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【解決事例】チケットを転売して逮捕⁉~電子計算機使用詐欺と不起訴に向けた活動~

2023-01-17

~事案概要~

 会社員のAさんは,会社で働く傍ら,インターネット上に無断で友人らの名前を使って複数のアカウントを作成し,有名アイドルのコンサートや、プロスポーツの観戦チケットを購入していました。
 そして,購入したチケットのうち自分では行かなかった分について,手数料を上乗せした価格で転売し,そこで得た利益を自身のお小遣いとしていたのです。
 実際に購入したチケットのコンサートに行くこともありましたが,多数の購入と売却の履歴から、転売について怪しんだ千葉県警察本部捜査二課により家宅捜査が行われ,Aさんの所有するパソコンやスマートフォン,キャッシュカードやクレジットカードなどが押収され,Aさん自身も逮捕されることとなってしまったのです。

守秘義務の関係で一部事実と異なる記載をしています。

~Aさんの刑責~

 近年,インターネット上で横行するチケットの転売行為ですが,これだけ横行しているということから,
・みんなやっている
・捕まらないから大丈夫
などと考えてしまっては大変危険です。
 インターネット上で,友人の名前を使い,人気のコンサートのチケットなどを購入し、転売したために逮捕されてしまったAさんは,いったいどういった罪に問われるのでしょうか。
 あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部解説します。

詐欺罪

 人を欺いて財物を交付させた者は,10年以下の懲役に処する。
刑法第246条1項
 前項の方法により,財産上不法の利益を得,又は他人にこれを得させた者も,同行と同様とする
刑法第246条2項

 他人に成りすまし,あたかもその人本人であるかのようにチケット発行会社を騙して(欺罔しチケットを購入(財物を交付)させ交付させた財物を自身のものとして得た(財産上の利益を得たことから,まず,詐欺罪が検討されます。
 また,同じく「詐欺」とつく法令の中でも上記の「詐欺罪」のほかに,「電子計算機使用詐欺罪」という罪もあります。

電子計算機使用詐欺

 前条に規定するもののほか,人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り,又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して財産上不法の利益を得又は他人にこれを得させた者は10年以下の懲役に処する。
刑法第246条の2

 「詐欺罪」がを騙して不正に利益を得ようとする犯罪であるのに対し,「電子計算機(≒パソコン等)」を使用して,データ等の「物」を改ざんすることや,虚偽の情報を送り,「パソコン等を騙して不正な利益を得た場合には「電子計算機使用詐欺罪」として処罰されることとなります。

 今回のAさんのケースでは,パソコンを使用して,あたかも友人本人であるかのように欺罔(騙して)し,チケットを購入(財産上不正な利益を得た)していたことから,電子計算機使用詐欺罪として逮捕されてしまいました。

 なお,令和5年1月時点では,このようなチケット転売の事案に対応するために「チケット転売防止法」が定められています。正式名称だと,『特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律』という法律です。
 これは,野球やサッカーのようなプロスポーツの観戦チケットや,音楽ライブのコンサートチケットについて,開催者の同意を得ないままで,業(なりわい)として定価以上の値段で転売を行うことを禁止しており,1年以下の懲役または100万円以下の罰金を科すとしています。
 今回のAさんのような事例だと,チケット転売防止法の違反として処罰されてしまう可能性はあります。実際に,有名アイドルグループのコンサートチケットを転売して利益を得ていたとして,チケット転売防止法違反で有罪判決を受けたという事例もあります。

~本件事例における当事務所の活動~

 Aさんは逮捕された後,48時間の勾留を以て,釈放となり在宅での捜査に切り替わり,当所へご来所されました。
 Aさんからご依頼いただいた後に,まず,実際のお金の動きや購入したチケットの流れを明らかにするとともに,過去の判例などから,今回の事件の資料の収集を行いました。
 入手した判例資料などを基に,担当検察官と粘り強く交渉し協議を重ねた結果,Aさんは不起訴処分を獲得して,事件は終局を迎えました。不起訴となったことによってAさんは職場での処分についても回避することができました。

 今回のケースに限らず,ご自身や大切なご家族が,何らかの罪に問われてしまった場合,出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
 また,弁護士に相談することにより,処分の見通し今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きを落ち着いて対応することができます
 取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで,誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し,扱ってきた実績がございますので,どのような事件でも安心してご相談頂けます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉県内のみならず,全国各地札幌,仙台,東京(新宿),八王子,横浜,名古屋,大阪,京都,神戸福岡)に事務所があり,初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【解決事例】公務執行妨害罪で保釈申請

2023-01-08

~事案~

 Aさんは,日雇いの仕事をしながら,全国を転々と回っていました。
 その日は千葉県柏市内での仕事を終え,柏駅の近くで飲酒したあと,近くの交差点でタバコを吸っていたところ,警察官から呼び止められ,職務質問を受けることになりました。
 警察官から,路上でタバコを吸っていたことを注意されたAさんは,ついカッとなり,警察官と口論になったのです。
 段々と,興奮してきたAさんを警察官がなだめようとしましたが,Aさんの怒りは収まらず,ついには,警察官の顔面に唾を吐きかけてしまいました。
 そして,ついに,Aさんは公務執行妨害罪として,現行犯逮捕されることとなってしまったのです。

守秘義務及び個人情報保護の観点から一部,事実と異なる記載をしています。
 また,本件は新型コロナウイルス蔓延以前の事案になります。

~公務執行妨害罪とは~

公務執行妨害罪 刑法第95条

 公務員職務を執行するに当たり,これに対して暴行又は脅迫を加えた者は,3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

 公務執行妨害罪は,広く「公務員」であれば適用されるものの,この法律が保護しているのは,国家や公共団体の機能としての公務を公正かつ円滑な遂行であり,公務員一個人の身体の安全や意思決定を保護するものではないとされています。
 つまり,警察官等が正当な職務執行を行っている際,その職務を円滑に遂行することを妨害してはいけないとしたものである一方,その人いち個人の感情によるもので執行してはならないとされています。

~逮捕の要件とは~

 なんらかの犯罪行為を行ってしまった際,直ぐに逮捕されてしまうのではないかと,不安な方も多くいらっしゃるかと思います。

 捜査機関の捜査は原則任意捜査(在宅捜査)で行わなければなりません。
 任意捜査(在宅捜査)とは,身柄を拘束することなく,捜査を推進するです。任意捜査(在宅捜査)の被疑者として取調べを受けている間であって,学校に行ったり会社に行ったり,と,通常の社会生活を送ることができます。任意捜査は,在宅捜査,在宅送致などとも言われることがあります。
 では,どのような場合に逮捕されてしまうのでしょうか。
 それは,逮捕の理由逮捕の必要性が認められた場合です。
 まず,「逮捕の理由」とは,「ある者が罪を犯したと疑うに足りる相当な理由」のことです。
たとえば,「盗んだ財布を持っていた」や,「被害者をバットで殴る様子が防犯カメラに写っていた」と言った時に,逮捕の理由が認められる場合があります。
 「何か犯罪が起きた」ということと,「誰がその犯罪を起こしたのか(≒犯人が誰か目星がついている)」ということが分かった時に,「逮捕の理由がある」といえるでしょう。

