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公然わいせつと略式起訴
公然わいせつ罪と略式起訴について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
Aさんは、生活費に困って、自宅のパソコンの画面を通じて特定のお客さんに自分の裸などを見せるアルバイトをしていました。そうしたところ、千葉県習志野警察署に公然わいせつ罪で逮捕されてしまいました。その後、Aさんは略式起訴され罰金30万円の命令を受けて釈放されました。
(フィクションです)
~公然わいせつ罪とは~
公然わいせつ罪は刑法174条に規定されています。
刑法174条
公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
つまり、規定から、公然わいせつ罪とは、「公然」と「わいせつな行為」をした場合に成立し、裁判で有罪と認められれば、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料を科せられる犯罪だということが分かります。以下、「公然」と「わいせつな行為」について詳しく解説いたします。
「公然」とは、不特定又は多数の者が認識することができる状態をいいます。現実に不特定又は多数の者に認識される必要はなく、その可能性があれば足りるとされています。
公園や路上などの人前での行為が典型だと思いますが、報道された事件のように、インターネットの世界は不特定又は多数の者が利用することが可能ですから、インターネット上の行為も「公然」に当たります。
判例によれば、「わいせつな行為」とは、行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる行為であって、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいうとされています。裸、性器等の露出はその典型といっていいでしょう。
~略式起訴とは? ~
略式起訴とは略式裁判を求めるための起訴です。
略式裁判は、公開の法廷に出廷することを要せず、書面審理のみで終わる裁判です。
そのため、略式裁判を受けるメリットとしては、
- 懲役刑、禁錮刑を受けるおそれがない(略式命令では100万円以下の罰金又は科料の刑の命令しか出せない)
→将来、刑務所で服役するおそれがなくなる
- 公開の法廷に出廷する必要がない
→会社を休む必要がない(通常の日常生活を送れる)、裁判を他人の目に晒されることはない(事件を秘密にできる)
ことのほか、身柄を拘束されている場合は
- 略式命令を受けた時点で釈放される
→早期釈放
という点を挙げることができます。
検察官が行う起訴には「正式起訴」と「略式起訴」の2種類があります。
「正式起訴」は、裁判所に対し、皆さんもテレビドラマなどでよくみる公開の法廷で裁判(正式裁判)を開くことを求めるものに対し、「略式起訴」は、裁判所に対し、公開の法廷ではなく書面のみでの裁判(略式裁判)を求めるものです。
検察官が略式起訴する意図がある場合は、検察庁での取調べ時に、略式裁判を受けることに対する同意を求められます。
その後、正式に略式起訴される場合は、勾留満了日1日から2日前に、警察署から検察庁へ護送されます。裁判所から呼び出しを受けるまで検察庁で待機します。裁判所から呼び出しを受けると検察庁から裁判所へ護送され、裁判所書記官から「被告人を罰金●●万円に処する」などと書かれた略式命令謄本を受け取ります。この時点で釈放されます。
なお、略式命令謄本を受けた人の翌日から起算して14日間以内は正式裁判の申し立てをすることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は千葉支部は、刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、まずは0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
準強制わいせつ罪と接見
準強制わいせつ罪と接見について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
Aさんは、帰宅途中にあるコンビニの駐車場で220歳前後と思しき女性Vさんが寝ているのを発見しました。Aさんが「大丈夫ですか」と声を掛けたところ、Vさんから酒の匂いがしたことから、酒に酔って寝ているのだと認識しました。それをチャンスだと考えたAさんは、Vさんの服に手を差し入れ、胸を揉むなどのわいせつな行為をしました。その後、Aさんは準強制わいせつ罪の疑いで逮捕されました。逮捕の知らせを受けたAさんの妻は、弁護士に初回接見を依頼しました。
(フィクションです)
~準強制わいせつ罪~
準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。
刑法178条1項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
心神喪失とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている状態をいいます。具体的には、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。責任能力における心神喪失(刑法39条1項)とは若干意味が異なります。
