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警察官が職務執行で訴えられて被疑者に~千葉県の特別公務員暴行陵虐罪事件~

2023-07-23

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部特別公務員暴行陵虐罪について事例をもとに解説いたします。

【事例】

千葉県我孫子市在住のAさん(30代男性)は、千葉県内の警察署に勤める警察官でした。
勤務中のある日、Aさんはコンビニで暴れている男性がいるとの通報を受け現場に臨場した際に、コンビニ店員の男性を殴り、その後もレジカウンターを蹴るなどして暴れているVさん(男性70代)を発見しました。
Aさんは、すぐさまVさんを暴行の現行犯人と認め、柔道の払い腰の要領でVさんを床に投げて押さえつけVさんを逮捕しました。Vさんは逮捕後もしばらく暴れていたためVさんの上に乗り制圧状態を継続し、その後、Vさんが暴れるのをやめた後も長時間、店舗の床に押し付けました。
後日、釈放されたVさんが逮捕当時、床に長時間押し付けた行為について告訴したため、Aさんは特別公務員暴行陵虐罪の疑いで、千葉県警察本部で取り調べを受けることになりました。

事例はフィクションです

【解説】

警察官として店員に暴行を加え、なおも暴れ続けたVさんを制圧逮捕したAさんが問われてしまった公務員特別暴行陵虐罪とはいったい何なのか、解説いたします。

1 特別公務員暴行陵虐罪とは?

特別公務員暴行陵虐罪とは、刑法第195条に規定されている犯罪です。
警察官などの一定の公務についている者が、被告人や被疑者、その他、事件関係者などに暴言を浴びせたり、暴行を加えた場合に問われる犯罪です。

特別公務員暴行陵虐罪 刑法第195条

1項

 裁判、検察若しくは警察の職務を行う者又はこれらの職務を補助する者が、その職務を行うに当たり、被告人、被疑者その他の者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときは、7年以下の懲役又は禁錮に処する。

2項

 法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者に対して暴行又は陵辱若しくは加虐の行為をしたときも、前項と同様とする。

1項では、裁判官や裁判所事務官、検察官や検察事務官など裁判所や検察庁で職務に従事する方、警察官や警察事務官などが該当します。
それに対し2項では、服役中の方の看守をする刑務官やなどが該当する違いがあります。

いずれにせよ、司法に関係する職務を行う者が被疑者などに対して暴行などの加虐行為を行った場合が該当することになります。
そのため、本件事例のように警察官が職務執行中に暴行を加えれば、特別公務員暴行陵虐罪の罪に問われる場合がありますが、一方で、警察官であってもプライベートや休暇中など、職務とは関係のない場所で誰かを殴った場合、特別公務員暴行陵虐罪ではなく、暴行罪傷害罪に問われることになります。

またここでいう「暴行」とは、殴る蹴るなどの人の身体に対する直接的なな有形力の行使の他、着衣を破るや警棒などを対象者の近くの壁や床に投げつけるなど間接的な暴行も含まれると考えられています。
陵辱若しくは加虐」とは、暴行以外の方法で精神的肉体的苦痛を与える虐待行為を意味します
例えば、不当に胸や陰部などの体を触りわいせつな行為をする、食事をさせない、トイレに行かせない、侮辱的発言を浴びせるなどがこの行為にあたります。

※2項の罪を犯して人を死亡させたり、傷害を負わせた場合は特別公務員職権濫用等致死傷罪(刑法196条)が成立しより重い刑に処されます。

特別公務員職権濫用等致死傷罪 刑法第196条

前2条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する

前2条とは「特別公務員職権濫用罪(刑法第194条)」と「特別公務員暴行陵虐罪(刑法第195条)を指します)

【もし、罪に問われてしまったら・・・】

今回は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が警察官などが被疑者等に暴行を加えた場合に成立する特別公務員暴行陵虐罪について解説いたしました。

公務員はその性質上、一度、問題となり捜査を受けた場合、組織対応を名目に、職員が独断で行動することに待ったをかける傾向もあります。
そのため、相談することが遅れ、被害者様へ対し適切な対応をすることができなかった結果、起訴されてしまったり裁判となり刑が確定し懲戒処分となってしまうケースも少なくありません
組織が対応してくれる、守ってくれると過信せずに、一度、ご自身で法律の専門家である弁護士に相談することが重要です。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を数多く受任してきた法律事務所です。
そのため、多種多様な刑事事件の経験が豊富な弁護士が所属しております。

刑事事件に精通した弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
また、取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉県内のみならず、札幌、仙台、さいたま、東京(新宿)、東京(八王子)、横浜、名古屋(本部)、大阪、京都、神戸、福岡と、全国各地に事務所があり、事務所へお越しいただいての初回無料法律相談も行っておりますので、お困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。

柿の木の枝を折った器物損壊事件~千葉県富里市の事案~

2023-07-20

今回は、民家の敷地内で栽培されていた柿の木の枝を折ったとして、男性が器物損壊の疑いで検挙された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説いたします。

~事例~

千葉県富里市に住むAさん(50代男性)は、ある日の仕事帰りに、近所の住宅の敷地内に植えてある柿の木に大きな柿の実がなっているのを目にしました。
柿の木の枝は民家の生垣を越してAさんのいる道路まで伸びていました。
Aさんは、柿が好きだったこともあり、「少しくらい、いいだろう」と考え、柿の枝を折り、柿の実2個を持っていた通勤鞄にしまって持ち帰りました。

Aさんは柿を持ち帰ったものの、柿は熟れすぎていてあちこち虫が食べている状態だったので、食べずに生活ごみと一緒に処分しました。

後日、柿の枝が折られたと相談を受けた千葉県成田警察署から連絡があり、器物損壊罪の被疑者として取調べを受けることになってしまいました。

※本件事例はフィクションです

~解説~

柿の実が欲しいために枝を折って柿を窃取したAさんですから、まずは「窃盗罪」に該当すると考えられます。

窃盗罪(刑法第235条)

