千葉県市川市の脅迫事件を例に、脅迫罪が成立する行為について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。
千葉県市川市の脅迫事件
大学生Aさん(20代・男性)は、元交際相手で千葉県市川市に住む10代の女性に対し、SNSを通じて「お前のこと、まじ潰すからな」などと危害を加える内容のメッセージを送信しました。
女性がメッセージを受け取った後すぐ、千葉県市川警察署に相談し、事件が発覚しました。
その日の夜、Aさんの自宅に千葉県市川警察署の警察官が訪れ、Aさんは脅迫罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです。)
脅迫罪とは
脅迫罪は、刑法第222条第1項において
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
と規定されています。
脅迫罪における脅迫とは、相手を畏怖させるに足りる程度の害悪の告知を言います。
そして、畏怖させるとは、相手を怯えさせたり、不安にさせたりすることです。
相手を畏怖させる内容を、相手に直接伝えたり、手紙やメールで伝えることを、害悪の告知と言います。
上記した千葉県市川市の脅迫事件の例のなかで、AさんがVさんに対し、
「お前のこと、まじ潰すからな」と伝えました。
このように、一般に人を畏怖させるようなことを告げる行為は脅迫罪にあたります。
相手の“親族”に害悪の告知をした場合も脅迫罪に
害悪の告知が、被害者本人に向けられたものではなく、被害者の親族に対するものであったとしても、脅迫罪は成立します。
ここでいう親族とは、民法第725条で定められている親族を指します。
よって、被害者の親や兄弟だけでなく、いとこや、配偶者の両親なども含まれます。
なぜ、被害者の親族に対する害悪の告知をした場合でも、脅迫罪が成立するのでしょうか。
それは、刑法第222条第2項において
親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
と規定されているからです。
よって、例えば「お前の子供がひどい目にあうぞ」や、「お前の奥さんのお父さんがひどい目にあうぞ」などと相手を脅迫した場合も、脅迫罪にあたります。
親族への脅迫をした場合の法定刑は、刑法第222条第1項と同様に2年以下の懲役又は30万円以下の罰金とされています。
相手が怖がっていなくても、脅迫罪は成立する
害悪の内容は、一般に人を畏怖させるに足りる程度の内容であれば、被害者が畏怖していない場合でも、脅迫罪は成立します。
例えば、上記した市川市の脅迫事件の例において、Aさんの脅迫に対し、Vさんが畏怖していなくても、脅迫罪は成立します。
ですから、Vさんが内心「どうせ嘘だろう。」と思っていたとしても、Vさんが畏怖しているかどうかは関係なく、Aさんの行為は脅迫罪にあたります。
脅迫罪で逮捕されたら
もし、ご家族が脅迫罪で逮捕されてしまった場合、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の初回接見サービスをご利用下さい。
また、ご自身が脅迫事件を起こしてしまい、警察から任意の取調べを受けている場合は、弊所の無料法律相談をご利用下さい。
弁護士より、今後の事件の見通しや、取調べ対応について、ご説明させていただきます。
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