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工事現場に侵入して工具ら約30万円相当を盗んだ疑いで男性3人を逮捕~千葉県四街道市で起きた侵入盗事件~

2024-01-21

工事現場に侵入して工具ら約30万円相当を盗んだ疑いで男性3人を逮捕~千葉県四街道市で起きた侵入盗事件~

侵入盗 問われる罪

今回は、千葉県四街道市内の工事現場に侵入して工具ら約30万円相当を盗んだとして男性ら3人が逮捕された侵入盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

千葉県警は17日、建造物侵入窃盗の疑いで成田市在住の男性A(25)と八街市在住の男性B(25)、富里市在住の男性C(25)の3容疑者を逮捕したと発表しました。

3人の逮捕容疑は共謀し、昨年11月19~20日、四街道市の共同住宅新築工事現場に侵入し、高圧エアコンプレッサー1台など計12点(時価計約32万円)を盗んだ疑いです。

県警捜査3課によると、昨年、BとCは同容疑などで逮捕されていて、Bの自宅から被害品が見つかったとのことです。
2人の供述からAが浮上し、いずれも容疑を認めていて「生活費のための金がほしかった」などと話しているようです。
(※1/18に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「住宅の新築工事現場に侵入、エアコンプレッサーなど工具盗んだか 千葉県警、男3人逮捕「生活費のため」」記事の一部を変更して引用しています。)

<侵入盗事件で問われる罪>

今回の事例におけるAらの犯行は侵入盗事件と呼ばれることが多いです。
侵入盗とは窃盗の手口の一種で、他人の家や店などに侵入して物を盗む行為を指します。
空き巣や事務所荒らし、今回の事例のような工事現場での窃盗は侵入盗の典型例として挙げられます。

侵入盗事件は、窃盗罪建造物侵入罪(住居侵入罪)に問われる可能性が高いです。
それぞれの罪について、詳しく見ていきましょう。

<建造物侵入罪(住居侵入罪)>

まず、侵入盗は物を盗むために他人の住居や建造物に侵入します。
これは刑法第130条で規定されている建造物侵入罪(住居侵入罪)に該当します。

刑法第130条(住居侵入等)

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

物を盗むために他人の住居や建造物に侵入する行為は「正当な理由」とは言えませんよね。
つまり、侵入盗事件では建造物侵入罪(住居侵入罪)が成立する可能性が高いということです。

<窃盗罪>

次に、侵入盗は侵入した住居や建造物内で物を盗みます
これは刑法第235条で規定されている窃盗罪に該当します。

刑法第235条(窃盗)

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

「他人の財物を窃取」とは、自己の占有下にない他人の財物を所有者の意思に反して自己の占有下に移す行為を指します。
もちろん、侵入盗で盗まれた物(財物)は犯人の占有下になかった物であり、所有者の意思に反して犯人が自己の占有下に移しているため、窃盗罪に該当するということになります。

<侵入盗事件を起こしたら弁護士へ>

前述したように、侵入盗事件で問われる可能性がある罪は一つではありません。
複数の罪に問われている場合は、刑罰の範囲なども変わってくるため複雑になってきます。

また、侵入盗事件を起こしてしまうと逮捕される可能性が非常に高く、逮捕後も勾留されて最大20日間身柄が拘束されてしまうかもしれません。

なので、ご家族が侵入盗事件を起こして逮捕されたという連絡が警察から来た場合は、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
逮捕されてしまっている場合、早期釈放を実現するためにはスピーディな対応が必要になります。
弁護士に相談して接見を依頼することで、弁護士が直接本人から話を聞き、それを踏まえた上で今後の見通しなどの説明を詳しく受けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、侵入盗事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご依頼から最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)も提供していますので、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にてお電話をお待ちしております。

千葉県内でご家族が侵入盗事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談ください。

入浴施設内の男湯で男性に対してわいせつな行為をした疑いで男性を逮捕~千葉県柏市で起きた不同意性交等事件~

2024-01-18

入浴施設内の男湯で男性に対してわいせつな行為をした疑いで男性を逮捕~千葉県柏市で起きた不同意性交等事件~

男湯 不同意性交等罪

今回は、千葉県柏市にある入浴施設内の男湯で男性に対してわいせつな行為をしたとして男性が不同意性交等罪の疑いで逮捕された事例について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

千葉県警柏署は15日、不同意性交の疑いで市川市在住の男性A(35)を逮捕したと発表しました。
逮捕容疑は14日、柏市内の入浴施設の男湯で、県内に住む20代男性Vにわいせつな行為をした疑いです。

