脅迫罪で釈放

脅迫罪で釈放

脅迫事件で釈放を目指すケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【ケース】

Xさんは大学3年生で同じサークルの彼女がいました。ある日、大学の講義を受け終わり、昼食を食べるために移動していると、彼女が別の男性と一緒に食事しているところを見つけました。
その場では声をかけなかったXさんでしたが、昼食後に彼女にLINEを送り、「今日何していたの?」と声をかけると、「今日はバイトで忙しく大学に行かなかった」と言われました。Xさんは、彼女に嘘をつかれたことに憤りを感じましたが、それ以上は言及することなく、やり取りは終わりました。
それから、1週間後、Xさんは同じ時間帯に彼女がまたあの男と一緒にいるのではないかと思い、彼女を探していると、案の定その男性と一緒にいるところを見つけました。Xさんは、彼女が言い逃れできないよう、その場で彼女に「何してるの?」と話しかけました。彼女は、友人と食事をしていると取り繕いましたが、Xさんは「恋人がいるのに他の男と食事をするなんて考えられない」と怒り、彼女を連れ出し、彼女に対し、「先週も同じ男と食事をしていただろう。その時嘘をつかれたことが許せない。また同じことがあったらぶっ殺すからな」と言って彼女の髪を掴んで引っ張りました。
その日の夜LINEでXさんは彼女に対し、「さっき言ったことは本当だからな。あの男と会ってやがったら本気でぶっ殺す。お前の家族もぶっ殺すからな。」とメッセージを送りました。彼女は、また暴力を振るわれるのではないかと不安になり千葉中央警察署に駆け込んだところ、Xさんは、同警察署の警察官により、脅迫罪で通常逮捕されることになりました。
(フィクションです。)

【脅迫罪について】

刑法第二百二十二条
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

人に恐怖心を抱かせるような内容の害悪を告知した場合、脅迫罪が成立する可能性があります。
刑法222条は、被害者本人に害を加える旨の脅迫だけでなく、被害者の親族に害を与える旨の脅迫についても定めています。
そのため、上記事例彼女に対し、彼女の家族にも脅迫すると脅している点についても脅迫罪が成立することになります。

また、脅迫罪における「脅迫」は、相手を「畏怖」させるものでなければなりません。同じ文言であっても、シチュエーションや、言動を発する相手によって、「畏怖」するかどうかは異なります
たとえば、仲の良い友人とお酒を飲んでいるときに気やすく話す「殴るぞ」という言葉と不良集団に絡まれて「殴るぞ」と言われた場合の言葉では意味が違うということです。
上記事例では、Xさんが彼女に対し、「さっき言ったことは本当だからな。あの男と会ってやがったら本気でぶっ殺す。お前の家族もぶっ殺すからな。」と伝達しています。
Xさんがそのまえに髪の毛を掴んで暴行を加えてきた状況や、家族にまで言及してきたことを考慮すると、上記文言は少なくとも暴行を振るわれるのではないかと「畏怖」するに足りるものと判断される可能性が出てきます。

【釈放の可能性】

脅迫罪の疑いで逮捕されると、その後勾留されることで最長23日間もの期間、身柄を拘束される可能性が出てきます。
こうした長期の身柄拘束が行われると、当然ながらその間会社や学校などに行くことはできなくなり、著しい不利益を被ることになりかねません。

刑事事件において、釈放が期待できるタイミングというのは何度かあります。
大きく分けると、①勾留決定時、②勾留決定から起訴時点まで、③起訴後の3つになります。

上記事例のケースにおいては、①の勾留決定時か、被害者の方との示談が成功すれば、②の段階での釈放も期待できます。
日本では勾留される確率が比較的高くなっており、①の段階での釈放を目指すのであれば、弁護士に事件を依頼し、弁護士から、勾留決定時までに加害者側の事情をまとめ勾留請求を行う検察官と、勾留決定を行う裁判官に対し、「意見書」を提出することが有用です。

他方、仮に「意見書」がうまくいかなかった場合にも、早急に被害者との示談を成立させることができれば、早期の身柄解放も期待できます。

身柄の拘束は、仕事や学校に行けないといった現実的な不利益はもとより、行動を管理、監視されているため、肉体的精神的な負担も小さくありません。もちろん、罪を犯してしまった場合には自業自得とも言えますが、必要以上の負担とならないよう身柄解放に向けて動くことも必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に精通した弁護士が、逮捕されている方の釈放に向けて充実した弁護活動を行います。
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