脅迫事件で示談

脅迫事件で示談

Aさんは、交際相手のBさんが浮気していることを知り、その相手が誰なのかBさんを問い詰めました。
それに対して、Bさんは浮気相手がAさんの大学時代の友人Vさんであることを明かしました
Aさんはそのことを聞いて激怒し、千葉県船橋市に住むVさんを訪ねました。
そして、Vさんにカッターナイフを示して「今度Bをたぶらかしたら何するか分からないから」と言いました。
Vさんがこのことを船橋警察署に相談したため、Aさんは暴力行為等処罰法違反(凶器を示しての脅迫)の疑いで捜査を受けることになりました。
Aさんから事件を依頼された弁護士は、Vさんとの示談交渉を進めることにしました。
(フィクションです。)

【凶器を示しての脅迫】

相手方に対して、人を畏怖させるに足りる程度の害悪を告知して脅迫した場合、脅迫罪が成立する可能性があります。
この脅迫罪は刑法に規定されたものですが、そのほかに脅迫を罰する法律として「暴力行為等処罰に関する法律」が挙げられます。
この法律は、特定の類型の脅迫事件について、通常の脅迫罪より重い処罰を設けています。
その類型とは、以下の態様のものです。

①「団体若(もしく)ハ多衆ノ威力ヲ示シ」たこと
②「団体若ハ多衆ヲ仮装シテ威力ヲ示シ」たこと
③「兇器ヲ示シ若ハ数人共同シ」たこと

①②の具体例としては、たとえば暴力団であることまたはそのの存在をほのめかしての脅迫が考えられます。
③は凶器を用いたり複数名で協力したりしての脅迫が考えられます。
こうした態様での脅迫は特に悪質であることから、上記法律により刑法よりも重く処罰されることになりました。

上記事例では、AさんがVさんにカッターナイフを示しながら「今度Bをたぶらかしたら何するか分からないから」と脅しています。
このような行為は凶器を示しての脅迫に当たると言え、Aさんには3年以下の懲役または30万円以下の罰金が科されるおそれがあります。

【刑事事件における示談の効果】

示談とは、事件の被害者との間で取り交わす合意であって、謝罪の意思や被害弁償などについて確認するものです。
以下では、刑事事件において示談がどのような効果をもたらすのか説明します。

示談は合意の一種なので、その内容について双方が了承していることが前提となります。
ですので、示談を取り交わしたということは、被害者が示談の内容を承諾したことを示します。
被害者と示談を締結したことが明らかになると、当事者間において一応事件が解決したものと評価されます。
このことは、検察官や裁判官が最終的な処分を決めるうえで考慮する事実となる可能性が高いです。
検察官であれば不起訴処分を下しやすくなりますし、裁判官であれば刑の減軽執行猶予を認めやすくなるということです。

注意しなければならないのは、被害者との示談が必ずしも不起訴執行猶予に結びつくとは限らない点です。
たとえば、児童買春のように社会秩序を害する事件であれば、被害児童またはその親と示談したからといってそれで終わらせるわけにはいきません。
また、犯行が悪質などのマイナスの事情が多ければ、示談を締結してもなお厳しい処分が下される可能性は否定しきれません。
弁護活動は示談以外にも様々なものが考えられるので、不安であれば一度お近くの弁護士に相談されるとよいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロを称する弁護士が、示談交渉を含めて充実した弁護活動を行います。
脅迫事件を起こしてしまったら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

初回法律相談:無料
船橋警察署までの初回接見費用:36,300

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