抗拒不能とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。睡眠中、泥酔中、麻酔中、催眠状態など、心神喪失以外の理由でわいせつな行為をされていることを認識していない場合がこれに当たります。また、わいせつな行為をされること自体認識していても、加害者の言動によりこれを拒むことを期待することが著しく困難な状態なども含まれます。
「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。当該状態を作出した者とわいせつ行為をした者が同一であることは必要ではありません。ただし、この場合、本罪が成立するには、わいせつ行為をした者が、被害者が当該状態にあることを認識しておく必要があるでしょう。「(心神喪失・抗拒不能)にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬、睡眠薬の投与・使用、催眠術の施用、欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。
本罪は故意犯です。加害者において、「被害者が心神喪失、抗拒不能の状態にあること」、「被害者を心神喪失、抗拒不能の状態にさせたこと」、「わいせつ行為に及んだこと」を認識している必要があります。なお、わいせつ行為か否かは社会通念から判断されます。胸、陰部を触る行為は、社会通念上「わいせつな行為」と判断されますから、いくら「わいせつな行為ではない」と反論しても意味がありません。
~弁護士接見のメリット~
弁護士が行う接見には、以下のメリットがあります。
①日時や回数の制限がない
一般接見(弁護士以外の面会(接見))の場合、1日1回15分程度というかたちで接見が制限されるのが通常です。
更に、接見ができるのは長期の身体拘束である勾留が決定した後であり、勾留決定まで(おおむね逮捕から2~3日後)は多くの警察署において接見が許されません。
これに対し、弁護士はよほどのことがない限り日時や回数を問わず接見できます。
②立会人を要しない
一般接見では、証拠隠滅の手助けなどを防ぐ目的で、警察署の職員が接見に立ち会うことになります。
一方、弁護士との接見は秘密が保障されており、被疑者・被告人としてどのような内容でも心置きなく話すことができます。
この点は、特に捜査機関に発覚していない罪がある場合などに重要となります。
③接見禁止の影響を受けない
特に共犯事件において、主に証拠隠滅を防ぐという観点からいわゆる接見禁止が付くことがあります。
この場合、一般人は接見を行うことができなくなりますが、弁護士は影響を全く受けません。
④検察庁や裁判所で限られた時間接見できる
一般接見が可能な場所は警察署のみであり、被疑者・被告人が何らかの手続のために検察庁や裁判所にいる間は接見できません。
ですが、弁護士であればそれらの場所で限られた時間接見を行うことが許されており、目前に控えた手続に先立ち助言をすることができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、準強制わいせつ罪をはじめとする刑事事件・少年事件専門の法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
未成年者誘拐罪
未成年者誘拐罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
Aさんは、SNSで「家出をしたい」と投稿していたVさん(12歳)に対して、「うちに来ない?」とメッセージを送って近所の公園に誘い出したうえで自宅に宿泊させ、さらにVさんからスマホや靴を取り上げて自宅から出られなくさせたとして未成年者誘拐罪で逮捕されました。
(フィクションです。)
~未成年者誘拐罪~
未成年者誘拐罪は刑法224条に規定されています。
刑法224条
未成年者を略取し、誘拐した者は、3月以上7年以下の懲役に処する。
「未成年者」とは20歳未満の者をいいます。
「略取」とは、略取された者の意思に反する方法、すなわち暴行、脅迫を手段とする場合や、誘惑に当たらない場合でしかも相手方の真意に反する方法を手段として、未成年者を自分や第三者の支配下に置くことをいいます。
「誘拐」とは、欺罔(騙すこと)や誘惑を手段として、他人を自分や第三者の支配下に置くことをいいます。「誘拐」と「略取」とをあわせて「拐取」ということもあります。
Aさんように、未成年者であるVさんに対して「うちに来ない?」という内容のメッセージを送ることで誘惑し、自宅に連れ込んだ行為は「誘拐」に当たるものと考えられます。VさんがAさんの自宅へ行くことにつき同意していたという場合であっても誘拐に当たることに変わりありません。なぜならば、略取・誘拐罪の保護法益には被害者の自由だけでなく、親権者の保護監督権も含まれると考えられているからです。したがって、VさんがAさんの自宅へ向かうことについて同意していたとしても、Vさんの親が承諾していない以上、やはり未成年者誘拐罪が成立する可能性が高いです。
もっとも、未成年者誘拐罪は、検察官の起訴に告訴を必要とする親告罪です。
告訴は、法定代理人(被害者が未成年者の場合は、通常、その親)は未成年者の告訴意思にかかわりなく告訴することができます。
したがって、未成年者誘拐罪の場合、親が捜査機関に告訴状を提出していることが多いでしょう。
親がその告訴状を取り消した場合は、刑事処分は不起訴となります。
~監禁罪との関係~
事例では、誘拐行為の後にAさんがVさんを自宅に監禁するという監禁行為が行われています。
この監禁行為につき、誘拐罪とは別に監禁罪が成立するでしょうか。
一連の行為が複数の犯罪に当たりうるという場合、主に①観念的競合、②牽連犯、③併合罪という三つの処理がされることになります。