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する

ここで問題となるのが、窃取した柿の実の財物的な価値についてです。
例えば、柿の木の所有者(≒住人)が、売り物として出荷するためや、自分で食べるために管理して栽培をしていたのであれば、Aさんが窃取した柿の実は価値のあるものと判断される場合があります。
しかし、特に管理もしていなかったり、古くから育てている木そのものを管理することが目的で、柿の実について所有者(≒住人)が気に留めていない場合は、柿の実に財物的な価値はないと判断されることもあります。

もし、Aさんの窃取した柿の実に財物的な価値が認められなかったり、被害者様が柿の実に対しての窃盗被害を主張しなかった場合でも、「器物損壊罪」として罪に問われてしまうことがあるため、注意が必要です。

器物損壊罪(刑法第261条)

前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
前3条とは「公文書等毀棄」「私用文書等毀棄」「建造物損壊及び同致死傷」のことですが、ここでは割愛します)

~今後の弁護活動は?~

もしも、逮捕されてしまった場合、早期の身柄解放、身体拘束の長期化の阻止が極めて重要となるでしょう。
また、警察は余罪についても調べるため、逮捕された以外の容疑もある場合、逮捕が繰り返され、長期間外に出られなくなるおそれもあります。
なるべく早く弁護士を依頼し、弁護活動に着手してもらうことをお勧めします。

被害者様は、柿の木の枝を着られるという損害が生じているため、真摯な謝罪と、損害の賠償も必要と考えられます。
もし、謝罪損害賠償が受け入れられ、さらに、告訴をしないこと、すでに告訴をしている場合はこれを取り消してもらうことができれば、器物損壊事件については必ず不起訴処分となります(器物損壊罪は親告罪であり起訴するためには被害者からの告訴が必要なため。詳しくは親告罪、刑法第264条参照)。

このように事件を解決できれば理想的ですが、当然、被害者様の被害感情が強ければ、謝罪や賠償を受け入れてもらえない事態も十分考えられます。

器物損壊の疑いで警察に検挙された場合には、すぐに刑事事件に熟練した弁護士の接見を受け、善後策を立てていく必要があるでしょう。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多くに受任し、数多く扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。
 また、千葉県内のみならず、北海道(札幌市)、宮城県(仙台市)、埼玉県(さいたま市)、東京都(新宿区・八王子市)、神奈川県(横浜市)、愛知県(名古屋市)、大阪府(大阪市)、京都府(京都市)、兵庫県(神戸市)、福岡県(福岡市)と、全国各地に事務所がございます
ご家族が器物損壊の疑いで逮捕された、警察から取調べを受けたなど、お困りの方は、是非、一度、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所0120-631-881にご相談ください。

市の職員への暴行で逮捕~千葉県松戸市の公務執行妨害事件~

2023-07-11

~事案~

 Aさん(50代・女性)は、仕事をしながら、高齢の母親のお世話をする日々を過ごしていました。
 ある日、松戸市役所へ手続きと申請に赴いたところ、自身の希望が聞き入れられなかったことに憤慨し、職員を大声で怒鳴りつけました。
 それでも腹の虫がおさまらなかったAさんは、持ち込んだ資料を職員の顔面を目掛けて投げつけ、カウンターを蹴り飛ばすなど暴れたところ、松戸市役所からの通報を受けて駆け付けた松戸警察署の警察官によって、公務執行妨害罪の現行犯で逮捕されてしまいました。
 
※本件事案はフィクションです。

~公務執行妨害罪とは~

 今回のAさんのように、市の職員へ暴行を加えるなどして、その職務を妨害した場合、公務執行妨害罪に問われてしまう可能性があります。

公務執行妨害罪(刑法第95条)

 公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。

 公務執行妨害罪は、広く「公務員」であれば適用されるものの、この法律が保護しているのは、国家や公共団体の機能としての公務を公正かつ円滑な遂行であり、公務員一個人の身体の安全や意思決定を保護するものではないとされています。
 つまり、市の職員を始めとする公務員が、正当な職務執行を行っている際、その職務を円滑に遂行することを妨害してはいけないとしたものである一方、個人の感情によるもので適用されてはならないとされています。

~公務執行妨害罪で逮捕されてしまったら~

 先ほどもお伝えした通り、公務執行妨害罪は、公務員の公務の円滑な遂行を阻害し、国家や公共団体の適切な職務執行など、その機能を保護するために適用されることがほとんどです。
 そのため、事件の立件をするために初動捜査を尽くすことから、加害者に不利な証拠が早い段階から揃いやすい点です。
 そして、証拠が早い段階から揃うということは、取調べを受ける時も加害者の供述の一つ一つが重要になってきます。どちらとも捉えることができる供述では、どんどんと追及を受けることにもなり、心理的な負担がかなり大きくなることが想定されます。
 加えて、示談交渉においては、地方公共団体や国家へ対して行うことになる場合がほとんどです。そういった場合、厳正な手続きを求められるケースが多く、弁済や謝罪が受け入れられないケースもありますので注意が必要です。

 もし、ご家族が逮捕されてしまった場合、いち早く当あいち刑事事件総合法律事務所へご相談いただくことをお勧めいたします。
 当所では、刑事事件を専門に数多く扱ってきた経験豊富な弁護士から、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
 また、取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を専門的に受任し、数多く扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。
 また、千葉県内のみならず、北海道(札幌市)、宮城県(仙台市)、埼玉県(さいたま市)、東京都(新宿区・八王子市)、神奈川県(横浜市)、愛知県(名古屋市)、大阪府(大阪市)、京都府(京都市)、兵庫県(神戸市)、福岡県(福岡市)と、全国各地に事務所がございます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所ではご紹介した初回接見のほか、初回無料法律相談も行っておりますので、お困りの方は、24時間年中無休の弊所フリーダイヤル0120-631-881までお気軽にお電話ください。

