窃盗罪で逮捕

千葉県市川市に住むAさんは、近所に住む面識のないVさんに好意を抱いていました。
ある日、AさんはVさんが自宅の鍵をポストに入れて外出しようとするところに出くわしました。
そこで、ポストから鍵をとってVさん宅に侵入し、タンスにあった下着を懐に入れてVさん宅を出ました。
そうしたところ、Aさんの交際相手である男性に見つかり、住居侵入罪および窃盗罪の疑いで現行犯逮捕されました。
Aさんの母親は、行徳警察署から逮捕の連絡を受け、弁護士に不起訴にできないか聞いてみました。
(フィクションです)

【窃盗罪について】

窃盗罪は、ご存知のように他人の物を盗んだ場合に成立する可能性のある罪です。
窃盗罪の成立要件は、他人の財物を「窃取」すること、および「不法領得の意思」があったことです。
今回は、上記事例において問題となりうる「窃取」と「不法領得の意思」の有無について検討します。

まず、「窃取」とは、他人の意思に反して物の支配を移転することを指します。
この支配の移転が完遂できれば窃盗罪は既遂となる一方、移転に着手したものの完遂できなければ未遂にとどまります。
問題はどの時点で完遂したと言えるかですが、それは対象物の特性や周囲の状況などにより異なります。
上記事例のように下着を盗んだ場合であれば、懐に入れた時点で自己が支配するに至ったとして、窃盗罪は既遂になる可能性が高いでしょう。

次に、「不法領得の意思」とは、権利者(他人)を排除し、対象物をその経済的・本来的用法に従い利用・処分する意思を指します。
こうした要件が要求される趣旨は、物を一時的に借りるだけの行為や、隠したり壊したりして物の利用を妨げる行為との区別をすることにあります。
窃盗罪に当たる行為はこれらの行為より悪質であることから、行為者の内面により線引きを図るというわけです。
上記事例のように下着を盗むケースでは、通常その下着を転売するなどして利益を得ようとするわけではありません。
ですが、性的欲求の満足など何らかの効用を享受する以上、不法領得の意思は認められると考えられます。

以上より、Aさんの行為は窃盗罪に当たり、10年以下の懲役または50万円以下の罰金が科されるおそれがあります。

【不起訴の獲得は可能か】

ご存知の方も多いかと思いますが、刑事事件というのは、その全てが裁判にかけられて刑罰を科されるわけではありません。
ある事件について裁判を行うかどうかは検察官が握っており、検察官の判断次第では不起訴となってそのまま事件が終了することもあります。
この点は逮捕されようがされまいが変わらないので、逮捕されたからといって必ず起訴されるかというとそういうわけではありません。

不起訴の理由には様々なものがありますが、そのうちの一つとして起訴猶予というものがあります。
起訴猶予とは、被疑者の境遇、犯罪の内容、犯罪後の事情などの多種多様な事情を考慮し、有罪立証の見込みがある場合でも敢えて起訴を見送ることです。
犯罪の疑いが晴れるわけではありませんが、不起訴であることには変わりないことから、前科が付くのを回避できます。

窃盗事件には様々な態様のものがありますが、たとえば少額の万引きとは異なり、住居侵入・窃盗事件というのは決して軽いものではありません。
ただ、被害者との示談が締結するなど、事情次第では不起訴となることもありえます。
ですので、もし不起訴を目指したいということであれば、一度弁護士にご相談されることをおすすめします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、事案に応じた的確な弁護活動によって不起訴を目指します。
ご家族などが窃盗罪の疑いで逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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