①観念的競合とは、1個の行為が2個以上の罪名に触れる場合をいい、例えば、職務執行中の警察官に対して暴行を加えてけがをさせたという場合には、暴行という1個の行為が公務執行妨害罪と傷害罪の2個の罪名に触れることになるため、観念的競合という処理がされます。
②牽連犯とは、犯罪の手段や結果である行為が他の罪名に触れる場合をいい、例えば、住居に侵入して財産を奪うという場合、住居侵入行為が窃盗行為の手段となっているため、牽連犯という処理がされます。
③併合罪とは、確定裁判を経ていない2個以上の罪をいい、原則として観念的競合や牽連犯に当たらない場合には併合罪という処理がされます。
誘拐罪と監禁罪とは、一見すると目的手段関係であるとして②牽連犯に当たるようにも思えますが、過去の裁判例においては③併合罪に当たると判断されました。
①観念的競合、②牽連犯に当たると判断された場合にはその最も重い刑により処断され、③併合罪に当たると判断された場合にはその最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えたものを長期とし(懲役・禁錮刑)、それぞれの罪について定めた罰金の多額の合計以下で処断されます(罰金刑)。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間受け付けております。
盗撮と逮捕直後の接見
盗撮と逮捕直後の接見について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
Aさんの妻Bさんは、突然、千葉警察署の警察官から電話がかかってきて「千葉警察署の○○ですが、先ほど、旦那さんを盗撮で逮捕しました」「旦那さんは今、千葉警察署にいますから心配なさらないで」と言われました。Bさんは何を言われているのかわからず、警察官に「夫が何をしたんですか?詳しく教えてください」と言ったものの、警察官から「詳しくは私からはお答えできません」「旦那さんから直接聞かれてください」と言われました。そこで、Bさんは警察官に「これから面会できますか」と尋ねましたが、「今はできませんよ、勾留が付いたらできますから、そのときはうちの留置管理を尋ねてください」とだけ言われました。Bさんは頭が真っ白になり、これからどうしていいか分からず、まずは盗撮事件に強い弁護士にAさんとの接見を依頼しました。
(フィクションです)
~盗撮で問われる罪は?~
まず、はじめに、盗撮で問われる罪について簡単にご説明いたします。
盗撮で問われる罪として代表的な罪は、各都道府県が定める「迷惑行為防止条例(以下、条例)」の卑わいな言動に関する罪、もう一つは「軽犯罪法」の窃視の罪です。ただし、窃視の罪は罰則が「拘留又は科料」と他の犯罪に比べて軽微ですから、この罪単独では、住居不定の場合でしか逮捕することはできません。したがって、警察から「逮捕した」と言われれば、まず「条例違反を犯した」と疑ってみるべきでしょう。さらに、相手方が18歳未満の者であった場合は「児童ポルノ法(略称)」の製造の罪で逮捕されている可能性もあります。
条例違反の罰則は、通常、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」、常習の場合は、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」であることが多いと思われます。製造の罪の罰則は、「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」です。
~逮捕直後に接見できるのは私選弁護人か当番弁護士~
刑事事件の弁護士は、国選弁護人、当番弁護士、私選弁護人の3種類ですが、このうち、逮捕直後に接見できるのは私選弁護人と当番弁護士です。
国選弁護人は、逮捕→勾留という手続を経てからでないと選任されず、接見してくれません。
当番弁護士は弁護士会から派遣される弁護士で、1回限り、無料で接見してくれます。
しかし、活動は接見のみです。
私選弁護人は、正確には、Bさんのように個人で法律事務所に電話をかけ、その法律事務所から派遣される弁護士のことです。
接見は1回限りで有料ですが、当番弁護士よりかは比較的迅速に接見してくれます。また、刑事事件に精通している点も強みです。
~私選弁護人を選任するメリット~
盗撮で私選弁護人を選任するメリットとしては以下の点が挙げられます。
= (早期の)示談交渉が可能となる =
まず、盗撮事件において示談交渉を始めようとしても、被害者はもちろん捜査機関も被害者の個人情状を教えてくれません。その点、弁護士であれば教えてくれる可能性が格段に上がります。また、私選の弁護人であれば、勾留前から示談交渉を始めることが可能です。
= 早期釈放が可能となる =
私選弁護人であれば、警察官、検察官、裁判官に意見書を提出するなどして釈放を働きかけることができます。上の示談交渉が進展していることを併せて主張すれば、釈放の可能性はさらに上がります。
= すぐに接見してくれる =
弁護活動は逮捕された方からお聴きした話の内容によって異なります。盗撮を否認するのであれば、示談交渉よりかはむしろ、逮捕された方への取調べ等へのアドバイス、客観的証拠の収集、現場での検証などが挙げられます。盗撮を認める場合は示談交渉が主となります。いずれにしても早めの接見が肝要です。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門の法律事務所です。お困りの方は、まずはお気軽に0120-631-881までお電話ください。無料法律相談、初回接見サービスを24時間体制で受け付けております。
