Archive for the ‘財産犯事件’ Category

万引きと留置場での接見

2020-09-19

万引きと留置場での接見について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

千葉県柏市に住む大学生のA君はスーパーで万引きしたとして保安員に現行犯逮捕され、その後身柄を千葉県柏警察署の警察官に引き渡されました。Aさんは警察官とともに千葉県柏警察署へ行き、留置場へ収容されてしまいました。他方、A君の母親は千葉県柏警察署刑事課の警察官から「A君を万引きで逮捕した。」という連絡を受けました。逮捕の連絡に驚いたA君の母親でしたが、息子が元気でいるか確かめたいと思い、警察官に「息子と接見(面会)したい」と申し出たところ、断られてしまいました。そこでA君の母親は今すぐA君と接見してくれる万引き・刑事事件に詳しい弁護士にA君との接見を依頼しました。
(フィクションです。)

~ 万引きと窃盗 ~

万引きは窃盗罪に当たります。
窃盗罪は刑法235条に規定されており、罰則は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金とされています。

万引きが発覚すれば逮捕される可能性は大いにあります。
なお、法律上、現行犯逮捕に限り私人(警察官などの司法関係者以外の者)でも可能です。
今回、A君は保安員により現行犯逮捕されています。
現行犯逮捕されるとその場から警察署に連行され、警察署内の留置場に収容されてしまいます。

~ 留置場とは ~

留置場は、全国の各都道府県警察署内に設けられた、主に被疑者の逃走、罪証隠滅行為を防止するための施設です。一定の場合(運動、診断、入浴等)を除き、8畳ほどの簡素な居室の中で生活することになります。規則正しい生活を強いられ、場合によっては共同で狭い居室の中で生活しなければなりません。また、食事は出ますが、警察署内に調理する場所はなく、専ら外注した弁当を配膳されます。当然、好きなもの、食べたいものが配膳されるわけではありませんし、冷めていて温めることもできません。入浴は、夏場は週に2回、冬場は週に1回とされていることが多いようです。
このよな生活であることから、留置された方にとっては相当な負担となることでしょう。

~ 逮捕後の接見(面会)は可能? ~

では、逮捕直後、ご家族は逮捕された方と留置場で接見(面会)することは可能でしょうか?
この点、逮捕から勾留決定が出るまでの逮捕期間中は、法律上、弁護士以外の方が逮捕された方との接見を認める規定はありません。
つまり、権利としては認められていない、ということになります。
ただし、一度、警察官に接見したい旨を申し出てみる価値はあるでしょう。警察官の判断で接見を認めてもらえるかもしれません。

しかし、多くの場合は接見を認めてはくれないでしょう。
そんなとき、どうしても逮捕された方と接見して欲しいという場合は弁護士に接見をご依頼ください。
弁護士であれば日時に関係なく速やかに逮捕された方と接見することが可能です。
また、当番弁護士と異なり、接見後、必ずご依頼者様に接見の報告をさせていただきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、万引きをはじめとする刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。

詐欺事件で保釈請求③

2020-04-28

詐欺事件で保釈請求を行うケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【ケース】

Aさんは,知人であるBさんからの誘いを受け,あるバイトをすることになりました。
そのバイトの内容は,「民事訴訟最終通達書」と題する文書を葉書に印刷し,その葉書を投函するというものでした。
葉書に印刷された文書は「訴訟告知センター」という架空の団体名義(押印つき)であり,民事訴訟が提起されていること,記載してある連絡先に連絡しなければ強制執行が行われることなどが書かれていました。
そして,実際にこの葉書を見て連絡した人が,電話の相手に言われるがまま口座に金銭を振り込むという詐欺事件も起きていました。
Aさんは,バイトが詐欺に関するものだとうっすら気づいていましたが,時給が良いという理由で続けていました。
そうしたところ,Aさんは有印私文書偽造罪の疑いで我孫子警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は,今回の件で詐欺罪に問われる可能性を伝えたうえで,身柄解放の手段として保釈について説明しました。
(フィクションです。)

【保釈制度の概要】

「保釈」という言葉は,たとえば芸能人が逮捕された事件に関するニュースなどで耳にすることがあるのではないかと思います。
今回の記事では,保釈について詳しく見ていきます。

保釈とは,一定額の金銭を裁判所に預けるのと引き換えに,少なくとも判決が下されるまで身体拘束を解いてもらうという手続です。
逮捕された直後から行えるわけではなく,起訴されて被告人となった段階ではじめて可能となるものです。

