【解決事例】親子喧嘩でお父さんが逮捕!?

 千葉県君津市で起きた暴行事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案の概要~

 Aさんと、実の娘であるV子さんは、些細な事から口論となってしまいました。
 口論がヒートアップしてしまった結果、AさんはカッとなりVさんの顔を平手で殴ってしまったのです。
 殴られたV子さんがさらに興奮し、台所から包丁を取り出そうとしたため、Aさんが包丁を取り上げましたが、V子さんの怒りは収まらず、二人はついに殴り合いを始めてしまいました。
 Aさんの妻が仲裁し、救急車を呼んだところ、救急隊からの要請を受けた警察官が駆けつけました。
 その後、Aさんが暴行罪の被疑者として現行犯逮捕されてしまったのです。

※守秘義務の関係で、一部、事実と異なる点がございます。

~逮捕・勾留と起訴とは?~

 逮捕・勾留とは、起訴・不起訴に向けた捜査のために、一時的に被疑者の身柄を拘束する手続をいいます。
 逮捕・勾留された場合、身柄を拘束された状態で取調べ等の捜査を受けることとなりますが、刑事手続上は未だ罪を犯した者として取り扱われることはありません。
(この場合には、罪を犯した疑いのある者として「被疑者」と呼ばれます。)
 その後、捜査で得られた証拠をもとに、検察官が刑事裁判を起こすかどうか、起訴・不起訴の判断をします。
 起訴され有罪判決が出て初めて犯罪者として確定することとなりますが、起訴後の有罪率は99.9%を超えるため逮捕・勾留されてしまった場合には、起訴処分を回避することが非常に重要です。

 また、被疑者として逮捕され、勾留されてしまった場合、実名報道によって不利益を被る可能性があります。
 さらに、勾留期間中は留置施設で過ごすことになり、その間は仕事に行くことも、学校へ行くことも出来ません。そのため、仮に起訴されずに事態が収束したとしても、その間の欠勤により仕事を失ってしまったり、学校を退学になってしまう恐れがあります。
 
 そのため、逮捕されてしまった場合、いち早く弁護士に依頼し、在宅捜査へ切り替えてもらうよう働きかけを行うといったことが、重要となってきます。

~Aさんの刑責~

 実の娘とはいえ、V子さんの顔を平手で殴ってしまったAさんは、暴行罪に問われる可能性が高いと言えます。

・暴行罪 刑法第208条

 

 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金若しくは科料に処する。 

 また、万が一、Aさんが殴ったことにより、殴られたV子さんがケガをしてしまった場合、傷害罪に問われる場合があります。

・傷害罪 刑法第204条

 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

 警察などの捜査機関は、医師ではないため、明らかに腕が変形している場合や、頭から出血をしているといった状況でない限り、負傷状況を特定することは出来ません。
 今回のように顔を平手で殴られたというような場合、暴行罪として捜査を開始し、被害に遭った方が病院を受診し診断書を捜査機関に提出した段階で、傷害罪に罪名を変更して捜査を継続することが通常です。
 相手を殴ってしまったが、見た目は怪我をしているようには見えず、暴行罪と言われたからといって放置してしまうと、知らない間に罪が重くなってしまったという事態にもなりかねません。

 もし、家族に限らず、誰かを殴ってしまった、突き飛ばしてしまったなど、暴力行為を行ってしまった場合、いち早く法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

~親子喧嘩で逮捕されてしまうのか?~

 今より少し前の時代は、親子喧嘩や家族・親族間でのトラブルには警察官が積極的に介入する、喧嘩の当事者を逮捕するといったことは多くはありませんでした。

 しかし、時代の移り変わり、「親が子供を虐待し命を奪ってしまった」「子供が親に暴力をふるった」等の事案が増加したことなどを背景に、現在では、たとえ親子や家族、親族であっても、その法益侵害の程度によっては積極的に事件化されることとなっています。

 また、事件として扱われてしまった場合、他人同士であれば、住む場所や生活習慣が違うことから、一度別れてしまえばその後再会する可能性が低いため、事態が悪化する危険性も少なく、在宅で捜査が進行する場合もあります。
 しかし、家族間で事件を起こしてしまった場合、相手の居場所や連絡先を把握していることから、相手に対して更なる危害を加える危険性があると判断されてしまうことが多くあります。そのため、事態が悪化することを避けるために、例え被害届を提出しなかったとしても、逮捕されてしまう可能性が高いのが現状です。

~暴行事件を起こしてしまったら~

 刑事事件では、弁護士への早期相談が何よりも大切です。
 本件は、逮捕直後に弊所の初回接見をご利用いただきました。
 
 初回接見では、刑事事件に精通する弊所の弁護士を、Aさんが逮捕された警察署へ派遣し、事件の内容を確認すると共に、今後の事件の見通しや、取調べなど捜査に対する対応についてのアドバイスを行わせていただきました。
(※取調べで話した内容は、全て「供述調書」として記録され裁判の証拠とされてしまうほか、これを後から覆すことは極めて困難です。
 そのため、逮捕・勾留されてしまった初動の段階で弁護士に相談し、どのようなことを話すかを方針立てておくかどうかによって、落ち着いて対応することができ、あいまいな供述や表現によって、殊更立場が悪くなってしまうことを避けることができます。)

 そして、その結果をご家族にご報告し、正式にご依頼いただけたことから、検察庁、裁判所と早期から協議を重ねることができ、Aさんは、逮捕後48時間という短い期間で釈放されることとなりました。

 釈放されても捜査が継続することから、その後は、AさんやAさんご家族と再発防止策を検討し、また、その結果を踏まえて担当検察官と話し合いを重ねたところ、Aさんは不起訴処分となり、起訴されることなく事件は終息を迎えました。

 次々と連続して行われる刑事手続きの中で、事態の悪化を避けるためには、何よりもまず早期の段階で弁護士に相談・依頼し、適切な弁護活動のサポートを受けることが非常に重要です。

 本件は、逮捕直後からのご相談だったため、早期の釈放を実現させることができ、また起訴処分を回避することができました。

 今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
 また、弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡と全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。

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