女性の臀部を執拗に撮影 千葉県の迷惑行為防止条例違反

女性の臀部を執拗に撮影し、迷惑行為防止条例違反に問われた事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。

女性の臀部を執拗に撮影

無職Aさん(60代・男性)は、西船橋駅構内において、駅を利用する女性の乗車客十数名に対し、臀部を接写する行為を繰り返しておりました。
Aさんの手口は、エスカレータに乗る女性の後ろにぴったりとくっつき、女性がエスカレータを降りるまでの間、ずっと臀部を撮影するというものでした。
Aさんは「下着ではないから問題ないだろう」と考えていました。
Aさんの行動を不審に思った駅係員は、Aさんの行動を監視し、Aさんが女性の臀部ばかりを繰り返し撮影していることに気付きました。
駅係員は警察へ通報し、Aさんは船橋東警察署の警察官によって現行犯逮捕されました。
その後、Aさんは勾留されずに釈放されました。
しかし、Aさんは、今後自分にどのような処分が下されるのか心配になったため、刑事事件を扱う法律事務所無料法律相談を利用することにしました。
(フィクションです)

迷惑行為防止条例違反

多くの都道府県では、公共の場所や又公共の乗物で、下着や服で隠れている部分を盗撮することは、迷惑行為防止条例によって禁止されています。
千葉県では「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」が定められています。(以下、「千葉県迷惑行為防止条例」)
千葉県迷惑行為防止条例では、以下の条文で卑わいな行為を禁止しています。


千葉県 公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例

(卑わいな行為の禁止)
第3条の2
何人も、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次の各号に掲げるものをしてはならない
第1号
・・・略・・・
第2号
・・・略・・・

第3号
前各号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。


上記した事件例のAさんは、衣服の上から女性の臀部を撮影しています。
このAさんの行為は、千葉県迷惑行為防止条例第3条の2違反すると考えられます。
もちろん、Aさんの行為が違反となるのは、千葉県に限った話ではありません。
他の都道府県の迷惑行為防止条例においても、 下着の盗撮に加えて、公共の場で卑わいな発言や行動をすることを禁止するという趣旨の規定が置かれています。

そして、これらの規定に違反した場合の罰則についても規定があります。
ここでは、千葉県迷惑行為防止条例第3条の2に違反した場合の罰則を紹介致します。


(罰則)
第13条の2 第1項
次の各号のいずれかに該当する者は、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
第1号
・・・略・・・
第2号
第3条の2(第2号又は第3号に係る部分に限る。)の規定に違反した者


上記した事件例のAさんの場合、千葉県迷惑行為防止条例に違反し、その事件が検察官によって起訴され、有罪判決がくだされた場合、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金が下される可能性があります。
それでは、どのような行為が卑わいな言動にあたるのか解説致します。

卑わいな言動の意味

卑わいな言動について、最高裁判所判例(平成20年11月10日)によりますと、卑わいな言動とは、社会通念上、性的道義観念に反する下品でみだらな言語又は動作をいうとされています。

例えば、街中で人に対し下品な言葉を囁いたり執拗ににおいを嗅いだりする行為は、卑わいな言動にあたると考えられます。
上記したAさんの撮影行為は、女性客の臀部を至近距離から執拗に撮影するというものでした。
たとえ、服の上からであったとしても、臀部を執拗に撮影する行為には、性的意図が濃厚に表れているものと考えられます。
このような行為は、社会的な道義の観点からも、下品な行為であると考えられるでしょう。
よって、Aさんの行為は、迷惑行為防止条例でいう卑わいな言動にあたるとして、迷惑行為防止条例違反の罪に問われてもおかしくないと考えられます。

刑事事件を起こしてしまったら

Aさんのように「これくらいなら大丈夫だろう」と思ってしたことが、警察から事情聴取を受けたり、検察庁へ書類送検されたことで、はじめて犯罪をしていたと知るケースがあります。

もし、ご自身が、捜査機関から容疑者(被疑者)として扱われており、今後どうなってしまうのか、事件の見通しなどを知りたい場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所へご相談下さい。

弊所では、事件を起こしてしまった方に対する無料法律相談を実施しております。(※2回目以降は有料)

弊所の無料法律相談では、弊所の弁護士が、事件を起こしてしまった方から直接お話を伺い、事件の見通しについてご説明をさせていただきます。

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