同署によると、2人に面識はないとのことでした。
Aは「性的欲求を満たすためにやってしまった」と容疑を認めているとのことです。
(※1/16に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「男湯で20代男性にわいせつ 不同意性交の疑いで35歳男を逮捕「性的欲求を満たすため」 千葉・柏署」記事の一部を変更して引用しています。)

<不同意性交等罪とは>

不同意性交等罪については、刑法第177条で以下のように規定されています。

刑法第177条(不同意性交等)

前条第1項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、5年以上の有期拘禁刑に処する。

 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。

 16歳未満の者に対し、性交等をした者(当該16歳未満の者が13歳以上である場合については、その者が生まれた日より5年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

条文に記載されている「前条第1項各号に掲げる行為」とは、刑法第176条の不同意わいせつ罪で規定されている以下の行為を指します。

暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと
心身の障害を生じさせること又はそれがあること
アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること
④睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること
同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと
⑥予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕させること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること
虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること
⑧経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること

上記8つの行為やこれらに類する行為によって、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせたり、困難な状態にあることに乗じたりして、性交等をすることで、不同意性交等罪が成立します。

簡単に説明すると、相手の同意を得ていない状態で性交等をすることで不同意性交等罪が成立するということです。

今回の事例で考えると、AはVに対して「わいせつな行為」をしたとされています。
「わいせつな行為」とは、「いたずらに性欲を興奮又は刺戟せしめ、かつ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反する行為と定義されています。

つまり、AはVに対して上記に該当するような行為を行い、さらにVの同意を得ていなかったため、不同意性交等罪で逮捕されたと考えられます。

<不同意性交等罪で逮捕されたら弁護士へ>

不同意性交等罪の罰則は5年以上の有期拘禁刑です。
拘禁刑とは、従来の刑法の刑罰で規定されていた懲役刑と禁固刑を一本化した刑罰を指し、有期拘禁刑であれば1月以上20年以下の範囲となります。

つまり、不同意性交等罪による刑事事件を起こして起訴されると、公判請求となり刑事裁判が開かれ、5年以上20年以下の拘禁刑を言い渡される可能性があるということです。

不同意性交等罪のような性犯罪において、起訴を免れて不起訴処分を獲得したり少しでも軽い量刑を獲得するためには、被害者との示談を締結することが重要なポイントになります。

ただ、性犯罪の被害者は加害者に対する恐怖心や処罰感情が強いことが多く、当事者同士での示談交渉で示談が成立する可能性は極めて低いです。
不同意性交等事件を起こしてしまい、被害者と示談をしたいという場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、不同意性交等事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当し、被害者と示談を成立させた実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

千葉県内で不同意性交事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。

他人名義の保険証で治療を受ける行為も詐欺罪に該当する?~千葉県松戸市で起きた詐欺事件~

2024-01-15

他人名義の保険証で治療を受ける行為も詐欺罪に該当する?~千葉県松戸市で起きた詐欺事件~

保険証 他人名義 詐欺罪

今回は、他人名義の保険証で治療を受ける行為が詐欺罪に該当するのかについて、千葉県松戸市で起きた詐欺事件をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

松戸東署は12日、詐欺の疑いで住所不定の男性A(56)を再逮捕したと発表しました。

再逮捕容疑は昨年7月、東京都内の歯科医院で、他人名義の保険証を使い9280円相当の治療を受けた疑いです。

同署によると、Aは黙秘しているとのことです。
Aは知人の男性から保険証を借りて使用しており、昨年、詐欺容疑で同署に3回逮捕されていました。
(※1/14に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「他人名義の保険証で治療受ける 詐欺の疑いで男逮捕 知人から借りて使用 千葉・松戸東署」記事の一部を変更して引用しています。)

<国家的利益の侵害でも詐欺罪が成立する?>

詐欺罪については、刑法第246条で以下のように規定されています。

刑法第246条(詐欺)

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させたものも、同項と同様とする。

詐欺罪は人を欺いて財物を交付させる」ことで成立するため、詐欺罪は個人の財産を保護するために規定されていると解釈されています。
ただ、詐欺罪に該当する行為で国家的法益が侵害される場合でも、財産権の侵害に該当する行為であり、行政法の罰則が特別法として詐欺罪の適用を排除している趣旨でない限り、詐欺罪が成立するということが、最高裁判例で示されています。

他人名義の保険証を使って病院等で治療を受ける行為は、国家的法益の侵害にあたる詐欺行為に該当すると考えられます。

つまり、今回の事例でのAの行為は詐欺罪に該当する可能性が高いということになります。

<詐欺罪で逮捕されたら弁護士へ>

詐欺罪で規定されている罰則は10年以下の懲役のみで、罰金刑による規定はありません。
罰金刑がないということは略式起訴もないため、詐欺罪で起訴されると公判請求となり刑事裁判が開かれることになります。

