今回は、千葉県市川市で起きた強盗致傷事件の事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
<事案概要>
市川市で男が女子大生を後ろから押し倒し軽傷を負わせ、ショルダーバッグを奪い逃走した事件で、市川署は17日、強盗致傷罪の疑いで住所不定、アルバイトの男A(21)を逮捕した。
逮捕容疑は9日午後11時50分ごろ、同市の路上で帰宅中の女子大生V(23)=同市=を押し倒し、馬乗りになって刃物のようなもので肩を突き刺すなどして軽傷を負わせ、現金7千円などが入ったショルダーバッグを奪った疑い。
市川署によると、Aは宮城県大河原町の同県警大河原署に出頭。
防犯カメラや遺留品の捜査からも浮上していた。
容疑を認めている。
(※9/18に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「女子大生に馬乗りで肩刺しバッグ奪う 逃走の21歳男逮捕 容疑で市川署」記事の一部を変更して引用しています。)
<強盗致傷罪とは>
今回の事例で、Aは強盗致傷罪の疑いで逮捕されています。
強盗致傷罪については、刑法第240条で以下のように規定されています。
強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。
条文の前段で規定されている罪が強盗致傷罪、後段で規定されている罪が強盗致死罪です。
強盗致傷罪の主体は強盗犯人なので、強盗罪に着手している必要があります。
強盗罪について規定されている刑法第236条も確認しておきましょう。
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。
2 前項の方法に財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
「強盗」とは、暴行や脅迫を用いて他人の財物を強取することを指します。
暴行や脅迫の程度については、相手(被害者)の反抗を抑圧するに足りる程度とされており、刃物を突き付けるような行為が代表例として挙げられます。
また、暴行や脅迫が相手の反抗を抑圧するに足りる程度であったかどうかの判断は、被害者の主観だけでなく、被害者の性別や年齢、犯行場所や時間、凶器の有無などの事情からも考慮して、社会通念に従って判断されます。
強盗致傷罪は、強盗罪に該当する行為を行った結果、被害者に怪我を負わせた場合に成立するということです。
強盗罪に該当する行為を開始していればよいため、強盗罪が既遂で終わったのか未遂で終わったのかについては問いません。
今回の事例では、AはVを背後から押し倒し、馬乗りになって刃物のようなもので肩を突き刺した後に、Vのショルダーバッグを奪って逃走しています。
AがVに加えた上記の暴行行為は、Vの反抗を抑圧するに足りる程度であると判断され、Vは怪我を負っているため、Aは強盗致傷罪の疑いで逮捕されたと考えられます。
<強盗致傷罪で逮捕されたら弁護士へ>
強盗致傷罪の処罰内容は無期又は6年以上の懲役刑であり、非常に重く処罰される犯罪です。
また、強盗致傷罪による刑事事件を起こすと、逮捕・勾留される可能性も高く、起訴されて裁判にかけられる可能性も高いです。
逮捕・勾留による長期的な身体拘束や起訴されて前科がつくことを避けたかったり、起訴された後の判決を少しでも軽くしたいという場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。
弁護士が代理人として、早期の身柄解放や不起訴処分の獲得、万が一起訴された場合の減軽判決の獲得といった弁護活動に尽力するため、上記内容が実現する可能性が高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件で弁護活動を担当した実績を持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
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千葉県内で起きた刑事事件については、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の弁護士がご相談を承ります。