重大犯罪の恩赦

重大犯罪の恩赦

~事件~
千葉県市川市在住のAさんは、10年前にVさんを殺害した罪に問われ、第一審で無期懲役の有罪判決を受けました。
最高裁まで裁判が進みましたが、結局無期懲役判決が確定し、刑務所に服役することになりました。
ある日、刑務所で新聞を読んでいると、今年恩赦が行われる可能性があることを知り、面会に訪れた弁護士に恩赦について詳しく聞くことにしました。
(実話を基にしたフィクションです)

【恩赦とは】

恩赦とは、裁判で確定した刑事罰を軽減する又は取り消す制度です。
恩赦は、新天皇が即位した時や天皇家の結婚の際等に行われるもので、内閣が決定し、天皇が認証することで行われます。
恩赦法上、5つの種類が存在し
・大赦(特定の犯罪について、有罪判決の効力か起訴の効力を失わせる)
・特赦(有罪判決を受けた特定の者について有罪判決の効力を失わせる)
・減刑(特定の犯罪で有罪判決を受けた者又は特定の者に、刑の軽減や猶予期間短縮を行う)
・刑の執行免除(実刑有罪判決を受けた特定の者に対し、刑の執行を免除する)
・復権(刑事罰を受け資格喪失や資格停止された者に対し、資格を回復させる)
となります。
恩赦は、江戸時代から行われている制度で、最近では沖縄復帰記念や皇太子成婚の際に恩赦が行われました。
一般的に馴染みのある言葉ではなく、また対象となるのがごく一部の人間に限られることから、広く知られている制度ではありません。

【恩赦の対象】

恩赦で最も多いのが復権で、刑事事件で有罪が確定し被選挙権(選挙に立候補する権利)が失われたものに対し選挙権を回復することが多いです。
実際に、直近の恩赦では合計1,277件の恩赦が実施された中で、約70%が復権となっています。
その他、特赦・減刑・刑の執行免除となり、大赦は行われていません。
一方、重大な刑事犯罪(強盗殺人、殺人)については、恩赦の対象となることが少ないと言われ、同じ犯罪を犯した者でもすべてが対象となるわけではありません。
また、恩赦は行政が判断するもので、司法が判断した刑罰を軽減する判断を下すことから、慎重に判断されるとともに、政治的な配慮がされることがあります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の初回相談料:無料
千葉県行徳警察署までの初回接見費用:37,300

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら