公然わいせつ罪で勾留阻止
千葉県市原市に住むAさんは、軽い運動をするため近所の公園を頻繁に利用していました。
ある日の深夜、Aさんは好奇心で下半身を露出したくなり、ズボンと下着を脱いで数分程度公園内を歩き回りました。
Aさんは周囲に人がいないと思っていましたが、たまたま近くにいた男性に現場を目撃され、警察に通報されました。
その後すぐに市原警察署の警察官が駆けつけ、Aさんは公然わいせつ罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんは逮捕後に勾留されたため、弁護士が勾留決定に対する準抗告を申し立て、勾留の当否を争うことにしました。
(フィクションです。)
【公然わいせつ罪について】
公然わいせつ罪は、その名のとおり、公然とわいせつな行為を行った場合に成立する可能性のある罪です。
性犯罪である点は強制わいせつ罪や強制性交等罪と同様ですが、それらとは決定的に異なる特徴があります。
それは、公然わいせつ罪が社会的法益を害する罪である点です。
強制わいせつ罪や強制性交等罪は、性的意思決定の自由という個人的法益を害する罪だとされています。
それに対し、公然わいせつ罪は、社会秩序を乱すことで社会一般を被害者とする罪だということです。
公然わいせつ罪における「公然と」とは、不特定または多数人が認識できる状態であることを指します。
上記事例では、Aさんが深夜の公園内で下半身を露出しています。
公園での行為は「公然と」行われたものと言ってよく、なおかつ下半身の露出は「わいせつな行為」に当たります。
そうすると、Aさんには公然わいせつ罪が成立すると考えられます。
公然わいせつ罪の法定刑は、①6か月以下の懲役、②30万円以下の罰金、③拘留、④科料のいずれかです。
拘留は1日以上30日未満身体を拘束する刑罰であり、逃亡や証拠隠滅を防止して捜査を円滑に進めるための「勾留」とは異なります。
また、科料は1000円以上1万円以下の金銭を納付させる刑罰であり、刑罰ではなく軽微な交通違反などの反則金である「過料」とは異なります。
たった1字違うだけで意味が大きく異なってくるため注意が必要です。
【勾留阻止に向けた弁護活動】
他の罪と比較してみると、公然わいせつ罪はさほど重大な罪とまでは言えません。
その事実は、先ほど説明した法定刑の程度からも言えることです。
そのため、公然わいせつ罪の疑いで逮捕されてしまっても、長期の身体拘束である勾留を阻止できる可能性はあると言えます。
刑事事件において、逮捕および勾留はしばしば罪を犯したことに対する罰のように見られます。
しかし、逮捕および勾留の実際の機能は、逃亡や証拠隠滅を防止して捜査を円滑に進めるというものです。
そのため、勾留を阻止するに当たっては、逃亡や証拠隠滅のおそれが低いことをアピールするのが重要です。
ここで弁護士の存在が活きてくると言えます。
弁護士は、逮捕中の被疑者に逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを的確に主張するために、法律や刑事事件に関する豊富な知識を適宜引き出します。
たとえば、類似の事案と比較した場合の事件の重さ、被疑者の生活状況、今後の弁護活動などが挙げられます。
弁護士の強みの一つは、そうした知識を上手くつなぎ合わせて説得的な主張を展開できる点だと言えます。
それだけでなく、法律の内容や制度の運用を把握している弁護士は、長期の勾留を阻止すべく様々な手段を講じます。
たとえば、勾留決定前に検察官や裁判官と面談することもあれば、勾留決定後に準抗告という不服申立てをすることもあります。
勾留の阻止に向けてできる限りのことをするのが弁護士の仕事なので、逮捕されたら早期に弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の豊富な経験を持つ弁護士が、逮捕された方の勾留を阻止すべく全力を尽くします。
ご家族などが強制わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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