Archive for the ‘刑事事件’ Category

友達の無実を信じたら自分が逮捕された~犯人蔵匿罪とは?~

2022-11-22

 恋人や友人などから、「警察に捕まるかも、助けて欲しい」などと頼って来られると何とかしてあげたくなってしまうかもしれません。
 しかし、そこで手助けをしてしまうと、恋人や友人だけでなく、あなたが罪に問われるかもしれません。
 今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が、犯人蔵匿等罪について解説いたします。

~事案概要~

 深夜2時ごろ、千葉県浦安市で一人暮らしをしているAさん(女性27歳)の部屋に、恋人であるXさん(男性33歳)が突然訪ねてきました。

 Aさんが事情を聞くと、Xさんは「突然家に浦安警察が来て、覚醒剤の取引リストに俺の名前があったって言われた。同姓同名の別人かなんかだと思う。その場は親に任せて裏から逃げてきた。しばらく匿って欲しい。」と説明したのです。

 Aさんは、恋人であるXさんがやっていないと言うなら信じようと思い、部屋にXさんを匿うことにしました。
 その後、Aさんの部屋を突き止めた警察が訪れ、Xさんを覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕、Aさんを犯人蔵匿罪の疑いで逮捕しました。
事例はフィクションです。

~解説~

犯人蔵匿罪 刑法第103条

 罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

・犯人蔵匿罪の法定刑
・1月以上3年以下の懲役
・1万円以上30万円以下の罰金

蔵匿」とは、場所を提供するなどして匿う(かくまう)ことです。
 今回の事例では問題となるのはAさんの匿ったXさんが「罪を犯した者」に該当するのかという点です。
 Aさんが、恋人であるXさんを部屋に匿った段階では、Xさんが実際に「罪を犯した者」なのかどうかは明らかではないため、無実と信じて匿っても罪にはならないように感じます。
 しかし、判例(最判昭和24・8・9参照)は、犯罪の嫌疑によって捜査の対象となっている者も「罪を犯した者」に含まれると判断しています。
 判断の理由は、犯人蔵匿罪は国の刑事司法作用(犯罪のためする行為)を妨害されないようにするためのものだからとしています。
 そのため、きっと無実と信じたり、まだ犯人とは決まっていないからといって、警察の捜査を受けている恋人や友人を匿うことは、罪に問われる可能性があります

~まとめ~

 刑事事件は早い段階での法律のプロへの相談が事態の深刻化を防ぎ、早期解決に大きく影響します。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
 千葉県浦安市のAさんのように、犯人蔵匿の罪などで警察に呼ばれるのではないかと不安、という方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご連絡ください。
 無料相談にて事件の内容を確認した上で、今後の刑事手続きの見通しや適切な対応などについてご説明致します。
24時間365日予約受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)にご連絡ください。

【解決事例】酔って自動ドアを壊して現行犯逮捕された器物損壊事件

2022-11-16

 泥酔状態で帰宅途中にカラオケ店の自動ドアを壊した器物損壊事案をあいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事件概要~

 Aさんは、友人らと飲酒後、千葉県松戸市のカラオケ店を訪れました。
 そして、突然、Aさんは、ディスプレイ用のマイクを手に取り、手に持ったマイクで店舗入り口のガラス製の自動ドアを殴りつけ、ガラスを割り、自動ドアを壊してしまったのです。
 店舗従業員が警察に通報し、駆けつけた警察官によってAさんは現行犯逮捕されてしまいました。

守秘義務の都合上、一部事実と異なる記載をしています。

~Aさんの刑責~

 飲酒し、泥酔状態にあったとはいえ、お店のガラス製の自動ドアを壊してしまったAさんは、器物損壊罪に問われることとなります。

器物損壊罪 刑法第261条

 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(前3条とは「公文書等毀棄」「私用文書等毀棄」「建造物損壊及び同致死傷」のことですが、ここでは割愛します)

 この罪における「損壊」とは、その物の効用を害する一切の行為をいいます。
 今回、Aさんは、お店の「ガラス製の自動ドア」という他人の物のガラスを割り、壊したことで、その効用(自動ドアとしての機能)を害しているので、Aさんの行為に器物損壊罪が成立する可能性が高いです。
 また、本件の事例とは異なりますが、他人の所有物に唾を吐きかけたり、尿や精液などの体液をかけたり(洗ったとしても誰のかわからない体液類が付着したものは使いたくないですよね)、鍵穴に異物を詰め施錠出来ないようにしたりといった行為も同様に器物損壊罪に問われる可能性が高いと言えます。
 

 また、器物損壊罪は、被害者の告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪です。
 公訴が提起されない、とは、検察官による起訴(≒公判請求)ができないという意味です。
 つまり、被害者が告訴しない限り、検察官は事件を起訴することはできません

 器物損壊罪の成立に争いがない場合、弁護士に依頼し、直ちに被害者に謝罪と被害弁償をすべきです。早急に示談を成立させることで、不起訴処分となる可能性が高まります
 事件が起訴されなかった場合、当該事件は不起訴処分となり、前科はつかず、また略式手続きにより罰金を収める必要も、公開の法廷で裁判を受けることもありません。

 被害者との間で早急に示談が成立すれば、告訴提出による事件化を防ぐことができます。仮に、被害者が告訴した後であっても、示談によって告訴を取り消してもらうことができれば、不起訴処分を獲得することができます。

 器物損壊罪で起訴され裁判になってしまった場合でも、器物損壊事件の被害者との間で示談や被害弁償を行うことで、刑務所に入らないで済む,いわゆる執行猶予付き判決を獲得できる可能性も高まります。

