監禁罪で執行猶予

監禁罪で執行猶予

監禁罪と執行猶予について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【ケース】

Xさん夫婦は千葉県花見川区に暮らしており、今年で30歳になる息子がいました。息子は、統合失調症を患っており、ときどき大声を上げ暴れることがあり、Xさん夫婦も手を挙げられ、怪我をすることがありました。
ある日、夫婦警察から連絡があり、息子が暴れ、喧嘩をしているとのことで、警察署に息子を迎えに行ったことがありました。
Xさん夫婦は、「今後も息子が外出中に暴れ、人様を傷つけてしまったら大変だ」と考え、息子を自宅の部屋に隔離し、部屋の外にカギを付け、息子の行動を管理するようにしました。
息子はしばらくは、落ち着いて生活していましたが、1週間が経過したころ、息子が部屋の中で大声を出し暴れまわりました。その声を聞いた近所の人が警察に通報し、千葉県警千葉北警察署の警察官がやってきました。
警察官は、様子を見せてほしいと部屋の中に入り、息子の部屋の鍵を確認しました。そこで、Xさん夫婦は、監禁罪の疑いで警察から捜査を受けることになりました。

(フィクションです。)

【監禁罪について】

刑法第二百二十条
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

監禁罪とは、正当な理由なくして人の場所的移動の自由を奪う犯罪です。
監禁罪における「監禁」とは、一定の場所から脱出できないようにし、場所的移動の自由を不可能または困難にする行為です。
たとえば、部屋に鍵をかけて出られなくするなどが典型例ですが、車に乗せたうえで、本人が「降りたい」という意思を明確にしているにもかかわらず、降ろさない場合にも成立します。

ちなみに、監禁罪においては、「監禁」をどう定義付けするかという点で法律の解釈上の争いが存在します。
そもそも、監禁罪は、「人が移動することの自由」を保護するための法律であり、「人が移動することの自由」をどう考えるかという点で、大きく分けて2つの解釈が存在します。一つ目が、「可能的自由説」で、もう一つが「現実的自由説」といいます。前者は、移動の自由を最大限保護しようとするもので、もし人が移動したいと思った時その状況が阻止されていればそれで犯罪の成立を認めます。
他方で、後者の場合、実際に人が移動したいと思った時にその状況が阻止されていた時に限り犯罪の成立を認めます。
具体的に問題になる場面としては、たとえば、「人が寝ている最中に部屋の外から鍵をかけた場合に犯罪が成立するかどうか」といったシーンが想定されます。前者であれば寝ていたとしても、「起きて移動したいと思う可能性がある」ので、この場合にも犯罪は成立します。
他方、後者の場合、「実際は寝ていて移動したいと思わなかった」以上、犯罪は成立しません。

【執行猶予を目指すには】

執行猶予付きの判決とは、被告人に対し、懲役刑を課しながら、一定期間社会内で更生のチャンスを与え、その期間被告人が何らかの犯罪行為を犯すことなく期間が経過した場合には、懲役刑を免除するという判決であり、懲役刑の判決を受けたとしても、刑務所に行かず引き続き社会内で生活を行うことができる判決です。
執行猶予付きの判決になるかどうかは、具体的な事案次第ではありますが、初犯でなおかつ監禁の時間もそう長くなかった場合、監禁罪で有罪判決を受けたとしても執行猶予付の判決を獲得できる可能性があります。
刑の全部の執行猶予を得るためには、法律上、言い渡された刑が3年以下の懲役または50万円以下の罰金でなければなりません(刑法25条1項)。
この条件に該当する場合には、常に執行猶予付きの判決が言い渡されるというものではなく、事件の内容、動機、被告人の犯行に至った経緯、反省状況等様々な事情を考慮し、裁判官が執行猶予付きの判決がふさわしいと判断した場合にのみ、執行猶予付きの判決となります。

執行猶予を目指すのであれば、事件の内容次第の部分もありますが、被告人に有利な情状をきちんと主張し、執行猶予付きの判決がふさわしいことを示していくことが必要となるでしょう。
執行猶予付きの判決を得ることができなければ、刑務所に収容されることになり、その後の人生に大きな影響を及ぼすと言っても決して過言ではありません。
執行猶予付きの判決の可能性を少しでも高めるため、弁護士に事件を依頼し、充実した弁護活動を行ってもらう必要があります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件専門の経験豊富な弁護士が、執行猶予を目指してできる限りの弁護活動を行います。
もし監禁罪の疑いで逮捕されたら、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所(0120-631-881)にお電話ください。
刑事事件・少年事件専門の法律事務所として、執行猶予に向けた最適な弁護活動が行えるよう、弁護士が迅速に初回接見を行います。
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