強制わいせつ罪で情状弁護
Aさんは(21歳)には、幼稚園から小学校低学年程度の女児に興奮を覚える性的嗜好がありました。
ある日、Aさんは千葉県鴨川市内の公園で遊んでいたVさん(6歳)に対し、「お医者さんごっこしよう」などと声を掛けました。
そして、Vさんの服を脱がせて、胸をなめるなどのわいせつな行為を行いました。
VさんはAさんの真意をくみ取れず、純粋にお医者さんごっこをするものだと思って上記行為に同意していました。
このことがVさんの母親に伝わって被害届が出されたことで、Aさんは強制わいせつ罪の疑いで鴨川警察署に逮捕されました。
その後Aさんは起訴されたため、弁護士が情状弁護を行うことになりました。
(フィクションです。)
【強制わいせつ罪について】
13歳未満の者に対してわいせつな行為を行った場合、強制わいせつ罪が成立する可能性があります。
対象が13歳以上であれば暴行または脅迫を加えることが要件となりますが、13歳未満であればこの要件は不要と定められています。
強制わいせつ罪における「わいせつな行為」の内容については、裁判例でその基準となる定義が示されています。
それによると、①いたずらに性欲を刺激・興奮させ、なおかつ②普通人の正常な性的羞恥心を害し、もって③善良な性的道義観念に反する行為が「わいせつな行為」に当たります。
具体例としてよくあるのは、胸を揉む、膣に指を挿入する、無理やりキスをする、といったものです。
最近の裁判例では、わいせつな意図がなく嫌がらせや復讐などの目的であっても、行為の内容次第では「わいせつな行為」として強制わいせつ罪の成立が認められています。
相手方が強制わいせつに同意していた場合、たとえ客観的には強制わいせつ罪に当たる行為があっても強制わいせつ罪の成立は否定されます。
ただし、相手方が13歳未満の者であれば、同意の有無に関係なく強制わいせつ罪が成立すると考えられています。
その理由は、13歳未満の者については、一般的に性的自由に関する承諾能力が欠けるからだと説明されます。
そうすると、上記事例のAさんにも強制わいせつ罪が成立し、6か月以上10年以下の懲役が科されるおそれがあるでしょう。
【情状弁護による刑の減軽の可能性】
昨今、18歳未満の者に対する性犯罪は深刻なものとして捉えられています。
刑事事件において、有罪になった場合の刑罰の重さは社会に与えた影響も一定程度考慮されます。
ですので、上記事例のようなケースでは、一般的に厳しい刑が見込まれると言えるでしょう。
そこで、可能な限り量刑を軽くするための手段として、弁護士による情状弁護が挙げられます。
情状弁護とは、裁判において被告人に有利な事情を主張し、それを酌んでもらうことで少しでも寛大な処分を求める弁護活動です。
情状弁護における具体的な主張の内容としては、犯行動機が致し方ないものである、犯行がさほど悪質でないといった犯情に関するもののほか、事件後に生じた事情もあります。
たとえば、上記事例のような児童に対する性犯罪が問題となったのであれば、被告人の性的嗜好の矯正を図ることが考えられます。
再犯防止に向けて具体的な対策を講じることで、被告人の社会復帰の必要性という観点から肯定的な評価を受けることが期待できるというわけです。
裁判というのは被告人の今後を見据える場でもあるので、主張すべき事情は多岐にわたると言えます。
弁護士の腕前次第で量刑がかなり変わってくる場合もありますので、情状弁護を依頼するならぜひ実力のある弁護士を探してください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の刑事事件と接してきた弁護士が、周到な準備をして的確な情状弁護を行います。
ご家族などが強制わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
鴨川警察署までの初回接見費用:0120-631-881にお問い合わせください