公然わいせつ罪で釈放
ドライブが趣味であるAさんは、普段から自動車で日本各地へ行き、そこでの特産品や景色を楽しんでいました。
ある日、Aさんは千葉県茂原市にあるパチンコ屋に車を停め、車内で自慰行為に及びました。
すると、偶然駐車場にいた女性Vさんと目が合ってしまい、警察に通報されてしまいました。
その後、Aさんは公然わいせつ罪の疑いで茂原警察署に逮捕されたことから、逮捕の知らせを受けたAさんの妻が弁護士に初回接見を依頼しました。
Aさんと接見した弁護士は、勾留阻止によりAさんの釈放を目指すことにしました。
(フィクションです。)
【公然わいせつ罪について】
公然わいせつ罪は、「公然と」「わいせつな行為」を行った場合に成立する可能性がある罪です。
法定刑は、①6か月以下の懲役、②30万円以下の罰金、③拘留、④科料のいずれかです。
③は1日以上30日未満の拘置であり、④は1000円以上1万円未満の金銭の納付です。
まず、「公然と」とは、不特定または多数人が認識できる状態で、という意味とされています。
強制わいせつ罪や強制性交等罪と異なり、社会全体に害を与えると考えられていることから、こうした要件が定められています。
不特定または多数人が実際に認識したかどうかではなく、認識することができたかどうかが重要です。
ですので、たとえ上記事例における目撃者がVさんのみであったとしても、そのことから直ちに公然わいせつ罪の成立が否定されるわけではありません。
次に、「わいせつな行為」とは、裁判例では「いたずらに性欲を興奮または刺激させ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、もって善良な性的道義観念に反する行為」とされています。
上記事例のような自慰行為は、基本的に「わいせつな行為」に当たると考えてよいでしょう。
ちなみに、他人に無理やりキスをすると強制わいせつ罪に当たる可能性がありますが、公然わいせつ罪に当たるわけではないと考えられています。
その理由は、公の場におけるキスが、社会から見てわいせつな行為と評価できるほどのものではないためと説明されます。
【留置場所という観点から見た釈放の重要性】
逮捕が行われると2~3日、勾留が行われると更に10日から20日もの間身体が拘束されることになります。
この間、被疑者は当然に身動きが取れなくなりますし、その周囲の者は勾留決定まで(接見禁止決定が出ればそれ以降も)被疑者と接触できなくなります。
以上の点から、言うまでもなく釈放はいち早く実現すべきだと言えます。
特に、公然わいせつ罪のようにさほど重くない罪であれば猶更です。
勾留決定後に可能となる面会は、平日のみで1日あたり数十分などの制限はあります(警察署によります)が、その制限に抵触しなければ自由に行えます。
ですが、たとえ接見禁止とならずに面会が自由だったとしても、事実上頻繁な面会が困難になる場合があります。
それは、被疑者が住所地やその近辺から離れた場所で逮捕された場合です。
日本各地に存在する警察署は、それぞれ市や区などの単位で管轄が存在します。
各警察署は管轄下における事件の捜査および留置を行うのが原則であるため、住所地に関係なく罪を犯した場所で拘束されてしまうのです。
こうした観点からも、やはり釈放というのは重要になってきます。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、数々の刑事事件と接してきた弁護士が、逮捕された方の釈放を目指してあらゆる策を講じます。
ご家族などが公然わいせつ罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回法律相談:無料
茂原警察署までの初回接見費用:39,700円