 そのため、他人の物を壊してしまった逮捕されないか、前科が付かないか心配、と言った場合、いち早く刑事事件に強い弁護士に相談することをおすすめ致します。

~弁護活動~

 今回の事例は、逮捕されてしまったことを聞いたAさんの上司の方が、弊社の初回接見サービスを利用されたことからスタートしました。
 初回接見では、刑事事件に強い弁護士が、逮捕されてしまったAさんの元へ駆けつけ、事件の内容を確認するところから始まります。
 そして、Aさんのお話をもとに、今後の手続きの見通しをお伝えするとともに、予想される捜査に対する対応アドバイスさせていただきます。
 初回接見サービスをご利用いただいた後、Aさんの事件について正式にご依頼いただきました。
 
 Aさんは逮捕後に検察庁に送致(≒送検)されましたが、勾留請求をされることなく釈放となったため、被害者対応に的を絞り対応を開始しました。

 事件後すぐに対応することが出来たからか、Aさんが壊した自動ドアの修理費を負担することを条件に示談を取り交わすことが出来ました。
 また、示談のみならず、宥恕(≒犯人に対する被害者側の処罰意思、厳しい処罰を望まないというような緩やかな処罰感情)をいただくことができ、さらに、被害届を取り下げていただくことができました。

 被害届を取り下げていただく際も、万が一に取下げを忘れてしまったり、内容が誤っていて捜査機関に受理されないといったことが無いよう、法律的な見地に則り、書面を作成し、内容に同意いただき署名をいただくことで、後々、事件が蒸し返されることがないようにすることができます。

 そうした活動の甲斐があってか、Aさんは不起訴処分を得ることができ、日常生活に戻ることが出来たのです。

  
 千葉県内で器物損壊罪に問われてお困りの方は、いち早く、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談することをおすすめ致します。
 弁護士に相談することにより、処分の見通し今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 また、取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の弁護士は、日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡と全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。
 皆様からのお電話をお待ちしております。

【解決事例】車を運転して事故を起こすも立ち去ったあて逃げ事故

2022-11-13

 千葉県君津市であて逃げ事件を起こした方への刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~千葉県君津市であて逃げ事件~

 会社員Aさんは、会社へ出勤するため千葉県君津市の道路を車で走行中、誤って対向車線にはみ出してしまい、対向車線で停止中のVさんの車に衝突してしまいました。
 Aさんは慌てて車から降りたところ、お互いの車のバンパー部分が大きくへこんでいたのを目にしました。
 AさんはVさんの車に駆け寄り、Vさんに声を掛けたのです。
 するとVさんは外傷がなく「大丈夫」と応答してくれました。
 Aさんは事故を起こしてしまった動揺と、仕事に遅刻してしまうという焦りから、警察へ通報して事故の届出を行わず、車に乗ってその場から立ち去ってしまったのです。
 さらに、会社に出社したAさんは、事故を起こした車を会社の駐車場に止めたのですが、「ボロボロの車を停めていては会社のイメージが悪くなる」と、あろうことかレッカー会社へ連絡し、車を回収してもらったのです。
 
 一方で、Vさんからの通報により本件の事故を認知した警察官が交通事件として捜査を開始しました。
 また、事故後にVさんは病院を受診したところ、頚椎捻挫の診断を受けたため、Aさんは道路交通法違反(救護義務違反)として千葉県君津警察署で取調べを受けることになってしまったのです。

守秘義務の観点から、一部事実と異なります。

~Aさんの刑責~

 車やバイク、自転車などの車両を運転し事故を起こしてしまったからといっても、全てが「刑事事件」として捜査をされたり、取調べを受けるといったことはありません。
 相手方に怪我がなかった場合は物損事故として処理されます。
 物損事故として事故処理では、事故証明書を発行できるよう、警察官によって事故現場の状況や、お互いから事故の状況についての確認をし、不審点や話の食い違いがなければ、その場で処理が終了します。
 あとは、任意保険の会社を利用するか、個人間で修理費用など事故による損害を回復する話し合いを行うことになりますが、刑事罰に問われることは原則的にありません

 ですが、交通事故を起こし、相手方が怪我をした場合は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転過失運転致死傷罪」と記載)」として捜査刑事罰を受けてしまうことがあります
 また,今回のケースのように、交通事故を起こしたのに,警察(110番)や救急隊(119番)へ通報を行わなかったり、怪我人を救護しなかった、危険防止の措置を講じなかった場合は、道路交通法違反(救護義務違反・報告義務違反)の罪に問われてしまい、刑事処分を受けてしまうことがあります

 本来であれば、自動車運転過失致死傷罪は、当事者の怪我の軽重や事故後の対応状況などの情状に応じて刑が免除されたり、刑事罰が軽くなる場合があります。
 しかし、今回のように事故現場から立ち去っていたり警察に届け出るよりも前に車をレッカー会社へ運んだ場合や、ディーラーなどで修理をした場合などは、証拠の隠滅を画策したと判断され、より、厳しい処分が科せられてしまう可能性があります。

 今回、Aさんは対向車線にはみ出し、停止中のVさんの車に衝突する交通事故を起こし、Vさんに怪我を負わせたにもかかわらず、その場から立ち去ってしまったと判断された場合、過失運転致傷罪救護義務違反併合罪となります。
 併合罪を有期懲役に処するときは、最も重い罪について定めた刑の長期に2分の1を加えたものを長期とするとの規定があります。(刑法45条前段、47条本文)
そのため、Aさんの場合、「救護義務違反」の刑の長期10年に、2分の1を加えた15年が、刑の長期となります。

 もし、交通事故を起こしてしまった場合、「まずは110番通報と119番通報をする」ということは頭の片隅に置いておいてください。
 

~交通事故を起こしたけど立ち去ってしまった~

 もし、交通事故を起こしてしまったが現場から立ち去ってしまった場合、すみやかに弁護士に相談することをお勧めします。
 過去のあて逃げ事件では、当初は、あて逃げ事件の容疑で警察から取り調べを受けていたのに、後になって、怪我をした被害者がいたことが発覚し、容疑が「ひき逃げ」に切り替わったケースもありました。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部無料法律相談では、交通事件を起こしてしまったご本人様より、事件当日のお話をうかがい、弊所の弁護士より事件の今後の見通しや、弁護人として出来る活動について、お話をさせていただいております。

 もし、正式に弁護人としてのご依頼を頂いた際は、被害者に対する示談交渉等をすることで、ご本人様に科される刑罰が少しでも軽くなるための活動を致します。

もし、あて逃げ事件を起こし、警察からの呼び出しを受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談下さい。
無料法律相談のご予約は、フリーダイアル 0120-631-881 にて、早朝・深夜・土日・祝日問わず、24時間・年中無休で承っております。
お電話お待ちしております。

【解決事例】免許証を持っていたはずが無免許に!?