借りたレンタカー返さずに逮捕~千葉県成田市の横領事件~

2023-07-05

今回は、千葉県成田市内のレンタカー会社から借りた乗用車を横領した疑いで、45歳男性が逮捕された事件につき、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説いたします。

~事例~

千葉県成田警察署は、横領の疑いで、住所不定、自称自営業の男(45歳)を逮捕した。

逮捕容疑は昨年9月10日~17日の契約で成田市内のレンタカー会社から借りた乗用車1台(時価200万円相当)を返却期限後も返さず、横領した疑い。男は容疑を否認している。

成田警察署によると、男と連絡が取れなくなったレンタカー会社の男性店長(33歳)が1月20日に成田警察署に被害を相談し、本件事件が発覚したとのこと。

本件は事例を基にしたフィクションです

~横領罪とは?~

横領事件の典型例として、他人から預かった他人の物、又は業務上自分が占有している物等を何の権限もなく勝手に売ったり、使ったりする行為が挙げられます。

横領罪には、単純横領罪のほか、業務上横領罪、遺失物等横領罪などの類型が規定されており、行為者の立場(業務上、他人の物を占有する立場にあったか、そうでないか)、横領された物件の状況(もともと行為者が占有していた物であるか、遺失物など他人の占有を離れた物か)等、様々な観点から判断が為され、成立する罪名が異なってきます。

今回のケースでは、自身が使用しているとはいえ、レンタカー会社が所有するレンタカーを横領していることから、単純横領罪が成立する可能性が考えられます。

横領罪(刑法第252条)

1項  自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する

~想定される弁護活動~

今回のケースの場合は、レンタカー会社に対して、レンタカーを期限に返却しないことによって生じさせた損害を賠償し、示談を成立させることが考えられます。
真摯な謝罪と損害賠償を行い、示談を成立させることができれば、不起訴処分など、比較的有利な事件解決を図ることができる可能性もあります。
まずは刑事事件に詳しい弁護士の接見を受けて、今後の弁護活動に関するアドバイスを受けることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を数多く取り扱う法律事務所です。
横領事件を起こしてしまいお悩みの方は、是非、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

夫婦喧嘩で夫が逮捕!~千葉市稲毛区の事案を例に解説~

2023-07-02

 千葉県千葉市稲毛区で起きた暴行事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【事案の概要】

 Aさんと、妻のV子さんは、日課の晩酌中に些細な事から口論となってしまいました。
 飲酒の影響もあり口論がヒートアップしてしまった結果、AさんはカッとなりV子さんの顔を拳で何度も殴ってしまったのです。
 殴られたV子さんが顔面から出血をしてしまい、その様子に動揺したAさんは、一度外の空気を吸うために外出しました。
 V子さんは出血が止まらず、自身で119番通報をしたところ、救急隊からの要請を受けて警察官もやってきたので、仕方なく事の顛末を話していたところでAさんが帰宅しました。
 その後、Aさんが暴行罪の被疑者として現行犯逮捕されてしまったのです。

守秘義務の関係で、一部、事実と異なる点がございます。

【逮捕・勾留と起訴】

 逮捕・勾留とは、起訴・不起訴に向けた捜査のために、一時的に被疑者の身柄を拘束する手続をいいます。
 逮捕・勾留された場合、身柄を拘束された状態で取調べ等の捜査を受けることとなりますが、刑事手続上は未だ罪を犯した者として取り扱われることはありません。
(この場合には、罪を犯した疑いのある者として「被疑者」と呼ばれます。
 その後、捜査で得られた証拠をもとに、検察官が刑事裁判を起こすかどうか、起訴・不起訴の判断をします。
 起訴され有罪判決が出て初めて犯罪者として確定することとなりますが、起訴後の有罪率は99.9%を超えるため、逮捕・勾留されてしまった場合には、起訴処分を回避することが非常に重要です。

 また、被疑者として逮捕され、勾留されてしまった場合、実名報道によって不利益を被る可能性があります。
 さらに、勾留期間中は留置施設で過ごすことになり、その間は仕事に行くことも、学校へ行くことも出来ません。そのため、仮に起訴されずに事態が収束したとしても、その間の欠勤により仕事を失ってしまったり、学校を退学になってしまう恐れがあります。
 
 そのため、逮捕されてしまった場合、いち早く弁護士に依頼し、在宅捜査へ切り替えてもらうよう働きかけを行うといったことが、重要となってきます。

【暴行罪と傷害罪】

 夫婦関係にあるとはいえ、V子さんの顔を平手で殴ってしまったAさんは、まず、暴行罪に問われる可能性が高いと言えます。

暴行罪(刑法第208条)

 暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金若しくは科料に処する

 また、万が一、Aさんが殴ったことにより、殴られたV子さんがケガをしてしまった場合、傷害罪に問われる場合があります。

傷害罪(刑法第204条)

 人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。

 警察などの捜査機関は、医師ではないため、明らかに腕が変形している場合や、頭から出血をしているといった状況でない限り、負傷状況を特定することは出来ません。
 今回のように顔を拳で殴られたというような場合の多くは、暴行罪として捜査を開始し、被害に遭った方が病院を受診し診断書を捜査機関に提出した段階で、傷害罪に罪名を変更して捜査を継続することが通常です。
 相手を殴ってしまったが、見た目は怪我をしているようには見えず、暴行罪と言われたからといって放置してしまうと、知らない間に罪が重くなってしまったという事態にもなりかねません

 もし、家族に限らず、誰かを殴ってしまった、突き飛ばしてしまったなど、暴力行為を行ってしまった場合、いち早く法律の専門家である弁護士に相談することをおすすめします。

【暴行事件を起こしてしまったら】

 刑事事件では、弁護士への早期相談が何よりも大切です。
 もし、ご家族や大切な方が警察に逮捕されてしまった場合、弊所の初回接見サービスをご利用ください。
 初回接見では、刑事事件に精通する弊所の弁護士を警察署へ派遣し、事件の内容を確認すると共に、今後の事件の見通しや、取調べなど捜査に対する対応についてのアドバイスを行わせていただきました。

