質店で腕時計などを奪い従業員に怪我を負わせた男性が逃走~千葉県習志野市で起きた強盗致傷事件~

質店で腕時計などを奪い従業員に怪我を負わせた男性が逃走~千葉県習志野市で起きた強盗致傷事件~

今回は、千葉県習志野市で起きた強盗致傷事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

千葉県習志野市の質店で刃物を持った男らが押し入って腕時計などを奪って逃げました
もみ合いになった際に従業員の男性が指を切られて重傷を負いました。

警察によりますと、きのう午後6時20分ごろ、習志野市東習志野の質店に刃物を持った男ら2人が押し入りました。

1人が従業員の男性V(50)に刃物を向けながら「金出せよ」と脅し、その間にもう1人の男がショーケースのガラスを割って高級腕時計などを奪ったということです。
Vは男の包丁を取り上げようとした際に、左親指を深く切っていて重傷です。

2人の男はいずれも身長170センチぐらいで、店の外に待機していたもう1人が運転する車に乗って逃げたということです。

警察は強盗傷害事件として捜査しています。
(※9/8(金)に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「「金を出せ」質店で腕時計など強盗 刃物男ともみ合った従業員が重傷 3人逃走中 千葉・習志野市」記事の一部を変更して引用しています。)

<問われる可能性がある罪>

今回の事例で逃走した男性らは、強盗致傷罪に問われる可能性があります。
強盗致傷罪については、刑法第240条で以下のように規定されています。

刑法第240条(強盗致死傷)

強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

条文の前段で規定されている罪が強盗致傷罪、後段で規定されている罪が強盗致死罪になります。

強盗致傷罪は、強盗人を負傷させたときに成立します。
「強盗」とは、暴行や脅迫を用いて他人の財物を強取した者を指し、強盗罪については刑法第236条で以下のように規定されています。

刑法第236条(強盗)

暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、5年以上の有期懲役に処する。

 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

強盗罪が成立するための「暴行又は脅迫」の程度は、相手の反抗を抑圧する程度とされています。
つまり、強盗罪に該当する行為を行い、その際に他人を負傷させた場合に強盗致傷罪が成立するということです。

今回の事例で考えると、男性らは店の従業員Vに対して刃物を向けながら「金出せよ」と脅迫しています。
脅迫をしている最中に、もう一人がショーケースのガラスを割って高級腕時計などの財物を奪っているため、男性らの行為は強盗罪が成立する可能性があります。

さらに、Vは男性が持っていた刃物で怪我を負っているため、男性らには強盗致傷罪が成立する可能性があるということになります。

<逃走後に見つかった後の流れ>

今回の事例では、男性らは逃走しています。
強盗致傷罪による刑事事件を起こして逃走した場合、その後見つかると逮捕される可能性が非常に高いです。

逮捕されると、被疑者として逮捕後48時間以内に身柄が警察から検察庁に送致されます。
検察庁に送致後は、24時間以内に検察官が被疑者の身柄を引き続き拘束した状態で取調べを続ける必要があるかどうかを判断します。
必要がないと判断されれば釈放され、その後は取調べが行われる際に出頭する在宅捜査になりますが、必要があると判断されれば、検察官は裁判所に対して勾留請求を行います。

検察官からの勾留請求を受けた裁判所は、被疑者に勾留質問を行い、勾留請求を認めるかどうかを判断します。
勾留請求が却下されれば在宅捜査になりますが、勾留請求が認められれば、被疑者は勾留されることになり、10日間身柄を拘束されることになります。
また、勾留は追加で10日間の延長もできるので、勾留が決定すれば最大20日間身柄が拘束される可能性があります。

その後、検察官は被疑者に処罰を与える必要があると判断すれば起訴されます。
起訴されれば、罰金刑による略式起訴裁判にかけられる公判請求のどちらかがなされます。
ただ、強盗致傷罪は罰金刑による処罰規定がないため、強盗致傷罪で起訴されると公判請求されることになります。

起訴後は、被疑者から被告人として扱われ、裁判が行われた後、判決が言い渡されるといった流れになります。

<ご家族が強盗致傷罪で逮捕されたら弁護士へ>

ご家族が強盗致傷罪の疑いで逮捕されたと、急に警察から連絡が来ることもあります。
いきなりこのような連絡がくれば、今後どうなっていくのか不安になる方がほとんどです。
そんな時は、まずは弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士に相談すれば、弁護士から今後の流れや見通しについて詳しい話を聞くことができます。
また、弁護士に刑事弁護活動を依頼すれば、弁護士が代理人となり、なるべく早い身柄解放起訴を免れる不起訴処分の獲得、起訴された場合は減軽判決を獲得するためなどの弁護活動に尽力します。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、様々な刑事事件の弁護活動を担当してきた実績を持つ刑事事件に特化した法律事務所です。
ご家族が強盗致傷罪で逮捕されてしまったという方は、まずは24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。

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