2022-11-08

 無免許運転をしてしまった場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案概要~

 千葉県流山市に住んでいるAさんは、小学生の息子さんとドライブを楽しんでいました。
 千葉県佐倉市内を走行中、追い越し禁止場所で前方を走行中の車を追い越したところ、警察官に現認され、道路交通法違反(禁止場所追い越し)として検挙されてしまいました。
 警察官の指示に従い車を停止させたところ、運転免許証の提示を求められました。
 実はAさんは運転免許証の更新手続きを行っておらず、実に10年間もの間、運転免許証の有効期限が切れた「無免許」状態であったのです。
 そのことが、今回の違反によって警察官に発覚してしまい、Aさんは道路交通法違反(無免許運転)で現行犯逮捕されてしまうことになったのです。

※守秘義務の関係上、一部事実と異なります。

~無免許運転の要件と法定刑~

 無免許運転については、道路交通法によって次のように定められています。

無免許運転 道路交通法64条1項


 何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第五項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

※ここでいう自動車とは、道路交通法第3条で次のように説明されています。

自動車は、総理府令で定める車体の大きさ及び構造並びに原動機の大きさを基準として、大型自動車、中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ)、普通自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ)及び小型特殊自動車に区分する。  

 そして道路交通法117条の2の2には「次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められ、1号に「法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が1年を超えている場合を含む。)運転した者」と記載しています。

 今回の事例でAさんは、運転免許の効力が停止されている状態で、自動車を運転していたため、無免許運転に該当し、逮捕されることになりました。

~無免許運転で逮捕された場合~

 警察官は被疑者を逮捕した場合、48時間以内に,被疑者を釈放する検察官へ送致するか決めなければなりません。
 送致を警察官から受けた検察官は、同じく,被疑者を釈放するか,裁判官へ勾留を申請するか24時間以内に決定します。
 そして裁判官が勾留を決定すると、留置所で10日間、検察官が延長を請求すれば最大20日間身体を拘束されることになります。

 つまり,一度逮捕されてしまうと,最大で23日間も身体拘束されることになります。
 外部との連絡も制限されるため、連日の取調べや捜査への対応による精神的苦痛も多大なものになるでしょう。

 その事態を避けるには速やかに刑事事件の経験と実績が豊富な弁護士に依頼し、釈放を求める身柄解放の活動をすることが重要になります。
 勾留が決定するまでの期間は短いため、釈放を求めるための書面や身元引受人の準備など、弁護士を通じて早期の対応することが求められます。

 今回のケースでは、Aさんが持病を有しており、勾留が長期化してしまうとAさんの健康状態が悪化してしまうおそれがありました。
 そのため、ご依頼いただいた後すぐに、検察庁と裁判所に対し在宅捜査を求める意見書を提出するなどの働きかけを行ったところ、Aさんは勾留されることなく帰宅することが出来ました。
 通常、無免許運転の期間が長く、常習化していた場合、実刑判決(≒懲役刑)となる場合があります。
 そのため、Aさんが釈放された後も、処分を少しでも軽いものとなるよう継続して活動を行ったところ、執行猶予付きの判決を得ることができ、Aさんは日常生活へと戻ることが出来たのです。

 なお,車やバイクなどの車両を運転し違反を犯してしまった場合、軽微な違反で違反内容に争いが無ければ、交通反則通告制度が適用されます。
 交通反則告知書(通称、青切符反則金納付書がその場で交付されますので、期日までに反則金を納付すれば、刑事責任を問われることはありません。(運転免許に点数が付与される行政上の処分を受けることにはなります)

 ですが、大幅な速度超過のような重大な交通違反ではその限りでなく、刑事手続き(≒交通事件)の対象となります。
 この場合は上記の青切符での処理ではなく、告知票・免許証保管証(通称、赤切符が作成されます。その後は刑事手続きが行われます。
 青切符とは違い、刑事罰が科されることになってしまい、場合によっては懲役刑など重い刑罰が科されてしまうこともあります。
 また、今回のケースのように逮捕されてしまう可能性もありますので、たかが交通違反と過信せずに注意することが大切です。

※大変申し訳ございませんが、現在、弊所では青切符による行政処分に関するお取り扱いはしておりません。交通事件の取り扱いはございますので、まず一度ご相談下さい

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、無免許運転などの道路交通法違反を含めた刑事事件を数多く扱っている弁護士事務所です。
 今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
 また、弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます
取調べの対応方法供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弊所では逮捕、勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスを実施しております。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、さいたま、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋(本部)、大阪、京都、神戸、福岡と、全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【解決事例】屋外で裸になった男性!? 千葉県八千代市の公然わいせつ事件

2022-11-04

 公然わいせつ事件について、解決事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案概要~

 千葉県八千代市在住のAさんは、車で仕事から帰宅途中、休憩するために八千代市内の商業施設の平面駐車場の隅に車を停止させました。
 日が落ちて、あたりは暗くなっており、買い物客もまばらで、周囲に人がいなかったこともあり,また,外仕事のため大汗をかいていたAさんは,屋外ですが着替えをして少し涼もうとしました。。
 そして、Aさんは身に着けている衣服を脱ぎ、裸になって車を降りたのです。
 しばらく車の周囲を裸でうろついていると、他の車がAさんの車のそばを通過したのことに気が付きました。
 慌てた、Aさんは洋服を着て車に乗り込み自宅へと帰宅しましたが、帰宅から数時間後にAさんの元へ警察官が訪ねてきました
 Aさんは警察署に任意同行の後、取調べを受け、公然わいせつ罪被疑者として検挙されてしまいました。

