公務員が失職回避

公務員が失職回避

公務員が失職回避を目指すケースについて、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【ケース】

千葉県内の市立中学校に勤務するXさんは、地元の友人であるYさんから、「最近バイクが欲しいんだけどお金が足りなくて困っている」と言われました。その際、Yさんからは、「俺が今乗っているバイクを50万円で買ってくれないか」と言われました。そのバイクは、もともとYさんお気に入りのバイクで、Yさんが購入したときは、200万円したと言っていた代物でした。

Xさんは、「正直50万円は安くはないけどあのバイクだったら悪くないかもな」と思いYさんの申し出を受けることとしました。

ある日、XさんがYさんから買ったバイクを運転していると、千葉県警千葉中央警察署の警察官から職務質問を受け、そのバイクが盗難車であることが判明しました。
そして、Xさんは、千葉県警千葉中央警察署に連れていかれ、盗品等有償譲受罪の疑いで取り調べを受けることになりました。

Xさんは「自分は何も知らなかったし大丈夫だろう」と思いましたが、「公務員なので大ごとになったらどうしよう」と不安も感じていました。

(フィクションです。)

【盗品等有償譲受罪について】

刑法第二百五十六条
盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、三年以下の懲役に処する。
2 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の懲役及び五十万円以下の罰金に処する。

盗品等有償譲受罪は、窃盗罪や詐欺罪といった財産犯により得られた物品を買い受けた場合に成立する可能性のある罪です。
上記引用条文のとおり、盗品等有償譲受罪の法定刑は10年以下の懲役および50万円以下の罰金となっています。
この法定刑は、10年以下の懲役または50万円以下の罰金となっている窃盗罪よりも重いものです。
その理由は、有償での譲受けなどが動機付けとなり、窃盗などを助長する危険性があるからだとされています。

盗品等有償譲受罪が成立するためには、譲り受けた者(Xさん)が盗品等だと理解していたか、もしかしたら盗品かもしれないと思っていたことが必要です。
もし何も知らなかったにもかかわらず盗品等の認識が疑われているなら、その疑いを晴らすための弁護活動も必要となってくるでしょう。

【公務員の失職回避を目指して】

国家公務員法および地方公務員法には、欠格事項が定められており、この規定に該当する者は、そもそも公務員になる資格がないとされてしまいます(国家公務員法38条、地方公務員16条等)。
また、公務員に既になっている者が欠格者となってしまった場合、当然に失職することになってしまいます(国家公務員法76条、地方公務員法28条4項)。

欠格事由の一つとして、「禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者」が挙げられます(国家公務員法38条1号、地方公務員法16条2号)。
そのため、もし盗品等有償譲受罪で懲役刑を課されてしまった場合には、公務員をやめることになってしまいます。

公務員が失職を回避するための手段は、①不起訴ないし無罪を得る、②有罪となったとしても罰金刑を受けるにとどまるのいずれかです。

自分に身に覚えがないというケースの場合には、公務員の失職を回避するためにまず目指すべきは、不起訴による事件の終了ということになってきます。
もちろん、自分に身に覚えがない以上、犯罪が成立するべきではないですし、捜査機関もXさんの話を聞いて被疑者から外す可能性ももちろん存在します。
他方で、「身に覚えがあるかどうか」は、個人の心の中の問題であり、たとえば、今回のケースでYさんが「Xさんに売った時に盗品と話をした」「現に車検証を交付していない」などと供述したときに果たして本当に身に覚えがないというだけで警察官が話を聞いてくれるかという問題がありえます。

いずれにしても、「身に覚えがない」から大丈夫と即断することなく、第三者である弁護士の話を聞いてみるのはいいかもしれない。

職を失うというのは重大なことなので、失職回避を目指すならぜひ弁護士に相談してください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロである弁護士が、失職を回避したいという公務員の方のご相談を真摯にお聞きます。
盗品等有償譲受罪を疑われたら、ぜひ弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所(0120-631-881)にお電話ください。
刑事事件・少年事件専門の法律事務所として、取調べ対応や具体的な弁護活動についてしっかりご説明いたします。
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