準強制わいせつ罪と示談
準強制わいせつ罪と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
千葉市中央区にに住む会社員のAさんは、同区内にある公園に通りかかった際、公園のベンチで横たわっている女性Vさんを見つけました。AさんはVさんの様子が気になってVさんに近づくと、明らかにVさんから酒臭がし、Vさんの全身が真っ赤に火照っていたことから、Vさんが酒に酔っているのだろうということが分かりました。ところが、Aさんは、Vさんの胸元が開いており、今にもVさんの乳房が見えそうだったことから劣情を催し、周囲に人もいなさそうだったことから右手をVさんの上着の中に入れ、Vさんの胸を触りました。そうしたところ、Vさんが意識を取り戻したことから、AさんはVさんから「何やっているんですか」などと声をかけられてしまいました。そして、AさんはVさんに腕を掴まれ、「慰謝料払ってください」「示談しなければ警察に被害届提出しますよ」と言われました。Aさんは連絡先を渡し、10日後にVさんから連絡をもらうことになりました。Aさんはその間、弁護士に示談について相談することにしました。
(フィクションです。)
~ 準強制わいせつ罪 ~
準強制わいせつ罪は刑法178条1項に規定されています。
刑法178条1項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第176条の例による。
「176条」は強制わいせつ罪の規定です。「例による」とは、法定刑をその罪と同様とする、という意味です。ですから、「第176条の例による」とは、法定刑を強制わいせつ罪と同様、6月以上10年以下の懲役とする、ということになります。「準」とついていますから、一見すると強制わいせつ罪よりも刑の重さが軽そうですが、実は変わりませんから注意が必要です。
「心神喪失」とは、精神上の障害によって正常な判断を失っている状態をいいます。具体的には、熟睡、泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。
「抗拒不能」とは、心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。睡眠中、泥酔中、麻酔中、催眠状態など、心神喪失以外の理由でわいせつな行為をされていることを認識していない場合がこれに当たります。
「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。当該状態を作出した者とわいせつ行為をした者が同一であることは必要ではありません。ただし、この場合、本罪が成立するには、わいせつ行為をした者が、被害者が当該状態にあることを認識しておく必要があるでしょう。本件では、AさんがVさんを泥酔状態にさせたわけではありませんが、Vさんが当該状態にあることを認識しつつわいせつ行為に及んでいることが認められますから、Aさんの行為は「心神喪失に乗じ」、「わいせつな行為」をしたことに当たる可能性が高いでしょう。
「(心神喪失・抗拒不能)にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬、睡眠薬の投与・使用、催眠術の施用、欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。
~ 準強制わいせつ罪と示談 ~
罪を認める場合は、一刻も早く被害者と示談交渉を進めることが肝要です。
示談させることができれば、被害者に「捜査機関に被害届を提出しない」ことをお約束していただくことも可能です。
そうすると、事件のことが捜査機関に発覚することはなく、その結果、逮捕という最悪の事態を免れることもできます。
ただし、示談交渉は弁護士にお任せください。
本件のように、被害者が示談交渉に積極的な場合でも、被害者に代理人弁護士が付けば法律の素人であるあなたはその弁護士の言うがままに交渉に応じなくてはならないおそれもあります。
少しでも有利に示談交渉を進めるためには弁護士に依頼する方が無難といえます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件・少年事件を専門に取り扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は、弊所までお気軽にご相談ください。24時間、無料法律相談、初回接見サービスを受け付けております。
準強制性交等罪の発覚前に示談
準強制性交等罪と示談について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
千葉県柏市に住むAさんは(43歳)は、同市内で居酒屋を営む経営者です。Aさんは、ある日、店を休業にして、店の従業員と暑気払いを開き、2時間程度飲み食いした後、お開きとしました。Aさんは、店に一人で残って後片付けなどしていました。Aさんは、従業員は皆、店から出たと思っていましたが、ある個室をのぞいてみると、女性Vさんが顔を真っ赤にした状態で寝ていました。Aさんは、Vさんに声をかけましたが反応がありませんでした。AさんはVさんを介抱しようとしたところ、Vさんが薄着だったことから、Vさんの胸元が開いているのに気づきました。Aさんはそれを見て気分高揚し、Vさんが意識のないうちにVさんと性交しようと考えました。そして、Aさんは、Vさんが着ていたパンツや下着を脱がしてVさんと性交しました。ところが、性交中にVさんが意識を取り戻したため、AさんはVさんに突き飛ばされ、Vさんから「何ばしよっと?」「慰謝料払わんと警察に訴えるよ」などと言われました。