保釈に至るまでの流れは,①裁判所に対する保釈請求,②裁判所による保釈の許可,③保釈保証金の納付,④保釈,というかたちになっています。
まず,保釈の許可を受ける前提として,裁判所に対して保釈請求をしなければなりません。
請求を受けた裁判所は,保釈請求書や事件記録の内容に基づき,法律上保釈を許可しても差し支えないか審査することになります。
もし裁判所が保釈を認めてもよいと判断した場合,保釈の許可決定と保釈保証金の額を伝えられます。
その伝達を受けたら,裁判所にて保釈保証金の納付の手続を行い,それが正常に処理されてはじめて保釈に至ります。

保釈の際に預けた保釈保証金は,被告人が逃亡や証拠隠滅などの特定の行動に及ぶと没収されるおそれがあります。
そして,保釈保証金は個々人の経済力などを考慮して高額と感じるような金額が設定されるため,被告人としては逃亡や証拠隠滅などを図りづらくなります。
このようなかたちでいわば担保が存在しているからこそ,逃亡などに及ぶ可能性が低いとして身柄解放が比較的認められやすくなっているのです。
起訴前の段階では身柄解放の実現が難しい事案でも,保釈による身柄解放であれば実現する可能性があるということは珍しくありません。

上記のとおり,保釈保証金は没収のリスクにより被告人の逃亡などを防ぐ役割を果たします。
そのため,被告人が逃亡などに及ぶことなく無事に判決が下された場合には,一定の期間を置いて最終的に返還されます。
この点は,たとえ被告人が刑務所へ入ることになったとしても変わりません。
もし保釈保証金の捻出が難しければ,保釈支援協会という機関を頼ることもできます。
ですので,お金を支払えないからという理由で早々に保釈を諦めるのはもったいないと言っても過言ではないでしょう。

以上のとおり,今回の記事では保釈について取り扱いました。
ですが,今回述べた事柄は保釈制度の一部に過ぎず,このほかにどうしても法律上の難解な点がつきまとうことになります。
もし保釈に関して何か疑問点などございましたら,お近くの弁護士に相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、個々のケースに応じて保釈に関するご説明を致します。
ご家族などが詐欺事件で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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詐欺事件で保釈請求②

2020-04-26

詐欺事件で保釈請求を行うケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
このテーマは前編・中編・後編と分かれており,前編と中編(今回)で詐欺事件を,後編で保釈請求を取り扱います。

【ケース】

Aさんは,知人であるBさんからの誘いを受け,あるバイトをすることになりました。
そのバイトの内容は,「民事訴訟最終通達書」と題する文書を葉書に印刷し,その葉書を投函するというものでした。
葉書に印刷された文書は「訴訟告知センター」という架空の団体名義(押印つき)であり,民事訴訟が提起されていること,記載してある連絡先に連絡しなければ強制執行が行われることなどが書かれていました。
そして,実際にこの葉書を見て連絡した人が,電話の相手に言われるがまま口座に金銭を振り込むという詐欺事件も起きていました。
Aさんは,バイトが詐欺に関するものだとうっすら気づいていましたが,時給が良いという理由で続けていました。
そうしたところ,Aさんは有印私文書偽造罪の疑いで我孫子警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は,今回の件で詐欺罪に問われる可能性を伝えたうえで,身柄解放の手段として保釈について説明しました。
(フィクションです。)

【今回のケースにおいて問題となる行為】

今回のケースで問題となりうるのは,①葉書の作成および投函,②葉書を受け取った者による金銭の振込,の2点です。
今回の記事では,このうち②について取り扱います。

【②について~詐欺罪成立の可能性~】

まず,今回のケースで問題となっている葉書は,民事訴訟が提起されていること,記載してある連絡先に連絡しなければ強制執行が行われることなどが書かれているものです。
そして,この葉書を見て連絡した人に対し,電話担当が金銭の振込を促し,これにより葉書を見た人が金銭を振り込んでいると考えられます。
このような行為について,詐欺罪が成立する可能性があります。

詐欺罪は,他人を欺いて財産を受け取った場合に成立する可能性のある罪です。
具体的に言うと,①他人を欺く行為(「欺罔行為」と呼ばれます)により,②その他人が錯誤に陥り,③錯誤に陥った状態で財産を交付することが詐欺罪の要件です。

今回のケースにおける葉書の郵送と電話での案内は,民事訴訟が提起されており,指定された口座に金銭を振り込まなければ強制執行などの不利益を被ると他人に誤信させる内容のものと考えられます。
そうすると,金銭を支払う必要があるように装う点で,①の他人を欺く行為に当たると言えます。
更に,振込を行った人は,葉書と電話を受けてそのように誤信したと考えられるため,②の錯誤も認められるでしょう。
そして,これにより振込を行った以上,③の財産の交付はあったと評価できます(厳密に言うとこの点はもう少し検討が必要ですが,難解であるため割愛します)。
よって,やはり詐欺罪が成立する可能性があります。