取調べで話した内容は、全て「供述調書」として記録され裁判の証拠とされてしまうほか、これを後から覆すことは極めて困難です。
 そのため、逮捕・勾留されてしまった初動の段階で弁護士に相談し、どのようなことを話すかを方針立てておくかどうかによって、落ち着いて対応することができ、あいまいな供述や表現によって、殊更立場が悪くなってしまうことを避けることができます。


 次々と連続して行われる刑事手続きの中で、事態の悪化を避けるためには、何よりもまず早期の段階で弁護士に相談・依頼し、適切な弁護活動のサポートを受けることが非常に重要です。

 また、逮捕はされなかったが、在宅で捜査をされているといった場合は、弊所事務所へご来所いただき初回無料の法律相談をご利用いただけます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。

 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部のみならず、札幌、仙台、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡全国各地に事務所がありますので、お困りの方は是非一度0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。

家族が覚醒剤を使って逮捕された

2023-06-28

覚醒剤使用事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。

【千葉市中央区の覚醒剤使用事件】

千葉市中央区に住むAさんは、仕事のストレスを緩和するために、自宅で、売人から購入した覚醒剤の粉末を加熱し気化させて吸引しました。
Aさんが覚醒剤を使用してから数ヶ月経ったある日の早朝、千葉中央警察署の警察官がAさんの自宅を訪れ、Aさんを覚醒剤使用罪の疑いで逮捕しました。
Aさんが逮捕される様子を見ていたAさんの妻は、夫が突然逮捕されたことにより、自分が何をすればよいのか分からず困り果て、刑事事件を扱う法律事務所の初回接見サービスを利用することにしました。
(この刑事事件例はフィクションです。)

【覚醒剤とは】

覚醒剤取締法における覚醒剤とは、覚醒剤取締法第2条1号から3号のいずれかに該当する物を言います。

覚醒剤取締法 第2条
この法律で覚醒剤とは、次に掲げる物をいう。
1 フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及び各その塩類
2 前号に掲げる物と同種の覚醒作用を有する物であつて政令で指定するもの
3 前二号に掲げる物のいずれかを含有する物

覚醒剤取締法第2条1項1号の“フェニルアミノプロパン”はいわゆるアンフェタミンのことです。
また、”フェニルメチルアミノプロパン”はメタンフェタミンのことです。
 
日本において取締りの対象となっている覚醒剤は、主にフェニルメチルアミノプロパン及びその塩類であり、その形状は白色の粉末あるいは無色透明の結晶であることが一般的です。

覚醒剤は、脳の中枢神経に興奮作用を与えます。
その結果として、覚醒剤を使用すると、眠気や疲労感が解消され、頭が冴えたような感覚になります。
それに加えて、気分の高揚や自信が増すといったような効果もあります。
しかし、そのような効果は短時間で消滅し、その後は激しい疲労感や憂鬱感、倦怠感といったものに襲われることになります。
さらに、覚醒剤を繰り返す使用するようになると、幻聴や妄想に襲われるという効果ももたらします。

【覚醒剤使用罪とは】

覚醒剤取締法第19条は覚醒剤使用罪を規定し、覚醒剤を使用することを禁止しています。 
これに違反すると、10年以下の懲役刑に科せられます。

覚醒剤取締法
(使用の禁止)
第19条
 次に掲げる場合のほかは、何人も、覚醒剤を使用してはならない。
1号 覚醒剤製造業者が製造のため使用する場合
2号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は覚醒剤研究者が施用する場合
3号 覚醒剤研究者が研究のため使用する場合
4号 覚醒剤施用機関において診療に従事する医師又は
   覚醒剤研究者から施用のため交付を受けた者が施用する場合
5号 法令に基づいてする行為につき使用する場合

覚醒剤取締法
第41条の3第1項
 次の各号の一に該当する者は、10年以下の懲役に処する
1号 第19条(使用の禁止)の規定に違反した者
(以下、省略)

 
覚醒剤自己使用罪として事件化する要件は、

① 法定の除外事由なく
② 覚醒剤
③ 使用する

これらの条件を満たすと成立します。

このうち、②覚醒剤については既に説明しましたので、ここでは、①法定の除外事由がないという要件と、③使用する

の要件について簡単に説明します。

①法定の除外事由がないとは、覚醒剤取締法第19条1号から5号までのいずれの事由にも当たらないということを意味します。
覚醒剤取締法第19条の各号には、製造、診療、研究に用いる場合や、法令に基づいて用いる場合には、覚醒剤の使用が許されるといったことが記載されています。

③使用とは、覚醒剤をその用法に従って用いる一切の行為をいいます。
すなわち、覚醒剤を注射、吸引、飲用などの方法によって、自己または第三者の身体に接種、投与すれば使用したということになります。

刑事事件例では、覚醒剤の粉末を加熱し気化させて吸引するという方法で使用しています。
そして、Aさんは覚醒剤製造業者や覚醒剤施用期間の医師や研究者ではなく、また、Aさんが覚醒剤を使用したのは、仕事のストレスを発散させるためなので、覚醒剤取締法第19条各号に定められた除外事由には当たらないことになるでしょう。
以上より、Aさんには覚醒剤使用罪が成立し、10年以下の懲役刑に科せられる可能性があります。

【突然、ご家族の方が逮捕されてしまったら】

刑事事件のように、ご家族の方が急に逮捕されてしまった場合、まずは覚醒剤使用罪などの薬物事件に精通した弁護士に対して初回接見を依頼されることをお勧め致します。
初回接見とは、弁護士が警察署の留置場などに出張して、逮捕された方と接見(面会)をする、その最初のことを言います。
この初回接見により、事件の見通しや、今後の手続の流れ、これから予定されているであろう取り調べの対応などのアドバイスを受けることが期待できます。

