【解決事例】交通事故を起こすも立去り~千葉地内のあて逃げ事案~

今回は、交通事故を起こし、その場から立ち去ってしまった場合どうなってしまうのか、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

【事例】

Aさん(20代男性)は、千葉県千葉市美浜区内の大型商業施設の駐車場に車で訪れていました。
買い物を終え、家に帰ろうと車を発進させた際、別の駐車中の車(乗員不在)に誤って衝突してしまいましたが、事故の発覚を恐れてその場を逃走してしまいました。
数日後、駐車場に設置されている防犯カメラのデータで、Aさんを突き止めた千葉西警察署の警察官から、Aさんのもとに連絡がきました。
Aさんは、連絡から数日後に任意出頭による取調べを受けることとなるました。
今後どうなってしまうのか、不安で夜も眠れなくなったAさんは、法律事務所に相談に行くことにしました。

守秘義務の関係から一部、事実と異なる部分がございます

【解説】

1 そもそも「あて逃げ」とは?

あて逃げ」とは、交通事故において物損事故を起こしたにもかかわらず、警察へ届出を行わずに、その場から逃げてしまうことを意味します。

今回の事例のAさんは、駐車場の他人の車に、自身の車をぶつける物損事故を起こしているにもかかわらず、逃走しているため、Aさんの行為は「あて逃げ」に該当します。

2 「あて逃げ」と「ひき逃げ」の違い

あて逃げ」とよく似た言葉で「ひき逃げ」と言う言葉があります。
あて逃げ」と「ひき逃げ」の違いのポイントは物損事故人身事故、つまり、死傷者がいるか否かによります。

例えば「あて逃げ」は、誰も乗っていない駐車場の車や、電柱、ガードレール、お店の看板などの工作物に車をぶつけてそのまま逃走してしまった場合です。
ひき逃げ」は、歩行者や自転車に乗っている人に車をぶつけて怪我をさせたが、そのまま逃走してしまった場合にはもちろん、ぶつけた停車中の車の中に人が乗っており中の人が怪我をした場合にもひき逃げになります。

3 あて逃げの罪の法的根拠

交通事故を起こした場合の対応など、交通ルールは道路交通法という法律に規定されています。
しかし、道路交通法には「あて逃げ罪」などという罪や規定は存在しません。

ただし、道路交通法72条には「交通事故の場合の措置」が定められており、1項において以下のように規定されています。

道路交通法72条第1項(交通事故の場合の措置)


交通事故があったときは、当該交通事故に係る車両等の運転者その他の乗務員(省略)は、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者を救護し、道路における危険を防止する等必要な措置を講じなければならない。この場合において、当該車両等の運転者(省略)は、警察官が現場にいるときは当該警察官に、警察官が現場にいないときは直ちに最寄りの警察署(省略)の警察官に当該交通事故が発生した日時及び場所、当該交通事故における死傷者の数及び負傷者の負傷の程度並びに損壊した物及びその損壊の程度、当該交通事故に係る車両等の積載物並びに当該交通事故について講じた措置を報告しなければならない

上記条文により、交通事故の当事者には以下のような2つの義務が課されています。

・危険防止措置義務
・報告義務
※危険防止措置義務については、駐車場で、停車中の車に接触した場合など、義務が発生しないケースもあります。

上記のような交通義務に違反した者が一般的に「あて逃げ」と呼ばれています。

3 「あて逃げ」の法定刑

上記のような交通義務に違反した場合の罰則は、以下のようになっています。

報告義務違反(道路交通法第119条1項17号)

3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金

危険防止措置義務違反(道路交通法117条の5第1号)

1年以下の懲役又は10万円以下の罰金

【交通事故を起こしてしまったら】

ぶつかったにも関わらず「破損がないから大丈夫」や「ガードレールに傷がいっぱいあるからバレない」といった考えには注意が必要です。
目撃者がいた場合、警察に通報されている可能性もありますし、車を修理しようとした際に事故証明書の提出が必要となる場合があります。

また、車両同士がぶつかった際や、歩行者と接触してしまった際に、お互いにその場で話し合い、連絡先を交換を行い、警察への届出はせずに現場から立ち去ってしまった場合も、後からトラブルとなることが予想されるため注意が必要です。

もし、交通事故を起こしてしまった場合、安全な場所に車を停め、慌てることなく110番通報をすることと、負傷者がいた場合、応急救護をすることを普段から意識付けることが大切です。

【事務所紹介】

「あて逃げ」をして逮捕されないか不安、という場合にはすぐに弁護士に相談をするべきです。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部は、刑事事件を専門に扱う法律事務所です。「あて逃げ」の事件の経験も豊富な弁護士が所属しています。
千葉県周辺に在住の方で、「あて逃げ」を起こしてしまったがどうすればいいか分からないという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご連絡ください。
弊所では、ご来所いただいての無料相談の他、逮捕されてしまった方や、勾留されてしまった方へ弁護士接見を行う初回接見サービス(有料)もございます。

交通事件に限らず、事件や事故を起こしてしまってお困りの方は、是非一度、24時間365日受付中のフリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡下さい。

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