また、今回のような他人名義の保険証を利用したことによる詐欺事件の場合、余罪で再逮捕される可能性も十分にあります。
そうなると、身柄がずっと拘束された状態になるおそれもあり、今後の人生にも大きな影響を及ぼすかもしれません。

そのためにも、詐欺事件を起こしてしまった場合は、早急に弁護士に法律相談や接見依頼をすることをおすすめします。
弁護士の中でも、刑事事件の弁護活動が豊富な専門の弁護士に相談することで、より詳しく今後の見通しなどの説明を受けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、詐欺事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

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ひき逃げによる道路交通法違反と過失運転致傷罪の疑いで男性を逮捕~千葉市緑区で起きたひき逃げ事件~

2024-01-12

ひき逃げによる道路交通法違反と過失運転致傷罪の疑いで男性を逮捕~千葉市緑区で起きたひき逃げ事件~

ひき逃げ 道路交通法違反

今回は、千葉市緑区で起きた自動車運転処罰法違反道路交通法違反によるひき逃げ事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

千葉南署は、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、千葉市緑区在住の男性A(56)を逮捕しました。

逮捕容疑は7日、軽乗用車を運転し同区内にある交差点を右折しようとした際、対向車線を直進してきた女性V(35)のミニバイクと衝突し、Vに左脚骨折の重傷を負わせたまま逃走した疑いです。

同署によると、現場は十字路で、目撃者や防犯カメラの映像などからAが浮上したとのことです。
取調べに対し、Aは容疑を認めています。
(※1/11に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「車と衝突 ミニバイクの女性重傷 ひき逃げ容疑で警備員の男逮捕 千葉南署」記事の一部を変更して引用しています。)

<ひき逃げで問われる罪は?>

今回の事例を見てもらっても分かるように、「ひき逃げ罪」という犯罪はありません。
ひき逃げとは、道路交通法第72条第1項に違反する行為を指しています。

道路交通法第72条では、交通事故が起きた場合に運転手と乗務員は負傷者の救護などの措置(救護義務警察官への事故状況を報告する(報告義務といった義務を果たす必要がある旨が規定されています。

そもそも、ひき逃げとは、交通事故を起こした際に現場をそのまま逃走する行為を指します。
そのため、ひき逃げは道路交通法で規定されている救護義務や報告義務を怠ったとして道路交通法違反に問われるということです。

道路交通法第72条に違反した場合の罰則については、同法第117条で以下のように規定されています。

道路交通法第117条

車両等(軽車両を除く。以下この項において同じ。)の運転者が、当該車両等の交通による人の死傷があった場合において、第72条(交通事故の場合の措置)第1項前段の規定に違反したときは、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
 前項の場合において、同項の人の死傷が当該運転者の運転に起因するものであるときは、10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。
(第3項省略)

今回の事例で考えてみましょう。
VはAが運転する軽乗用車と衝突し、左脚骨折の重傷を負っています。
Vが負った怪我はAの運転に起因するものと判断されれば、今回の事例における罰則は、第2項で規定されている10年以下の懲役又は100万円以下の罰金となる可能性が高いです。

<ひき逃げで問われる罪は一つじゃない?>

ひき逃げで問われる可能性がある罪は道路交通法違反だけではありません。

今回のように、自動車による交通事故で相手に怪我を負わせた場合、自動車運転処罰法(正式名称:自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)第5条で規定されている過失運転致傷罪に該当する可能性があります。

自動車運転処罰法第5条(過失運転致死傷)

自動車の運転上必要な注意を怠り、よって人を死傷させた者は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金に処する。ただし、その傷害が軽いときは、情状により、その刑を免除することができる。

今回のAの運転が「運転上必要な注意を怠った」と判断されれば過失運転致傷罪に問われる可能性が高いです。
また、もしも事故当時にAが飲酒や信号無視などをしていたことが発覚した場合は、過失運転致傷罪ではなく危険運転致傷罪が適用される可能性が高くなります。

<ひき逃げ事件を起こしたら弁護士へ>

ひき逃げは、道路交通法違反自動車運転処罰法違反などの複数の罪に問われる可能性が高い重大な事件です。
逮捕される可能性も非常に高く、初犯であっても起訴される可能性があります。

ひき逃げ事件のような複数の罪に問われる可能性がある事件の場合、法定刑などが複雑になってくるので、まずは弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、ひき逃げ事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。

すでにご家族が逮捕されてしまっている場合、ご依頼から最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。
本人から事実関係などを直接確認した上で、弁護士の方から現在の状況や今後の見通しについて詳しく説明を受けることができます。

千葉県内でひき逃げ事件を起こしてしまったという方や、ご家族がひき逃げで逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。