※守秘義務の観点から、一部、事実と異なります。

~Aさんの刑責~

 駅前や繁華街の路上など、「不特定または多数の人が認識しうる状態」において、「わいせつな行為」をした場合、刑法の「公然わいせつ罪」に当たるとして、刑事処罰を受ける可能性があります。

公然わいせつ罪 刑法174条

 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 公然わいせつ罪における「公然と」とは、「不特定または多数の人が認識しうる状態」をいうとされています。
 例えば、人通りの多い道路上や多くの人が密集する商業施設等、多くの人の目につくような場所に置いて性器を露出したような場合には、「公然わいせつ罪」が成立すると考えられます。

 また、スーパーやコンビニ等の駐車場や立体駐車場に停車している自動車内で性器を露出したり、わいせつな行為をして、その時間帯や現場の模様から「不特定または多数の人が認識しうる状態」と認められてしまえば、公然わいせつ罪が成立する可能性が高いと言えます。

 
 公然わいせつ罪の趣旨として、「社会の健全な性秩序等を守ること」が目的となっていることから、「性器の露出等のわいせつ行為を、たまたま道路の通行人等が目撃しなかった場合」であっても、「通行人等が認識しうる可能性」があれば、公然わいせつ罪は成立するとされています。

 公然わいせつ事案は、「のぞき」や「盗撮」などと同じく、性犯罪の入り口と評されることのある犯罪行為です。
 「これくらいなら大丈夫」や「強制わいせつのように相手を直接傷つけないから平気」という間違った認識によって、犯罪のハードルを越えやすいとされています。
 そして、こういった犯罪を達成してしまうと、再度、「露出したい」「覗き見たい」「撮影したい」といった欲求が生まれ、「以前、捕まらなかったから大丈夫」と繰り返し行ってしまい、常習化してしまう危険性があります。
 さらに危険なのは、より、欲求が肥大化してしまい「触りたい」や「性行為がしたい」という欲求が生まれ、その欲求を達成するために、より悪質な犯罪に手を染めてしまうということです。

~公然わいせつ事件で検挙されたら~

 多くの公然わいせつ事件は、わいせつ行為を目撃した被害者による通報や、警察に被害届が出されたことをきっかけとして、警察による捜査が開始されます。
 そして、被疑者が特定された場合、警察官による取調べや逮捕・勾留による身柄拘束を受けるという刑事事件の流れになります。

 公然わいせつ罪の制度趣旨は、公然わいせつ行為を目撃した被害者を守るという「個人的法益」ではなく、社会の健全な性秩序を守るという「社会的法益」にあるとされています。
 しかし、実際の事件の多くは、公然わいせつを目撃した人目撃者)が「被害者という立場で取り扱われることが多いことがあります。
 そのため、弁護活動として、目撃者(=被害者)との示談交渉を行うことが重要な事案もあります。

 今回の事例では、警察官による任意の取調べを受けたAさんが弊所の無料相談をご利用され、依頼いただいたことから弁護活動がスタートしました。
 早期に弁護士との打ち合わせを重ね,Aさんとしては「不特定多数の人に対して自分の身体を見せるつもりはなかった」ということでしたので,捜査機関からこの点を追及された場合の対応についてきちんと準備をすることができました。
 Aさんの対応と併せて,担当弁護士が警察官、、検察官と協議を重ねた結果、不起訴処分となり、起訴されることなく、事件の終局を迎えることが出来ました。

 今回のケースに限らず,ご自身や大切なご家族が,何らかの罪に問われてしまった場合,出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

 仮に被害者が存在する事案であれば,刑事事件に精通した弁護士がいち早く対応することで,示談を締結することができる場合もございます。
 
 さらに,弁護士に相談することにより,処分の見通し今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 また,取調べの対応方法供述内容に対するアドバイスを受けることで,誤解を招くような供述を避けることが出来ます。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し,扱ってきた実績がございますので,どのような事件でも安心してご相談頂けます。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉県内のみならず,札幌仙台さいたま東京(新宿)東京(八王子)横浜名古屋(本部)大阪京都神戸福岡と、全国各地に事務所があり,初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。

【解決事例】親子喧嘩でお父さんが逮捕!?

2022-10-29

 千葉県君津市で起きた暴行事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案の概要~

 Aさんと、実の娘であるV子さんは、些細な事から口論となってしまいました。
 口論がヒートアップしてしまった結果、AさんはカッとなりVさんの顔を平手で殴ってしまったのです。
 殴られたV子さんがさらに興奮し、台所から包丁を取り出そうとしたため、Aさんが包丁を取り上げましたが、V子さんの怒りは収まらず、二人はついに殴り合いを始めてしまいました。
 Aさんの妻が仲裁し、救急車を呼んだところ、救急隊からの要請を受けた警察官が駆けつけました。
 その後、Aさんが暴行罪の被疑者として現行犯逮捕されてしまったのです。

※守秘義務の関係で、一部、事実と異なる点がございます。

~逮捕・勾留と起訴とは?~

 逮捕・勾留とは、起訴・不起訴に向けた捜査のために、一時的に被疑者の身柄を拘束する手続をいいます。
 逮捕・勾留された場合、身柄を拘束された状態で取調べ等の捜査を受けることとなりますが、刑事手続上は未だ罪を犯した者として取り扱われることはありません。
(この場合には、罪を犯した疑いのある者として「被疑者」と呼ばれます。)
 その後、捜査で得られた証拠をもとに、検察官が刑事裁判を起こすかどうか、起訴・不起訴の判断をします。
 起訴され有罪判決が出て初めて犯罪者として確定することとなりますが、起訴後の有罪率は99.9%を超えるため逮捕・勾留されてしまった場合には、起訴処分を回避することが非常に重要です。

