器物損壊罪と告訴

器物損壊罪と告訴

大学で吹奏楽部に所属するA(21歳)は、後輩のVが高い実力を持っていたことから、Vに嫉妬の念を抱いていました。
ある日、AはVが千葉県内で行われるコンテストに出場予定であることを知り、嫌がらせ目的でVの楽器を自宅に持ち帰りました。
そして、コンテストの翌日、AはVに「ごめん、間違えて持って帰ってたみたいで」と言って楽器を渡しました。
VはAの発言が嘘だと見破り、「千葉西警察署に被害届を出しますから」と言いました。
焦ったAが弁護士に相談したところ、Aの行為は器物損壊罪に当たり、告訴の阻止あるいは取消しが重要であることを聞かされました。
(フィクションです。)

【器物損壊罪について】

器物損壊罪は、他人の物を「損壊」した場合に成立する可能性のある罪です。
対象となる物は幅広いですが、建造物、艦船、特定の内容の文書の損壊は器物損壊罪の対象外です。
上記対象物は、それぞれ建造物等損壊罪と文書等毀棄罪により罰せられます。

器物損壊罪における「損壊」とは、物の効用を害する一切の行為を指すと考えられています。
その意味するところは、汚す、隠すといった、物理的な破壊よりも広い範囲が器物損壊罪の処罰対象に当たるということです。
ケースのAは、嫌がらせ目的でVの楽器を自宅に持ち帰っています。
このような行為は、Vの楽器を一時的であれ使用できなくする点で、物の効用を害しているとして「損壊」に当たる可能性があります。
そうであれば、Aには器物損壊罪が成立し、①3年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③科料(1000円以上1万円以下の金銭の納付)のいずれかが科されるおそれがあります。

ちなみに、ケースのAには窃盗罪が成立するのではないかと思われた方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、窃盗罪が成立するには、対象物を本来の用法に従って使用する意思がなければならないと考えられています。
ケースのAは、楽器を自分の物として使用しようとしたのではなく、飽くまでも嫌がらせ目的で隠したに過ぎません。
このことから、窃盗罪ではなく器物損壊罪が成立するとされているのです。

【告訴が持つ意味】

刑事事件において、「告訴」という言葉はたびたび耳にするところです。
告訴とは、捜査機関に対して自身が被った犯罪を申告し、犯人の処罰を求める意思表示のことです。
基本的には被害者本人とその法定代理人(親権者や後見人など)のみが行うことができ、被害者の死亡した場合には一定の範囲内の親族も行えるようになります。
相手方が「刑事告訴する」などと言っている場合でも、実務上は被害届というかたちで受理されることが多いようです。

日本に数多くする犯罪の中には、親告罪と呼ばれる類型が存在します。
親告罪とは、検察官が公判請求により裁判を行おうとする際、告訴の存在を必要とする罪です。
被害者の名誉保護の必要性や被害の軽微さなどから、裁判を行うかどうかを被害者の意思に委ねるというのがその趣旨です。
親告罪が告訴を欠いた状態で起訴されると、その裁判は備えるべき要件を備えていないとして打ち切りとなります。

器物損壊罪は親告罪なので、告訴がなければ裁判を行えない結果、有罪となって刑罰が科されるのを免れる余地があります。
告訴の阻止または取消しを目指すのであれば、やはり被害者との示談が重要です。
示談は当事者間で行われる合意であり、告訴に関して合意を締結できれば不安の種は解消できます。
弁護士であれば適切な内容の示談を行うことができるので、お困りであればぜひお近くの弁護士に相談してください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、告訴の阻止または取消しを目指して充実した弁護活動を行います。
器物損壊罪で告訴すると言われたら、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

初回法律相談:無料
千葉西警察署までの初回接見費用:36,300円

 

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