 次に「逮捕の必要性」とは,身柄を拘束しなければ,捜査を続けることが出来なくなってしまう場合等を指します。
 具体的には,「犯人に逃走するおそれ」がある場合,「犯人が証拠を隠滅するおそれ」がある場合などがあたります。
 また,逮捕し,強制捜査を開始するためには,一部例外を除いて,裁判所が発付した逮捕状を示さなければ身柄を拘束することは出来ないとされています。

 ですが,今回のように現行犯逮捕となると,少しだけ毛色が異なります。
 現行犯逮捕は捜査機関以外の一般人でも行うことが出来るのが一つの特徴です。

 また,逮捕する要件が定められており,


 1 犯罪と犯人の明白性
   誰が,なんの罪を犯したのか,逮捕する側にとって明らかであること
 2 犯罪の現行性,時間的接着性の明白性
   犯人が罪を行い終わって,間がないことが明らかであること

の両方が揃っている場合に限り,犯人を現行犯逮捕することができるのです。

~当事務所の活動~

 Aさんが逮捕されたことを知ったAさんのお母様から,当事務所に依頼を頂き,Aさんの下へ弊所の弁護士が向かいました。
 既に逮捕されてから時間がたっており,Aさんには国選弁護士もいたようですが,国選弁護士からご家族への報告や連絡等もなく,また,Aさん自身も国選弁護士さんに対してはやや不信感を抱いているようでした。


 Aさんは前科前歴もなく,初めて留置場にはいったことから酷く憔悴している様子でしたが,当所の弁護士が接見に行ったことで,安心した様子でした。
 弁護士がさらに詳しく話を聞いてみたところ,Aさんは,警察官の職務質問を受けたこと,路上喫煙を注意されたことについては真摯に認め,自身の軽率な行いについて反省している様子でした。ただし,今回,警察官に対し唾を吐きかけたり,警察官の職務を妨害したりした,という点については,「自分はそんなことをしたつもりはない」とのことでした。


 そこで,事実関係を明らかにすることはもちろん,先ずは,Aさんの心身の健康のために,身柄拘束を解くことを第一とし,活動を始めました。
 裁判所に対して,今回の事件において証拠が隠滅されるおそれはなく,また,事件そのものの性質としても特別重い犯罪ではないことを根気よく説明し,交渉していきました。
 当初は保釈申請を棄却されていましたが,そこで諦めることなく,当所弁護士が再度粘り強く説得を行い,ついに,逮捕時には住所不定の状態とみなされていたにも関わらず,Aさんは保釈されることとなったのです。

 また,特に警察官に対する公務執行妨害罪は,捜査においてその他の犯罪と異なる点があります。一般の方よりも法律に精通している警察官が被害にあったその時から,事件の立件をするために初動捜査を尽くすことから,加害者に不利な証拠が早い段階から揃いやすい点です。被害に遭った警察官本人が,「どうやったら加害者(被疑者)に犯罪が成立しやすいか」を分かっているからこそ,より不利な証拠が見つけられやすいということです。
 そして,証拠が早い段階から揃うということは,取調べを受ける時も加害者の供述の一つ一つが重要になってきます。どちらとも捉えることができる供述では,どんどんと追及を受けることにもなり,心理的な負担がかなり大きくなることが想定されます。
 そのため,もし,逮捕されてしまった場合,いち早く当あいち刑事事件総合法律事務所へご相談いただくことをお勧めいたします。
 当所では,刑事事件を数多く扱ってきた経験豊富な弁護士から,処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 また,取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで,誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を専門的に受任し,数多く扱ってきた実績がございますので,どのような事件でも安心してご相談頂けます。
 また,千葉県内のみならず,北海道(札幌市),宮城県(仙台市),埼玉県(さいたま市),東京都(新宿区・八王子市),神奈川県(横浜市),愛知県(名古屋市),大阪府(大阪市),京都府(京都市),兵庫県(神戸市),福岡県(福岡市)と,全国各地に事務所がございます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ではご紹介した初回接見のほか,初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,24時間年中無休の弊所フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【解決事例】複数の違法薬物を使用して逮捕

2022-12-14

 大麻やコカイン、MDMAや覚醒剤など、実際に使ったことはなくともその名称は多くの方が聞いたことがあるかと思います。

 一瞬の多幸感を得るため、友人から進められて断れずに、悪いことをすることに対する憧れ、つらい現実から目を背けるため等、違法薬物に手を染める方の理由は様々ですが、違法薬物の所持や使用は日本の法律では固く禁止されています。

 使用すれば逮捕や交流をされ刑事罰を負うだけでなく、自身の身体や心を蝕み、仕事をしたり、学校へ行ったり、友人と遊んだり、恋人とデートをしたりという普通の日常生活を行うことすら困難になってしまいます。

 今回は、そうした違法薬物を使用してしまった場合、どのような罪に問われるのか、あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案概要~

 Aさんは,音楽活動で成功するという夢を抱き活動する一方で,将来への不安を抱えていました。
 そんな時,一緒に音楽活動をしていた友人から「ストレス発散になる」と,大麻コカインといういわゆる違法薬物を勧められ,促されるままにそれらを使用してしまいました。
 Aさんは,違法な薬物であることは知っていましたが,友人の勧めを断ることも出来ず,定期的に使用を続け,ついには,Aさん自身が違法薬物を購入し,使用するようになってしまったのです。
 そんな生活を送っていたところ,千葉県松戸警察署の警察官に職務質問を受け,所持していた大麻片が発見になり,逮捕されてしまいました。
 また,逮捕後に行われた尿検査の結果コカイン陽性反応が出てしまい,この件でも捜査されることになってしまったのです。

守秘義務の関係から一部,事実と異なる記載をしています。

~Aさんの刑責~

 大麻コカインといった違法な薬物を所持していた今回の事案ですが,それぞれ適用される法律が異なります。
 では,どのよう法律違反に該当するのか,あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。

大麻取締法

 大麻取扱者でなければ大麻を所持し、栽培し、譲り受け譲り渡し、又は研究のため使用してはならない
 (第3条
 この法律の規定により大麻を所持することができる者は、大麻をその所持する目的以外の目的に使用してはならない。
 (第3条2項)