 また、被疑者として逮捕され、勾留されてしまった場合、実名報道によって不利益を被る可能性があります。
 さらに、勾留期間中は留置施設で過ごすことになり、その間は仕事に行くことも、学校へ行くことも出来ません。そのため、仮に起訴されずに事態が収束したとしても、その間の欠勤により仕事を失ってしまったり、学校を退学になってしまう恐れがあります。
 
 そのため、逮捕されてしまった場合、いち早く弁護士に依頼し、在宅捜査へ切り替えてもらうよう働きかけを行うといったことが、重要となってきます。

~Aさんの刑責~

 実の娘とはいえ、V子さんの顔を平手で殴ってしまったAさんは、暴行罪に問われる可能性が高いと言えます。

・暴行罪 刑法第208条

 

 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金若しくは科料に処する。 

 また、万が一、Aさんが殴ったことにより、殴られたV子さんがケガをしてしまった場合、傷害罪に問われる場合があります。

・傷害罪 刑法第204条

 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

 警察などの捜査機関は、医師ではないため、明らかに腕が変形している場合や、頭から出血をしているといった状況でない限り、負傷状況を特定することは出来ません。
 今回のように顔を平手で殴られたというような場合、暴行罪として捜査を開始し、被害に遭った方が病院を受診し診断書を捜査機関に提出した段階で、傷害罪に罪名を変更して捜査を継続することが通常です。
 相手を殴ってしまったが、見た目は怪我をしているようには見えず、暴行罪と言われたからといって放置してしまうと、知らない間に罪が重くなってしまったという事態にもなりかねません。

 もし、家族に限らず、誰かを殴ってしまった、突き飛ばしてしまったなど、暴力行為を行ってしまった場合、いち早く法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

~親子喧嘩で逮捕されてしまうのか?~

 今より少し前の時代は、親子喧嘩や家族・親族間でのトラブルには警察官が積極的に介入する、喧嘩の当事者を逮捕するといったことは多くはありませんでした。

 しかし、時代の移り変わり、「親が子供を虐待し命を奪ってしまった」「子供が親に暴力をふるった」等の事案が増加したことなどを背景に、現在では、たとえ親子や家族、親族であっても、その法益侵害の程度によっては積極的に事件化されることとなっています。

 また、事件として扱われてしまった場合、他人同士であれば、住む場所や生活習慣が違うことから、一度別れてしまえばその後再会する可能性が低いため、事態が悪化する危険性も少なく、在宅で捜査が進行する場合もあります。
 しかし、家族間で事件を起こしてしまった場合、相手の居場所や連絡先を把握していることから、相手に対して更なる危害を加える危険性があると判断されてしまうことが多くあります。そのため、事態が悪化することを避けるために、例え被害届を提出しなかったとしても、逮捕されてしまう可能性が高いのが現状です。

~暴行事件を起こしてしまったら~

 刑事事件では、弁護士への早期相談が何よりも大切です。
 本件は、逮捕直後に弊所の初回接見をご利用いただきました。
 
 初回接見では、刑事事件に精通する弊所の弁護士を、Aさんが逮捕された警察署へ派遣し、事件の内容を確認すると共に、今後の事件の見通しや、取調べなど捜査に対する対応についてのアドバイスを行わせていただきました。
(※取調べで話した内容は、全て「供述調書」として記録され裁判の証拠とされてしまうほか、これを後から覆すことは極めて困難です。
 そのため、逮捕・勾留されてしまった初動の段階で弁護士に相談し、どのようなことを話すかを方針立てておくかどうかによって、落ち着いて対応することができ、あいまいな供述や表現によって、殊更立場が悪くなってしまうことを避けることができます。)

 そして、その結果をご家族にご報告し、正式にご依頼いただけたことから、検察庁、裁判所と早期から協議を重ねることができ、Aさんは、逮捕後48時間という短い期間で釈放されることとなりました。

 釈放されても捜査が継続することから、その後は、AさんやAさんご家族と再発防止策を検討し、また、その結果を踏まえて担当検察官と話し合いを重ねたところ、Aさんは不起訴処分となり、起訴されることなく事件は終息を迎えました。

 次々と連続して行われる刑事手続きの中で、事態の悪化を避けるためには、何よりもまず早期の段階で弁護士に相談・依頼し、適切な弁護活動のサポートを受けることが非常に重要です。

 本件は、逮捕直後からのご相談だったため、早期の釈放を実現させることができ、また起訴処分を回避することができました。

 今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
 また、弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡と全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。

千葉県勝浦市での脅迫事件

2022-10-24

千葉県勝浦市で発生した脅迫事件を例に、脅迫罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。

<千葉県山武市の脅迫事件>

 Aさんは、千葉県勝浦市の海岸で友人らとお酒を飲み騒いでいたところ、近くにいたVさんから「もう少し静かにしてもらえませんか。」と声を掛けられました。
 Vさんから仲間の前で注意されたことに腹を立てたAさんは、「俺は〇〇組(暴力団)の組長と知り合いだから、今度お前を痛めつけてもらうよう話しておくわ」とVさんに告げました。
 後日、Vさんが、Aさんから告げられた内容を警察に相談したところ、Aさんは千葉県勝浦警察署にて取り調べを受けることなりました。
※守秘義務の観点から、一部事実と異なります。

<脅迫罪とは>

脅迫罪 刑法第222条

生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

 

脅迫罪 刑法第222条第2項

親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

 脅迫罪でいうところの「脅迫」とは、相手を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知を言います。
 「畏怖させる」とは、相手を怯えさせたり、不安にさせたりすることです。
 相手を畏怖させる内容を、相手に直接伝えたり、手紙やメールで伝えることを、「害悪の告知」と言います。
 今回のケースで、AさんがVさんに対し、
「俺は〇〇組(暴力団)の組長と知り合いだから、今度お前を痛めつけてもらうよう話しておくわ」
と伝えたように、一般に人を畏怖させるようなことを告げる行為脅迫罪にあたります。