それでは,Aさんも詐欺罪の責任を負うことになるのでしょうか。
Aさんは葉書を作成して投函しただけで,金銭を振り込ませるような行為は行っていないことから,せいぜい詐欺未遂罪の責任を負うに過ぎないようにも思えます。
ですが,結論としては,Aさんに詐欺罪が成立する可能性があります。
今回のように複数人が互いに通じ合って犯行に及び,なおかつそれぞれが重要な役割を果たしている場合,犯罪に関与した者は「共同正犯」(刑法60条)という関係に当たる余地が出てきます。
仮に共同正犯の関係に立つとすると,たとえ一部の行為しかしていなくても,全部の行為をおこなったものとして責任を負うことになるのです。
したがって,Aさんは他の者が行った行為についても責任を負うおそれがあるということになります。

前回の記事で確認したように,今回のケースではAさんに有印私文書偽造罪と偽造有印私文書行使罪も成立する可能性があります。
これに詐欺罪が加わるので,事件としては重い部類に属すると評価できます。
ちなみに,文書偽造罪,偽造文書行使罪,詐欺罪はそれぞれ牽連犯(前回の記事参照)の関係に立つとされています。
そのため,1個の罪とみなされて1個の刑が科されることが予想されるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、比較的なじみのある犯罪である詐欺罪についても詳しく説明いたします。
ご家族などが詐欺事件で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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詐欺事件で保釈請求

2020-04-24

詐欺事件で保釈請求を行うケースについて,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
このテーマは前編・中編・後編と分かれており,前編(今回)と中編で詐欺事件を,後編で保釈請求を取り扱います。

【ケース】

Aさんは,知人であるBさんからの誘いを受け,あるバイトをすることになりました。
そのバイトの内容は,「民事訴訟最終通達書」と題する文書をはがきに印刷し,そのはがきを投函するというものでした。
はがきに印刷された文書は「訴訟告知センター」という架空の団体名義(押印つき)であり,民事訴訟が提起されていること,記載してある連絡先に連絡しなければ強制執行が行われることなどが書かれていました。
そして,実際にこのはがきを見て連絡した人が,電話の相手に言われるがまま口座に金銭を振り込むという詐欺事件も起きていました。
Aさんは,バイトが詐欺に関するものだとうっすら気づいていましたが,時給が良いという理由で続けていました。
そうしたところ,Aさんは有印私文書偽造罪の疑いで我孫子警察署に逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は,今回の件で詐欺罪に問われる可能性を伝えたうえで,身柄解放の手段として保釈について説明しました。
(フィクションです。)

【今回のケースにおいて問題となる行為】

今回のケースで問題となりうるのは,①はがきの作成および投函,②はがきを受け取った者による金銭の振込,の2点です。
今回の記事では,①の行為につきどのような犯罪が成立する可能性があるか順に見ていきます。

【①について~文書偽造罪成立の可能性~】

Aさんは,「訴訟告知センター」という名義の文書を作成し,それをポストに投函しています。
このような行為につき,文書偽造罪と偽造文書行使罪が成立する可能性があります。

文書偽造罪は,一定の内容の文書を「偽造」した場合に成立する可能性のある罪です。
文書偽造罪における「偽造」とは,①作成権限のない者が文書を作成することを指すと考えられています。
また,このことを別の観点から説明した定義として,②「作成者と名義人の人格の同一性を偽ること」を指すとされることもあります。

今回のケースでは,結論から言うと「偽造」に当たる可能性があると言えます。
Aさんはバイトの業務として指示のもと「訴訟告知センター」を名乗っているので,この名義ではがきを作成することにつき作成権限はあるように思えます。
しかし,文書偽造罪というのは文書に対する社会一般の信頼を保護する罪なので,文書の名義についてはその名義が持つ意味なども重要になると考えられます。
そう考えたとき,今回問題となったはがきの名義人は,「訴訟に関して一定の対応を行うことが許されている『訴訟告知センター』という団体」だと言えます。
一方,はがきの作成者であるAさんを含め,「訴訟告知センター」という団体名を名乗っている者に,訴訟に関して一定の対応を行うことは許されていません。
こうした場合については,作成者と名義人が異なるとして「偽造」に当たると判断されることが予想されるのです。