 日本では,大麻の研究を行う「大麻研究者」,大麻の種子や繊維を採取する目的で大麻を栽培する「大麻取扱者」のいずれかの資格を有していなければ大麻栽培したり保有することが出来ません
 こういった資格を所持しないで,次のような行為を行った場合,罪に問われてしまうことがあります。

大麻取締法第4条1項

 大麻を輸入し、又は輸出すること(大麻研究者が、厚生労働大臣の許可を受けて、大麻を輸入し、又は輸出する場合を除く。)

大麻取締法第4条1項

 大麻を、みだりに、栽培し、本邦若しくは外国に輸入し、又は本邦若しくは外国から輸出した者は、7年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、10年以下の懲役に処し、又は情状により10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

大麻取締法第24条の2

 大麻を、みだりに、所持し、譲り受け、又は譲り渡した者は、5年以下の懲役に処する。
2 営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役に処し、又は情状により7年以下の懲役及び200万円以下の罰金に処する。
3 前二項の未遂罪は、罰する。

麻薬及び向精神薬取締法違反

 麻薬及び向精神薬取締法第64条1項
 ジアセチルモルヒネ等を,みだりに,本邦若しくは外国に輸入し,本邦若しくは外国に輸出し,又は製造した者は1年以上の有期懲役に処する。

・同法2項
 営利の目的で前項の罪を犯した者は,無期若しくは3年以上の懲役に処し,又は情状により無期若しくは3年以上の懲役及び1千万円以下の罰金に処する

・同法3項
 前2項の未遂罪は罰する。

麻薬及び向精神薬取締法第64条の2

 ジアセチルモルヒネ等を,みだりに,製剤し,小分けにし,譲り渡し譲り受け交付し,又は所持した者は,10年以下の懲役に処する。

・同法2項
 営利の目的で前項の罪を犯した者は,1年以上の有期懲役に処し,又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処する。

・同法3項
 前2項の未遂罪は罰する。

~本件事例における当事務所の活動~

 ご家族からのご依頼を受け,当事務所の弁護士がいち早く千葉県松戸警察署留置されているAさんと接見しました。
 Aさんは,逮捕されたことで事態の大きさを実感したようで,薬物との関りを断ちたいとお話されていました。
 接見後,ご依頼者であるAさんのご家族に接見時の様子や本件の内容,今後の見通しとともAさんからのご伝言をお伝えさせて頂くとともに,本件をお任せいただけたことから,すぐに対応を開始しました。
 
 違法薬物中毒性の高いものが多く,再び違法薬物に手を染めないためにも,適切な治療や対処が必要となります。
 そのため,まずは,Aさんの身柄拘束を解き,治療を受けていただくことを第1に活動を開始しました。
 ご家族にもご協力いただき,「適切な治療を受けていただくこと」「勾留が長引くことによってAさんの仕事に影響がでること」などを書類として作成し,検察庁や裁判所と交渉を行いました。
 また,証拠品などは全て警察に押収されていることなどを理由に,在宅捜査へ切り替えるよう意見書も提出しました。
 そうした活動の結果,身体拘束が長期化することが多い薬物事件でしたが,無事,早期の保釈を得ることが出来,Aさんの薬物依存を治療を開始することが出来ました。
 
 また,治療と並行して行われた裁判では執行猶予付きの判決を得ることが出来,Aさんは,ご家族との日常へと戻ることが出来たのです。

 違法な薬物は,興味本位や好奇心などから手を染めてしまいがちですが,一度でも使用してしまうと,ご自身だけではその高い依存性や幻覚など精神への影響を克服することは難しく,様々な健康被害と共に,今まで過ごしてきた日常生活を壊してしまうことが多くあります。
 安易な気持ちで手を出さないことが一番ですが,万が一,ご自身や大切なご家族が,それらの罪に問われてしまった場合,出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

 いち早く弁護士に相談することにより,処分の見通し今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 また,取調べの対応方法供述内容に対するアドバイスを受けることで,誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件数多く受任し,扱ってきた実績がございますので,刑事事件については安心してご相談頂けます。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉県内のみならず,札幌,仙台,さいたま,東京(新宿),八王子,千葉,横浜,名古屋(本部),大阪,京都,神戸,福岡と全国各地に事務所があり,初回無料法律相談も行っております。

 薬物事件に関わらず、事件や事故を起こしてしまいお困りの方は是非一度、24時間・年中無休の弊所フリーダイヤル,0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【解決事例】窃盗事件と窃盗症~千葉県成田市内の万引き事件~

2022-12-12

~事案概要~

 Aさんは仕事帰りに晩御飯を購入するため、千葉県成田市内にある自宅近くのスーパーマーケットに立ち寄りました。
 そこで、Aさんは、お惣菜やお弁当を見て回り、何を食べようかと考えていたところ、搬入され、陳列される前の菓子パンが目に留まりました。
 Aさんは菓子パンを手に取り、店舗外の陳列棚に陳列された商品を見に行ったところで、このままお会計をしなくても菓子パンを持って帰れるのではないかという気持ちが沸き上がりました。
 すると、お金を支払うことが煩わしくなり、Aさんは、自身が乗ってきた自転車の前かごに手にしていた菓子パンを入れ、自転車にまたがりました。
 しかし、私服警備員(万引きGメン)に声をかけられ、通報を受けて臨場した千葉県成田警察署の警察官にAさんは窃盗罪逮捕されることになってしまったのです。

~Aさんの刑責~

 Aさんが犯してしまった罪はどういったものなのか、あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

窃盗罪 刑法第235条


 他人の財物を窃取した者は,窃盗の罪とし,10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

 同じく,物を盗む(≒窃盗)であっても,その犯罪を繰り返し行ってしまった場合,次の法律で処罰されることがあります。

常習累犯強窃盗(盗犯等の防止及処分に関する法律)

 常習として,刑法第235条(窃盗罪刑法第236条(強盗罪刑法第238条(事後強盗罪刑法第239条(昏睡強盗罪の罪又はその未遂罪を犯したる者にして其の行為前10年以内に此等の罪又は此等の罪と他の罪との併合罪に付3回以上6月の懲役以上の刑の執行を受け又は其の執行の免除を得たる者に対し刑を科すべき時は,窃盗を以て論ずべき時は3年以上強盗を以て論ずべき時は5年以上の有期懲役に処す。

 やや読みにくい条文かもしれませんが,つまり,既遂,未遂を問わず,物を盗むという行為を繰り返し,過去10年以内に,それぞれ6月以上の懲役刑の判決を受けた場合,より厳しい罰を与えるという内容になります。
 例えば,2014年に執行猶予,2016年に懲役6月,2019年に懲役1年の判決を受け,2022年12月現在に万引きをしてしまった場合,常習累犯強窃盗として扱われることになり,最低でも3年以上の実刑判決となる可能性があります。