他人の家に侵入して窃盗を行い放火した疑いで男性を逮捕~千葉市花見川区で起きた刑事事件~

2024-01-09

他人の家に侵入して窃盗を行い放火した疑いで男性を逮捕~千葉市花見川区で起きた刑事事件~

現住建造物等放火罪 逮捕

今回は、他人の家に侵入して金品を盗んだ後に放火した疑いで男性が逮捕された千葉市花見川区で起きた事例をもとに、男性に問われる罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律所千葉支部が解説します。

<事案概要>

千葉西署は5日、住居侵入現住建造物等放火窃盗の疑いで千葉市花見川区在住の男性A(26)を逮捕しました。

逮捕容疑は昨年12月31日、千葉市在住の女性V(27)宅に侵入し、トートバッグやネックレス計12点(時価計83万6100円)を盗みV宅に放火した疑いです。

(※中略)

2人に面識はありませんでした。
取調べに対し、Aは「お金がなく食べるものも買えなかったので、金になりそうなものを盗んだ。証拠を隠滅するために火をつけた」と供述し、容疑を認めています。
(※1/6に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「27歳女性宅に侵入、窃盗、放火 容疑で26歳男逮捕 「お金がなく食べるものも買えなくて」 放火は証拠隠滅のため 千葉市内」記事の一部を変更して引用しています。)

<Aに問われる罪は?>

今回の事例でAに問われる可能性がある罪は、住居侵入罪窃盗罪現住建造物等放火罪の3つです。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

<住居侵入罪>

住居侵入罪については、刑法第130条で以下のように規定されています。

刑法第130条(住居侵入等)

正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

条文の前半部分で記載されている内容が住居侵入罪、後半部分で記載されている内容が不退去罪です。

住居侵入罪は、正当な理由がない」にもかかわらず「人の住居」に侵入した場合に成立します。

今回の事例のように、金品を盗む目的で侵入する行為は正当な理由とは言えません。
また、「住居」とは人の起臥寝食に利用している建造物を指し、今回Aが侵入した建造物はVが利用している建造物であるため「人の住居」に該当します。

以上のことから、Aの行為は住居侵入罪が成立する可能性が高いと考えられます。

<窃盗罪>

窃盗罪については、刑法第235条で以下のように規定されています。

刑法第235条(窃盗)

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

窃盗罪は、他人の財物」を「窃取」した場合に成立します。
「他人の財物」とは自己の占有下にない財物を指し、「窃取」とは相手(所有者)の意思に反して自己の占有下に移す行為を指します。

AはV宅に侵入し、所有者Vの意思に反してトートバッグやネックレス等の財物を盗んでいるため、Aの行為は窃盗罪が成立する可能性があると考えられます。

<現住建造物放火罪>

現住建造物等放火罪については、刑法第108条で以下のように規定されています。

刑法第108条(現住建造物等放火)

放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車、戦艦又は鉄鉱を焼損した者は、死刑又は無期若しくは5年以上の懲役に処する。

現住建造物等放火罪は、放火をした者以外の人が生活をしている住居に放火した場合に成立します。

今回の事例では、Aが放火した場所はVが生活していた住居であるため、現住建造物等放火罪が成立すると考えられます。

<複数の罪に問われている場合は早急に弁護士へ>

今回の事例のように、刑事事件を起こして問われる罪は一つとは限りません。
複数の罪に問われるような事件を起こした場合、量刑も複雑になってくるため、早急に弁護士に相談することをおすすめします。

すでに逮捕されてしまっている場合は、まずは弁護士に接見を依頼し、本人が留置されている場所に弁護士が向かい、直接事実関係などを聞いたうえで、弁護士から現在の状況今後の見通しについて詳しく説明を受けることができます。

刑事事件に特化した専門の法律事務所である弁護士法人あいち刑事事件総合法律所では、最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)を提供しています。

逮捕されている場合、スピーディな対応が必要とされるため、ご家族が刑事事件を起こして逮捕されてしまった場合は早急に弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡ください。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは24時間365日受付中です。

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マジックマッシュルームとLSDグミを所持した疑いで男性を逮捕~千葉市緑区で起きた麻薬取締法違反事件~

2024-01-06

マジックマッシュルームとLSDグミを所持した疑いで男性を逮捕~千葉市緑区で起きた麻薬取締法違反事件~

マジックマッシュルーム LSDグミ 麻薬取締法

麻薬には様々な種類がありますが、マジックマッシュルームLSDグミ麻薬の一種です。

今回は、千葉市緑区で起きた事例をもとに、麻薬取締法違反について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律所千葉支部が解説します。

