路上で女性の口をふさいで脅迫した男性を逮捕~千葉県野田市内で起きた不同意わいせつ未遂事件~

脅迫される女性

今回は、路上で女性の口をふさいで脅迫してわいせつな行為をしようとした疑いで男性が逮捕された不同意わいせつ未遂事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

<事案概要>

野田署は18日、不同意わいせつ未遂の疑いで埼玉県越谷市在住の男性A(39)を逮捕したと発表しました。

逮捕容疑は8月29日午前0時5分ごろ、野田市内の路上を歩いていた千葉県内在住の女性V(20代)に後ろから徒歩で近づき、口をふさぎ腹部を押さえつけて「騒いだら殺すぞ」と脅迫し、わいせつ行為をしようとした疑いです。

同署によると、Vが叫んで抵抗したためAは逃走したとのことです。
2人に面識はなく、Vが同日中に同署の交番を訪れ通報。
防犯カメラの映像などからAを特定しました。

取調べに対し、Aは「声をかけたが体には触れていない」と容疑を否認しているようです。
(※10/19に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「「騒いだら殺すぞ」路上で20代女性の口ふさぎ、腹部押さえつけ脅す 不同意わいせつ未遂の疑いで男逮捕 千葉・野田」記事の一部を変更して引用しています。)

<不同意わいせつ未遂罪とは>

今回、Aは不同意わいせつ未遂罪の疑いで逮捕されています。
不同意わいせつ未遂罪については、刑法第176条と第180条で以下のように規定されています。

刑法第176条(不同意わいせつ)

次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、6月以上10年以下の拘禁刑に処する。
 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

 (省略)
 (省略)

刑法第180条(未遂罪)

第176条、第177条及び前条の罪の未遂は、罰する。

まず、不同意わいせつ罪は、条文で列挙されている8個の行為やこれらに類する行為などによって、同意しない意思を形成したり、同意しない意思を表明したりすることが困難な状態にさせる若しくは、相手(被害者)がその状態になっていることに乗じて、わいせつな行為をした場合に成立します。

今回の事例で考えると、AはVの口をふさぎ「騒いだら殺すぞ」と脅しているため、刑法第176条で掲げられている「暴行若しくは脅迫を用いること」に該当しています。
ただ、Vが抵抗したことで、AはVに対してわいせつな行為をする前に逃走しているため、わいせつな行為をしていません。

ただ、刑法第180条で不同意わいせつ罪の未遂も処罰される規定がされているため、今回のAの行為は不同意わいせつ未遂罪が成立する可能性が高いということになります。

<不同意わいせつ未遂罪で逮捕された後の流れ>

不同意わいせつ未遂罪は、今回のAのように逮捕される可能性が高いです。
逮捕されると被疑者として扱われ、まずは警察から取調べを受けることになり、逮捕後48時間以内に被疑者の身柄を釈放するか検察庁に送る(送致)か判断します。
送致されると、次は検察官が被疑者を釈放するか引き続き身柄を拘束するか判断し、身柄拘束の必要があると判断されれば、送致後24時間以内に裁判所に勾留請求がされ、勾留請求をうけた裁判所が最終的に被疑者を勾留するかどうかの決定を行います。

勾留が決定されれば、10日間追加で身柄を拘束されることになり、必要があればさらに10日間の勾留延長が行われるため、最大で20日間身柄を拘束されるおそれがあります。
勾留が決定され、長期的な身柄拘束を受けると、職場や家族にも影響が及ぶ可能性が高くなります。
ご家族が不同意わいせつ未遂罪で逮捕されてしまったけど、長期的な身柄拘束はできるだけ避けたいという場合は、弁護士に相談して刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。

勾留する必要がない旨をまとめた書類を検察庁や裁判所に提出したり、弁護士から担当の検察官や裁判官に対して直接交渉を行ったりといった弁護活動に尽力してくれるので、早期釈放を実現できる可能性が高まります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、不同意わいせつ未遂罪はもちろん、様々な刑事事件で弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
勾留請求を却下して早期釈放を実現させた実績も多数ありますので、ご家族が千葉県内で不同意わいせつ未遂事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。

すでに逮捕されてしまっている場合は、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)をご案内していますので、ご依頼の際は24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。

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