市原市の刑事弁護士

千葉県市原市に住むAさんは、自宅近くにあるX銀行のATMにて、自己名義のキャッシュカードを使用してお金を下ろそうとしました。
そうしたところ、いつの間にか口座の残高が100万円増えていることに気づきました。
身に覚えがなかったAさんは、それが誤振込みであることに思い至りましたが、「間違えたやつが悪い」と思ってそのお金を銀行の窓口で下ろしました。
後日、市原警察署の警察官から「先日X銀行でお金を下ろさなかったか。その件で話がある」と連絡があり、焦って弁護士に相談しました。
相談を受けた弁護士は、Aさんの行為が詐欺罪になりうることを指摘し、不起訴の獲得を目指すことにしました。
(フィクションです)

【誤振込みと犯罪】

銀行等で振替送金を行う場合、送金先の指定を誤ったがゆえに意図していた口座とは別の口座に送金されてしまったというケースが時々見られます。
今回は、こうした誤振込みにより得られた金銭を自分のものにしようとするとどのような犯罪に当たるか見ていきます。

①窓口でお金を下ろした場合
この場合、詐欺罪が成立する可能性があります。
詐欺罪の成立要件は、①他人を欺いて②誤信や勘違いを引き起こし、③その他人から財産の交付を受ける、というものです。
誤振込みの事実に気づいた場合、そのことを銀行等に告げて送金の依頼主に確認するなどの措置をとる必要があります。
そのため、誤振込みに関する事実は銀行等にとって重大なものであり、そのことを黙ったまま金銭の引出しを求めるのは上記①に当たると評価されます。
更に、口座というのは名義人だけでなく銀行等も管理するものであり、正当な払戻権限がなければ銀行等の支配に属すると考えられています。
そうすると、誤振込みの事実を秘して金銭を引き出す行為は、金銭を銀行等から自己の支配下へ移転させるものと言えます。
以上より、詐欺罪が成立すると考えられるのです。

②ATMでお金を下ろした場合
この場合については、上記と異なり詐欺罪は成立しないと考えられます。
同じお金を引き出すという行為なのに詐欺罪の成否が分かれるのは、詐欺罪において欺く対象がもっぱら「人」であるからです。
ATMは人を介することなく機械のみでお金のやり取りをすることから、詐欺罪の成立要件には当たりません。
もっとも、誤振込みである以上、銀行等が口座の金銭を支配していることには変わりありません。
そのことから、それを勝手に自己の支配下に移転させたとして、窃盗罪が成立する可能性があります。

③他の口座に振替送金した場合
①②と異なり、この場合は飽くまでも口座同士でお金のやり取りが行われたに過ぎません。
そうすると、第一に②と同様の理由で詐欺罪は成立しないと考えられます。
加えて、窃盗罪というのは、言ってしまえば「形あるもの」を窃取する罪です。
そのため、金銭という物のやり取りがなされていないことから、窃盗罪も成立しないと考えられます。
そこで、電子計算機使用詐欺罪が成立する余地が出てきます。
電子計算機使用詐欺罪は、上記のとおり詐欺罪の成立が「人」を欺いた場合に限定されていることに鑑みて補充的に規定された罪です。
「電子計算機」とはコンピュータを指し、なおかつ詐取の対象も財産上の利益となっていることから、処罰の隙間を埋める役割を果たしています。

以上の罪の法定刑は以下のとおりです。
・窃盗罪…10年以下の懲役または50万円以下の罰金
・詐欺罪…10年以下の懲役
・電子計算機使用詐欺罪…同上
次回は、今回の事案に即して不起訴の概要や可能性などについて見ていきます。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件のプロを名乗る弁護士が、誤振込みなど日常起こりうる問題に関するご相談も真摯にお受けします。
誤振込みに関して詐欺罪や窃盗罪などを疑われたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

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