大麻所持で執行猶予
千葉県旭市に住むAさんは、SNSを通じて同じ趣味を持つBさんと出会い、時々一緒に遊びに出かけていました。
ある日、AさんがBさんに「生きてても楽しいことがない」とぼやいたところ、Bさんから大麻を少量もらいました。
これをきっかけに、Aさんはたびたび大麻を吸うようになりました。
そのことを知った旭警察署は、Aさん宅を捜索して大麻を押収し、大麻取締法違反の疑いでAさんを現行犯逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの父親は、弁護士から執行猶予の見込みであることを聞きました。
(フィクションです。)
【大麻所持について】
大麻(「マリファナ」とも)は、日本において規制されている代表的な薬物の一種です。
主成分はテトラヒドロカンナビノール(THC)であり、摂取することで一時的に多幸感を抱く一方、慢性的な気管へのダメージや情緒不安定などの様々な悪影響を及ぼします。
日本では、大麻取締法が法律上の大麻の定義や取り扱い上の注意などを定めています。
まず、大麻取締法における「大麻」とは、大麻草およびその製品を言います。
①大麻草の成熟した茎およびその製品ならびに②大麻草の種子およびその製品は除きますが、大麻樹脂は「大麻」に含まれます。
実際、大麻樹脂を所持していたとして大麻取締法違反で検挙されるケースも少なくありません。
その他には、乾燥大麻、液体大麻、THCを含有する食べ物などが検挙の対象としてよく見られます。
大麻を所持した場合、大麻取締法違反として5年以下の懲役が科される可能性があります。
更に、営利目的(たとえば他人に大麻を販売する目的)での所持だった場合、罰則は7年以下の懲役(場合により200万円以下の罰金を併科)となります。
営利目的だったかどうかは、本人の供述だけでなく、取引の記録や所持していた量などの客観的な事情も考慮して判断されます。
ですので、「自分で使っていただけ」と供述したからといって、そこから直ちに営利目的が否定されるとは限らない点に注意が必要です。
【薬物事件における執行猶予】
大麻に関する罪は、①大麻という信用性の高い物的証拠が存在する、②法律上罰金刑を選択する余地がない、という特徴があります。
そのため、家宅捜索などをきっかけに大麻に関する罪を疑われると、非常に高い確率で逮捕・勾留および起訴に至ると考えられます。
大麻所持を含む薬物事件では、初犯かつ犯情がさほど重くなければ、執行猶予が付される可能性が十分あります。
執行猶予とは、事件の内容や被告人の反省の程度などを考慮して、一定期間刑の執行の全部または一部を猶予する制度です。
刑の全部の執行猶予が行われると、判決が言い渡された直後に刑務所へ収容されるという事態を回避できます。
執行猶予の範囲が一部にとどまっても、刑期が短くなる可能性があると考えればやはり有用です。
期間中に執行猶予が取り消されなければ、その期間が経過した時点で刑の執行を受けることはなくなります。
執行猶予が取り消される事情には、①裁判官の裁量で必要に応じて取り消されるものと、②選択の余地なく必ず取り消されるものがあります。
執行猶予の言い渡し後に気をつけることをピックアップすると、新たに罪を犯さない、保護観察の遵守事項を守る、といったことがあります。
弁護士がついていれば、事件終了後に注意すべき点を含めて様々なアドバイスを受けることができます。
特に、薬物事件は逮捕・勾留や裁判の可能性が高いので、一度は弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、大麻所持をはじめとする薬物事件においても充実した弁護活動を提供いたします。
ご家族などが大麻取締法違反の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
旭警察署までの初回接見費用:44,100円