~繰り返す窃盗とクレプトマニア(窃盗症)~

 通常であれば、欲しいものがある場合、それがお店の商品ならお金を支払い購入するでしょうし、他人の物であるならば、譲ってもらえるように交渉する人が大半であるかと思います。
 また、お金が足りなかったり、交渉が上手くいかなければ我慢をするかと思います。
 ですが、お金を支払うことが惜しかったり、「欲しい、手に入れたい」という欲求が勝ってしまった場合に、その対象物を手に入れるために窃盗という行為に手を染めてしまうことになります。
 しかし、窃盗罪で捕まる方の中には、
    ・物を取る(窃盗)という行為に快感や満足感を抱いている
    ・物を盗むというスリルを求めている
    ・物を盗むことに抵抗感がなくなっている
という方がいらっしゃるのも事実です。
 上記のような方は、アメリカの精神医学会によりクレプトマニア(窃盗症)と定められ、現在では広く世界的に認知された精神障害の一種とされています。
 窃盗症の方の特徴としては、先にも挙げた通り、「対象物を所有するために窃盗を行う」という目的(対象物を所有する)のため手段(窃盗)ではなく、「窃盗を行うこと=目的」となっていることが特徴に挙げられます。

 窃盗症と診断される方には,「やめたいのにやめられない」という悩みをお持ちの方が多くいらっしゃいます。
 また、自分一人では窃盗衝動を抑えることが難しく、早期に医療機関に相談し、医師や家族からサポートを受け治療してくことが大切とされています。

~本事例における当事務所の活動~

 夜になっても帰宅しないAさんを心配したご家族が成田警察署へ問い合わせたところ、逮捕されていることを知り、当所へ連絡が入りました。
 そこで、当所の弁護士がAさんが逮捕、留置されている千葉県成田警察署へ赴き、初回接見を行いました。
 弁護士がAさんに対し、ご家族の依頼で来たことを説明したところ、Aさんは大粒の涙をこぼし、自身の行った行為を後悔していた様子でした。
 落ち着きを取り戻したAさんからお話を聞いたところ、以前にも何度も万引き行為を繰り返しており、逮捕されたことも初めてではないとのことでした。
 また、Aさんは、自分自身では物を盗むことを止めることが出来ない、自分自身では盗むことを止めたいとお話しくださいました。

 Aさんとの接見結果をご家族へ報告したところ、当所にご依頼いただけることになりました。
 そこで、Aさんの勾留を解き、少しでも早く、日常を取り戻していただくことに重点を置き活動を開始しました。
 その中で、ご家族に協力いただき、今後、Aさんが窃盗を繰り返さないためにも、病院に通院し適切な処置を受けていただくことを含めた今後のサポートをお願いしました。
 そして、Aさん自身も二度と窃盗万引きを繰り返さないと、固く決意を結ばれました。

 さらに、被害店舗へ謝罪の意思をお伝えしたところ、当初は難色を示されましたが、粘り強く交渉を行うことで弁済を受けていただくことが出来ました。

 そうした活動の甲斐もあり、Aさんは起訴された後直ちに保釈が認められ、自宅に帰ることができました。
 また、Aさんには過去に複数回の窃盗の前科や前歴がありましたが、執行猶予付きの判決を得ることができ、日常生活へと戻ることができたのです。

 今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
 また、弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部のみならず、全国各地(札幌仙台東京新宿)、八王子横浜名古屋大阪京都神戸福岡)に事務所があり、初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【解決事例】バイクの乗って暴走行為で逮捕された少年事件

2022-12-09

 ニュースや新聞でもたびたび取り上げられる、集団での暴走行為ですが、どのような罪に問われてしまうのか、逮捕された場合、どうなってしまうのでしょうか。

 千葉県松戸市での事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案~

 Aさんは大学に通う18歳の男性で、数人の友人らと遊んでいました。
 すると、そのうちの1人が「暇だし、パトカーと鬼ごっこをしようぜ!どうせ警察官は捕まえられないよ!」と言い出したところ、他の友人らが賛成し、バイクに乗り,それぞれ出発しました。
 Aさん自身はもともと運転が得意でなく、乗り気ではありませんでした。

 しかし、「楽しそうな空気を壊したくない、ノリが悪いと思われたくない」と、注意することもできず、同級生の運転するバイクの後部座席に乗り、集団の最後尾を走ることになりました。
 しばらく友人らと集団で千葉県松戸市内の国道を走っていると、後方からパトカーがサイレンを鳴らしてやってきました。そこで、Aさんたちは,約2.4キロメートルにわたり,パトカーの前を低速で蛇行しながら進行し、信号無視をはじめとした複数の違反を繰返しました。
 パトカーの追跡を振り切ったところで、その日は解散したものの、後日、自宅に千葉県松戸警察署の警察官らが来て逮捕されてしまいました。

守秘義務の関係で一部事実と異なる記載をしています。

~Aさんの刑責~

暴走行為(共同危険行為等)の法定刑

暴走行為(共同危険行為)をした場合
2年以下の懲役または50万円以下の罰金(道路交通法第68条 117条の3)

違法改造車を運転した場合

3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金(道路交通法第119条)

 また,本禁止規定は,暴走族の取締りを主目的として,制定され,2004年の道路交通法の改定により,被害者がいなくても共同危険行為等を処罰できるようになりました。

~そもそも暴走行為とは?~

 前記の通り、自動車等を運転して暴走行為を行った場合,共同危険行為等の禁止違反として,道路交通法違反として検挙されることとなります。
 具体的な暴走行為としては
1 広がり通行
  車線(車道)いっぱいに広がり走行する行為
2 信号無視
  赤信号を無視して走行する行為
3 蛇行運転
  道路を左右に蛇行しながら走行する行為
4 交互追い越し
  複数の組に分かれ,それぞれ交互に追い越しをしながら走行する行為
5 巻き込み通行
  自身らと無関係の一般車両を集団内に巻き込み,一般車両の自由を拘束して走行する行為
6 一定区間の周回
  道路上において,ある一定区間を周回する,急発進や急停止等を行い他の車両の通行を遮断する行為
7 渋滞時等の渦巻き
  渋滞などにより停止した車両の後方でぐるぐると旋回する行為
が挙げられます。
 また,自分は運転せず同乗していたという場合でも,「一緒に暴走行為をしていた」と評価されれば「共犯」として処罰の対象となることがあります。