(フィクションです)
~ 準強制性交等罪 ~
Aさんの行為は準強制性交等罪に当たる可能性があります。
準強制性交等罪は刑法178条2項に規定されていますから,まず,その規定の内容を確認しましょう。
刑法178条2項
人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ,又は心身を喪失させ,若しくは抗拒不能にさせて,性交等をした者は,前条の例による。
前条とは刑法177条のことを指します。
刑法177条
13歳以上の者に対し,暴行又は脅迫を用いて性交,肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という)をした者は,強制性交等の罪とし,5年以上の有期懲役に処する。13歳未満の者に対し,性交等をした者も,同様とする。
「心神喪失」とは,精神の障害によって正常な判断能力を失っている状態をいいます。例えば,熟睡,泥酔・麻酔状態・高度の精神病などがこれに当たります。
「抗拒不能」とは,心神喪失以外の理由によって心理的・物理的に抵抗することが不可能又は著しく困難な状態をいいます。恐怖,驚愕,錯誤などによって行動の自由を失っている場合などはこれに当たります。
「(心身喪失・抗拒不能に)乗じる」とは既存の当該状態を利用することをいいます。「心神喪失・抗拒不能にさせる」手段には制限はありません。麻酔薬,睡眠薬の投与・使用,催眠術の施用,欺罔などはいずれもその手段となり得るでしょう。
「前条の例よる」の「前条」とは177条のことを指します。「例による」とは,法定刑を177条と同様,「5年以上の有期懲役」とするという意味です。
本件では、まず、Vさんの泥酔の程度が問題となるでしょう。Vさんが泥酔状態だったことが明らかとなれば、Aさんの行為は
人の心神喪失に乗じて性交をした
に当たる可能性が高いといえます。
~ 発覚を回避するなら ~
本件の場合、Vさんが警察に相談に行ったり、被害届を提出しないかぎりは、警察に発覚することは考えられません。:
そこで、警察に発覚することを防ぐためには、何よりもVさんに真摯に謝罪し、示談交渉を進め、示談を成立させて「警察に被害届、告訴状を提出しない」旨の確約を得る必要があります。
しかし、当事者間で示談交渉を進めるのは絶対にやめましょう。性犯罪の場合も、被害者やそのご家族の処罰感情が高い場合が多く、当事者間で示談を成立させるのは現実的に不可能です。それどころか、下手に被害者に接触を試みると、警察に被害届を出された上、罪証隠滅行為を図ったと疑われてしまって逮捕に繋がるおそれもないとはいえません。ですから、性犯罪の示談交渉は弁護士に任せましょう。
弁護士であれば、交渉しだいで、適切な内容、形式で示談を成立させることが可能です。また、適切な内容・形式で示談を成立させることができれば、成立後、被害者から訴えられるというおそれなく安心して生活することができます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は,性犯罪事件をはじめとする刑事事件・少年事件を専門に扱う法律事務所です。刑事事件・少年事件でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください。無料法律相談,初回接見サービスを24時間受け付けております。
公然わいせつ罪は後から発覚するのか
公然わいせつは後から発覚するのかについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
Aさんは,深夜,店員以外誰もいない千葉市若葉区内のコンビニエンスストア内に入り,店内で陰部を露出した状態で歩いていた公然わいせつ罪で,千葉県東警察署から呼び出しを受けました。警察に発覚することはないだろうと思っていたAさんは驚き,公然わいせつ罪に強い弁護士に無料相談を申込みました。
(フィクション)
~公然わいせつ罪~
公然わいせつ罪は、公園や路上などの不特定または多数の人がいる、またはいる可能性のある場所で、自己の陰部(局部)を露出させたり、見せつけたりするなどのわいせつな行為をした場合に問われ得る犯罪ですす。刑法174条には、
公然とわいせつな行為をした者は,6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
と規定されています。
「公然」とは、不特定又は多数の者が認識することができる状態をいいます。現実に不特定又は多数の者に認識される必要はなく、その可能性があれば足りるとされています。
公園や路上などの人前での行為
が典型だと思いますが、最近は、YouTubeにわいせつな動画をアップして逮捕される方もおり、このようなインターネットの世界も「公然」に当たるとされています。
判例によれば、「わいせつな行為」とは、行為者又はその他の者の性欲を刺激興奮又は満足させる行為であって,普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するものをいうとされています。裸、性器等の露出はその典型といっていいでしょう。
~公然わいせつ罪が後から発覚?~
公然わいせつ罪といえば,目撃者の現認から現行犯逮捕というイメージを持たれる方も多いと思いますが,それだけではありません。本件のように公然わいせつ罪であっても後から発覚し,最悪の場合,逮捕につながるおそれも十分あり得ます。
では,なぜ,本件の公然わいせつ罪は発覚したのでしょうか?
