父親を殺害 刑事責任能力を争う弁護士

父親を殺害した殺人事件を例に、刑事責任能力について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

父親を殺害して逮捕

Aさんは、千葉県佐倉市の自宅で、就寝中の父親の身体を文化包丁で何度も刺し殺害しました。
犯行後、自ら近所の交番に出頭し殺人罪で逮捕されたAさんは、逮捕後勾留されましたが、精神鑑定の結果、刑事責任能力を問えないと判断され、不起訴処分となりました。
(フィクションです)

殺人罪

故意的に人を殺せば殺人罪となります。
殺人罪は人の命を奪うという結果の重大性から厳しい刑事罰が科せられる可能性が高く、法定刑は「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」となっています。
不可能ではありませんが、殺人罪で起訴されて有罪が確定した場合、よほどの理由がなければ執行猶予を得るのは非常に難しいでしょう。
ただ人を殺したからといって必ず「殺人罪」によって裁かれるわけではありません。
刑法上、犯罪とは「構成要件に該当し、違法であり、かつ有責な行為」であるとされます。
Aさんが、父親を刺殺したことをもって、ただちに「犯罪」が成立するのではなく、Aさんの行為が、犯罪であると定めた規定に当てはまり、当該行為は違法であり、かつAさんの行為は刑事上の責任があると認められる場合にはじめて犯罪が成立することになるのです。

犯罪が成立するための要件

構成要件の該当性

ある行為が、犯罪であると言えるためには、まずは、当該行為が「犯罪」であると定めた規定に当てはまらなければなりません。
法律で、どのような行為が犯罪に当たるのかが定められているわけですが、この犯罪類型のことを「構成要件」と呼びます。
構成要件の要素には、行為・結果・因果関係のほかに、主体・客体・行為の状況などがあります。
殺人罪の場合、構成要件は「人を殺す」ことです。
客体は「人」であり、行為は「殺す」ことです。
また、殺人罪の成立には、殺意があったことが必要となります。
殺意の認定には、凶器種類、行為態様、創傷の部位・程度、動機の有無、犯行前・犯行時の言動、犯行後の行動等を考慮して判断されます。
Aさんの場合、数回包丁で被害者を突き刺していることから、殺意があったと判断される可能性は高く、殺人罪の構成要件に該当すると言えるでしょう。

違法性

2つめの要件は、構成要件に該当する行為が違法であることです。
通常、構成要件に該当する行為は違法性を帯びていると言えるため、構成要件に該当する行為について、例外的にその違法性が阻却される場合に当たるかが問題となります。
違法性が阻却される理由を「違法性阻却事由」といい、法令行為・正当業務行為、被害者の同意、正当防衛・緊急避難が含まれます。

有責性

犯罪の成立要件の3つめは、構成要件に該当する違法な行為につき、行為者が責任を有することです。
「責任」とは、犯罪行為についてその行為者を非難しうること、つまり、行為者に対する非難可能性のことをいいます。
責任があるか否かについての判断は、「責任能力」、「故意・過失」、「適法行為の期待可能性」といった要素で判断されます。
ここでは、「責任能力」について説明します。
「責任能力」とは、物事の是非善悪を弁別し、それに従って行動する能力のことをいいます。
刑法では、39条で心神喪失・心神耗弱、41条で刑事未成年について規定しています。
精神の障害により、行為の是非を弁別し又はその弁別に従って行動する能力がない場合を「心神喪失」といい、精神の障害により、行為の是非を弁別し又はその弁別に従って行動する能力が著しく低い場合を「心身耗弱」といいます。
前者の場合は処罰されず、後者の場合は刑が減軽されます。
「精神の障害」の意義については、総合失調症や躁うつ病などの精神病のほか、酩酊・情動のような一時的な意識障害も、その程度が高い場合には含まれ、知的障害も含まれます。
責任能力の判断においては、精神医学の専門家による精神鑑定が行われることが多いのですが、法廷で最終的に責任能力の有無を判断するのは、裁判官です。
捜査段階において、検察官は、精神鑑定の結果、被疑者が精神上の障害により是非善悪を判断する能力が認められないとする場合には、起訴しない旨の決定をします。
この場合は、起訴されずに事件が処理されたため、刑事裁判は開かれません。

また、14歳に満たない者は、刑事責任を問われません。

以上のように、犯罪の成立を争うには、犯罪成立に必要な要件すべてを満たしていないことを客観的な証拠に基づいて主張しなければなりません。
そのような弁護活動は、刑事事件に精通する弁護士にお任せください。

刑事責任能力を争う弁護士

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