警察官の職務質問を拒否 公務執行妨害罪で逮捕

警察官の職務質問と、公務執行妨害罪について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

職務質問をしてきた警察官に対する暴行~公務執行妨害罪~

千葉県船橋市に住むAさんは、市内の食品製造会社で深夜のアルバイトをしています。
ある日、Aさんは、夜勤を終えて帰宅しようと車を運転していたところ、すれ違った千葉県船橋東警察署のパトカーに停止を求められました。
何か交通違反をしたのかと思ったAさんは、警察官の指示に従って素直に車を停止させましたが、警察官から「職務質問です。危ない物を積んでいないか車内を確認させてください。」と言われました。
Aさんは、夜勤で疲れて早く帰宅したかったにも関わらず、その様な理由で停止させられたことに対して無性に腹が立ち、この警察官を地面に押し倒してしまったのです。
その場ですぐに、公務執行妨害罪現行犯逮捕されたAさんですが、逮捕されたことに納得ができません。
(フィクションです)

職務質問

職務質問に関して疑問をもっている方も多いかと思います。
実際に、刑事事件を専門にしている弁護士のもとに「警察官の職務質問って協力しないといけないんですか?」「職務質問されたのを無視して応じなかったらどうなるのですか?」等の、職務質問に関するお問い合わせがよくあります。
そこでまずは、職務質問について解説します。

そもそも職務質問は何の強制力もない、任意ですので、警察官から職務質問されても、ご自身の判断で断ったり、無視して応じなくても、その行為が犯罪に問われることはありません。
警察官は、警察官職務執行法という法律に基づいて職務質問しているのですが、この法律の条文は「警察官は、異常な挙動その他周囲の事情から合理的に判断して何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そうとしていると疑うに足りる相当な理由のある者又は既に行われた犯罪について、若しくは犯罪が行われようとしていることについて知つていると認められる者を停止させて質問することができる。」とされています。
この法律によると、警察官が職務質問できる相手は

・犯罪を犯した者
・犯罪を犯そうとしている者
・犯罪について何か知っていると思われる者

となります。
しかし現実に行われている職務質問を見てみると、警察官が、手当たり次第に職務質問を行っているように感じる事もあります。
特に、ご自身が職務質問を受けた時などは、何も不審な事がなければそのように感じてしまって、警察官の職務質問に対して非協力的になってしまうのではないでしょうか。
ただ職務質問を断るにしても、きちんと拒否することが大切で、曖昧な対応をしていると、警察官は承諾を得れたものと判断して、次々に質問を繰り返してきますし、場合によっては所持品検査をされてカバンの中やポケットの中まで捜索されることもあるので注意が必要です。

公務執行妨害罪

上記したように職務質問は警察官の正当な業務として法律で認められているので、職務質問を断りたいが故に、警察官に暴行することは公務執行妨害罪に当たる可能性が大です。

刑法第95条1(公務執行妨害罪)
公務員が職務を執行するに当たり、これに対して暴行又は脅迫を加えた者は、3年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金に処する

~公務員とは~

ある程度、精神的、知能的な公務に従事する者で、用務員等で雑役に従事する者は公務員法上の公務員であっても公務執行妨害罪の「公務員」には当たらない場合もあります。
なお、違法駐車車両の取締りに従事している駐車監視員は「みなす公務員」としての身分があり、公務執行妨害罪の「公務員」となります。
当然、警察官も公務執行妨害罪の「公務員」です。

~職務とは~

公務執行妨害罪は、公務員の業務、つまり「公務」を保護法益としています。
この公務は適法なものではなければなりません。
警察官の職務質問や、職務質問にともなう車内検索も、警察官による公務に当たりますが、仮に、職務質問が違法なものであった場合は、それを阻止するために警察官に暴行したとしても公務執行妨害罪が成立しない場合があります。
Aさんの刑事弁護を担当する弁護士であれば、まず警察官の職務質問や車内検索が適法なものであったかを検討することになるでしょう。

~暴行とは~

暴行罪(刑法第208条)でいう暴行よりも広い意味に理解されており、必ずしも直接的な有形力の行使には限られず、間接的なものであっても、公務執行妨害罪の「暴行」に当たる可能性があります。

~脅迫とは~

公務執行妨害罪の「脅迫」は、最広義のものであって、恐怖心を起こさせる目的で他人に害悪を加える旨を通知することの全てをいい、その害悪の内容、性質、通知の方法のいかんを問いませんし、相手が現実に畏怖する必要もありません。

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