6月15日より施行されているストーカー規制法の一部改正について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
ストーカー規制法は、「ストーカー行為等の規制等の法律」という正式名称で、平成12年に施行された法律です。
この法律では、ストーカー行為を禁止し処罰の対象としている他、つきまとい行為を取り締まり、被害者に対してストーカーからの被害の防止の援助などを行うこととしています。
ストーカー規制法は、これまで何度か改正されてきていますが、改めて6月15日につきまとい行為等の規制対象の範囲が拡大されています。
そこで本日は、今回の改正内容を解説します。
つきまとい・待ち伏せ行為の範囲拡大
これまでは、住居、勤務先、学校など被害者が通常いる場所の付近において見張りをしたり、押し掛けることを規制の対象としていましたが、今回の改正で、住居等の被害者が通常いる場所に加え、実際に被害者がいる場所の付近において見張りをしたり、押し掛けることの他、みだりにうろつく行為も規制の対象になっています。
つまり、被害者が偶然立ち寄った飲食店に押し掛けたり、旅行で滞在しているホテルの付近をうろついたりする行為も規制されるようになったのです。
文書の送付を規制
これまでは、被害者に拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけたり、FAXや電子メール、SNSメッセージ等を送信することが規制されていましたが、これに加えて文書を送る行為も規制の対象になりました。
被害者の職場に手紙を何度も送ったり、自宅のポストに直接手紙を何度も投函する行為が規制の対象となっています。
GPS機器等を使用した位置情報を承諾なく取得する行為を規制
これまで規制されていなかったのですが、今回の改正で、被害者の承諾なく、GPS機器等を用いて、被害者の位置情報を取得する行為等が規制の対象となりました。
被害者の承諾がないのに、GPS機能を搭載した装置を使用して、被害者の位置情報を取得する他、被害者に黙って、被害者の所持品や、被害者の使用する車両にGPS装置を取り付ける行為も規制の対象になります。
例えば、普段被害者が通勤に使用している車にGPS装置を取り付ける行為そのものが規制の対象となりますし、そういった装置を取り付けた後に、被害者の位置情報を取得する行為も規制の対象となるのです。
(本年8月26日より施行)
ストーカー規制法の処罰規定
今回、改正されたのはストーカー規制法の「つきまとい行為」となります。
こういったつきまとい行為を反復すればストーカー行為として処罰の対象となってしまう他、ストーカー行為によって禁止命令等を受けたにも関わらず、ストーカー行為を繰り返せば禁止命令違反となって処罰の対象となります。
ストーカー行為等によって有罪となった場合「1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金」が科せられ、禁止命令等に違反した場合は「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金」が科せられます。
ストーカー規制法に強い弁護士
今回の法改正では、これまで違法とされていなかった行為が取締りの対象となっているので注意が必要です。
すでに今回の改正で規制対象となった違法行為で警察に逮捕された方もいるようなので、ストーカー規制法でお悩みの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談ください。