<相手の“親族”に害悪の告知をした場合も脅迫罪になる?>

 害悪の告知が、被害者本人に向けられたものではなく、被害者の親族に対するものであったとしても、脅迫罪は成立します。
 ここでいう親族とは民法第725条で定められている親族を指しますので、本人のいとこや、配偶者の両親なども含まれます。
 これは、刑法第222条第2項において「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」と規定されているためです。
 例えば、「子供がどうなってもいいのか」や、「お前の奥さんの実家に火をつけるぞ」などと言い、相手を脅した場合も、脅迫罪にあたります。
 親族への脅迫をした場合の法定刑は、刑法第222条第1項と同様に「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」とされています。

<相手が怖がっていなくても、脅迫罪は成立する?>

 害悪の内容は、一般に人を畏怖させるに足りる程度の内容であれば、被害者が畏怖していない場合でも、脅迫罪は成立します。
 例えば、上記した勝浦市の脅迫事件の例で、Aさんの脅迫に対して、VさんがAさんの発言を真に受けず、「どうせ嘘だろう」と、畏怖していなくても、脅迫罪は成立するということです。
 ですから、発言などによって相手がどのように感じたかは関係なく、Aさんの行為は脅迫罪にあたると判断されます。

<脅迫事件に強い弁護士>

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
もし、ご自身が脅迫罪の罪に問われ、警察からの取り調べを受けている場合や、ご家族が逮捕されてしまった場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の無料相談もしくは初回接見サービスをご利用下さい。
脅迫事件に関するご相談はフリーダイアル0120-631-881にて、24時間年中無休で承っておりますので、お気軽にご相談下さい。

置引き!成立するのは窃盗罪?占有離脱物横領罪?

2022-10-21

 今回は、窃盗罪と占有離脱物横領罪の違いについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説致します。

【事案概要】

 Vさん(31歳男性)は、友人グループで千葉県厚木市にあるショッピングモールに遊びに行きショッピングを楽しんでいました。買い物後、Vさんはベンチで休憩していましたが、しばらく休憩した後、立ち上がりその場を後にしました。

 ベンチから100mほど離れたとき(時間にして5・6分位が経ったところ)休憩していたベンチにバッグを置き忘れてきた事に気が付きました

 Vさんは、慌ててベンチに戻りましたが、バッグはすでになくなっていました。

 Vさんのバッグは、休憩していたベンチからVさんが離れた直後(10〜20mほど)にきた千葉県厚木市在住のAさん(37歳男性)が持ち去ってしまっていました。

 Vさんは警察を呼び、警察はモール施設内の監視カメラをもとに、AさんがVさんのバッグを持ち去ったことを突き止め、Aさんを逮捕しました。

※ストーリーはフィクションです。

【解説】

・法的根拠

窃盗罪とは、「他人の財物」を「窃取する」ことにより成立する犯罪です。

窃取」とは、他人の占有する財物を、その占有者の意思に反して自己または第三者の占有に移転することをいいます(判例・通説)。

他方で占有離脱物横領罪(遺失物等横領罪)とは、遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を自己のものにした場合に成立する犯罪です。

刑法235条 (窃盗)

 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法254条(遺失物等横領)

 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

・窃盗罪と占有離脱物横領罪の区別

窃盗罪と占有離脱物横領罪の区別は窃盗罪の構成要件が他人の占有する財物を奪う行為であることから両罪の区別は占有の有無によって行われます。

※占有とは、財物に対する事実上の支配を意味し、一般的に馴染みのある所持と同じ意味です。

・占有の有無

では、占有はいかなる場合に認められるでしょうか?

この点について、刑法は占有が認められるためには、客観的な要件として財物に対する事実上の支配が、主観的な要件として財物を支配する意思が必要であると考えています。

これらの客観的要件と主観的要件を総合的に考慮して社会通念にしたがって占有の有無を判断していきます。

・本件事案の占有の有無

それでは、本件事案のAさんに持ち去られたVさんのバッグには占有が認められるでしょうか?

ここで、公園のベンチにポシェットを置き忘れたことに、約200m(ポシェットを持って行かれたのは被害者がポシェットから約27m離れた地点)離れた時点で気が付いたという事例において、ポシェットに持ち主の占有が認められた判例(最決平成16・8・25)があります。

この判例をリーディングケースにすれば、本件事案のVさんのバッグにも、Vさんの占有が認められる可能性が高いでしょう。

そのため、占有のあるバッグを持ち去ったAさんには窃盗罪が成立することとなると考えられます。

刑事事件は早い段階での問題着手が事態を悪化させないために最も重要なことです。

【まとめ】

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。

千葉県厚木市でXさんのよう窃盗罪や占有離脱物横領罪などに問われ逮捕・勾留されるかもしれないという方や、執行猶予を付けたいという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご連絡ください。

無料相談にて事件の内容を確認した上で、今後の見通しや、弁護活動についてご説明致します。

24時間365日予約受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。

交際を断ったところ強制わいせつと糾弾された事件

2022-10-18

~事案概要~

 Aさんは,千葉県内で行われた大規模イベントでV子さんと出会いました。
 Aさんはその日のうちにV子さんと意気投合,連絡先を交換し頻繁にやり取りをする仲になりました。
 そして,知り合ってから数日後に,V子さんの同意のもと,一緒にホテルに行くことになったのです。
 ホテル内でAさんは,Vさんの服を脱がせて身体を触る,胸を吸うなどの行為を行いましたが,性行為までは行わずにその日は帰宅しました。
 帰り際にAさんはV子さんから告白をされましたが,Aさんは「付き合うことはできない」と,その告白を断りました。
 後日,V子さんの母親からAさんに連絡があり,「合意がなく無理やり服を脱がされ身体を触られたと言っている」「V子はショックで入院してしまった」「そのため海外で仕事をしていたのに緊急で帰国することになったからV子の治療費と慰謝料を支払え」「応じなければ警察に相談して事件にしてもらう」などと言われてしまったのです。