<事案概要>

麻薬成分を含む「マジックマッシュルーム」と呼ばれる幻覚キノコとグミを自宅で所持したとして、千葉県警は4日、麻薬取締法違反の疑いで千葉市緑区在住の男性A(26)を逮捕しました。

逮捕容疑は昨年12月、自宅で麻薬成分を含有するきのこ類とグミのようなものを所持した疑いです。

県警薬物銃器対策課によると、Aは容疑を認めているとのことです。
Aは別の事件で逮捕されており、家宅捜索の際に、自宅内からビニール製のチャック付き袋に入ったマジックマッシュルームとアルミホイルに包まれた合成麻薬LSDのグミが発見されました。
同課は入手先などを調べています。(以下略)
(※1/5に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「幻覚キノコ、LSDグミ所持 千葉県警 容疑で千葉市の男逮捕」記事の一部を変更して引用しています。)

<麻薬取締法とは>

今回の事例では、AはマジックマッシュルームとLSDグミを所持していた疑いで麻薬取締法違反で逮捕されています。

麻薬取締法(正式名称:麻薬及び向精神薬取締法)とは、その名の通り、麻薬等に関する輸出、製造、製剤、譲渡し等について必要な取締り等を目的とした法律です。

麻薬取締法の規定に違反した場合の罰則について、麻薬取締法では「ジアセチルモルヒネ等(いわゆるヘロイン)」と「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬」に分けられています

今回Aが所持していたマジックマッシュルームLSDグミについては「ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬」に該当し、これらの所持についての罰則は麻薬取締法第66条で以下のように規定されています。

麻薬取締法第66条

ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬を、みだりに、製剤し、小分けし、譲り渡し、譲り受け、または所持した者(※中略)は、7年以下の懲役に処する。

 営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上10年以下の懲役に処し、又は情状により1年以上10年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。

 前2項の未遂罪は、罰する。

つまり、AがマジックマッシュルームとLSDグミを所持していた目的が自己使用であれば第1項営利目的であれば第2項に該当するということになります。

<麻薬取締法違反で逮捕された後は?>

麻薬取締法違反で逮捕されると、その後勾留される可能性が非常に高いです。

勾留されると10日間身柄が引き続き拘束された状態で取調べ等を受けることになります。
また、勾留は10日間以内であれば追加で延長することも可能なため、勾留されると最大20日間身柄が拘束されるおそれがあります。

さらに、麻薬取締法違反などの薬物に関する犯罪は証拠隠滅するおそれがあると判断されやすく、家族ですら面会できない接見禁止という措置が取られることも多いです。

ご家族が麻薬取締法違反で逮捕されて接見禁止もついてしまうと、面会もできずに本人やご家族の不安な気持ちのみが強くなってしまいます。
そんな時は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。
弁護士に刑事弁護活動を依頼することで、弁護士が接見禁止の全部または一部を解除するように申立てを行うことができます。

ただ、弁護士であれば誰に依頼しても同じ結果になるわけではありません。
弁護士に接見禁止の解除を依頼する場合は、薬物事件の経験が豊富で刑事事件に強い弁護士に依頼することが重要なポイントです。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は、麻薬取締法違反はもちろん、様々な薬物事件の刑事弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせについては、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

千葉県内でご家族が麻薬取締法違反で逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律所千葉支部までご相談ください。

略式起訴とは?略式起訴になると前科はつく?~千葉市稲毛区で起きた過失運転致死事件~

2024-01-03

略式起訴とは?略式起訴になると前科はつく?~千葉市稲毛区で起きた過失運転致死事件~

略式起訴 とは

ニュースや新聞で事件が報道された際に「~を略式起訴しました」といった言葉を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。

今回は、略式起訴について、千葉市稲毛区で起きた過失運転致死事件をもとに、弁護士法人あいち刑事事件総合法律所千葉支部が解説します。

<事案概要>

千葉区検は25日、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)の罪で千葉市稲毛区在住の男性A(82)を略式起訴しました。
Aは道交法違反(ひき逃げ)容疑でも逮捕されましたが、地検はひき逃げ容疑については、嫌疑不十分で不起訴処分としました。

起訴状などによると、Aは昨年4月ごろ、同区内の県道で女性V(26)をはねて死亡させたとされています。
(※12/27に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「26歳女性はねられ死亡 過失致死罪で82歳を略式起訴 ひき逃げは不起訴に 千葉市稲毛区」記事の一部を変更して引用しています。)

<略式起訴とは?>

略式起訴とは、その名の通り、通常の起訴を簡略化して行う起訴方法を指します。
略式起訴については、刑事訴訟法第461条で以下のように規定されています。

刑事訴訟法第461条

簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。

通常の起訴となれば、検察官が裁判所に対して刑事裁判を開くことを要求する公判請求が行われますが、略式起訴では刑事裁判は開かれません
また、被疑者(事件を起こした人)が逮捕されている場合に略式起訴されると、被疑者は釈放されるため、通常の起訴よりも早く自由になれます。

