金融機関を偽って融資を受けて詐欺罪に発展した事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。
金融機関を偽って融資を受けたら詐欺罪に発展
千葉県四街道市に住む自営業のAさんは、資金運用をしようと考えていました。
そんな矢先、会社を経営する知人から「フラット35でマンションを買ってその部屋を自分で使わずに返済する金額以上の金額で誰かに賃貸すれば、利益が得られる」と聞きました。
そこで、Aさんは金融機関に行って、自身が住むように偽って四街道市内のマンションを購入するための資金を借り入れたのです。
その際、金融機関からは「ご自身が住むということで間違いないですよね。」と何度も念押しされましたが、自分が住むために購入すると嘘をつき、その旨が記載された書類にも署名等しました。
こうしてAさんは、四街道市内にマンションを購入することができたのですが、購入後すぐに見つかると思っていた入居者が見つからず、家賃収入を得ることができず、次第に金融機関への返済が滞り始めてしまったのです。
その結果、金融機関が調査に乗り出したらしく、借入時にAさんの嘘がバレてしまいました。
金融機関の代理人弁護士から「刑事告訴する」旨の通知を受けたAさんは、今後どうなっていしまうのか不安でなりません。
※フィクションです。
借金を返済していても刑事事件に発展するのか?
借金の返済をめぐるトラブルについて、仮に借金を返済出来ないからと言ってすぐに刑事事件に発展するわけではありません。
では、どのような場合に問題となるかというと、「相手を偽って金を借りた(ローンを組んだ)場合」が問題となるのです。
ケースで用いたフラット35とは、民間金融機関と独立行政法人である住宅金融支援機構が提携して取り扱っている固定金利住宅ローンで、本人が住むことを条件に金を貸しています。
一方でAさんは投資運用のために住宅を購入する目的で、金融機関に対して嘘をついて申請をしていることから、相手を欺罔して金銭を受け取っていると評価され、詐欺罪が適用される可能性があります。
詐欺罪は、「相手方が事実を知れば財物の交付をしないであろうというべき重要な事項につき虚偽の意思表示をする」ことで、相手方が騙され、相手方から金品を受け取った場合に成立します。
詐欺罪
詐欺罪の条文は以下のとおりです。
刑法246条
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
この他、例えば金融機関に対して収入や職業などを偽って借り入れした場合等も詐欺罪の適用が検討されます。
また、最近ではスマートフォンや銀行口座を、自分で使う目的がないにも拘らず契約・口座開設した場合にも詐欺罪が適用されています。
これらで得たスマートフォンやキャッシュカードは、最終的に特殊詐欺事件などで用いられることがあるため、このような詐欺事件を起こすことは絶対に避けるべきです。
刑事事件と民亊事件の違い
刑事事件は、法律に記載されている禁止事項に違反した場合に警察をはじめとする捜査機関が捜査を行い、検察官が捜査で得た証拠や自身で行った取調べの状況を踏まえ起訴するか否か検討し、起訴した場合には裁判官が刑罰の判断を行うというシステムです。
一方で民事事件は、一般人同士の紛争を解決する問題になります。
つまり、ケースの場合は詐欺という法律に違反するということで刑法が定める詐欺罪に当たることから刑事事件で懲役刑などの刑罰を受けるほか、不正融資に基づいて金を貸していることから「直ぐに全額返還するように」という民事上の請求を行う可能性があります。
なお、(詐欺罪に財産刑の罰条はありませんが)刑事事件で罰金刑・科料といったかたちでお金を支払う刑罰を受けることがありますが、これは国庫に帰属するものであり、例えば被害者の弁済に充てられるなどのことはありません。
刑事事件と民事事件は別の手続きですので、罰金や懲役刑を受けたからと言って民事上の債務が無くなるわけではありません。
刑事事件に強い弁護士
千葉県四街道市において、詐欺罪などの刑事事件にお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部にご相談ください。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部では、事件の内容にかかわらず刑事事件に関するご相談は初回無料で承っております。
まずフリーダイヤル0120-631-881(24時間受付中)までお気軽にお電話ください。