 本件は、同乗者であったAさんも警察に逮捕されてしまい、取調べなどの捜査の後に、家庭裁判へ事件送致されることとなりました。
 事前に友人らと暴走行為を行うことを話合ったこと,もしくは,その場の雰囲気で意気投合してバイクに同乗し、暴走行為を繰り返した事から、共同危険行為違反として逮捕されてしまったのだと考えられます。
 共同危険行為は、他の運転者や歩行者を巻き込んだ重大な事故を起こしかねないものですから、警察も悪質な事案として扱うことがあります。 
 その場のノリや、友達の前で見栄を張って、といった軽い気持ちでこのような暴走行為をしてしまう少年がいますが、警察や家庭裁判所も、厳しい姿勢で臨むことが予想されます。

~18歳,19歳の少年の場合の注意点~

 2022年4月1日から施行されている少年法では、18歳,19歳の方は「特定少年」として扱われます。
 「特定少年」の事件の場合には,他の少年事件と比べて、「逆送決定」といって,少年事件の枠の中でおさまらず、20歳以上の成人の刑事事件として扱われる可能性が高くなります。
 成人の刑事事件として扱われてしまうと、罰金刑懲役刑を受ける可能性が出てきて,前科がついてしまうことにも繋がります。
 特定少年の事件の場合には,いかに「少年事件の枠内」で納めることができるかどうかが重要になってくるでしょう。

~本件事例における当事務所の活動~

 ご家族から初回接見のご依頼を受け,当事務所の弁護士がいち早く千葉県松戸警察署に留置されている少年Aさんと接見しました。
 Aさんは警察に逮捕されるというのが初めてのことでしたので,どのように対応したらよいか,また家族がどう思っているのかについて非常に不安に感じている様子でした。ご依頼後も、当事務所の弁護士がAさんと何度も接見し、対話を重ねることでAさんの不安を取り除くとともに、二度と事件を起こしてしまわないためにも、普段のAさんの生生活状況や,アルバイト中のAの働きぶりなど数多くの情報を集めました。
 Aさんは逮捕されて一連の取調べを受けた後、少年鑑別所に移されることになりました。

 少年鑑別所の中でも問題を起こしてしまうことなくまじめに生活し,少年鑑別所や当事務所の弁護士から出された課題に対しては熱心に取り組んでいました。
 鑑別所でも弁護士と何度も面会を重ね,自分がしてしまった事の重大性や,周囲の人に対してどれだけの迷惑を掛けてきたのかについて気付くことができました。
 
 本件は,Aさんの周囲の生活環境や家族仲には大きな問題がなく,非行を繰り返す状況にないこと,暴走行為の中でAさんの役割,立場が上位にはなかったこと,過去の同種事例の処分の傾向からも重い処分を科す必要はないこと等を粘り強く主張したところ保護観察処分となり,Aは日常生活に復帰することが出来ました。

 少年事件においては,

どうして事件を起こしてしまったのか

二度と同じ事件を起こさないためにはどうしたらよいか

という点が重要です。

 今回のケースに限らず,ご自身や大切なご家族が,何らかの罪に問われてしまった場合,出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

 いち早く弁護士に相談することにより,処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
また,取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで,誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し,扱ってきた実績がございますので,交通事件に関しても安心してご相談頂けます。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【解決事例】酔って自動ドアを壊して現行犯逮捕された器物損壊事件

2022-11-16

 泥酔状態で帰宅途中にカラオケ店の自動ドアを壊した器物損壊事案をあいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事件概要~

 Aさんは、友人らと飲酒後、千葉県松戸市のカラオケ店を訪れました。
 そして、突然、Aさんは、ディスプレイ用のマイクを手に取り、手に持ったマイクで店舗入り口のガラス製の自動ドアを殴りつけ、ガラスを割り、自動ドアを壊してしまったのです。
 店舗従業員が警察に通報し、駆けつけた警察官によってAさんは現行犯逮捕されてしまいました。

守秘義務の都合上、一部事実と異なる記載をしています。

~Aさんの刑責~

 飲酒し、泥酔状態にあったとはいえ、お店のガラス製の自動ドアを壊してしまったAさんは、器物損壊罪に問われることとなります。

器物損壊罪 刑法第261条

 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
(前3条とは「公文書等毀棄」「私用文書等毀棄」「建造物損壊及び同致死傷」のことですが、ここでは割愛します)

 この罪における「損壊」とは、その物の効用を害する一切の行為をいいます。
 今回、Aさんは、お店の「ガラス製の自動ドア」という他人の物のガラスを割り、壊したことで、その効用(自動ドアとしての機能)を害しているので、Aさんの行為に器物損壊罪が成立する可能性が高いです。
 また、本件の事例とは異なりますが、他人の所有物に唾を吐きかけたり、尿や精液などの体液をかけたり(洗ったとしても誰のかわからない体液類が付着したものは使いたくないですよね)、鍵穴に異物を詰め施錠出来ないようにしたりといった行為も同様に器物損壊罪に問われる可能性が高いと言えます。
 

 また、器物損壊罪は、被害者の告訴がなければ公訴を提起することができない親告罪です。
 公訴が提起されない、とは、検察官による起訴(≒公判請求)ができないという意味です。
 つまり、被害者が告訴しない限り、検察官は事件を起訴することはできません

 器物損壊罪の成立に争いがない場合、弁護士に依頼し、直ちに被害者に謝罪と被害弁償をすべきです。早急に示談を成立させることで、不起訴処分となる可能性が高まります
 事件が起訴されなかった場合、当該事件は不起訴処分となり、前科はつかず、また略式手続きにより罰金を収める必要も、公開の法廷で裁判を受けることもありません。

 被害者との間で早急に示談が成立すれば、告訴提出による事件化を防ぐことができます。仮に、被害者が告訴した後であっても、示談によって告訴を取り消してもらうことができれば、不起訴処分を獲得することができます。

 器物損壊罪で起訴され裁判になってしまった場合でも、器物損壊事件の被害者との間で示談や被害弁償を行うことで、刑務所に入らないで済む,いわゆる執行猶予付き判決を獲得できる可能性も高まります。

 そのため、他人の物を壊してしまった逮捕されないか、前科が付かないか心配、と言った場合、いち早く刑事事件に強い弁護士に相談することをおすすめ致します。

~弁護活動~

 今回の事例は、逮捕されてしまったことを聞いたAさんの上司の方が、弊社の初回接見サービスを利用されたことからスタートしました。
 初回接見では、刑事事件に強い弁護士が、逮捕されてしまったAさんの元へ駆けつけ、事件の内容を確認するところから始まります。
 そして、Aさんのお話をもとに、今後の手続きの見通しをお伝えするとともに、予想される捜査に対する対応アドバイスさせていただきます。
 初回接見サービスをご利用いただいた後、Aさんの事件について正式にご依頼いただきました。
 