また、初回接見に向かった弁護士から、ご依頼を頂いたご家族の方に対しましても今後に事件の見通し等についてご報告させて頂きますので、今後の事件の流れについての不安や疑問を解消するといったことが期待できるでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部には薬物事件に精通した弁護士が在籍しています。
ご家族の方が覚醒剤自己使用の疑いで逮捕されてお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。

判員裁判と取調べの録音・録画~千葉県内の強盗致傷事件を基に解説【後編】~

2023-06-25

今回は、前回に引き続き、裁判員裁判と、刑事事件の取調べの際に行われる「取調べの録音・録画」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説いたします。

~事例~

 千葉県内のリサイクルショップに昨年12月、男らが押し入り店主に暴行を加え売上金120万円と商品の高級腕時計などを奪い逃走した事件で、県警捜査1課は、強盗致傷と建造物侵入容疑で千葉県館山市居住のA男(20代、自称派遣社員)を逮捕した。
 県警は、捜査に支障があるとして認否は明らかにしていない。

 逮捕容疑は令和4年12月9日午後7時半ごろ、共犯者の男らと千葉県内のリサイクルショップに侵入。男性店主の顔面をバールで殴ってけがをさせ、「金庫はどこだ」などと脅迫して金品を奪おうとした疑い。
 この事件を巡っては、実行役とされるB男(20代、無職)、C男(30代、会社員)の2名も逮捕されている。
 男らに面識はなく、SNS上の高収入バイトに申し込み、指示役とみられる者から本件犯行の指示を受けた、所謂「闇バイト」であるとみて、背後関係を含め慎重に捜査を進めている。

 なお、男性店主は意識不明の重体とのことです。

本件事例はフィクションです。 

~刑事事件の取調べ~

 本件事例は裁判員裁判の対象事件であることは、前編でご説明した通りです。
 裁判員裁判の対象事件となると、警察の捜査手続きにおいても、いくつかの違いが出てくることがあります。
 その一つが、今回ご紹介する取調べの録音・録画です。
 まず、取調べとはどういうものかを簡単にご説明します。

 刑事事件の取調べは、警察署や検察庁などの取調室において行われます
 取調べによって、捜査機関は事件の真相を解明すべく、被疑者から犯行の動機や、犯人しか知り得ない秘密の暴露など、被疑者が罪を犯したと認めることができる話を聴き取り、その内容は供述調書としてまとめられることが一般的です。

 取調べは取調室という机と椅子以外はなにもなく、広さも数メートル四方程度しかない小さく、殺伐とした雰囲気の部屋の中で、被疑者と取調官、取調べ補助者など、限られた人数で行われます。
 また、警察署での取調べにおいては、プライバシー保護の観点からも、多くの警察署は刑事課や生活安全課、交通課などの事件や事故の捜査を担当する部署の執務室の奥にあり、人目のつかない場所に設けられている場合がほとんどです。

 そのため、以前までは、取調官が被疑者を大声で怒鳴りつける、机を叩く、椅子を蹴る、煙草を吸わせる代わりに自白を強要する、長時間にわたり取調べ室内に拘束し、自白するまで取調室から外に出さないなど、刑事ドラマなどで目にするような取調べが実際に行われていました。

 そうした取調べは、被疑者に対する精神的な負担は大きく、結果として、犯してもいない罪まで認めてしまうケースや、被疑者の供述の信ぴょう性が疑問視されることとなり、取調べの方法が見直されるとともに、取調べの可視化に向けた改革が行われることになりました。

 そうした動きを受け、対象となる身柄事件(≒逮捕・勾留されている事件)の取調べの様子の全てを録音・録画を義務付ける改正刑事訴訟法が令和元年6月1日から正式に施行されたのです。

 現在は、先挙げた、被疑者を大声で怒鳴りつける、机を叩く、椅子を蹴る、自白を強要する、長時間にわたり取調室に拘束することなどは全て禁止されています。 

~取調べの録音・録画、裁判員裁判との関係とは~

 取調べの録音・録画の対象となる事件は次の通りです。

1.裁判員裁判対象事件(弁論の併合により裁判員裁判で審理される見込みのある裁判員裁判費対象事件を含む)

2.知的障害を有する被疑者で言語によるコミュニケーション能力に問題がある者、又は取調官に対する迎合や被誘導性が高いと認められる者に係る事件

3.精神の障害等により責任能力の減退・喪失が疑われる事件

4.独自捜査事件(検察官が直接告訴・告発等を受け又は自ら認知して捜査を行う事件(国税局、証券取引等監視委員会、公正取引委員会等による告発に基づいて捜査を行う事件を含む。))であって当該事件について検察官が被疑者を逮捕した事件

 また、取調べの録音・録画が義務付けられているのは、これらに該当する事件のうち、身柄拘束(≒逮捕・勾留)されている事件に限られます

 取調べの録音・録画は、不当な取調べから被疑者らを守るため、適正な捜査を推進するために行われますが、その一方で、供述する内容がすべて録音・録画されているため、なにを話すのか、どのような態様で話をするのかによって、被疑者側の不利益となる場合もある。取調べの対応が非常に重要になる、ということは覚えておいた方が良いかもしれません。また、事前に話す内容などを整理しておくことがより大切です。
 

~取調べを自分で録音・録画できるか~

 身柄が拘束されていない(≒在宅捜査)被疑者の方で、警察官の話を録音・録画したい、と思う方もいるかと思います。
 しかし、警察官ら捜査機関側には拒否されることがほとんどです。
 理由は様々ですが、取調べでは、被疑者の生い立ちや生活状況、事件の内容や犯行動機、関係者がいればその方との関係など、個人情報を含め様々なことを聞かれます。また、場合によっては捜査機関の捜査情報などを踏まえて会話が行われることもあります。

