飲酒し事故を起こした社長 従業員を身代わりに(前編)

自動車事故を起こし、身代わり出頭させた場合の罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。

千葉県市原市の交通事件

建築会社の社長Aさん(40代・男性)は、現場作業を終えて自動車で会社へ戻る途中、コンビニに立ち寄り、缶チューハイ2本を購入し、飲み干しました。(これにより、Aさんはアルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態になりました。)
Aさんは、飲酒をしましたが、そのまま運転を継続しました。
しかし、飲酒したことが原因で、Aさんは運転を誤ってしまい、道路わきのVさん宅に激突し、Vさん宅の壁を破壊してしまいました。
Aさんの事故で怪我人はいませんでした。
Aさんは、飲酒運転していたことが発覚することを恐れ、車を放置してその場から逃走しました。
Aさんは、逃走中に、信頼している部下であるBさんへ連絡し「飲酒運転したら事故を起こしてしまい、現在逃走している」と伝えました。
するとBさんは「A社長が逮捕されたら会社が回らなくなります。ここは私が車を運転していたことにしましょう」と提案しました。
Aさんはその提案を了承したため、Bさんは事故現場に駆け付けました。
事故現場には、すでに現場に警察が駆けつけており、警察はVさんと話をしていました。
Bさんは、警察に対し「自分が運転しました。」と伝え身代わりになろうとしました。
しかし、その後の捜査で、Aさんが飲酒運転し事故を起こして逃走していたことが発覚しました。
そのため、Aさんは道路交通法違反の疑いで、Bさんは犯人隠避罪の疑いで逮捕され、その後勾留されました。
Aさんの家族は、Aさんが勾留されたことを受け、刑事事件を扱う法律事務所に相談することにしました。
(フィクションです)

本ブログは、前編・後編に分かれております。後編はこちら

飲酒運転による物損事故

Aさんが犯した罪は、飲酒運転過失による事故の2つだと考えられます。

まず、飲酒運転の禁止については、道路交通法および道路交通法施行令に規定があります。


道路交通法65条1項
何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。

道路交通法117条の2の2
次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

第1号 第65条第1項の規定に違反して車両等を運転した者で、その運転をした場合において酒に酔つた状態(アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいう。)にあつたもの


Aさんは、身体に政令で定める程度以上にアルコールを保有する状態で車を運転しています。
そのためAさんは、道路交通法65条1項、117条の2の2第1号,に違反していると考えられます。
これがAさんの1つめの罪です。

次に、Aさんは飲酒したことにより、注意義務を怠り、過失によってVさんの住居へ車ごと突っ込んでしまいました。
これも、道路交通法116条に規定があります。

 


道路交通法116条

車両等の運転者が業務上必要な注意を怠り、又は重大な過失により他人の建造物を損壊したときは、6月以下の禁錮又は10万円以下の罰金に処する。


道路交通法116条は、過失建造物損壊罪を規定している法律です。
Aさんの行為は、業務上必要な注意を怠り他人の建造物を損壊したものと考えられますので、道路交通法116条にも違反していると考えられます。

次回のブログでは、身代わり出頭をしたBさんの罪について解説致します。

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