暴行事件で勾留阻止
~事件~
Aさんは、千葉県袖ケ浦市の会社に勤める会社員です。
ある日、Aさんが仕事を終えて帰宅しようと電車に乗っていたところ、途中の駅で派手な見た目をしたVさんが乗車してきました。
Aさんは一瞥したのみで特に気に留めませんでしたが、電車が揺れた際にバランスを崩し、Vさんにぶつかってしまいました。
すると、VさんはAさんを睨み、「いてえな。なんだよおっさん」と吐き捨てました。
この発言に腹を立てたAさんは、最寄り駅でVさんを降車させ、Vさんの胸倉を掴んで柱に押しつけました。
この行為を駅員に目撃され、Aさんは暴行罪の疑いで木更津警察署に逮捕されました。
逮捕の知らせを受けたAさんの妻は、弁護士に勾留阻止を依頼しました。
(フィクションです。)
【暴行事件における犯罪の成立】
暴行事件では、暴行を加えた者の内面や生じた結果によって、成立しうる罪が異なってきます。
まず、他人に対して暴行を加えたものの傷害には至らなかった場合、暴行罪が成立します。
ここで言う「暴行」は不法な有形力・物理力の行使と定義されており、一般的な暴行である殴る蹴るといった行為よりも広い範囲のものが含まれる可能性があります。
ですので、上記事例のように胸倉を掴んで柱に押しつける行為を行った場合も、暴行罪に当たるとされることはありえます。
また、暴行を加えて傷害に至った場合、後述の罪が成立する場合を除いて傷害罪が成立します。
「傷害」には、出血、打撲、骨折といった外傷のほか、失神、腹痛、PTSDといった、生理的機能の侵害が広く含まれます。
更に、暴行に人の生命を侵害する危険性があり、なおかつ暴行を加えた者がそのことを認識していた(殺意があった)場合、殺人未遂罪となる余地が出てきます。
殺人未遂罪のケースでは被害者が傷害を負っていることが多いですが、上記危険性および殺意さえあれば、傷害の事実がなくとも殺人未遂罪に当たることがあります。
そして、暴行により被害者が死亡した場合、殺意の有無により殺人罪または傷害致死罪が成立します。
場合によっては、捜査の開始後に被害者が死亡し、途中で罪名が変わることになるでしょう。
【勾留阻止を実現するには】
被疑者として逮捕されると、その後検察官および裁判官の判断を経て勾留が行われることがあります。
逮捕の時間制限は72時間なのに対し、勾留の時間制限は最長20日と長期にわたります。
そのうえ、勾留中に起訴された場合、被告人用の勾留に切り替わって身体拘束が最低2か月(その後1か月毎に更新)伸びるという事態に陥ります。
そのため、身体拘束の長期化による不利益を防ぐには、勾留阻止による釈放を目指すことが最優先になります。
上記事例でAさんが疑われている暴行罪は、法定刑が①2年以下の懲役、②30万円以下の罰金、③拘留、④科料のいずれかという比較的軽いものです。
軽微な事件であればそれだけ逮捕の可能性は低く、なおかつ勾留阻止も容易な傾向にあるため、暴行罪の事案では特に勾留阻止を目指すべきと言えます。
ただ、刑事事件では勾留されるケースが大半を占めるため、漫然と待っていては勾留阻止を実現できない危険があります。
ですので、もし周囲の方が逮捕されたら、法律の専門家である弁護士に勾留阻止を依頼するとよいでしょう。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所では、刑事事件に強い弁護士が、勾留阻止に向けて迅速かつ適切な弁護活動を行います。
ご家族などが暴行事件を起こして逮捕されたら、刑事事件・少年事件専門の弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所にご相談ください。
初回相談料:無料
木更津警察署までの初回接見費用:40,200円