一番考えられるのは,コンビニエンスストアに設置してある防犯ビデオ映像です。最近のコンビニエンスストアには,レジ上はもちろん,出入口,駐車場等様々な場所に防犯ビデオ映像が設置されてます。しかも,映像の鮮明度も格段に上がっていますから,防犯ビデオ映像にAさんとわかる顔が映っていた可能性があります。
ただ,警察は,防犯ビデオ映像に映っていたAさんの顔のみでは犯人=Aさんと断定はしません。駐車場に設置されてある防犯ビデオ映像に映ったAさんの車の車種やナンバーについて裏付け捜査を進めるとともに,Aさんが犯行時に着てたと思われる着衣についても裏付け捜査が進められます。つまり,警察官がAさん宅へ行き,場合によってはガサで(強制的に),着衣を押収するのです。本件でも,車種,車のナンバー,着衣等から犯人=Aさんと特定された可能性があります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は,公然わいせつ罪をはじめとする刑事事件専門の法律事務所です。公然わいせつ罪でお困りの方は0120-631-881までお気軽にお電話ください,専門のスタッフが無料相談,初回接見サービスのご案内をさせていただきます。
盗撮で逮捕されるか
盗撮で逮捕されるか
盗撮事件と逮捕について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【ケース】
Xさんは、千葉県千葉市中央区在住の男性です。結婚して妻も子供もいますが、仕事が忙しく、毎日夜遅くまで働き、総武線で満員電車に揺られて帰る生活を続けています。
ある日、Xさんは、ネットニュースで盗撮で捕まった人の記事を読みました。その捕まった人は、過去1000件ほど盗撮行為を行っていたが、捕まったことはなく、今回初めて捕まったとのことでした。
Xさんは、捕まるのが怖いと思った反面、1000件以上やってようやく捕まったのだから、1回くらいやったとしても捕まることはないだろうと思い、仕事帰りの満員電車の車内で盗撮を行いました。
最初は緊張しましたが、案外簡単に撮影できることに気が付き、そこからはほぼ毎日のように盗撮行為を繰り返しました。
ある日、いつものように帰りに電車内でXさんが盗撮行為を行っていると、突然スマートフォンを掴まれました。どうやら盗撮行為が目撃されてしまっていたようで、その場で「盗撮しましたよね。降りましょう」と言われ、被害者の女性、自分、目撃者の三人で駅に降り、千葉県千葉中央警察署の警察官が来るのを待って取り調べを受けました。
(フィクションです。)
【盗撮】
盗撮は、以下の法令により罰せられる可能性があります。
①軽犯罪法
第一条(一部抜粋)
左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
二十三 正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者
第二条
前条の罪を犯した者に対しては、情状に因り、その刑を免除し、又は拘留及び科料を併科することができる。
軽犯罪法1条33号は、人の住居などにおける覗き見(窃視)を罰する目的で規定された条文です。
現在では、盗撮も覗き見に当たると考えられており、迷惑防止条例の規制が及ばない盗撮事件はこちらが適用されることになります。
②千葉県迷惑防止条例(令和2年7月1日付施行)
第3条の2(一部抜粋)
何人も、みだりに、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であ つて、次の各号に掲げるものをしてはならない。
第1号 次のいずれかに掲げる場所又は乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又 は身体を、写真機その他の機器(衣服を透かした状態を撮影することができるものを 含む。以下「写真機等」という。)を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機等を 差し向け、若しくは設置すること。
イ 浴場、更衣室、便所その他の人が通常衣服の全部又は一部を着けない状態でいる 場所及び住居
ロ 公共の場所(イの場所を除く。)又は公共の乗物
ハ 学校、事務所その他の不特定若しくは多数の者が利用し、若しくは出入りするこ とができる場所(イ及びロの場所を除く。)又はタクシーその他の不特定若しくは 多数の者が利用することができる乗物(ロの乗物を除く。)
第13条(一部抜粋)
第一項 第3条の2(第1号に係る部分に限る。)の規定に違反して下着又は身体を撮影した 者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
第二項 常習として第3条の2(第1号に係る部分に限る。)の規定に違反して下着又は身体 を撮影した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
なお、千葉県はもともと、盗撮行為を「卑わいな言動」という一つの文言としてのみとらえていましたが、今回の改正で、東京都とほぼ同様の範囲で盗撮行為を処罰することとなりました。
すなわち、これまで迷惑防止条例による射程の対象外であった、学校やホテル内の盗撮行為もその対象となったと考えられます。
両者の刑を比べると、①が拘留(30日未満の拘置)や科料(1万円未満の金銭の納付)なのに対し、②は1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。
①②の両方の適用が可能な場合、基本的に刑が重い方が適用されることになるので、上記事例のXさんは千葉県迷惑防止条例違反になると考えられます。
【盗撮事件における逮捕の可能性】
