犯人隠避罪で執行猶予

会社員のAさん(20歳)は、中学校時代の先輩であるBさんから電話である依頼を受けました。
曰く、Bさんは千葉県勝浦市内でひき逃げをしてしまい、その犯人を勝浦警察署が探しているため、代わりにAさんに出頭してほしいとのことでした。
その依頼を引き受けたAさんでしたが、捜査が進むにつれて矛盾点が明らかとなり、最終的に身代わり出頭であることが捜査機関に知られてしまいました。
それを皮切りに、Bさんが過失運転致傷罪などの疑いで逮捕され、Aさんも犯人隠避罪の疑いで改めて捜査を受けることになりました。
Aさんから相談を受けた弁護士は、仮に起訴されても執行猶予になる可能性が高いと説明しました。
(フィクションです。)

【犯人隠避罪について】

刑法(一部抜粋)
第百三条 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。

犯人隠避罪という罪名自体は、多くの方にとってあまり聞きなれないかもしれません。
犯人隠避罪は、犯人蔵匿罪とまとめて上記のとおり刑法103条に規定されています。
これらの罪は、簡単に言うと刑事事件の犯人に捜査が及ばないよう何らかの手助けをした場合に成立する可能性のある罪です。
今回の事例では、Aさんがひき逃げをしたBさんの代わりに警察署へ出頭しています。
こうした行為が犯人隠避罪に当たるかどうか見ていきます。

犯人隠避罪における「隠避」とは、「蔵匿」、すなわち場所を提供して匿う以外の方法で、犯人が警察などに逮捕・発見されるのを免れさせることを指します。
ここで言う「犯人」とは、真犯人かどうかを問わず、被疑者・被告人として捜査が及んでいる者全てを指すと考えられています。
上記事例では、AさんがBさんの代わりに出頭したことで、BさんではなくAさんがひき逃げの犯人として捜査を受けています。
この場合、捜査機関としては当然に出頭したAさんを被疑者として扱うことになり、その結果としてBさんへの捜査は及ばなくなることが想定されます。
そうすると、Aさんによる身代わり出頭は「隠避」に当たり、犯人隠避罪が成立する可能性が高いと言えます。
ちなみに、「罰金以上の刑に当たる罪」という限定がありますが、実際のところこれに当たらないのは軽犯罪法違反などごく一部でしょう。

【執行猶予の可能性】

犯人隠避罪の罰則は3年以下の懲役または30万円以下の罰金であり、率直に言って著しく重いというわけではありません。
ですので、事案の内容次第ではあるものの、初犯であれば一般的に罰金で終わることが多いと見込まれます。

このように比較的軽い罪については、事案を重く見て起訴されたとしても、初犯であれば執行猶予になる可能性が少なからずあります。
執行猶予には刑の一部の執行が猶予される場合と全部が猶予される場合とがありますが、今回は実務上多く見かける全部の執行猶予に絞って解説を行います。
執行猶予とは、有罪として刑を科す際に、一定期間その刑の執行を見送る制度です。
つまり、懲役刑や禁錮刑を言い渡されても直ちに刑務所に行く必要はないということです。
「猶予」とあるように、一定の事情(たとえば新たに重い罪を犯すなど)が生じた場合は執行猶予が取り消されて受刑を余儀なくされます。
ですが、逆にそうした事情が生じることなく期間の満了に至れば、刑を受ける必要がなくなります。

執行猶予に関する規定は複雑であり、その全てを理解するのは非常に骨が折れるかと思います。
ですので、ご自身の事案で執行猶予がつくか疑問に思ったら、まずはお近くの弁護士にご相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、執行猶予の可能性やその後のリスクなどについて丁寧にご説明します。
犯人隠避罪を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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