Aさんによるはがきの作成が「偽造」に当たるとすると,はがきの内容などからして,Aさんには有印私文書偽造罪が成立すると考えられます。
更に,作成したはがきを郵送することで他人が閲覧できる状態にしたことから,更に偽造有印私文書行使罪の成立もありえます。

有印私文書偽造罪の法定刑は3か月以上5年以下の懲役であり,偽造有印私文書行使罪の法定刑も偽造罪と同様です。
これらの罪は,手段と結果の関係に立つとして54条1項が適用されます(こうした関係は「牽連犯」と呼ばれます)。
そのため,それぞれの罪につき別々に刑が科されてそれが合算されたりせず,1個の罪を犯した場合と同様に1個の刑が科されることになるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、個々のケースを丁寧に聞き取ったうえで文書偽造罪の成否をお伝えします。
ご家族などが詐欺事件で逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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強盗罪と執行猶予

2020-04-14

強盗罪と執行猶予について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【ケース】

千葉県市川市に住むAさんは,お金がなくて困っているという相談をBさんにしたところ,Bさんから強盗の誘いを受けました。
強盗の内容は,道端を歩く見知らぬ女性をターゲットとして,ペティナイフで脅して金銭を奪い取るというものでした。
AさんとBさんは,この計画どおりに犯行に及び,手に入った金銭およそ30万円を折半しました。
後日,Aさん宅を行徳警察署の警察官が訪ね,Aさんを強盗罪の疑いで逮捕しました。
Aさんの母親から依頼を受けた弁護士は,なんとか被害者と示談を行って執行猶予を目指すことにしました。
(フィクションです。)

【強盗罪について】

刑法(一部抜粋)
第二百三十六条 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

暴行または脅迫を手段として他人の財産を奪取した場合,強盗罪が成立する可能性があります。
たとえば,刃物を他人に差し向けて「金を出さないと殺すぞ」などと言い,その他人から金銭を受け取るというのが典型例です。

強盗罪によく似た罪として恐喝罪が挙げられます。
恐喝罪について定めた刑法249条を見ると,「人を恐喝して財産を交付させた者」が恐喝罪に当たるとされています。
ここでいう「恐喝」とは,財産の交付を目的とする暴行または脅迫であることから,強盗罪と成立要件が同じのように思えます。
これらの区別は,暴行または脅迫が相手方の反抗を抑圧するに至ってるかどうかという判断基準によってなされると考えられています。
誤解を恐れずに言えば,暴行・脅迫の程度が強ければ強盗罪,弱ければ恐喝罪ということになります。
今回のケースでは,AさんとBさんが被害者にペティナイフを示して脅し,これにより被害者から金銭の交付を受けています。
ペティナイフが高い殺傷能力を持つ凶器であることを考慮すれば,Aさんらの脅迫は相当に強いものだと評価できます。
そうであれば,Aさんらには恐喝罪ではなく強盗罪が成立すると考えられます。

【執行猶予の可能性はあるか】

執行猶予は,裁判で有罪となった場合に言い渡される刑の執行を一定の期間猶予するという裁判所の判断を指します。
事件の重大性や事件後の対応などの様々な事情を考慮し,いったん刑の執行を見送って社会で更生の機会を与えるべきだと考えられる場合に下されるものです。

執行猶予を付けるべきかどうかは個々の事案毎に判断されるので,一概に付く,あるいは付かないと言い切ることはできません。
本記事をお読みの方の中には,「強盗事件は重大だから執行猶予が付くことはないんじゃないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
結論から言うと,以下の述べるように必ずしもそうとは限りません。

前提として,執行猶予を付するためには,言い渡された判決の内容が懲役刑であれば3年以下,罰金刑であれば50万円以下でなければならないという規定があります。
強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役であることから,執行猶予を付することができる範囲に刑が収まることはないように思えます。
ですが,裁判では必ず上記範囲内で刑が科されるというわけではなく,刑の減軽を認めるべき事情があれば法定刑を下回ってもよいとされています。
たとえば,被害者との間で示談が成立した場合,いわゆる酌量減軽(刑法66条。「情状酌量」とも)を認めるべきだとして刑が減軽される余地が出てきます。
有期懲役の減軽についてはその期間を2分の1にすると定められているので,仮に酌量減軽が認められると,強盗罪を犯した際に言い渡される刑の下限は2年6ヶ月の懲役となります。
そうしたケースについては,裁判官の判断で執行猶予が付く可能性が出てくるのです。
ただ,一口に強盗罪といってもその内容は様々なので,示談が成立したからといって必ず執行猶予がつくとは限らない点には注意が必要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、執行猶予の獲得を目指して手を尽くします。
ご家族などが強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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詐欺罪で保釈