刑事事件において逮捕を行うかどうかは、事件の重大性や被疑者の態度などを考慮して捜査機関が判断する事柄です。
そのため、逮捕の可能性というのは事件の内容とそれに対する各捜査機関の考えに左右されるものであり、一律に論じるのは難しいと言えます。
ただ、すでに取り調べを受けたうえで、帰宅できているケースの場合、逮捕の可能性は一般的に高くないと考えられます。
また、盗撮に対する罰則は、たとえ条例が適用されるとしても比較的軽い部類であると評価できます。事件の重大性は逮捕の可能性を左右する重要な考慮要素であり、その重大性は犯罪の重さ、すなわち刑罰の重さと相関があります。
そのため、罰則が比較的軽いことは、逮捕の可能性が高いことを否定する要素となりえます。
以上の点は逮捕の可能性が高いことを否定する要素となりうるため、盗撮事件において後日逮捕される可能性は高くないと言えます。
ただ、上記内容は飽くまでも一般的な傾向であり、住居等における盗撮事件で逮捕されないことを確約するものではありません。
たとえば、カメラに膨大な盗撮の記録が存在する、過去に盗撮を行っている、警察からの呼び出しに応じないといった事情があると、逮捕の必要性は高まります。
結局のところ、逮捕を行うかどうかは捜査機関の判断が全てなので、逮捕の可能性というのは気休め程度にしかならない点は留意が必要です。
もし盗撮が発覚したら、少しでも早く弁護士に相談し、その後のことを真剣に考える方が賢明でしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、盗撮事件における最適な対応をお伝えします。
盗撮事件を起こしてお困りなら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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盗撮事件で示談
盗撮事件で示談を目指すケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【ケース】
Xさんは、JR船橋駅から津田沼駅を走行中の列車内で好みの女性を発見し、衝動的に下着を見たいと思いました。
スーツのポケットに入っていたスマホを手提げ鞄のポケットに、動画モードにしたうえでレンズが表になるように入れ、女性の下着が映る角度になるよう、鞄を移動させました。
不自然な位置に鞄があることに違和感を持った被害者の女性がXさんに声をかけ、スマホを見せるよう要求したところ、Xさんは津田沼駅で降りて逃走を図りましたが、駅員に取り押さえられ、そのまま千葉県警習志野警察の警察官が来て、千葉県迷惑防止条例違反(盗撮)の疑いで捜査を受けることとなりました。
(フィクションです。)
【盗撮の罪について】
電車内で盗撮行為を行うことは、「公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(いわゆる迷惑防止条例)違反として、犯罪行為となり、罰金または懲役刑を科される可能性があります。
実は、盗撮を犯罪として処罰する旨規定しているのは、法律ではなく各都道府県が定める条例です。
条例というのは各自治体が定めるものであり、「国」単位での決まりではなく、「都道府県」や「市町村」単位での決まりです。つまり、たとえば、千葉県で行った電車内での盗撮行為と、東京都で行った電車内での盗撮行為は同じ行為であっても、適用されるルールが異なるというわけです。
千葉県では、「千葉県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例」(通称:千葉県迷惑防止条例)が盗撮に関する規定を置いています。
この条例によれば、公共の場所または公共の乗物における「卑わいな言動」が禁止されています。法解釈上、「卑わいな言動」に盗撮行為が含まれると解釈されています。
千葉県における盗撮行為に対する罰則は、通常、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金です。仮に常習であると認められた場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金という通常のケースの2倍重い処理がなされることになります。
また、盗撮行為を行った人が、以前にも盗撮行為で警察に捕まったことがあったり、警察沙汰になっていないとしても、スマホ内に大量に盗撮画像があるなど、いわゆる「余罪」が複数にある場合には、通常の盗撮行為と比較して、より厳しい刑が科される可能性は高まります。
ちなみに、今回のケースとは異なりますが、たとえばホテルの部屋の中で女性を盗撮するなど、公共の場所または公共の乗物とは言えない場所で盗撮行為を行った場合には、迷惑防止条例ではなく軽犯罪法に違反することが予想されます。
軽犯罪法違反の罰則は拘留(1日以上30日未満の拘置)または科料(1000円以上1万円未満の金銭の納付)なので,条例違反の場合と比べて刑罰は軽い処理となる可能性が高いでしょう。
もっとも、例えば東京都は、近年「公共性」をより広く解釈し、住居、便所、浴場、更衣室なども処罰の対象に加えるなど処罰範囲を拡大しています。このように、都道府県によっては、一般的に見て、公共の場所または公共の乗物と評価できないような場合にも条例が処罰の対象とすることがありうるので、注意が必要です。
【示談交渉の困難さ】
盗撮を含む性犯罪の場合には特に、被害者の方から示談交渉を含めて一切の接触をしたくないと言われることも珍しくありません。
うまく連絡先を被害者の方からいただけたとしても、当然ですが被害者の方は怒っておられることが多く、被害者の方も、頭では金銭的賠償を受ける必要があるとわかってはいても、感情的に弁償を受けたくない、弁償を受けることで加害者が軽く処罰されるのは許せないなど、加害者に対して恐怖心や嫌悪感を抱いており、容易に示談ができないことが多いです。