 Aさんは逮捕後に検察庁に送致(≒送検)されましたが、勾留請求をされることなく釈放となったため、被害者対応に的を絞り対応を開始しました。

 事件後すぐに対応することが出来たからか、Aさんが壊した自動ドアの修理費を負担することを条件に示談を取り交わすことが出来ました。
 また、示談のみならず、宥恕(≒犯人に対する被害者側の処罰意思、厳しい処罰を望まないというような緩やかな処罰感情)をいただくことができ、さらに、被害届を取り下げていただくことができました。

 被害届を取り下げていただく際も、万が一に取下げを忘れてしまったり、内容が誤っていて捜査機関に受理されないといったことが無いよう、法律的な見地に則り、書面を作成し、内容に同意いただき署名をいただくことで、後々、事件が蒸し返されることがないようにすることができます。

 そうした活動の甲斐があってか、Aさんは不起訴処分を得ることができ、日常生活に戻ることが出来たのです。

  
 千葉県内で器物損壊罪に問われてお困りの方は、いち早く、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談することをおすすめ致します。
 弁護士に相談することにより、処分の見通し今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 また、取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の弁護士は、日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡と全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。
 皆様からのお電話をお待ちしております。

【解決事例】車を運転して事故を起こすも立ち去ったあて逃げ事故

2022-11-13

 千葉県君津市であて逃げ事件を起こした方への刑事弁護活動について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~千葉県君津市であて逃げ事件~

 会社員Aさんは、会社へ出勤するため千葉県君津市の道路を車で走行中、誤って対向車線にはみ出してしまい、対向車線で停止中のVさんの車に衝突してしまいました。
 Aさんは慌てて車から降りたところ、お互いの車のバンパー部分が大きくへこんでいたのを目にしました。
 AさんはVさんの車に駆け寄り、Vさんに声を掛けたのです。
 するとVさんは外傷がなく「大丈夫」と応答してくれました。
 Aさんは事故を起こしてしまった動揺と、仕事に遅刻してしまうという焦りから、警察へ通報して事故の届出を行わず、車に乗ってその場から立ち去ってしまったのです。
 さらに、会社に出社したAさんは、事故を起こした車を会社の駐車場に止めたのですが、「ボロボロの車を停めていては会社のイメージが悪くなる」と、あろうことかレッカー会社へ連絡し、車を回収してもらったのです。
 
 一方で、Vさんからの通報により本件の事故を認知した警察官が交通事件として捜査を開始しました。
 また、事故後にVさんは病院を受診したところ、頚椎捻挫の診断を受けたため、Aさんは道路交通法違反(救護義務違反)として千葉県君津警察署で取調べを受けることになってしまったのです。

守秘義務の観点から、一部事実と異なります。

~Aさんの刑責~

 車やバイク、自転車などの車両を運転し事故を起こしてしまったからといっても、全てが「刑事事件」として捜査をされたり、取調べを受けるといったことはありません。
 相手方に怪我がなかった場合は物損事故として処理されます。
 物損事故として事故処理では、事故証明書を発行できるよう、警察官によって事故現場の状況や、お互いから事故の状況についての確認をし、不審点や話の食い違いがなければ、その場で処理が終了します。
 あとは、任意保険の会社を利用するか、個人間で修理費用など事故による損害を回復する話し合いを行うことになりますが、刑事罰に問われることは原則的にありません

 ですが、交通事故を起こし、相手方が怪我をした場合は「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(以下「自動車運転過失運転致死傷罪」と記載)」として捜査刑事罰を受けてしまうことがあります
 また,今回のケースのように、交通事故を起こしたのに,警察(110番)や救急隊(119番)へ通報を行わなかったり、怪我人を救護しなかった、危険防止の措置を講じなかった場合は、道路交通法違反(救護義務違反・報告義務違反)の罪に問われてしまい、刑事処分を受けてしまうことがあります

 本来であれば、自動車運転過失致死傷罪は、当事者の怪我の軽重や事故後の対応状況などの情状に応じて刑が免除されたり、刑事罰が軽くなる場合があります。
 しかし、今回のように事故現場から立ち去っていたり警察に届け出るよりも前に車をレッカー会社へ運んだ場合や、ディーラーなどで修理をした場合などは、証拠の隠滅を画策したと判断され、より、厳しい処分が科せられてしまう可能性があります。

 今回、Aさんは対向車線にはみ出し、停止中のVさんの車に衝突する交通事故を起こし、Vさんに怪我を負わせたにもかかわらず、その場から立ち去ってしまったと判断された場合、過失運転致傷罪救護義務違反併合罪となります。
 併合罪を有期懲役に処するときは、最も重い罪について定めた刑の長期に2分の1を加えたものを長期とするとの規定があります。(刑法45条前段、47条本文)
そのため、Aさんの場合、「救護義務違反」の刑の長期10年に、2分の1を加えた15年が、刑の長期となります。

 もし、交通事故を起こしてしまった場合、「まずは110番通報と119番通報をする」ということは頭の片隅に置いておいてください。
 

~交通事故を起こしたけど立ち去ってしまった~

 もし、交通事故を起こしてしまったが現場から立ち去ってしまった場合、すみやかに弁護士に相談することをお勧めします。
 過去のあて逃げ事件では、当初は、あて逃げ事件の容疑で警察から取り調べを受けていたのに、後になって、怪我をした被害者がいたことが発覚し、容疑が「ひき逃げ」に切り替わったケースもありました。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部無料法律相談では、交通事件を起こしてしまったご本人様より、事件当日のお話をうかがい、弊所の弁護士より事件の今後の見通しや、弁護人として出来る活動について、お話をさせていただいております。

 もし、正式に弁護人としてのご依頼を頂いた際は、被害者に対する示談交渉等をすることで、ご本人様に科される刑罰が少しでも軽くなるための活動を致します。

もし、あて逃げ事件を起こし、警察からの呼び出しを受けている方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談下さい。
無料法律相談のご予約は、フリーダイアル 0120-631-881 にて、早朝・深夜・土日・祝日問わず、24時間・年中無休で承っております。
お電話お待ちしております。

【解決事例】免許証を持っていたはずが無免許に!?

