの区別は,暴行または脅迫が相手方の反抗を抑圧するに至ってるかどうかという判断基準によってなされると考えられています。
誤解を恐れずに言えば,暴行・脅迫の程度が強ければ強盗罪,弱ければ恐喝罪ということになります。
今回のケースでは,AさんとBさんが被害者にペティナイフを示して脅し,これにより被害者から金銭の交付を受けています。
ペティナイフが高い殺傷能力を持つ凶器であることを考慮すれば,Aさんらの脅迫は相当に強いものだと評価できます。
そうであれば,Aさんらには恐喝罪ではなく強盗罪が成立すると考えられます。
【執行猶予の可能性はあるか】
執行猶予は,裁判で有罪となった場合に言い渡される刑の執行を一定の期間猶予するという裁判所の判断を指します。
事件の重大性や事件後の対応などの様々な事情を考慮し,いったん刑の執行を見送って社会で更生の機会を与えるべきだと考えられる場合に下されるものです。
執行猶予を付けるべきかどうかは個々の事案毎に判断されるので,一概に付く,あるいは付かないと言い切ることはできません。
本記事をお読みの方の中には,「強盗事件は重大だから執行猶予が付くことはないんじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと,以下の述べるように必ずしもそうとは限りません。
前提として,執行猶予を付するためには,言い渡された判決の内容が懲役刑であれば3年以下,罰金刑であれば50万円以下でなければならないという規定があります。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役であることから,執行猶予を付することができる範囲に刑が収まることはないように思えます。
ですが,裁判では必ず上記範囲内で刑が科されるというわけではなく,刑の減軽を認めるべき事情があれば法定刑を下回ってもよいとされています。
たとえば,被害者との間で示談が成立した場合,いわゆる酌量減軽(刑法66条。「情状酌量」とも)を認めるべきだとして刑が減軽される余地が出てきます。
有期懲役の減軽についてはその期間を2分の1にすると定められているので,仮に酌量減軽が認められると,強盗罪を犯した際に言い渡される刑の下限は2年6ヶ月の懲役となります。
そうしたケースについては,裁判官の判断で執行猶予が付く可能性が出てくるのです。
ただ,一口に強盗罪といってもその内容は様々なので,示談が成立したからといって必ず執行猶予がつくとは限らない点には注意が必要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、執行猶予の獲得を目指して手を尽くします。
ご家族などが強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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児童ポルノ所持と略式起訴
児童ポルノの所持と略式起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。
【ケース】
千葉県市川市に住むAさんは、インターネットの掲示板において,画像や動画を共有するとあるアプリで児童ポルノが入手できるという情報を目にしました。
そこで,Aさんは早速アプリをインストールし,掲示板に書き込まれていた「あいことば」により児童ポルノが入ったフォルダを入手しました。
しばらくそのフォルダをパソコンに保存していたAさんでしたが,ある日市川警察署から連絡があり,児童ポルノ所持の疑いで取調べを受けることになりました。
Aさんから相談を受けた弁護士は,最終的な処分として略式起訴による罰金刑が予想されることを伝えました。
(フィクションです。)
【児童ポルノについて】
児童ポルノに関する規制は,「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」によって行われています。
まず,上記法律は,規制の対象となる「児童ポルノ」の具体的な定義を定めています。
以下の各要件に該当するものは,「児童ポルノ」に当たる可能性が高いでしょう。
①写真、またはデータを保存する記録媒体(たとえばパソコンのハードディスクやUSBメモリなど)などの物であること
②以下のいずれかをその内容とすること
・児童(18歳未満の者)が性交やその類似行為に及ぶ様子
・他人が児童の性器等(性器、肛門または乳首)を触ったり、児童が他人の性器等を触ったりする様子
・裸や衣服の一部を着けない(たとえば下着姿)児童の姿
上記各要件を満たす典型例としては,児童による性行為の様子を記録した動画データや,裸の児童を被写体とする写真などが挙げられます。
ただし、形式的には上記①②に当たっても,その内容が性的興奮を覚えるようなものでなければ「児童ポルノ」に該当しないとされています。
たとえば、幼児が父親と一緒に風呂に入る様子を撮影したホームビデオは,通常性的興奮を覚えるような内容ではないと言えます。
このようなものは「児童ポルノ」から除外されるため,法による規制の対象にもならないと考えられます。
児童ポルノについては,所持や譲渡といった様々な行為が禁止されています。
中には5年以下の懲役または500万円以下の罰金という厳しい刑が科される行為もあるため,注意が必要です。
【略式起訴による罰金刑】
刑事事件においては,捜査機関(主に警察)が証拠収集などの必要な捜査を遂げたあと,検察官が事件を起訴して裁判にかけるべきか判断することになります。
このとき,100万円以下の罰金刑を科すのが相当と考えられる事案について,略式起訴という特殊な手続がとられることがあります。
略式起訴とは,端的に言えば裁判を書面上のみで迅速に行うための手続です。
被告人をはじめとする関係者がわざわざ裁判所の法廷に出てくる必要はなく,裁判官が事件の記録に基づき書面で事件を審理します。
こうして下される有罪の判断と刑の決定は「略式命令」と呼ばれ,判決に代わるものとして被告人に通知されます。
略式起訴を被告人の視点から見ると,法廷に出てくる必要がなく,なおかつ事件が公とならない点で負担が少ないと言えます。
ただし,注意すべき点としては,通常の裁判であれば争えた事実を争う機会が制限されてしまうことが挙げられます。
こうした点を考慮し,略式起訴によるときは被疑者の同意が必要になると共に,略式命令を受けてから2週間は通常の裁判を開くよう要求できるようになっています。
以上の点から,略式起訴によるべきかどうかについては,時に弁護士の判断を仰ぐべき場合があるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、略式起訴をはじめとする手続について丁寧に説明いたします。
児童ポルノに関する罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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