2019-12-28

詐欺罪で保釈

詐欺罪と保釈について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【ケース】

Aさんは、友人のBさんから「金に困ってるんだったらいいバイトがあるんだけどやらない?」と声を掛けられました。
その内容は、Bさんから指定された住所を訪ね、そこで受け取った封筒を未開封の状態でBさんに渡すというものでした。
この内容と1回2万円という報酬の高さから、Aさんはそのバイトが振り込め詐欺ではないかと考えるに至りました。
しかし、生活苦からやむを得ずそのバイトに手を出すことにしました。
ある日、AさんはBさんの指示で千葉県四街道市のVさん宅を訪ね、Vさんから封筒を受け取りました。
すると、その直後に四街道警察署の警察官数名が現れ、Aさんを詐欺罪の疑いで逮捕しました。
事件を依頼された弁護士は、Aさんの両親に対し、起訴前の釈放が難しいこと、起訴後にすぐ保釈請求を行うことを伝えました。
(フィクションです。)

【詐欺罪について】

詐欺罪は、相手方を欺いて財産の交付を受けた場合に成立する可能性がある罪です。
相手方としては財産を盗まれるという認識に欠けるため、窃盗罪や強盗罪などとは性質の異なる罪だと言うことができます。

詐欺罪の成立を肯定するには、①欺く行為の存在、②①による錯誤の発生、③錯誤に陥った状態での財産の交付があったと言えなければなりません。
刑事事件においては、複数の者が役割分担をしながら一つの犯罪を行った場合にも、その犯罪について関与者全員に刑事責任を負わせるものとされています。

上記事例において、AさんはVさんから封筒を受け取っているに過ぎず、詐欺罪に当たる行為のうち上記③しか行っていないと言えます。
ですが、一般的な振り込め詐欺のケースでは、現金の受け取り役とは別に電話を掛けるなどして騙す役が存在しています。
そうすると、そうした役割の者の行為とAさんの行為とが合わされば、詐欺罪に当たる行為は完成されたことになります。
このようにして、Aさんには詐欺罪が成立すると考えられます。

【保釈による身柄解放の可能性】

詐欺罪の法定刑は10年以下の懲役であり、罰金刑となる余地がない点でそれ自体重いものです。
加えて、上記事例のような振り込め詐欺の事案となると、被害総額の高さや犯行の悪質性などから、重大事件として厳しい刑が科されることが予想されます。
こうした重大事件においては、逃亡や証拠隠滅の可能性も高いと評価されやすく、身柄解放が一般的に困難だと言えます。
そこで、身柄解放を実現する有力な手段として、起訴後に行う保釈が考えられます。

保釈とは、起訴されて被告人となった段階において、裁判所に指定された金銭を預けて一時的に身体拘束を解く手続です。
被告人と一定の関係にある者が保釈請求を行い、その請求が裁判所に認められることで実現します。
保釈の際に預ける金銭は、証拠隠滅や逃亡などの不審な行動に及んだ際に没収される危険があるものです。
設定される金額は被告人ひとりひとりにとって安いものではないため、保釈保証金は証拠隠滅などを抑止する担保のような役割を果たします。
これにより、保釈による身柄解放は比較的ハードルが低くなっているというわけです。

とはいえ、保釈を実現するうえで、専門的な観点からの事案分析や、裁判所における複雑な手続が必要となることは否定できません。
ですので、保釈の実現を目指すのであれば、やはり法律の専門家である弁護士に依頼するのが得策です。
弁護士に保釈を任せれば、保釈に伴う手続だけでなく、保釈の実現に向けた環境整備も抜かりなく行うことが期待できます。
もし保釈についてお困りであれば、ぜひお近くの弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、周到な準備を行い的確なタイミングで保釈請求を行います。
ご家族などが詐欺罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

初回法律相談:無料

強盗罪で逮捕

2019-07-25

Aさんは、長年の付き合いがあるBさんからの誘いを断り切れず、面識のないCさんを含む3人で強盗をすることになりました。
そして、Aさんらは千葉県印西市内のコンビニVに入り、ナイフで従業員を脅して約10万円を脅し取りました。
後日、Vが警察に通報したことで捜査が開始され、Aさんらは強盗罪の疑いで逮捕されました。
印西警察署に留置されたAさんは、勾留の際に接見禁止決定が出ました。
Aさんの両親は、Aさんと面会できないことを知り、弁護士に接見禁止解除を依頼しました。
(フィクションです。)

