死体遺棄罪の捜査の流れ

死体遺棄罪の捜査の流れ

死体遺棄罪の捜査の流れについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【ケース】

千葉県八千代市に住むXさんは、就職氷河期の影響で就職することができず、自宅でいわゆる引きこもりの生活を送っていました。Xさんは現在、今年で75歳になる父親と2人暮らしで、母親は、幼いころに亡くしていました。
Xさんは、数十年間引きこもりを続けており、その間働いたことはありません。生活の糧は、父親の年金のみでした。

ある日、Xさんの父親が病気になり寝込んでしまいました。しかし、Xさんは特に看病することもなく普段通りの生活をつづけました。
Xさんが最近父親の姿を見ないなと思い、寝室に向かうと、Xさんの父親が亡くなっていることに気が付きました。

Xさんは、このまま父親が亡くなってしまったことが発覚すれば年金をもらえなくなり、生活することができなくなると考え、父親が亡くなったことを隠し、年金をもらい続けるため、父親の遺体を自宅の寝室に放置しました。

ところが、周辺住民からの「異臭がする」との通報を受けた千葉県警八千代警察署の警察官が自宅を訪ね、事件が発覚、Xさんはそのまま逮捕されることとなりました。
(フィクションです。)

【死体遺棄罪について】

刑法第190条
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の懲役に処する。

死体遺棄罪は、刑法190条が規定している「死体損壊等罪」の一種です。
死体遺棄罪における「遺棄」とは、社会通念上是認されない態様で放棄することと説明されます。要するに、きちんとした手続きや常識的な死体の取り扱いといえるかという観点から判断し、死体の取り扱いとして妥当ではないとみなされる場合に成立する犯罪です。

日本では埋葬法などにより人の死亡後の手続が定められており、人の死亡を確認した場合は各種届出や葬儀などを行う必要があります。
死者の家族がこうした手続に則らずに遺体を放置した場合、社会通念上是認されないものとして「遺棄」に当たると解されています。

そのため、上記事例のXさんには死体遺棄罪が成立し、3年以下の懲役が科される可能性があります。

犯罪と聞くと積極的に何かする場面を想定しがちですが、不作為犯といって、「ある行為を行うべき人が、行うべき行為を、行わなかった」場合にも犯罪となる余地があると法律上考えられており、死体遺棄罪の場合、このケースのように、唯一の同居人であったXさんは、「死体をきちんと処理すべき人」として、「きちんと死体を処理すべき」であったのに、「きちんと処理を行わなかった」として、犯罪が成立する可能性があります。

ちなみに、死体の放置については軽犯罪法にも定めがあります。
こちらは、自己の支配下に死体があることを知りながら、それを公務員(警察など)に申し出なかった場合に、拘留または科料という軽い刑を科すものです。

なお、死体遺棄罪が成立する場合には、基本的にはこちらが優先的に適用されることになります。

【捜査の流れ】

死体遺棄罪の疑いで逮捕されると、捜査の流れは通常以下のとおりになると考えられます。

①警察官が被疑者の弁解を録取し、必要に応じて48時間以内に検察庁へ事件を送致する
②検察官も被疑者の弁解を再度、録取し、身柄を受け取ってから24時間以内かつ逮捕から72時間以内に、検察官が被疑者の勾留請求を行うべきか判断する
③検察官が勾留請求を行った場合、被疑者は裁判所に連行され、裁判官から犯罪事実に関する陳述の聴取などがなされる(勾留質問)
④裁判官は、検察官から送られた記録と勾留質問における陳述を考慮し、勾留が妥当だと考えれば、勾留決定を行う。
⑤勾留決定されると、被疑者はまずは、10日間(捜査の進捗次第では最長20日間)拘束され、その期間に取調べや現場検証などが行われる
⑥勾留期間中に検察官が起訴するかどうか決定し、起訴されれば勾留の期間が2か月(その後1か月ごとに更新)延長される

以上から分かるように、逮捕から起訴までの期間(③~⑤)は、長くとも23日間とそう余裕があるわけではありません。
この期間中、弁護士は、被疑者の釈放を目指す活動と、最終処分軽減に向けた活動をメインに行動することになります。
上記事例では異なりますが、死体遺棄事件においては、殺人罪を疑われるケースが多く見られます。
仮に、殺人罪を疑われた場合、困難な事件対応を迫られる可能性があります。弁護士を依頼し、より慎重に取り調べに対応していく必要が出てくるでしょう。

逮捕を伴う刑事事件では、いかなる弁護活動を行うにせよスピードが大切になります。
もし対応が遅れると、本来行うべきだった弁護活動が行えなくなり、事件の終結が遠のくという事態に陥りかねません。
もし逮捕の知らせを受けても、できるだけ冷静になってひとまず弁護士に相談してみることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、捜査の流れを熟知した弁護士が、状況を即座に把握して的確な弁護活動を行います。
ご家族などが死体遺棄罪の疑いで逮捕されたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所(0120-631-881)にお電話ください。
刑事事件・少年事件専門の法律事務所として、お申込みから遅くとも24時間以内に初回接見を行います。
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