※ 守秘義務の関係から,一部,事実と異なる記載をしています。

~Aさんの刑責~

 気持ちのすれ違いか,認識の違いか,意気投合した相手から突然の訴えを起こされてしまったAさんですが,はたしてどのような罪に問われてしまうのでしょうか。
 あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~本件で成立する可能性がある犯罪~
 まず,Aさんが行った「服を脱がせ,身体を触り胸を吸う」という行為から,強制わいせつ罪が挙げられます。

強制わいせつ罪
⇒13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は,6年以上10年以下の懲役に処する。
13歳未満の者に対し,わいせつな行為をした者も,同様とする。
(刑法第176条)

 ですが,ここで問題となるのは「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした」という部分です。
 自身の性欲を刺激・興奮させ又は満足させるという性的意向の下で行われたということは明確ですが,今回,Aさんの話しでは,同意の上で行為に及んだとされています。
 また,直接の暴行(殴る,蹴るなど相手に直接有形力を行使すること)のみでなく,間接的な暴行(相手に身の危険を感じさせるほどの力で机を叩く,物を壁や地面に投げつけるなど)も行っていないため,今回のようなケースであれば,一般的には適用されることは多くありません。
 しかし,V子さんが「無理やりされた」という話を警察へ話している場合,警察は「同意はなかった(≒無理やりわいせつな行為をした)」として,強制わいせつ罪の立件を視野に入れ捜査が開始される可能性があります。
 実際に警察に届け出がされた場合,「暴行又は脅迫」と「同意」の有無が最大の争点になる場合がほとんどでしょう。

 また,同じ言葉であっても様々な意味を持つ日本語の性質上,言葉のニュアンスや受け取り方の違い,飲酒の有無などによる状況などによって,自分では「同意してもらえた」と受け取ったが,相手は「拒絶していた」という場合もあるため,同意の有無を明らかにするということは困難な場合がほとんどです。

~本事例における当所の活動~


 Aさんは,V子さんの親御さんからの連絡を受け,警察に被害届を出されたり,逮捕されたりしないよう,穏便に事態が収束することを希望していました。

 今回のように警察が介入する前の「強制わいせつ事件」においては,早い段階で被害者の方との間で示談を取りまとめたり,被害届は出さないという形でまとめたりして,解決できるかどうか重要となります。
 仮に,当人同士の口約束で,「被害届けなどは出さない」という形で,その場は収まったとしても,今後,さらなるトラブルに発展することや事件を蒸し返されてしまうというおそれもあります。
 そのため,示談や合意を取りまとめる際には,法律上有効な文言となっているかどうか,弁護士の目を通しておく必要があります。
 万が一,警察などの捜査機関に届出がされ,事件として認められれば,様々な捜査が行われます。
 そして,その結果,Aさん自身が罪を犯したと認められれば,検察庁に事件が送致されることになり,検察官の判断により起訴されてしまえば前科が付く可能性が高くなります。

 その一方,やっていないことに対してまで罪を認めて示談をする必要まではありません。今回のAさんのように,同意があったと思っていた相手からの訴えの場合,金銭の要求が目的の場合もありますから,一概に判断することは難しいものがあります。

 今回,Aさんご家族からの依頼を受け,当事務所の弁護士がいち早く,V子さんの親御様とコンタクトを取りました。
 そこで,V子さん方の意向を確認するとともに,Aさんとの面談も重ね,事の重大性を認識してもらうとともに,今までの自身の行動を見つめ直す機会にすることも出来ました。
 また,V子さん方と協議を重ねるなかで,AさんとV子さんとで,事件について相当認識の違いがあり,Aさん側の弁護士としても直ちに示談することが適切な事案ではないと判断しました。
そこでVさんのみならず,Aさん側としても警察を巻き込んで解決することが最善と判断し,警察への対応も慎重に行いました。その結果,Aさんが刑事告訴されることも,取調べ等を受けることもなく,また,V子さんとの関係も断絶させる形で解決するに至りました。

 性犯罪とされる事件においては,「その行為がどういった犯罪に該当するのかを見極める,加害者が自身の行為を反省し,二度と同じ過ちを繰り返さないこと,被害者の不安や恐怖,憤りを軽減すること」という点が重要です。一方,被害者とされる方からの要求,要望についても「どの程度受け入れることができるのか/そもそも受け入れるべきなのか」という点は,第三者視点から専門家が判断すべきです。
 ご自身や大切なご家族が,何らかの罪に問われてしまった場合,出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

いち早く弁護士に相談することにより,処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し,扱ってきた実績がございますので,どのような事件に関しても安心してご相談頂けます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では,札幌市,仙台市,さいたま市,東京都新宿区,八王子市,千葉市,横浜市,名古屋市(本部),大阪市,京都市,神戸市,福岡市など,各地に事務所があり,初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。

彼女との痴話ケンカから首を絞め殺人未遂で逮捕

2022-10-16

彼女の首を絞め逮捕されてしまった殺人未遂事件

~事案概要~
 Aさんは,交際相手のV子さんと千葉県野田市で同棲していました。
 Aさんは,V子さんから妊娠したという報告を受けましたが,子供を養育できるほどの経済事情ではなく,今後について二人で話し合うことにしました。
 その話合いの際,子供を堕胎してほしいAさんと,結婚して子どもを育てたいV子さんとの考え方の乖離から喧嘩になってしまいました。
 喧嘩の中で,V子さんが「子供を堕ろすくらいなら生きていたくない」という発言を聞いたAさんは,「死にたいのなら自分が殺して楽にしてやる」と,V子さんに馬乗りになり,両手で首を絞めたのです。
 その後もAさんは,来ていたTシャツを脱ぎ,TシャツでもV子さんの首を絞めましたが,力が入らなくなり,諦めました。
 次の日から,V子さんは実家に帰り,しばらくの間,離れて暮らしていました。
 そんなある日,Aさんの下に千葉県野田警察署の警察官らが訪れ,警察署へ任意同行を求められ,事情聴取が行われた後,殺人未遂罪で逮捕されることになってしまいました。