ただ、どんな事件でも略式起訴が適用されるというわけではなく、略式起訴を行うには以下の要件を満たしている必要があります。

簡易裁判所が管轄している
罰金または科料の刑罰が規定がされている
・被疑者が同意している

略式起訴が決定すると、裁判所から金額や納付する期限が記載された書面による略式命令が下されます。
略式起訴と略式命令は似ているため混同しがちですが、略式起訴=起訴略式命令=判決という違いがあります。

<略式起訴は前科がつく?>

「略式起訴で罰金を払えば前科がつかないのでは」と思っている方もいるかもしれません。
ただ、略式起訴は、あくまで起訴の方法の一つなので、通常の起訴と同様に前科はつきます

前科がつくことで起こり得る会社を解雇されてしまったり新しい就職先が決まらなかったりといった問題を防ぐためには、略式起訴ではなく不起訴を獲得することが重要になります。

不起訴となれば起訴を免れることになるので、前科はつかず、普段の日常生活に戻ることができます。
不起訴を獲得するためには、被害者との示談などが重要になってきますが、当事者間での示談交渉はスムーズに進まないことがほとんどです。
なので、前科をつけたくないという場合は、弁護士に刑事弁護活動を依頼して、弁護士を代理人として被害者との示談交渉を進めていくことをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当し、被害者との示談を成立させて不起訴を獲得した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼については、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

千葉県内で刑事事件を起こしてしまった方や、ご家族が逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律所千葉支部までご相談ください。

知人女性に暴行を加えてスマートフォンを奪ったとして千葉県在住の男性を逮捕~鹿児島県内で起きた強盗致傷事件~

2023-12-31

知人女性に暴行を加えてスマートフォンを奪ったとして千葉県在住の男性を逮捕~鹿児島県内で起きた強盗致傷事件~

強盗致傷罪 とは

今回は、千葉県在住の男性が強盗致傷罪の疑いで逮捕された事例をもとに、強盗致傷罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

県内で面識のある女性にけがをさせ、女性のスマートフォンなどを奪ったとして強盗致傷の疑いで千葉県の29歳の男が逮捕されました。

強盗致傷の疑いで逮捕されたのは、千葉県市川市在住の男性A(29)です。

警察によりますと、Aは県内で面識のある女性V(20代)の髪をつかんで引き倒すなどの暴行を加え、Vのスマートフォンやキャッシュカードなどを奪った疑いです。
Vは頸椎を捻挫するなど、全治2週間のけがをしました。

Aは「何も話したくない」と容疑を否認しているということです。
(※12/23に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「千葉県の29歳の男を強盗致傷の疑いで逮捕 鹿児島市」記事の一部を変更して引用しています。)

<強盗致傷罪とは>

強盗致傷罪は、強盗行為の過程で被害者に傷害を加えることによって成立します。
具体的には、刑法第240条で以下のように規定されています。

刑法第240条(強盗致死傷)

強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の懲役に処し、死亡させたときは死刑又は無期懲役に処する。

前段は強盗致傷罪、後段は強盗致死罪について規定されています。
強盗致傷罪は、以下2つの要件を満たすことで成立します。

①強盗行為の実施

強盗致傷罪の主体は強盗犯であるため、強盗行為を実行している必要があります。

強盗行為については、刑法第236条で規定されている強盗罪が成立する行為を指し、暴行脅迫を用いて他人の財物を奪取することです。

②被害者への傷害の発生

強盗致傷罪が成立するためには、強盗行為の過程で被害者が身体的な傷害を受けることが必要です。
この傷害は、強盗行為と直接的な因果関係がある必要があります。
単に強盗行為があった場合とは異なり、被害者に具体的な身体的損害が生じた場合にのみ、強盗致傷罪が成立します。

強盗致傷罪は、その悪質性と重大性から厳しい刑罰が規定されていて、無期または6年以上の懲役となっています。

<強盗致傷罪で起訴されると通常の刑事裁判とは異なる?>

強盗致傷罪は処罰内容に無期の懲役が規定されているため、裁判員法(正式名称:裁判員の参加する刑事裁判に関する法律)第2条第1項に基づいて、起訴されると通常の刑事裁判とは異なる「裁判員裁判」の対象となります。

抽選で選ばれた国民が裁判員として裁判に参加することが大きな特徴である裁判員裁判は、通常の刑事裁判よりも量刑が重くなることが多いです。
また、裁判員裁判は公判前整理手続きなどの特殊な手続きを行う必要があるため、通常の刑事裁判よりも判決までに時間がかかります。