【強盗罪について】

強盗罪は、暴行または脅迫を手段として、相手方から金銭などの財産を奪取した場合に成立する可能性のある罪です。
手段となる暴行または脅迫は、相手方の反抗を抑圧するに足りる程度のものでなければならないとされています。
つまり、相手方が多少抵抗をためらう程度の暴行または脅迫では、強盗罪は成立しない余地があるということになります。
この場合には、暴行または脅迫により相手方の正常は判断を害したとして、恐喝罪に当たる可能性があります。

強盗罪の法定刑は5年以上の有期懲役(上限20年)であり、これだけでも相当重いものです。
加えて、万が一手段となる暴行により相手を死傷させた場合は、強盗致死傷罪として更に重い刑が科されるおそれがあります。
強盗致傷罪は無期懲役または6年以上の有期懲役、強盗致死罪は死刑または無期懲役となっており、その重さは言うまででもないでしょう。

また、あらかじめ強盗の目的を持って建造物に侵入した場合、建造物侵入罪が成立する可能性もあります。
建造物侵入罪の成否は、普段誰でも立ち入れるかどうかよりも、立入りの目的に左右されるためです。
建造物侵入罪の成立は、強盗事件の量刑判断に対して当然マイナス要素となるでしょう。

【接見禁止解除を実現するには】

多くの警察署において、逮捕後の被疑者と面会を行うことはできません。
そのため、もし逮捕中の被疑者との面会を希望するのであれば、その実現は早くとも逮捕から2~3日後の勾留決定後だということは考えておく必要があります。

ところが、事件によっては、たとえ勾留後であっても面会が許されないことがあります。
その理由は、裁判官の判断で勾留の際に接見禁止が付いたからだと考えられます。
接見禁止とは、面会を許すと外部の者の力を借りて逃亡や証拠隠滅に及ぶ可能性が高い場合(たとえば共犯事件)に、弁護士以外の者との面会を禁止する決定を指します。
面会の他に本来一定の範囲内で許される書面や物品の差入れも禁止されることがあり、その場合には一部の日用品の差入れを除いて一切の接触が絶たれます。

接見禁止は裁判官による決定の一種であるため、それに対して不服を申し立てたり陳情をしたりして、接見禁止の全部または一部を解除できる可能性があります。
これが接見禁止解除であり、それまで禁止されていた面会等を行えるようになる点で有益なものです。
ただ、一度裁判官により決定された判断を覆すには、やはり法律も加味した相応の主張を行うことが必要となります。
そうであれば法律の専門家である弁護士の強みを活かすことができるので、接見禁止解除をお考えならぜひ弁護士に相談してみてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、接見禁止解除をはじめとして依頼者様の要望を真摯にお聞きします。
強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

事務所での相談料:初回無料

詐欺罪で逮捕

2019-07-11

千葉県野田市の建築会社Xに勤めるAさんは、上司であるBさんから指示を受け、Vさんに頼んでXに300万円の融資をしてもらいました。
融資を依頼した理由は、Bさん曰く「元請けからの工事代金の入金が遅れている。このままだと材料の仕入代が足りない」というものでした。
これを信じてVさんに融資を頼んだAさんでしたが、後になって実は請け負った工事など存在せず、Bさんの詐欺の片棒を担がされていたことに気づきました。
Vさんからの被害届を受け、野田警察署はAさんおよびBさんを詐欺罪の疑いで逮捕しました。
その後、Aさんは裁判で有罪判決を言い渡されたことから、弁護士控訴を依頼しました。
(フィクションです。)

【詐欺罪について】

刑法
第二百四十六条
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。

詐欺罪は、他人から金銭などの財産を騙し取った場合に成立する代表的な罪です。
詐欺罪が成立する基本的な流れは、①欺く行為、②それによる相手方の誤信、③誤信した状態での財産の交付というものです。
上記事例では、Bさんの指示を受けたAさんが、元請けからの入金が遅れたことで材料費が不足しているという虚偽の事項を伝えています。
そして、VさんはXが融資を必要としていると誤信し、Xに対して300万円の融資をしています。
そうすると、Aさんの行為は客観的に見て詐欺罪に当たると言えます。

ただ、AさんはBさんが話した融資の必要とする理由を信じており、AさんにVさんを欺くつもりがあったわけではありません。
犯罪の成立を認めるには個々の犯罪について故意が必要なので、Aさんは詐欺罪の故意が否定される結果、詐欺罪が成立しないと考えられます。
ちなみに、こうしたケースでは、事情を知らないAさんを意のままに操ったBさんに詐欺罪が成立する余地があります。

【控訴による判決変更の可能性】

上記事例のAさんは、無罪だと考えられるにもかかわらず、裁判において詐欺罪で有罪判決が言い渡されています。
このように、裁判の判決が求めていたものと異なる場合、控訴によってその内容を覆すことができる場合があります。

