痴漢事件で私選弁護

痴漢事件で私選弁護

Aさんは、深夜に千葉県習志野市内の人気のない道を歩いていたところ、目の前に20代から30代と思しき雰囲気の女性Vさんの姿が目に入りました。
そこで、Aさんは痴漢をしようと思い立ち、背後からAさんのお尻を撫でてすぐ逃げることにしました。
Aさんは足早にVさんに近づき、計画どおりにVさんのお尻を触ってその場を立ち去ろうとしましたが、つまずいて転んでしまいVさんに腕を掴まれました。
観念したAさんは、Vさんに連れられて習志野警察署へ行き、痴漢の疑いで逮捕されました。
Aさんと接見した弁護士は、私選弁護のメリットを尋ねられました。
(フィクションです。)

【痴漢は何罪に当たるか】

一般的に、痴漢とは他人に対して行ういかがわしい行為全般、あるいはそのような行為を行う者を指す言葉です。
痴漢を行った場合に成立しうる罪としては、①いわゆる迷惑防止条例違反と②強制わいせつ罪が主なものとして挙げられます。

①千葉県公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等に関する条例(迷惑防止条例)違反

「何人も、女子に対し、公共の場所又は公共の乗物において、女子を著しくしゆう恥させ、又は女子に不安を覚えさせるような卑わいな言動をしてはならない。男子に対するこれらの行為も、同様とする。」

一般的に「痴漢」と呼ばれる行為は、上記「卑わいな言動」に当たると考えられています。
そのため、公の場において痴漢に及んだ場合、迷惑防止条例違反として罰則が科されるおそれがあります。
罰則は、通常の場合6か月以下の懲役または50万円以下の罰金、常習の場合1年以下の懲役または100万円以下の罰金です。

②強制わいせつ罪
痴漢の内容が悪質なものだった場合、迷惑防止条例違反ではなく強制わいせつ罪に当たる余地があります。
強制わいせつ罪は、暴行または脅迫を手段としてわいせつな行為(胸を揉む、膣に指を入れる、無理やりキスをする、など)を行った場合に成立しうる罪です。
「暴行」は殴る蹴るといった一般的な暴行より広い概念であるため、場合によっては痴漢行為自体が暴行を含むとされる余地もあります。
また、13歳未満の者が対象であれば、わいせつな行為のみで強制わいせつ罪に当たります。
強制わいせつ罪の法定刑6か月以上10年以下の懲役であるため、迷惑防止条例違反とは一線を画すと言えるでしょう。

【国選弁護のメリット】

刑事事件における弁護士は「弁護人」となりますが、これには私選弁護と国選弁護の2種類が存在します。
私選弁護とは、被疑者・被告人またはその家族などが、各弁護士と直接委任契約を結ぶ形式です。
これに対し、国選弁護とは、一定の条件下において国が弁護士を付する形式です。

私選弁護と異なり、国選弁護は弁護士費用の負担が掛からないか、掛かったとしても基本的には私選弁護よりも安いです。
ですが、国選弁護には種々の制約があり、私選弁護と異なり弁護士としての力を発揮できない場合があります。
まず、国選弁護の恩恵を受けられるのは、①長期の身体拘束である勾留がなされている間か、②起訴されて裁判を行うことが決定した後です。
ですので、勾留前から迅速に活動したり、裁判を行うことが決定する前に不起訴にしてもらったりするのが叶わなくなります。
また、国選弁護は名簿に登録された者の中から裁判所が選択することになるため、私選弁護のように気に入った弁護士を指名することはできません。
国選弁護を行っている弁護士全員が刑事事件に慣れているわけではなく、実際のところ国選弁護に対する不満を持たれる方も少なからずいらっしゃいます。

以上のように、私選弁護と国選弁護とでは、弁護活動の幅に大きな違いがあると言えます。
費用面での懸念はあるかと思いますが、迷う程度であればぜひ私選弁護の依頼をご検討ください。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件の経験豊富な弁護士が、私選弁護の名に恥じない熱心な弁護活動を行います。
痴漢事件を起こしてしまったら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。

初回法律相談:無料

keyboard_arrow_up

0120631881 問い合わせバナー LINE予約はこちら