文書偽造罪で贖罪寄付

文書偽造罪で贖罪寄付

Aさんは、千葉県鴨川市内を自動車で走行していた際、警察官に停車を求められました。
警察官は、「さっき一時停止線で完全に停止していませんでしたよね」と言ってきたため、Aさんは「そんなはずはありません。きちんと止まりました」と反論しました。
ですが、警察官は全く取り合おうとせず、いわゆる青切符に署名するようAさんを促しました。
そこで、違反の事実を認めたくないと思ったAさんは、署名欄に自身の本名とは全く異なる名前を記載しました。
その後、この事実が明らかとなり、Aさんは有印私文書偽造罪の疑いで鴨川警察署に呼び出されました。
不安になったAさんが弁護士を探していたところ、贖罪寄付という言葉が目に入りました。
(フィクションです)

【「偽造」という言葉の意味について】

一般的に用いられる「偽造」という言葉は、刑法における「偽造」、「変造」、「虚偽作成」の3つを包含しています。
刑法が定めるそれぞれの意味は、以下のようになっています。

①「偽造」…作成権限のない者が他人名義の文書を作成すること
②「変造」…真正な文書の非本質的な事項に変更を加えること
③「虚偽作成」…作成権限のある者が内容虚偽の文書を作成すること

以下では、①の「偽造」を念頭に置いて説明します。

【文書偽造罪について】

文書偽造罪は、その名のとおり文書を「偽造」した場合に成立する可能性のある罪です。
偽造の対象となる文書には、人の権利義務や事実証明などに関する私文書と、公務所や公務員が作成する公文書の2種類があります。
私文書の例としては借用書や入学試験の答案などが、公文書の例としては運転免許証や戸籍などが挙げられます。
公文書偽造罪の法定刑は1年以上10年以下の懲役私文書偽造罪の法定刑は3か月以上5年以下の懲役であるため、やはり前者の方が重いということになります。

上記事例では、Aさんが青切符に他人の名前を記載しています。
この名前をBとすると、Aさんは権限がないにもかかわらずB名義の文書を作成したことになります。
そして、青切符の署名欄には「私が上記違反をしたことは相違ありません」という事実証明に関する記載があるため、警察署の文書ではあるものの私文書に当たります。
そうすると、Aさんには私文書偽造罪が成立すると考えられます。
ちなみに、Aさんは偽造の際に署名を行っていることから、罪名は有印私文書偽造罪になります。

【贖罪寄付という選択肢】

贖罪寄付とは、罪を犯したことに対する償いとして行う金銭の寄付を指します。
各都道府県の弁護士会が主な窓口になっており、寄付されたお金は犯罪被害者やその遺族の支援に充てられます。

贖罪寄付が行われるケースというのは、基本的に直接的な被害者が観念できない罪を犯した場合です。
なぜなら、直接的な被害者が観念できる事件では、第一にその被害者に対して被害弁償を行うのが一般的だからです。
文書偽造罪に関して言うと、贖罪寄付をすべきかどうかの判断は個々の事案によります。
文書偽造罪が保護しているのは文書に対する社会一般の信頼なので、理論上は被害者を観念できない罪だと言えます。
ですが、たとえば借用書の偽造により私文書偽造罪を犯した場合には、その借用書により借金を負うことになった者が実質的な被害者になりえます。

このように、贖罪寄付が妥当な弁護活動かどうかは、個々の事案の特殊性によって異なってくるということができます。
刑の減軽などを狙える的確な活動を行うのであれば、やはり弁護士に事件を依頼して選択を委ねるのが適切でしょう。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、贖罪寄付を含めて各事案に応じた最適な弁護活動を検討します。
文書偽造罪を疑われたら、刑事事件少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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