控訴とは、ある事件で言い渡された1回目の判決(第一審と言います)に不服がある場合に、その内容の当否を上位の裁判所に判断してもらう手続です。
第一審の判決が言い渡された日の翌日を1日として、14日以内であれば申し立てることができます。
控訴は被告人も検察官も行うことができますが、被告人が行う場合、被告人にとって不利益な変更が行われることはありません。
そのため、第一審より悪い結果になったらどうしようなどと考える必要はなく、安心して控訴の申立てを行うことができます。

刑事事件における控訴は、第一審に見直すべき点がないかを事後的に判断することになっています。
そして、見直すべき点を指摘する義務は控訴を申し立てた当事者にあり、なおかつ見直すべき理由は法律に定められた特定のものでなければなりません。
その例としては、裁判の公開などの裁判の大原則に反している、本来裁判ができない事件の裁判をした、事実の誤認がある、などが挙げられます。
もしその理由に妥当性がなければ、新たな判決が言い渡されることなく控訴審は終了してしまいます(棄却)。

以上に挙げた控訴に関する定めは一部であり、他のものも含めると控訴の手続はかなり複雑なものになっています。
ですが、場合によっては無罪や執行猶予になることもあるため、控訴の有用性は決して見逃すべきではありません。
もし第一審の判決の内容を不服に思ったら、一度控訴について弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の弁護士が、控訴のご依頼についても自信を持ってお受けできます。
ご家族などが詐欺罪で有罪となり、控訴を望まれているなら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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事後強盗罪で不起訴

2019-05-08

事後強盗罪で不起訴

Aさんは、千葉県千葉市美浜区内のスーパーマーケットに行き、商品数点(被害総額約2000円)を自身のトートバッグに入れました。
そして、会計をせずに店を出ようとしたところ、警備員のVさんに「鞄の中見せてもらえますか」と声を掛けられました。
AさんはVさんに身体を掴まれたことから、手足をばたつかせるなどして一度Vさんを振りほどいてすぐに逃走を図りました。
ですが、少し走ったところで買い物客数人に足止めをされ、やがて駆けつけた警察官により事後強盗罪の疑いで逮捕されました。
千葉西警察署でAさんと接見した弁護士は、示談を行って不起訴を目指すことにしました。
(フィクションです。)

【事後強盗罪について】

事後強盗罪とは、その名のとおり事後的に強盗罪のような状況が生じた場合に成立する可能性のある罪です。
通常の強盗罪は、暴行または脅迫により相手方の反抗を抑圧し、その機会に乗じて財産を奪取するものです。
これに対し、事後強盗罪は、窃盗犯が一定の目的で相手方に暴行または脅迫を加えることで成立します。
一定の目的とは、①逮捕を免れること、②盗んだ物が取り返されるのを防ぐこと、③犯罪の痕跡を隠滅すること、のいずれかです。
窃盗とは無関係に他人を傷つけようとした場合には、これらのいずれにも当たらないため事後強盗罪には当たりません。
ただし、そうした目的は外部から読み取れないため、事後強盗罪の疑いで捜査が進むことはありえます。

刑法238条を見てみると、事後強盗罪は「強盗として論ずる」とされています。
その意味は、法定刑や他の罪との関係が事後強盗罪と同様になるということだと考えられています。
つまり、事後強盗罪の法定刑は強盗罪と同様5年以上の懲役であり、死傷が伴えば強盗致死傷罪が成立する余地が出てきます。
あらかじめ強盗に及ぶつもりはなくとも、窃盗の発覚に動揺してつい暴行や脅迫に及んでしまうことは十分考えられるところです。
そうしたケースでも強盗と同列に語られてしまう危険がある以上、事後強盗罪は注意すべき罪だと言えるでしょう。

【不起訴の概要】

先ほど説明したように、事後強盗罪という罪自体は決して軽いものではなく、裁判になって懲役刑が科される可能性も否定できません。
とはいえ、刑事事件も罪名のみで事件の軽重と妥当な処分を決めているわけではありません。
具体的にどの程度の重さなのかという点は、事後強盗罪で言えば被害額の多寡や暴行・脅迫の危険性などにより大きく変わってくるかと思います。
ですので、示談をはじめとする弁護活動が奏功すれば、事案によっては不起訴になることもありうるでしょう。

ある刑事事件について裁判を行うかどうか、すなわち起訴するかどうかの決定権は、基本的に犯罪の訴追を担う検察官にあります。
検察官は、裁判における有罪立証の見込みや、有罪判決となることで被疑者が被る不利益などを考慮し、起訴か不起訴かの判断を下すことになります。
不起訴となった事件は直ちに終了し、よほど事情が変わらない限り有罪として処罰を受けることはなくなります。