※ 守秘義務の関係から,一部,事実と異なる記載をしています。

~Aさんの刑責~

 痴情のもつれから喧嘩となり,刑事事件でとして捕されてしまったAさん。
 Aさんが犯してしまった殺人未遂罪とは何なのか,あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

殺人罪
 人を殺した者は,死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。
(刑法第199条)

未遂罪
 刑法第199条の未遂は,罰する。
(刑法第203条)

 殺人罪は,現代日本において死刑に処される可能性があるものの一つで,その他には「現住建造物等放火罪」「強盗致死罪」「強盗強制性交等致死」と,数えられるほどしかありません。
 これらは,その他の犯罪と比較できないほどに,与える法益侵害の程度が大きいものが特徴です。
 誰もが,不当に命を奪われてはなりませんし,安心できる住環境を燃やされては納得できるものではないと思います。
 そうした罪を犯した者に対し,自身の生命によって犯した罪を償わせる刑罰とされています。
 しかし,最も重い刑罰なだけに,上記のような犯罪を行ったからといって,全てに死刑判決が下されるとも限りません。
 現に,令和3年における死刑判決数は3件であり,死刑が確定している人も国内で107名ほどです。
 それだけ,捜査機関や裁判所も慎重に捜査や判断を進めていきますし,事案の内容によっては,大きく減刑されるという可能性もあります。
 今回のケースでは,「相手を殺害する」「死んでしまっても構わない」といった殺人に対する故意(≒殺意)を持って首を絞めた事,その結果,V子さんは死に至らなかったものの負傷したことから,「殺人未遂罪」として逮捕されてしまったと考えられます。

 また,余談ですが,現代日本では,自分で自分の命を奪う(自殺する)ことについては刑事罰は課されていません。
 しかし,第三者に対し「自身を殺害してほしい」と依頼して実行してもらう場合,嘱託殺人罪として,実行した第三者が罪に問われ,捜査や逮捕をされるといった可能性があります。
 

同意殺人罪
 人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。
(刑法第202条)

 犯罪の数多くは,被害者が犯罪行為を容認した場合,罪に問われないことが一般的です。
 例えば,被害者の承諾なく被害者の家に上がり込めば「建造物侵入罪」が適用されることになりますが,被害者自身が相手を自宅に招き入れた場合は罪に問われません。
 しかし,相手の命を奪ってしまったとしたら,その限りではなくなってしまいます。
 もし,親族や知り合いの方からそういった話を持ち掛けられた場合,一人で判断せず,専門家など多くの方に相談することをお勧めします。

~本件事例における当事務所の活動~


 ご家族からのご依頼を受け,当事務所の弁護士がいち早く千葉県野田警察署に留置されているAさんと接見しました。
 Aさんは,ご家族が弁護士を依頼したということに少し安心した様子で,事件当時,何があったのかを弁護士にお話しくださりました。
 Aさんへ,今後の見通しや刑事事件の流れなどをご説明させていただいた後,ご依頼者であるAさんのご家族に接見時の様子や本件の内容,今後の見通しとともにAさんからのご伝言をお伝えさせて頂くとともに,本件をお任せいただけたことから,すぐに対応を開始しました。
 
 上記のとおり,殺人罪は重罪であり,たとえ未遂罪であっても重い刑事罰が科せられてしまう可能性も高く,身柄の拘束も長期化しやすい傾向があります。
 そのため,被害者対応を進めるとともに,まずは,Aさんの身体拘束を解くこと,取調べでの対応を喫緊の課題として活動を開始しました。
 ご家族の方の協力の下,Aさん自身にも今後,カウンセリングをお受けいただくことや医療機関のサポートを受けていただくことをお約束いただき,加えて,Aさんの勾留が長引いては仕事を失ってしまう可能性もありましたので,裁判所と繰り返し検討を行いましたが,なかなか難しい状況でした。
 そのため,被害者であるV子さんと,そのご家族に対し示談交渉を行ったところ,当初は難色を示されていましたが,粘り強く交渉を進めた結果,治療費などを負担することをお約束し,示談を取り交わすことが出来ました。
 また,いかに示談が取り交わされていたとしても,「殺人未遂罪」のような重い罪名のままでは裁判員裁判という重大事件で審理されて実刑判決を受けるリスクもあります。そのため,Aさんの取調べにおいて「事件当時,本当にVさんを殺してしまおうというつもりがあったか」という,いわゆる「殺意」を争点としました。「事件当時まではVさんと交際していたAが,本当にVさんを殺してしまおうという気持ちにあっただろうか」という弁護側の疑問点を適切に顕出しておくことで,処分時の罪名を少しでも軽いものに出来るように対応しました。

 そうした活動の甲斐があってか,Aさんは,当初,殺人未遂という重大事件ではありましたが,最終的には傷害罪として不起訴処分になり,釈放後直ちに社会復帰を果たすことが出来たのです。
 

 万が一,ご自身や大切なご家族が,何らかの罪に問われてしまった,逮捕されてしまったといった場合,出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

 いち早く弁護士に相談することにより,処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 また,取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで,誤解を招くような供述を避けることが出来ます。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し,扱ってきた実績がございますので,刑事事件については安心してご相談頂けます。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉県内のみならず,札幌仙台さいたま東京(新宿)八王子千葉横浜名古屋(本部)大阪京都神戸福岡と全国各地に事務所があり,初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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