不正に入手したキャッシュカードで現金を引き出した高校生を逮捕〜千葉県船橋市で起きた窃盗事件〜

特殊詐欺 出し子 窃盗罪

今回は、不正に入手した他人名義のキャッシュカードを千葉県船橋市内のATMで使用して現金を引き出したとして高校生が逮捕された窃盗事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

千葉南署は15日、窃盗(払い出し盗)の疑いで千葉市在住の男子高校生A(18)を逮捕しました。
Aは、電話de詐欺の出し子とみられています。

逮捕容疑は仲間と共謀し、船橋市内のコンビニATMで、不正に入手した他人名義のキャッシュカードを使用し、2回にわたり現金約40万円を引き出して盗んだ疑いです。

同署によるとAは容疑を認めています。(〜以下略〜)
(※11/16に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「出し子か、18歳高校生を逮捕 不正入手カードで現金引き出し疑い 千葉南署 電話de詐欺」記事の一部を変更して引用しています。)

<特殊詐欺なのに窃盗罪?>

Aは電話de詐欺(特殊詐欺)の出し子として、不正に入手した他人名義のキャッシュカードを使用してATMから現金を引き出しています。

「特殊詐欺だからAには詐欺罪が成立するのでは?」と思う方もいるのではないでしょうか。
ただ、結論から言うと、今回のAの行為は詐欺罪ではなく窃盗罪が成立する可能性が高いです。

まずは、詐欺罪が成立する要件についてみていきましょう。
詐欺罪は、刑法第246条第1項で以下のように規定されています。

刑法第246条(詐欺)

人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。

条文で規定されているように、詐欺罪が成立するためには」を欺いて財物を交付させる必要があります。

Aが行った行為だけで考えると、Aは他人のキャッシュカードを使用してATMから現金を引き出しています。
つまり、Aは人を欺いて財物を交付させているわけではないため、詐欺罪が成立しないということです。

次に、窃盗罪が成立する要件についてみていきましょう。
窃盗罪は、刑法第235条で以下のように規定されています。

刑法第235条(窃盗)

他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。

「他人の財物」とは、自己の占有下になく他人の占有下にある財物を指し、占有者の意思に反して財物の占有を自己に移転させた場合に成立します。

今回の事例のような他人のキャッシュカードを使用してATMから現金を引き出す行為で考えると、ATM内の現金を占有しているのは銀行です。
つまり、銀行(他人)の占有下にある現金(財物)を、銀行(占有者)の意思に反してA(自己)に占有を移転させているため、Aには詐欺罪ではなく窃盗罪が成立する可能性が高いと考えられます。

<窃盗罪で逮捕されたら弁護士へ>

窃盗罪は逮捕される可能性が十分にあり、逮捕後に勾留されて長期的に身柄を拘束されるおそれもあります。
今回の事例のような特殊詐欺の出し子であった場合、逮捕・勾留される可能性はより高まります。

また、窃盗罪で起訴されると10年以下の懲役または50万円以下の罰金で処罰される可能性が高いです。

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弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、窃盗罪はもちろん、様々な刑事事件で弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
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