検察官は有罪立証の見込みが高い場合にも不起訴処分を下せますが、それに際しては事件の内容や事件後の事情を考慮するのが通常です。
事後強盗罪で言うと、犯行が単純で比較的軽微なこと、被疑者が真摯に反省していること、示談などにより被害者の処罰感情が薄れたこと、などが不起訴の可能性を高める要素になるかと思います。
不起訴の可能性を少しでも高めるなら、弁護士に事件を依頼して最善を尽くしてもらうのがよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、不起訴にしてほしいというご要望に可能な限りお答えします。
ご家族などが事後強盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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千葉西警察署までの初回接見費用:36,300

窃盗罪で審判不開始

2019-03-16

窃盗罪で審判不開始

高校1年生のAさんは、高校入学を機にアルバイトを始めたいと思い、面接を受けたのち千葉県松戸市のコンビニでアルバイトをすることになりました。
ある日、Aさんはレジに入っていたお金が欲しくなり、レジから1万円札3枚を抜いたあと、自身の財布から1000円札3枚を出してレジに入れておきました。
そして、店長からレジのお金が合わないと言われた際、「もしかしたら1000円札と間違えて1万円札を渡してしまったかもしれません」と話しました。
その日は何事もなく終わりましたが、後日店長から呼び出され、レジのお金を入れ替える姿が監視カメラに写っていたことを伝えられました。
Aさんは試用期間満了前に解雇され、同時に松戸警察署から窃盗罪の疑いで捜査されることになりました。
そのことをAさんの両親から相談された弁護士は、審判不開始になる見込みがあることを伝えました。
(フィクションです。)

【窃盗罪と横領罪の違い】

上記事例では、Aさんがコンビニのレジからお金を盗んだことが原因で、窃盗罪の疑いが掛けられています。
会社などのお金を私的に費消した場合、その行為は「横領」と言われることがよくあります。
刑法には横領罪という罪も存在しますが、上記事例においてAさんが窃盗罪とされたのはなぜでしょうか。

窃盗罪横領罪との間で決定的に違うのは、占有、すなわち物に対する支配が誰により行われているかという点です。
窃盗罪は、他人が支配している物を自己の支配下に移した場合に成立する可能性がある罪です。
一方、横領罪は、(一時的であれ)自己が支配している他人の物を黙って処分(売却など)した場合に成立する可能性がある罪です。
たとえば、同意を得て借りている友人の服を勝手に売ってしまうという行為が典型例として挙げられます。

上記事例では、アルバイトとして働いているAさんがコンビニのレジのお金を盗んでいます。
アルバイトという身分は、使用者(雇用主)からレジのお金をある程度自由に利用・処分する権限を認められていないのが通常です。
そうすると、レジのお金を支配しているのはコンビニであって、Aさんは業務の一環としてお金に触れるに過ぎないと言えます。
このような場合には、Aさんが占有をコンビニから自己のもとへ移転させたことになり、窃盗罪に当たると考えられるのです。

【審判不開始について】

20歳未満の者が罪を犯した場合、事件は原則として刑事事件ではなく少年事件となります。
両者は犯罪の成否が問題になる点で共通ですが、捜査の終了後の取り扱いが大きく異なります。
少年事件は少年の健全な育成が目的なので、刑罰ではなく保護処分という措置によって、少年の更生や成長が図られることになります。

少年事件は、刑事事件として捜査が行われた後、一部を除いて家庭裁判所に送致されます。
家庭裁判所では、非行事実(罪に当たる行為)だけでなく、少年の性格や能力などの面も調査が行われます。
その結果、何らかの措置が必要だと思われれば審判になりますが、問題ないとされれば審判不開始で事件は終了します。

審判不開始になるケースというのは、少年が自ら反省しているとともに、保護者をはじめとする周囲の環境が少年の健全な育成を図るうえで問題ないと考えられる場合です。
そのため、審判不開始を実現するうえでは、少年とその周囲に問題がない、あるいは問題があっても自らの手で解消できることを示していく必要があります。
その際、少年事件に詳しい弁護士の手を借りれば、どういった方向性で進めばいいかが明確になりやすいでしょう。
もし審判不開始を目指すのであれば、一度お近くの弁護士に相談してみてください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件のツボを押さえている弁護士が、お子さんのことを常に考えながら審判不開始などを目指します。
お子さんが窃盗罪を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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松戸警察署までの初回接見費用:39,700

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