<強盗致傷罪の弁護活動>

前述したように、強盗致傷罪で起訴されると裁判員裁判となり、判決までに時間を要したり重い判決を下されたりといった可能性があります。
ただ、強盗行為と被害者が負った傷害の因果関係の有無によって、強盗致傷罪ではなく強盗罪などの他の罪名に切り替わる可能性もあります。
強盗罪であれば裁判員裁判対象ではなく、強盗致傷罪に比べて処罰内容も軽くなります。

また、被害者との示談を成立することができれば、起訴された場合であっても示談が成立していない場合に比べて軽い判決を獲得することができたり、場合によっては不起訴処分を獲得できる可能性もあります。

ただ、強盗行為と傷害の因果関係に関する主張や被害者との示談を成立させることは当事者のみで行うには極めて難しいです。
そのためにも、早急に弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、強盗致傷事件はもちろん、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

ご家族が千葉県内で強盗致傷事件を起こして逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。
最短当日中に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)をご提供いたします。

あおり運転で問われる罪は一つじゃない?~千葉県市原市内の路上で起きた事例をもとに解説~

2023-12-28

あおり運転で問われる罪は一つじゃない?~千葉県市原市内の路上で起きた事例をもとに解説~

あおり運転 罪

近年問題視されているあおり運転は、重大な事故を起こす危険性も高く厳罰化が進んでいます。

今回は、あおり運転で問われる可能性がある罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

ドライブレコーダーに記録された、高速道路上での執拗なあおり運転
あおられたドライバーが高速道で体験した恐怖の37秒間とは…。
(中略)
画面右の走行車線を走る軽自動車。
猛スピードで車線変更すると、右へ…、左へ…。

大きく車体を揺らし、後ろから蛇行運転を繰り返す
(中略)
約37秒間にわたって続いた、危険なあおり運転

走行車線に移ってやり過ごそうにも、多くの車が走っているため、タイミングがつかめない。
投稿者がようやく車線変更すると、軽自動車は投稿者の車を追い越し、走り去っていった。
(中略)
軽自動車が、何をきっかけにあおり運転を始めたのかはわかっていないが、重大な事故につながる恐れのある運転は、控えなければならない。
(※12/23に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「【独自】「猛スピードであおってきて恐怖」37秒間の“執拗なあおり運転” 右へ左へ蛇行繰り返し…朝の館山自動車道 千葉・市原市」記事の一部を変更して引用しています。)

<あおり運転で問われる可能性がある罪>

あおり運転とは、道路走行中に他の自動車を威圧したり妨害したりするような運転行為を指します。
令和2年に道路交通法が改正され、あおり運転の厳罰化を目的とした妨害運転罪が新設されました。
妨害運転罪については、道路交通法第117条2の2で以下のように規定されています。

道路交通法第117条2の2

次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
(※第一号~七号省略)

 他の車両等の通行を妨害する目的で、次のいずれかに掲げる行為であつて、当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法によるものをした者

 第17条(通行区分)第4項の規定の違反となるような行為
 第24条(急ブレーキの禁止)の規定に違反する行為
 第26条(車間距離の保持)の規定の違反となるような行為
 第26条の2(進路の変更の禁止)第2項の規定の違反となるような行為
 第28条(追越しの方法)第1項又は第4項の規定の違反となるような行為
 第52条(車両等の灯火)第2項の規定に違反する行為
 第54条(警音器の使用等)第2項の規定に違反する行為
 第70条(安全運転の義務)の規定に違反する行為
 第75条の4(最低速度)の規定の違反となるような行為
 第75条の8(停車及び駐車の禁止)第1項の規定の違反となるような行為

条文で規定されている10類型は、前後との車間距離を極端に詰めたり、威圧的な幅寄せや急ブレーキしたりといった行為が挙げられています。
これらの行為を、特定の車両に対して通行を妨害する目的で行うことで、あおり運転(妨害運転罪)が成立することになります。

妨害運転罪の処罰内容は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。

<あおり運転で問われる罪は他にもある?>

あおり運転で問われる可能性がある罪は前述した妨害運転罪だけではありません。

妨害運転罪が成立する要件が満たされていなかったとしても、急ブレーキ禁止違反や車間距離不保持など、道路交通法で定められている規定に違反していれば妨害運転罪以外の道路交通法違反として罪に問われる可能性があります。

また、あおり運転が原因による事故で相手が死傷した場合は危険運転致死傷罪、停車させて相手を恫喝したり暴行を加えた場合は暴行罪脅迫罪などが成立する可能性もあります。
悪質なあおり運転による事故で相手が死亡した際に、相手が死亡しても構わないと思っていたと判断され、殺人罪が適用された事例もあります。