 そのため、守秘義務の面からも、こうした内容が漏洩することを防ぐ意味でも、録音・録画機器の持ち込みについては禁止される場合がほとんどです。

 しかし、身柄拘束がされていない(≒在宅捜査)の取調べは任意捜査ですので、必要に応じて取調べを中断してもらい、取調室の外で弁護士に電話で相談すること等はできます

 取調べが不安な方やサポートをご希望の方は、是非一度、弁護士に相談することをオススメします。

~ご家族が逮捕されてしまったら~

 強盗致傷の疑いで逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士の接見を受け、裁判員催裁判を見据えたアドバイスやサポートを受けることをおすすめします。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、平素より刑事事件・少年事件を数多く受任してきた実績を持つ法律事務所です。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋(本部)、大阪、京都、神戸、福岡全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っております。
 ご家族が逮捕されてしまい、お困りの方は、是非一度、0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。

裁判員裁判と取調べの録音・録画~千葉県内の強盗致傷事件を基に解説【前編】~

2023-06-22

今回は、前編、後編に分け、裁判員裁判と、刑事事件の取調べの際に行われる「取調べの録音・録画」について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説いたします。

~事例~

 千葉県内のリサイクルショップに昨年12月、男らが押し入り店主に暴行を加え売上金120万円と商品の高級腕時計などを奪い逃走した事件で、県警捜査1課は、強盗致傷建造物侵入容疑で千葉県館山市居住のA男(20代、自称派遣社員)を逮捕した。
 県警は、捜査に支障があるとして認否は明らかにしていない。

 逮捕容疑は令和4年12月9日午後7時半ごろ、共犯者の男らと千葉県内のリサイクルショップに侵入。男性店主の顔面をバールで殴ってけがをさせ、「金庫はどこだ」などと脅迫して金品を奪おうとした疑い。
 この事件を巡っては、実行役とされるB男(20代、無職)、C男(30代、会社員)の2名も逮捕されている。
 男らに面識はなく、SNS上の高収入バイトに申し込み、指示役とみられる者から本件犯行の指示を受けた、所謂「闇バイト」であるとみて、背後関係を含め慎重に捜査を進めている。

 なお、男性店主は意識不明の重体とのことです。

本件事例はフィクションです。 

~本件事例の刑責と裁判員裁判~

 本件事例では、男性店主をバールで殴り怪我をさせ、売上金や高額商品を奪っていることから、強盗致傷の容疑、加えて、強盗目的でリサイクルショップに侵入したことが、正当な理由でなく店舗に立ち入ったことによる建造物侵入容疑で逮捕されたのだと考えられます。

強盗致傷罪(刑法第240条)

強盗が、人を負傷させたときは無期または6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する

参考 強盗罪(刑法第236条)

 暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する

建造物侵入罪(刑法第130条)

 正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

 特に、強盗致傷罪はその法定刑が無期懲役・無期禁錮にあたる、非常に重い罪であり、強盗致傷罪として起訴されてしまった場合は裁判員裁判の対象事件となります。

~裁判員裁判とは?普通の裁判とは何が違うの?~

 通常の刑事事件の裁判では、罪を犯した被告人をどのような刑に処すかを決める判断を裁判官だけで行います。

 しかし、裁判員裁判では、刑事事件の裁判のうち、地方裁判所で行われる刑事裁判に、国民の有権者から無作為に選ばれた裁判員と裁判官の合議による刑事裁判を言います。国民が裁判に関与することで、司法に対する国民の理解が深まり、司法に対する信頼が向上することを目指して2009年に導入された制度です。
 裁判官のみによる裁判とは異なり、裁判員裁判では通常、裁判官が3人、裁判員が6人で合議体を構成します。
 そして、裁判員は、刑事裁判に参加し、被告人の犯した罪がどのようなものなのか、有罪なのか無罪なのか、有罪の場合はどのような刑に処するのかを裁判官と一緒に検討します。

 つまり、裁判員裁判では、刑事裁判の手続きに一般国民の声が反映される仕組みとなっていると言えます。

~裁判員裁判の対象事件とは~

裁判員裁判の対象となる事件は重大事件です。

裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)第2条1項によって、裁判員裁判の対象となるのは、
「死刑又は無期の懲役若しくは禁錮に当たる罪にかかる事件(1号)」
「裁判所法第二十六条第二項第二号に掲げる事件であって、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪に係るもの(2号)」

と規定されています。

※裁判所法第26条第2項2号に掲げる事件とは、裁判所法において、3人の裁判官による合議体により審理することになっている事件(死刑又は無期若しくは短期一年以上の懲役若しくは禁錮に当たる罪(刑法第二百三十六条、第二百三十八条又は第二百三十九条の罪及びその未遂罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)第一条ノ二第一項若しくは第二項又は第一条ノ三第一項の罪並びに盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和五年法律第九号)第二条又は第三条の罪を除く。)に係る事件)を指します。

死刑または無期の懲役若しくは禁錮に当たるものとは、法定刑として死刑、無期の懲役若しくは禁錮が定められているものを指します。

裁判員法2条1項1号(法定刑として死刑、無期の懲役若しくは禁錮が定められているもの)に該当するものとして、

殺人罪(刑法第199条)

 人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の懲役に処する

強盗致傷罪(刑法第240条

 強盗が、人を負傷させたときは無期または6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する


強制性交等致傷罪等(刑法第181条2項)

 第177条、第178条2項若しくは第179条2項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し、よって人を死傷させた者は、無期又は六年以上の懲役に処する


が挙げられます。

裁判員法2条1項2号に該当するものとして

傷害致死罪(刑法第205条)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、3年以上の有期懲役に処する。

保護責任者遺棄致死罪(刑法第219条)
前2条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
※前2条とは、遺棄(刑法第217条・老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の懲役に処する。)保護責任者遺棄等(刑法第218条・老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の懲役に処する。)のこと

逮捕監禁致死罪等(刑法第221条)
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
※前条は逮捕及び監禁(刑法第220条・不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。)


