強要未遂罪で逮捕されるか

強要未遂罪で逮捕されるか

Aさんは、SNSを通じて千葉県長生郡一宮市に住むVさん(15歳)と知り合い、たわいもない会話をする仲になりました。
ある日、Aさんが冗談で「裸が見たい」と言ったところ、Vさんは「いいよ」と言ってAさんに裸の写真を送りました。
それからというもの、AさんはたびたびVさんに裸の写真を送るよう言うようになり、ついには「俺とセックスしないと写真をばらまく」などと言うようになりました。
すると、Vさんから「茂原警察署に相談します。もう連絡しないでください」と言われたため、焦って弁護士に相談しました。
相談を受けた弁護士は、強要未遂罪や児童ポルノの罪に当たることを指摘したうえで、逮捕の可能性について説明しました。
(フィクションです。)

【強要罪について】

暴行または脅迫を用いて、人に義務のないことを負わせ、または権利の行使を妨害した場合、強要罪が成立する可能性があります。
強要罪は、他人の意思決定を害するという点で脅迫罪と共通点を持ちます。
ただ、脅迫罪が単に脅迫のみを以て成立するのに対し、強要罪は暴行・脅迫により一定の作為または不作為を生じさせた際に成立するものです。
このことから、当然ながら強要罪の方が重い罪と考えられています。
実際、脅迫罪の法定刑が2年以下の懲役または30万円以下の罰金であるのに対し、強要罪の法定刑は3年以下の懲役です。
罰金刑が選択される余地がない点で、強要罪は脅迫罪との比較を抜きにしても重大な罪の一つと言えるでしょう。

一定の作為または不作為を目的とする暴行・脅迫はあったものの、相手方がそれに応じなければ、強要罪は既遂に至っていないということになります。
この場合には、目的を遂げられなかったとして強要未遂罪とされることもあれば、手段だけを切り取って暴行罪または脅迫罪とされることもあります。
他方、暴行・脅迫を手段として作為または不作為を生じさせたからといって、必ず強要罪が成立するとは限りません。
たとえば、行わせた行為が性交であれば、強要罪ではなく強制性交等罪となって扱いが重くなることが予想されます。
このように様々な罪と関連することから、弁護士が罪の成立を争う幅も比較的広いと言えます。

【逮捕の可能性】

罪を犯してしまった際、誰しも「逮捕されるのではないか」という不安を抱くことかと思います。
刑事事件において、逮捕されるケースというのは全体の4割程度です。
ですので、刑事事件を起こしたからといって、ほぼ確実に逮捕されるなどと考える必要はありません。
ただ、事件からしばらく経って逮捕されることもあるので、その点は頭の片隅に置いておく必要があります。

逮捕は被疑者の行動の自由を奪うことから、法律により逮捕を行うための要件が厳格に定められています。
逮捕を行うためには、罪を犯したと疑うに足りる相当な理由に加えて、逮捕の理由と逮捕の必要性がなければなりません。
第一に、逮捕の理由とは、逃亡のおそれと証拠隠滅のおそれの存在だと考えられています。
その判断に当たっては、事件の内容や被疑者の態度などの様々な事情が考慮されます。
第二に、逮捕の必要性とは、逮捕により被る不利益よりも逮捕により得られる利益の方が大きいことです。
利益と不利益を天秤にかけるようなかたちで判断され、逮捕の理由である逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれがどの程度かということも考慮されます。

逮捕をするかどうかは結局のところ捜査機関次第であるため、捜査機関でない限り逮捕の有無を断言することはできません。
ただ、刑事事件に詳しい弁護士に聞けば、逮捕の可能性についてある程度予測を立てることが可能です。
それだけでなく、捜査機関に逮捕しないよう働きかけたり、捜査にどう立ち向かうべきか確認したりすることができます。
逮捕に関する不安を少しでも払拭するなら、ぜひお近くの弁護士にご相談ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件を専門とする弁護士が、逮捕を含む様々なご相談に真摯に対応いたします。
強要罪を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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