<あおり運転で逮捕されたら弁護士へ>

今回は、あおり運転で問われる可能性がある罪について解説してきました。

悪質なあおり運転による悲惨な事故が増えている近年では、あおり運転の厳罰化が進んでいます。
道路交通法による妨害運転罪や危険運転致死傷罪、場合によっては殺人罪に問われる可能性もあります。

あおり運転で逮捕されてしまった方や、後日警察から取調べを受けるように連絡があった方は、まずは弁護士へ相談することをおすすめします。
弁護士に相談することで、現在の状況や今後の見通しなどの説明を受けることができます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な刑事事件の弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。

千葉県内であおり運転による刑事事件を起こしてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。

勤務中の市役所職員に暴行を加えた女性を現行犯逮捕~千葉県流山市で起きた公務執行妨害事件~

2023-12-25

勤務中の市役所職員に暴行を加えた女性を現行犯逮捕~千葉県流山市で起きた公務執行妨害事件~

市役所 公務執行妨害罪

今回は、千葉県流山市で起きた公務執行妨害事件をもとに、公務執行妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

流山署は21日、公務執行妨害の疑いで流山市在住の女性A(54)を現行犯逮捕したと発表しました。

逮捕容疑は、同市内にある市役所で、対応中だった女性職員V(52)の顔を殴る暴行を加え、職務の執行を妨害した疑いです。

同署によると、Aは「分かりません」と容疑を否認しているとのことです。
目撃者の男性が「何度も来訪している女性が暴れている。職員がたたかれた」と110番通報したことで、今回の事件が発覚しました。
(※12/22に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「対応中の女性職員殴る 公務執行妨害の疑いで女逮捕 流山市役所」記事の一部を変更して引用しています。)

<公務執行妨害罪とは>

公務執行妨害罪は、公務員が職務を遂行している際に暴行や脅迫を加えた場合に成立します。
具体的には、刑法第95条で以下のように規定されています。

刑法第95条(公務執行妨害及び職務強要)

公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
(※第2項省略)

公務執行妨害罪が成立するためには、いくつかの要件が必要です。
まず、対象となる公務員は、国または地方公共団体の職員、その他法令により公務に従事する者を指します。
これには、警察官や市役所職員など、幅広い範囲の職員が含まれます。

次に、公務員が職務を執行するに当たりという状況が必要です。
これは、公務員がその職務に関連する活動を行っている時を意味し、例えば市役所での書類受付や警察官の交通整理などが該当します。

さらに、加害者による暴行又は脅迫が必要です。
暴行は身体的な接触や攻撃を含みますが、脅迫は言葉や態度による精神的な圧力を指します。
この暴行や脅迫が、公務員の職務執行を妨げる意図で行われる必要があります。

<公務執行妨害罪の刑罰>

公務執行妨害罪が成立すると、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金で処罰される可能性があります。

公務執行妨害罪の核心にあるのは保護法益、つまりこの罪によって保護されるべき社会的な価値や利益です。
公務執行妨害罪の保護法益は、公務員の個人的な安全ではなく、公務の円滑な執行という国家的な法益にあります。
公務員がその職務を適切に遂行することは、法の支配と社会秩序の維持に不可欠であり、この遂行を妨げる行為は国家的な利益に対する重大な侵害とみなされます。

公務執行妨害罪は、公務員に対する暴行や脅迫が、単に個人に対する攻撃ではなく、公的な職務の遂行を妨げることによって、公共の秩序や安全に対する脅威となることを認識しています。
このため、暴行や脅迫の程度が軽微であっても、公務の執行を妨げる意図があれば、法的に重く扱われることがあります。

<公務執行妨害事件を起こしたら弁護士へ>

公務執行妨害罪で逮捕された場合、弁護士の役割は非常に重要です。
弁護士は、法的な知識と経験を活用して、被疑者の権利を守り、最適な法的対応を提供します。
特に、早期釈放を目指す場合、早急に弁護士に刑事弁護活動を依頼することをおすすめします。

弁護士は、被疑者の代理人として法廷での弁護だけでなく、事件の早期解決に向けた様々な弁護活動を行います。
また、被疑者や家族に対して、法的なプロセスや今後の見通しについての情報提供とサポートを行います。

早期釈放は、被疑者にとって社会復帰の機会を早めるだけでなく、社会的、経済的な影響を最小限に抑えることができます。

弁護士は、刑事事件における被疑者の最良の利益を代表し、法的な問題を解決するための専門的な知識と技術を提供します。
公務執行妨害罪に関わる事件では、弁護士の早期介入が、被疑者の権利を守り、より良い法的結果を得るための鍵となります。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、公務執行妨害事件はもちろん、様々な刑事事件の刑事弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
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