高校生の恐喝罪と保護観察

高校生の恐喝罪保護観察について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所が解説します。

【ケース】

千葉県富津市在住のAさん(17歳)は、友人2名と共に自宅近くのゲームセンターへ行ったところ、中学生と思しき男性Vさんが1人でいるのを見かけました。
そこで、Aさんは友人らと共にVさんを囲み、「なあ、痛い目見たくなかったら金貸してくんね。」などと言って肩を抱きました。
すると、Vさんは財布から1000円札を3枚出したため、Aさんはそれを受け取りました。
後日、Vさんが両親に相談したことをきかっけに事件が公となり、Aさんらは恐喝罪の疑いで富津警察署にて取調べを受けることになりました。
そのことを知ったAさんの両親は、弁護士保護観察について聞いてみました。
(フィクションです。)

【恐喝罪について】

第二百四十九条 人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

恐喝罪は、暴行または脅迫により他人から財産の交付を受けた場合に成立する可能性のある罪です。
恐喝罪について規定した刑法249条を見ると、1項に「財物」という記載が、2項に「財産上不法の利益」という記載がそれぞれ見受けられます。
簡単に言えば、前者は形あるもの、後者は形なきものです。
馴染みがないのは「財産上不法の利益」の方かと思いますが、こちらはたとえばサービスの提供や債務の免除などが挙げられます。

恐喝罪が成立するのは、①暴行または脅迫の存在、②①による相手方の畏怖、③畏怖した状態での財産の交付、の全てを満たす場合です。
①の暴行・脅迫は、相手方の反抗を抑圧するには至らない、比較的軽度のものを指すと考えられています。
ただし、「暴行」は殴る蹴るといった典型的なものにとどまらず、不法な有形力の行使全般(たとえば胸倉を掴むなど)を指すと解釈されています。
ですので、殴る蹴るといった典型的な暴行を加えていなくとも、恐喝罪が成立する余地はあるでしょう。
ちなみに、暴行・脅迫の程度が著しければ、恐喝罪よりも重い強盗罪に当たる余地が出てきます。
強盗罪に当たる可能性が高いケースとしては、暴行・脅迫の際に凶器を用いた場合が考えられます。

【少年事件における保護観察】

20歳未満の者が罪を犯した場合、その事件は少年事件として扱われ、成人による通常の刑事事件とは異なる手続に付されることになります。
少年事件の最大の特色は、最終的に行われるのが刑罰ではなく保護処分という少年の発達に資する措置である点です。

保護処分は家庭裁判所での審判を通して行われるものであり、①少年院送致、②児童養護施設・児童自立支援施設送致、③保護観察の3つがあります。
保護観察とは、保護観察所という機関の助力を受けながら、家庭など本来の生活圏において少年の更生や育成を図る処分です。
上記①②との明らかな違いは、少年に本来の生活圏を離れて特定の施設で生活させる必要がない点です。
経過を見守るという点において、通常の刑事事件における執行猶予に類似のものと言えます。

観護措置を目指すに当たっては、家庭内などでも十分に少年の健全な育成が目指せることを積極的にアピールする必要があります。
犯した罪の重さだけでなく保護者の監督能力なども非常に重要であり、弁護士の助言を受けつつ真摯に対応することが望ましいでしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に強い弁護士が、保護観察をはじめとする各種保護処分について丁寧にご説明します。
お子さんが恐喝罪を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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