とはいえ、示談成功により刑事処分が軽減される可能性は小さくありません。示談がうまくいくかどうかで刑事処分の見込みも大きく変わってくる可能性があります。
弁護士による示談交渉には、以下のようなメリットがあります。
まず、事件の当事者同士が直接交渉を行う必要がありません。
当事者同士で示談交渉を行うことは、被害者あるいは、被害者の関係者と接触を行うということであり、それだけで逮捕のリスクが高まってしまいます。また、交渉そのものも、当事者自身が窓口となっていると、感情面が先に立ってしまうことが多く困難となるケースが多くみられます。
この点、弁護士による交渉であれば、こういったマイナス面なく純粋に交渉に臨むことができる可能性が高まります。
被害者としても、加害者と直接連絡を取る必要がないことから、安心して示談交渉を行うことができます。
次に、法律の専門家としての強みを発揮できます。
つまり、単純に「お金を支払う」だけではなく、刑事処分との関係で意味のある条項を示談の内容に盛り込むことでより有効な合意を締結することができます。
書面を作成することで、後々紛争が蒸し返された際に上手く対処できる可能性も高まります。
以上の点から、示談交渉は弁護士に任せるとよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の刑事事件と接してきた弁護士が、示談交渉にも自信を持って取り組みます。
盗撮を疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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強制わいせつ罪と少年院送致
強制わいせつ罪と少年院送致について,弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
【ケース】
千葉県浦安市に住むAさんは,中学3年生の頃,強制わいせつ事件を起こして家庭裁判所で保護観察処分を受けました。
ですが,そのときにAさんの両親は特段Aさんに指導などを行わず,「そういう年頃だから」と楽観的に受け止めていました。
やがてAさんは高校に入学し,近所に住む女児Vさん(8歳)にわいせつな行為をするという事件を起こしました。
なお,この事件の際,AさんはVさんに暴行や脅迫を加えて無理やり行為に及んだわけではありませんでした。
この事件に関して被害届を受けた浦安警察署は,強制わいせつ罪の疑いでAさんを逮捕しました。
逮捕の知らせを受けたAさんの両親は,弁護士から少年院について説明を受けました。
(フィクションです。)
【強制わいせつ罪について】
刑法(一部抜粋)
第百七十六条 十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。
強制わいせつ罪は,被害者が13歳以上か否かによって成立要件が異なります。
被害者が13歳以上の場合は,「強制わいせつ罪」という名のとおり,暴行または脅迫を手段としてわいせつな行為に及ぶことで強制わいせつ罪が成立します。
一方,被害者が13歳未満の場合は,暴行・脅迫がなくともわいせつな行為のみで強制わいせつ罪が成立します。
13歳未満の者は性的な事柄に関する判断能力を一般的に欠いているため,同意を理由に強制わいせつ罪の成立を否定すべきではないという考えに基づき,こうした区別がなされています。
上記ケースでは,Aさんが8歳のVさんに対してわいせつな行為を行っているものの,暴行や脅迫は加えていません。
ですが,先述のとおり13歳未満の者については暴行・脅迫が不要であることから,Aさんには強制わいせつ罪が成立すると考えられます。
ちなみに,わいせつな行為は,無理やりキスをする,乳首を弄ぶ,陰部に触る,といったものが挙げられます。
ただし,通常の性交,口腔性交,肛門性交については,強制性交等罪により更に重く処罰される余地があります。
【少年院送致について】
少年(20歳未満の者)が罪を犯した場合,その事件は少年事件となり,原則として通常の手続ではなく少年事件特有の手続によることになります。
少年事件特有の手続の最たる特徴は,最終的な処分が刑罰ではなく保護処分というものである点です。
一般に,少年は心身が未成熟で可塑性があることから,家庭裁判所の適切な介入によって少年の更生や健全な育成を図るという趣旨によります。
保護処分は家庭裁判所での審判を経て下されるものであり,少年院送致は保護処分の一つに位置づけられます。
少年院送致は,少年を少年院に収容し,そこでの教育を通して更生を図るというものです。
少年の更生を図るという点では少年の健全な育成に奉仕する処分ですが,少年院での生活を余儀なくされる以上,可能ならば避けたいというご要望をお持ちの方もいらっしゃいます。
少年院送致を避けるためには,少年を本来の生活圏に置いたままでも更生が見込めることが重要だと言えます。
具体的には,両親による適切な指導・監督,友人関係の整理,少年の嗜好の矯正,などが挙げられます。
少年の性格や周囲の環境に関する問題点は,少年本人やその両親からは分かりにくいことが往々にしてあります。
もし少年院送致が行われないか不安であれば,ぜひ一度弁護士にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、少年事件に強い弁護士が,少年院送致を回避してほしいというご要望に沿うべく奔走します。
お子さんが強制わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
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