2022-11-08

 無免許運転をしてしまった場合の刑事事件の手続と刑事責任について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案概要~

 千葉県流山市に住んでいるAさんは、小学生の息子さんとドライブを楽しんでいました。
 千葉県佐倉市内を走行中、追い越し禁止場所で前方を走行中の車を追い越したところ、警察官に現認され、道路交通法違反(禁止場所追い越し)として検挙されてしまいました。
 警察官の指示に従い車を停止させたところ、運転免許証の提示を求められました。
 実はAさんは運転免許証の更新手続きを行っておらず、実に10年間もの間、運転免許証の有効期限が切れた「無免許」状態であったのです。
 そのことが、今回の違反によって警察官に発覚してしまい、Aさんは道路交通法違反(無免許運転)で現行犯逮捕されてしまうことになったのです。

※守秘義務の関係上、一部事実と異なります。

~無免許運転の要件と法定刑~

 無免許運転については、道路交通法によって次のように定められています。

無免許運転 道路交通法64条1項


 何人も、第84条第1項の規定による公安委員会の運転免許を受けないで(第90条第5項、第103条第1項若しくは第4項、第103条の2第1項、第104条の2の3第1項若しくは第3項又は同条第五項において準用する第103条第4項の規定により運転免許の効力が停止されている場合を含む。)、自動車又は原動機付自転車を運転してはならない。

※ここでいう自動車とは、道路交通法第3条で次のように説明されています。

自動車は、総理府令で定める車体の大きさ及び構造並びに原動機の大きさを基準として、大型自動車、中型自動車、普通自動車、大型特殊自動車、大型自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ)、普通自動二輪車(側車付きのものを含む。以下同じ)及び小型特殊自動車に区分する。  

 そして道路交通法117条の2の2には「次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定められ、1号に「法令の規定による運転の免許を受けている者(第107条の2の規定により国際運転免許証等で自動車等を運転することができることとされている者を含む。)でなければ運転し、又は操縦することができないこととされている車両等を当該免許を受けないで法令の規定により当該免許の効力が停止されている場合を含む。又は国際運転免許証等を所持しないで(第88条第1項第2号から第4号までのいずれかに該当している場合又は本邦に上陸をした日から起算して滞在期間が1年を超えている場合を含む。)運転した者」と記載しています。

 今回の事例でAさんは、運転免許の効力が停止されている状態で、自動車を運転していたため、無免許運転に該当し、逮捕されることになりました。

~無免許運転で逮捕された場合~

 警察官は被疑者を逮捕した場合、48時間以内に,被疑者を釈放する検察官へ送致するか決めなければなりません。
 送致を警察官から受けた検察官は、同じく,被疑者を釈放するか,裁判官へ勾留を申請するか24時間以内に決定します。
 そして裁判官が勾留を決定すると、留置所で10日間、検察官が延長を請求すれば最大20日間身体を拘束されることになります。

 つまり,一度逮捕されてしまうと,最大で23日間も身体拘束されることになります。
 外部との連絡も制限されるため、連日の取調べや捜査への対応による精神的苦痛も多大なものになるでしょう。

 その事態を避けるには速やかに刑事事件の経験と実績が豊富な弁護士に依頼し、釈放を求める身柄解放の活動をすることが重要になります。
 勾留が決定するまでの期間は短いため、釈放を求めるための書面や身元引受人の準備など、弁護士を通じて早期の対応することが求められます。

 今回のケースでは、Aさんが持病を有しており、勾留が長期化してしまうとAさんの健康状態が悪化してしまうおそれがありました。
 そのため、ご依頼いただいた後すぐに、検察庁と裁判所に対し在宅捜査を求める意見書を提出するなどの働きかけを行ったところ、Aさんは勾留されることなく帰宅することが出来ました。
 通常、無免許運転の期間が長く、常習化していた場合、実刑判決(≒懲役刑)となる場合があります。
 そのため、Aさんが釈放された後も、処分を少しでも軽いものとなるよう継続して活動を行ったところ、執行猶予付きの判決を得ることができ、Aさんは日常生活へと戻ることが出来たのです。

 なお,車やバイクなどの車両を運転し違反を犯してしまった場合、軽微な違反で違反内容に争いが無ければ、交通反則通告制度が適用されます。
 交通反則告知書(通称、青切符反則金納付書がその場で交付されますので、期日までに反則金を納付すれば、刑事責任を問われることはありません。(運転免許に点数が付与される行政上の処分を受けることにはなります)

 ですが、大幅な速度超過のような重大な交通違反ではその限りでなく、刑事手続き(≒交通事件)の対象となります。
 この場合は上記の青切符での処理ではなく、告知票・免許証保管証(通称、赤切符が作成されます。その後は刑事手続きが行われます。
 青切符とは違い、刑事罰が科されることになってしまい、場合によっては懲役刑など重い刑罰が科されてしまうこともあります。
 また、今回のケースのように逮捕されてしまう可能性もありますので、たかが交通違反と過信せずに注意することが大切です。

※大変申し訳ございませんが、現在、弊所では青切符による行政処分に関するお取り扱いはしておりません。交通事件の取り扱いはございますので、まず一度ご相談下さい

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、無免許運転などの道路交通法違反を含めた刑事事件を数多く扱っている弁護士事務所です。
 今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。
 また、弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます
取調べの対応方法供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弊所では逮捕、勾留された方のもとに弁護士が直接伺う初回接見サービスを実施しております。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、さいたま、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋(本部)、大阪、京都、神戸、福岡と、全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っておりますので、お困りの方は是非一度0120-631-881までお気軽にお電話ください。

【解決事例】屋外で裸になった男性!? 千葉県八千代市の公然わいせつ事件

2022-11-04

 公然わいせつ事件について、解決事例をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案概要~

 千葉県八千代市在住のAさんは、車で仕事から帰宅途中、休憩するために八千代市内の商業施設の平面駐車場の隅に車を停止させました。
 日が落ちて、あたりは暗くなっており、買い物客もまばらで、周囲に人がいなかったこともあり,また,外仕事のため大汗をかいていたAさんは,屋外ですが着替えをして少し涼もうとしました。。
 そして、Aさんは身に着けている衣服を脱ぎ、裸になって車を降りたのです。
 しばらく車の周囲を裸でうろついていると、他の車がAさんの車のそばを通過したのことに気が付きました。
 慌てた、Aさんは洋服を着て車に乗り込み自宅へと帰宅しましたが、帰宅から数時間後にAさんの元へ警察官が訪ねてきました
 Aさんは警察署に任意同行の後、取調べを受け、公然わいせつ罪被疑者として検挙されてしまいました。

※守秘義務の観点から、一部、事実と異なります。

~Aさんの刑責~

 駅前や繁華街の路上など、「不特定または多数の人が認識しうる状態」において、「わいせつな行為」をした場合、刑法の「公然わいせつ罪」に当たるとして、刑事処罰を受ける可能性があります。

公然わいせつ罪 刑法174条

 公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

 公然わいせつ罪における「公然と」とは、「不特定または多数の人が認識しうる状態」をいうとされています。
 例えば、人通りの多い道路上や多くの人が密集する商業施設等、多くの人の目につくような場所に置いて性器を露出したような場合には、「公然わいせつ罪」が成立すると考えられます。