が、それぞれ挙げられます。

傷害致死罪などは、死亡結果については故意がないものの、傷害、遺棄、逮捕といった行為は故意に行っているために、「故意の犯罪行為により被害者を死亡させた」ことになり裁判員裁判対象事件となります。

また、裁判員裁判対象事件に当たるかは、先ほども説明した通り、どの犯罪で起訴されたかにより決定します。例えば、強盗致傷で逮捕されたとしても、強盗で起訴された場合には、裁判員裁判対象事件ではないということになります。

 裁判員が裁判手続に参加することから、通常の裁判とは決定的に異なったものとなっています。裁判員裁判で弁護人を務めるには、通常の裁判とはまったく異なるスキルが必要です。裁判員裁判の弁護人には、裁判員裁判を熟知し、裁判員裁判の経験が豊富な弁護士を選ぶこと大切です。

 次回の後編では、裁判員裁判対象事件の際などに行われる、取調べの録音・録画制度について解説していきます。

~ご家族が逮捕されてしまったら~

強盗致傷の疑いで逮捕されてしまった場合には、すぐに弁護士の接見を受け、裁判員裁判を見据えたアドバイスやサポートを受けることをおすすめします。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、平素より刑事事件・少年事件を数多く受任してきた実績を持つ法律事務所です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部のみならず、札幌、仙台、東京(新宿)、八王子、横浜、名古屋(本部)、大阪、京都、神戸、福岡と全国各地に事務所があり、初回無料の法律相談も行っております。
ご家族が逮捕されてしまい、お困りの方は、是非一度、0120-631-881(24時間電話受付中)までお気軽にお電話ください。

ゴミ捨て場の自転車を持って帰るとどうなる?~千葉県木更津内の事件~

2023-06-16

 ゴミ捨て場に粗大ゴミとして出された自転車を「捨てられてるなら大丈夫」と自分のものにしてしまった場合、どのような罪に問われてしまうのでしょうか。
 弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~木更津市内での事件~

 Aさん(20代・学生)は、ある日のアルバイトから帰宅するとき、すでに日付が変わってしまっていました。
 アルバイト先から自宅まで歩いていると、ふと、ゴミ捨て場に無施錠状態の自転車が置かれているのを見つけました。
 自転車には木更津市が発行している粗大ゴミシールが貼られており、翌日、回収される予定のものだと一目でわかりました。
 そこでAさんは、「どうせ捨てられるのなら自分が乗って帰っても大丈夫だろう」と考え、その自転車を乗り出しました。
 多少錆びていましたが、パンクなどもしていない自転車をこぎ自宅へ向かっていたところで、警察官から呼び止められ、職務質問を受けてしまいました。
 そして、Aさんが他人の自転車を不当に持ち出したことがバレてしまったのです。

本件はフィクションです

~解説~

 今回のケースでは、ゴミ捨て場に粗大ゴミ回収のために置かれていた自転車の所有権(占有)がどうなっているのかが問題となります。

 ゴミとして捨てられているのだから、誰の持ち物でもないと考えると、占有離脱物横領罪(≒遺失物横領罪)が検討されます。

遺失物横領罪(刑法第254条)

 遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物横領した者は、一年以下の懲役又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する

 ここで言う他人の物とは、誰かの所有権に属する物であり、誰の所有物でもない物はこれに当たりません。
 従って、捨てられた物は元の持ち主が所有権を放棄した物とも見ることができ、これを勝手に持って帰っても、遺失物等横領の「他人の物」に当たらず,何の犯罪も成立しないのではないかとも考えられます。

「区民が,古紙等の資源を収集日に資源・ごみ集積所に排出するのは、これを再生利用の目的となる有価物のものとして。区の収集・回収によるリサイクル事業に委ねるためであるから、区又はその委託を受けた収集運搬業者が資源・ごみ集積所からこれを収集してその占有下に収めるまでは、一般に、区民は、なお継続してこれを所有占有しているものとみるべきである」

とされ,収集されるまでの間は,まだゴミを捨てた者に所有・占有があるものとされました。
 

 この判決以外にも、ゴミ捨て場に捨てられたゴミについては、収集されるまではゴミを捨てた者に所有・占有があるという下級審判決がいくつか出ています。
このように見ると,ゴミ捨て場からの持ち去りは、占有離脱物横領(≒遺失物等横領)の問題になり得るばかりか、窃盗の問題ともなり得るということになります。

窃盗罪(刑法第235条)

 他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

 
 仮に捨てられていたものであったとしても、誰かの所有物と認められた場合、窃盗罪や占有離脱物横領罪(≒遺失物横領罪)として罪に問われてしまう場合があります。
 起訴されてしまえば、当然、前科がつくことになってしまいますし、罰金や科料を収めたり、懲役刑に処されてしまう場合があるため、注意が必要です。

~警察官の職務質問とはなにか? 拒否することはできる?~

 警察官による職務質問を断ったからといって、すぐさま身柄を拘束されることはあり得ません。
 そもそも職務質問とは、犯罪の予防」「犯人の検挙」「犯罪の捜査のためのものであり、警察官職務執行法第2条
   1項 質問権
   2項 同行要求件
   3項 強制の禁止
   4項 凶器の送検

と、それぞれの方法や限界についてが明確に定められています。
 また、あくまでも職務質問は警察官が市民の同意を得て行っている任意の警察活動であり、職務質問を受ける人が承諾しなければ実施することが出来ません
 職務質問を断るのに特に理由は必要なく「質問に答えたければ答えても良い」というものなのです。
 しかしながら、何らかの嫌疑により職務質問を受けた場合には、公共の安全と福祉のため、不審点を解明することが警察の責務である以上、嫌疑が晴れるまで、職務質問が継続されることもあります
 疑われる要因が何もないのであれば断ることもできます。ただし、もし、何らかの嫌疑がかかっていた場合、職務質問を断ったことが、「逃走したり証拠を隠滅したりするかもしれない」という新たな疑いに変わってしまい、身柄が拘束される可能性もある、ということは覚えておいた方が良いかもしれません。

