面識のない男に暴行し怪我をさせて逃走した男性をを逮捕~千葉県で逮捕された傷害事件~
今回は、札幌市から逃走していた男が千葉県内で逮捕された傷害事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
<事案概要>
札幌市中央区の駐車場で、 2023年9月、18歳の男性Vの顔を殴るなどの暴行を加えてけがをさせたとして、21歳の男を逮捕しました。
傷害の疑いで逮捕されたのは、自称とび職の男性A(21)です。
(中略)
取り調べに対し、男は「おれがやったことに間違いありません」と容疑を認めているということです。
男と被害男性に面識はないものの、共通の知人がいるということで、警察は、詳しい経緯を調べています。
(※7/2に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「面識のない18歳男性を殴る蹴るして頭などにけがさせる 約10か月間逃走…千葉県で21歳男を逮捕「おれがやったことに間違いありません」」記事の一部を変更して引用しています。)
<傷害罪が成立する場合とは?>
傷害罪はどのような場合に成立するのでしょうか。
まずは条文を確認してみましょう。
傷害罪は刑法204条に以下のように規定されています。
人の身体を傷害した者は、15年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
傷害罪における「傷害」とは、人の生理的機能を害することを意味します。
本件のような、Vの頭などに怪我をさせる行為は人の生理的機能を害したとされるため、「傷害」にあたります。
もっとも、犯罪の成立にはその犯罪事実を認識し、その結果を認容するという心理状態である故意が必要とされています。
そのため、「傷害罪の成立には傷害の結果発生についてまで認識認容が必要なのでは?」と思う方もいるかもしれません。
もし、傷害の結果発生についてまで故意が必要とすれば、傷害の故意がない限り傷害罪は成立しないことになります。
しかし、判例は傷害罪の成立において、傷害の結果発生までの故意は必要ではなく、暴行の故意があれば足りるとしています。
これは、傷害罪は暴行罪の結果的加重犯とされているためです。
結果的加重犯とは基本犯(例えば暴行罪)が成立すれば、そこから生じた加重結果(例えば傷害罪)についても責任を問うというものです。
結果的加重犯は基本犯自体に加重結果が生じる危険性が高いとされるのが根拠の一つです。
そのため、暴行罪の故意さえあれば傷害罪は成立します。
さらにいうと傷害致死罪と傷害罪の関係も結果的加重犯となるため(この意味で二重の結果的加重犯ともいう)、暴行罪から致死の結果が生じれば傷害致死罪が成立する可能性もあります。
<事務所紹介>
今回のように、暴行の故意しかない場合でも傷害の結果が生じれば傷害罪となり、致死の結果が生じれば傷害致死罪となり得ます。
そうなると当然に法定刑も重くなり、暴行罪では最大2年とされていた懲役は傷害罪では最大15年となります。
暴行事件を起こしてしまったという方や、ご家族が暴行事件を起こして逮捕されてしまったという方は、早急に弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に刑事弁護活動を依頼すれば、弁護士が代理人として、早期釈放や不起訴処分の実現を目指すための弁護活動や、万が一起訴された場合にもなるべく軽い減刑判決を獲得できるような弁護活動に尽力します。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、暴行罪・傷害罪はもちろん、様々な刑事事件で弁護活動を担当した実績を多く持つ、刑事事件に特化した専門の法律事務所です。
ご相談・ご依頼に関するお問い合わせは、弊所フリーダイヤル(0120-631-881)にて24時間365日受付中です。
千葉県内で刑事事件を起こしてしまった方や、ご家族が刑事事件で逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。