 また、スーパーやコンビニ等の駐車場や立体駐車場に停車している自動車内で性器を露出したり、わいせつな行為をして、その時間帯や現場の模様から「不特定または多数の人が認識しうる状態」と認められてしまえば、公然わいせつ罪が成立する可能性が高いと言えます。

 
 公然わいせつ罪の趣旨として、「社会の健全な性秩序等を守ること」が目的となっていることから、「性器の露出等のわいせつ行為を、たまたま道路の通行人等が目撃しなかった場合」であっても、「通行人等が認識しうる可能性」があれば、公然わいせつ罪は成立するとされています。

 公然わいせつ事案は、「のぞき」や「盗撮」などと同じく、性犯罪の入り口と評されることのある犯罪行為です。
 「これくらいなら大丈夫」や「強制わいせつのように相手を直接傷つけないから平気」という間違った認識によって、犯罪のハードルを越えやすいとされています。
 そして、こういった犯罪を達成してしまうと、再度、「露出したい」「覗き見たい」「撮影したい」といった欲求が生まれ、「以前、捕まらなかったから大丈夫」と繰り返し行ってしまい、常習化してしまう危険性があります。
 さらに危険なのは、より、欲求が肥大化してしまい「触りたい」や「性行為がしたい」という欲求が生まれ、その欲求を達成するために、より悪質な犯罪に手を染めてしまうということです。

~公然わいせつ事件で検挙されたら~

 多くの公然わいせつ事件は、わいせつ行為を目撃した被害者による通報や、警察に被害届が出されたことをきっかけとして、警察による捜査が開始されます。
 そして、被疑者が特定された場合、警察官による取調べや逮捕・勾留による身柄拘束を受けるという刑事事件の流れになります。

 公然わいせつ罪の制度趣旨は、公然わいせつ行為を目撃した被害者を守るという「個人的法益」ではなく、社会の健全な性秩序を守るという「社会的法益」にあるとされています。
 しかし、実際の事件の多くは、公然わいせつを目撃した人目撃者)が「被害者という立場で取り扱われることが多いことがあります。
 そのため、弁護活動として、目撃者(=被害者)との示談交渉を行うことが重要な事案もあります。

 今回の事例では、警察官による任意の取調べを受けたAさんが弊所の無料相談をご利用され、依頼いただいたことから弁護活動がスタートしました。
 早期に弁護士との打ち合わせを重ね,Aさんとしては「不特定多数の人に対して自分の身体を見せるつもりはなかった」ということでしたので,捜査機関からこの点を追及された場合の対応についてきちんと準備をすることができました。
 Aさんの対応と併せて,担当弁護士が警察官、、検察官と協議を重ねた結果、不起訴処分となり、起訴されることなく、事件の終局を迎えることが出来ました。

 今回のケースに限らず,ご自身や大切なご家族が,何らかの罪に問われてしまった場合,出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

 仮に被害者が存在する事案であれば,刑事事件に精通した弁護士がいち早く対応することで,示談を締結することができる場合もございます。
 
 さらに,弁護士に相談することにより,処分の見通し今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ,その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 また,取調べの対応方法供述内容に対するアドバイスを受けることで,誤解を招くような供述を避けることが出来ます。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し,扱ってきた実績がございますので,どのような事件でも安心してご相談頂けます。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉県内のみならず,札幌仙台さいたま東京(新宿)東京(八王子)横浜名古屋(本部)大阪京都神戸福岡と、全国各地に事務所があり,初回無料法律相談も行っておりますので,お困りの方は,0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。

千葉県勝浦市での脅迫事件

2022-10-24

千葉県勝浦市で発生した脅迫事件を例に、脅迫罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。

<千葉県山武市の脅迫事件>

 Aさんは、千葉県勝浦市の海岸で友人らとお酒を飲み騒いでいたところ、近くにいたVさんから「もう少し静かにしてもらえませんか。」と声を掛けられました。
 Vさんから仲間の前で注意されたことに腹を立てたAさんは、「俺は〇〇組(暴力団)の組長と知り合いだから、今度お前を痛めつけてもらうよう話しておくわ」とVさんに告げました。
 後日、Vさんが、Aさんから告げられた内容を警察に相談したところ、Aさんは千葉県勝浦警察署にて取り調べを受けることなりました。
※守秘義務の観点から、一部事実と異なります。

<脅迫罪とは>

脅迫罪 刑法第222条

生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。

 

脅迫罪 刑法第222条第2項

親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。

 脅迫罪でいうところの「脅迫」とは、相手を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知を言います。
 「畏怖させる」とは、相手を怯えさせたり、不安にさせたりすることです。
 相手を畏怖させる内容を、相手に直接伝えたり、手紙やメールで伝えることを、「害悪の告知」と言います。
 今回のケースで、AさんがVさんに対し、
「俺は〇〇組(暴力団)の組長と知り合いだから、今度お前を痛めつけてもらうよう話しておくわ」
と伝えたように、一般に人を畏怖させるようなことを告げる行為脅迫罪にあたります。

<相手の“親族”に害悪の告知をした場合も脅迫罪になる?>

 害悪の告知が、被害者本人に向けられたものではなく、被害者の親族に対するものであったとしても、脅迫罪は成立します。
 ここでいう親族とは民法第725条で定められている親族を指しますので、本人のいとこや、配偶者の両親なども含まれます。
 これは、刑法第222条第2項において「親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。」と規定されているためです。
 例えば、「子供がどうなってもいいのか」や、「お前の奥さんの実家に火をつけるぞ」などと言い、相手を脅した場合も、脅迫罪にあたります。
 親族への脅迫をした場合の法定刑は、刑法第222条第1項と同様に「2年以下の懲役又は30万円以下の罰金」とされています。

<相手が怖がっていなくても、脅迫罪は成立する?>

 害悪の内容は、一般に人を畏怖させるに足りる程度の内容であれば、被害者が畏怖していない場合でも、脅迫罪は成立します。
 例えば、上記した勝浦市の脅迫事件の例で、Aさんの脅迫に対して、VさんがAさんの発言を真に受けず、「どうせ嘘だろう」と、畏怖していなくても、脅迫罪は成立するということです。
 ですから、発言などによって相手がどのように感じたかは関係なく、Aさんの行為は脅迫罪にあたると判断されます。

<脅迫事件に強い弁護士>

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を専門とする法律事務所です。
もし、ご自身が脅迫罪の罪に問われ、警察からの取り調べを受けている場合や、ご家族が逮捕されてしまった場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の無料相談もしくは初回接見サービスをご利用下さい。
脅迫事件に関するご相談はフリーダイアル0120-631-881にて、24時間年中無休で承っておりますので、お気軽にご相談下さい。

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