~ご家族が事件を起こしてしまったら~

 もし、ご自身や大切なご家族が何らかの事件を起こしてしまった場合、ぜひ、あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部へご相談下さい。
 
 お電話にてご予約後、弊所事務所へご来所いただき、刑事事件に精通した弊所の弁護士へ無料で相談することができます。
 無料相談の際には、事件内容を確認すると共に、今後行われる取調べの対応についてのアドバイスや、事件の見通しをお話させていただきます。事前に対応方法や見通し状況を把握しておくことで、落ち着いて対応することが出来るようになるかと思います。

 また、もし逮捕されてしまっていた場合は、有料での初回接見サービスをご利用いただけます。

 こちらは、お申込み後、最短即日、刑事事件に精通した弊所弁護士を逮捕されてしまったご家族のもとへ派遣し、事件内容確認や、今後の対応についてのアドバイス事件の見通しなどをお話させていただきます。

 刑事事件の被疑者として逮捕されてしまった場合すぐに警察の取調べなどの捜査が行われることになります。相談する相手のいない状況で一人で対応することは精神的な負担も大きく、また、逮捕され動揺しているときに曖昧な供述などでご自身の立場が殊更に悪くなってしまうおそれもあります。逮捕後すぐに弁護士と相談をすることで、そういった事態を避けることにも繋がります。 
 
 その後、もし、正式に弁護人としてのご依頼を頂いた際は、事件の終局に向けた示談活動や裁判に向けての準備など、ご本人様に科される刑罰が少しでも軽くなるための弁護活動を致します。

 無料法律相談初回接見サービスのご予約は、フリーダイヤル0120-631-881にて24時間・年中無休で承っております。
 ご予約のお電話をお待ちしております。

【解決事例】ダウンロードした動画により逮捕~千葉県の児童ポルノ事案~

2023-06-13

今回は児童ポルノに関する違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

~事案概要~

Aさんは、インターネットの動画投稿サイト上に、見るからに未成年と思われる女児が性行為を行っている動画を見つけました。
もしかしたら、違法なものなのではないか、膨大な請求が来るのではないかと、Aさんはしばらく購入するかを躊躇していましたが、最後は欲求が勝り、動画を購入し、自身のパソコンにダウンロードしました。
購入した動画は自身で鑑賞するのみでしたが、後日、違法動画の捜査をしていた千葉県警察本部の警察官が捜索差押許可状を携えて自宅に来て、家宅捜索の後にAさんは、「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反」の被疑者として逮捕されてしまうことになったのです。

※守秘義務の関係で一部事実と異なる記載をしています。

~解説~

 自分で児童(18歳未満の者)の動画を撮影したわけでも、直接児童に撮影させたわけでもなく、動画を購入し所持していただけなのに、逮捕されると聞いて驚かれた方もいるかもしれません。
 だいぶ記憶から薄れているかもしれませんが、2014年6月の法改正により、自身で鑑賞する目的で児童ポルノの動画や画像を所持していた場合など、単に所持していた場合(=単純所持)であっても処罰されることとなっているのです。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律違反

 自己の性的好奇心を満たす目的で、児童ポルノを所持した者(自己の意思に基づいて所持するに至ったものであり、かつ、当該者であることが明らかに認められる者に限る)は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
同法第7条1項

~そもそも「児童ポルノ」とは?~

 「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」の第2条3項で、児童ポルノ」とは次のように定義されています。

 この法律において、「児童ポルノ」とは、写真電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方法で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認知することができる方法により描写したものをいう。
一 児童を相手方とする又は児童による性交又は性的類似行為に係る児童の姿態
二 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
三 衣服の全部または一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器若しくはその周辺部、臀部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ刺激するもの

 法的な文言で考えると何を言っているのか分かり辛いかもしれません。
 まず、条文の冒頭では、児童(18歳に満たない者)の写真パソコンやスマートフォンなどの電子機器で再生(閲覧)可能なデータのことを指します。
 そういった、データでどのようなものが違反となるのかが、一から三の各号で記載されています。

 現在の日本の法律では、児童の健全な成長は重要な事項であると考えられており、当然、児童に対する保護法益も大きく、それらを侵害した場合には重い刑罰が科されることもあります。

~弁護士の活動~

受任後、Aさん自身が犯罪を繰り返さないよう、自身の欲求と上手に付き合っていけるようにご家族にもご協力いただき、クリニックでの診療を進めて頂きました。
また、Aさん自身も軽率な行動を深く反省しており、弁護活動としてもAさんには再犯可能性がないということを、検察官や裁判官にも理解してもらうために、Aさんの反省文を弁護士から送付しました。
さらに、反省の気持ちを行動でも表したいという希望から贖罪寄付についてもご案内させていただいたところ、是非行いたいとのことでした。
贖罪寄付(しょくざいきふ)とは、刑事事件を起こした方が、反省の気持ちを形にするために、自身で費用を検討・捻出して、慈善団体などに寄付を行い、犯罪被害者支援などの公益活動に役立ててもらうことです)

 そうした結果を検察庁へ提出し協議を重ねたところ、Aさんは懲役刑に処されることなく、罰金30万円という刑で事件を収束させることが出来たのです。

今回のケースに限らず、ご自身や大切なご家族が、何らかの罪に問われてしまった場合、出来るだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

いち早く弁護士に相談することにより、処分の見通しや今後の手続きの流れについて早い段階で聞くことができ、その後の手続きに落ち着いて対応することができます。
また、取調べの対応方法や供述内容に対するアドバイスを受けることで、誤解を招くような供述を避けることが出来ます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所の弁護士は日頃より刑事事件を数多く受任し、扱ってきた実績がございますので、どのような事件でも安心してご相談頂けます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉県内のみならず、全国各地に事務所があり、初回無料法律相談も行っておりますので、お困りの方は、0120-631-881までお気軽にお電話ください。

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