監護者わいせつ事件に強い千葉県の弁護士

千葉市内の監護者わいせつ罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

◇監護者わいせつ事件◇

会社員のAさんは、内妻と、内妻の連れ子である17歳の女子高生と3人で、千葉市内の分譲マンションに5年ほど前から住んでいます。
Aさんは、内妻等と同棲を始めたころから、内妻の目を盗んで、連れ子の陰部や胸を触るわいせつ行為を繰り返しています。
先日、連れ子が友人に相談したことから、Aさんの行為が児童相談所に知れることとなり、その後Aさんは、千葉県警に「監護者わいせつ罪」で逮捕されました。
(フィクションです。)

◇監護者わいせつ罪◇

「監護者わいせつ罪」とは、平成29年の刑法改正時に新設された法律です。
「監護者わいせつ罪」とは、18歳未満の者を監護する立場にある人が、監護している18歳未満の者に対して、その影響力があることに乗じてわいせつな行為をすることです。
通常の強制わいせつ罪(刑法第176条)
①14歳以上の者に対して、暴行や脅迫を用いてわいせつな行為
②13歳未満の者に対して、わいせつな行為
をすることですが、監護者わいせつ罪は、被害者は18歳未満に限られ、監護者の影響力に乗じてわいせつ行為に及ぶことによって成立する点で、通常の強制わいせつ罪とは異なります。

ここでいう「監護者」とは、民法820条の親権の規定と同様に監督・保護する者をいい、法律上の監護権に基づかなくても事実上現に18歳未満の者を監督し保護する者であれば「監護者」に当たります。逆に、法律上の監護権がある親権者等であっても、実際に監護している実態がなければ、監護者わいせつ罪の主体とはなり得ません。
監護者わいせつ罪の主体となる「監護者」に該当するかは、同居の有無や居住状況、指導や身の回りの世話などの生活状況、生活費の負担などの経済状況、未成年者に関する諸手続の状況などによって判断されます。
今回の事件を検討しますと、被害者とAさんの関係は、戸籍上につながりはありませんが、5年ほど前から同居している内妻の子供ですので、被害者にとってAさんは「現に監護する者」に該当すると考えて間違いないでしょう。

ちなみに監護者わいせつ罪の成立の可否に、わいせつ行為に対する被害者の同意の有無は問題になりません。
これは、監護者わいせつ罪の客体が「18歳未満の者」であり、わいせつ行為が被害者の自由な意思決定に基づくとはいえないことに着目しているからです。
ちなみに、18歳未満の被害者が、積極的にわいせつ行為に応じとしても、それは、幼少期から長年にわたって監護者からわいせつ被害を受けている場合は、それが当然と思い込んでいたり、監護者の機嫌を損ねないようにするために積極的に応じている場合が想定されるため、監護者わいせつ罪の成立を否定することにはなりません。

「わいせつな行為」とは、客観的にみて、性欲の刺激を目的とする行為であって、他人に羞恥の感情を抱かせる行為です。
かつては、強制わいせつ罪でいう「わいせつ行為」は、わいせつといいうる客観的行為があるだけでなく、主観的にも、わいせつ行為者の性的意図のもとに行われることを要するとされてきましたが、現在は、客観的なわいせつ行為については、行為者が、主観的にその行為を、わいせつ行為と認識するまで必要としないとされています。

◇量刑◇

監護者わいせつ罪の法定刑は、刑法第176条に規定されている強制わいせつ罪と同じ「6月以上10年以下の懲役」です。
通常の強制わいせつ罪ですと、被害者と示談することによって、刑事罰の減軽が望めますが、監護者わいせつ罪の場合は、行為者と被害者の関係が近いことから示談の締結が非常に非常に困難です。
また、初犯であっても、実刑判決が言い渡される可能性が高い事件ですので、監護者わいせつ罪の量刑に不安がある方は、お近くの刑事事件に強い弁護士に相談することをお勧めします。

監護者わいせつ罪でお困りの方、千葉市内の刑事事件でお困りの方は、千葉県内の刑事事件を専門に扱っている弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談ください。
千葉市内の犯罪に強い弁護士、ご家族、ご友人が監護者わいせつ罪で警察に逮捕されてしまった方は、0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。

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