Aさんは、会社で任されていた一大プロジェクトを無事にこなし、自宅がある千葉県千葉市稲毛区内の居酒屋で酒を大量に飲みました。
その翌日は友人を会う約束をしていたため、Aさんは5時間程度睡眠をとってから車に乗って友人宅へ向かいました。
ところが、Aさんはまだ酒が抜けきっておらず、運転がおぼつかないのを不審に思った警察官から職務質問を受けました。
そして、呼気検査の結果飲酒運転と判断され、千葉北警察署で取調べを受けることになりました。
Aさんの話を聞いた弁護士は、「おそらく略式罰金で終了するでしょう」と話しました。
(フィクションです)
【飲酒運転の罰則】
飲酒運転が犯罪であることは、いたるところで注意喚起がされてることからご存じの方が殆どかと思います。
特に、飲酒運転を原因とする悲惨な事故が多々発生したことで、世間の目は年々厳しくなっているところです。
飲酒運転はその名のとおり酒を飲んだ状態で運転する行為を指しますが、道路交通法上2種類に分けることができます。
それは、①酒気帯び運転と②酒酔い運転です。
①酒気帯び運転について
道路交通法65条1項は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と規定しています。
この規定に違反し、なおかつ体内のアルコールが血液1ミリリットルにつき0.3ミリグラムまたは呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上だった場合が酒気帯び運転に当たります。
この数値が絶対的な基準であり、たとえ認識力の低下などがなく正常であっても関係ありません。
罰則は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。
②酒酔い運転について
先述の道路交通法65条1項に違反し、なおかつ運転の際に「酒に酔った状態」だった場合、酒酔い運転としてより重く罰せられます。
「酒に酔った状態」とは、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態です。
飲酒の量、会話の成否、挙動などを警察官が認識したうえで判断されることになるでしょう。
罰則は、5年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
【略式罰金とは】
飲酒運転の初犯については、人身事故を起こしたなどの事情がない限り、最終的に罰金刑となることが見込まれます。
それに当たり、取調べを行った検察官から「略式罰金に同意してください」と言われることがよくあります。
略式罰金とは、100万円以下の罰金を科す場合において、法廷で裁判を行わずに書面審理だけで簡易・迅速に行う手続のことです。
飲酒運転の事案を含め、事実関係に争いのない事件において利用されるものです。
被疑者(起訴後は被告人)から見れば、裁判に出廷する必要がない点、事件の内容が法廷で公開されない点でメリットがあると言えます。
略式罰金は上記のようなメリットがあることから、多くの場合は同意して差し支えないでしょう。
ただ、略式罰金による場合、事実の認定は基本的に検察官の記録に沿うことになります。
ですので、もし事実関係に争いがあって無罪を獲得したいのであれば、あえて正式裁判をするよう求めるということも選択肢の一つになってきます。
このあたりの判断は、正直なところ刑事事件に精通する弁護士の視点がなければ難しいものです。
もし略式罰金に応じるべきか迷ったら、一度弁護士に相談されることをおすすめします。
略式罰金のメリットとデメリットを自身の事案に合わせて説明してもらえば、上記の判断は容易になることが期待できるでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に特化した弁護士が、略式罰金に関するご相談も真摯にお聞きします。
飲酒運転を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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