女子中学生にわいせつな行為をして怪我を負わせた男子高校生を逮捕~千葉市在住の少年が起こした強制わいせつ等致傷事件~

今回は、千葉県千葉市在住の少年が逮捕された強制わいせつ等致傷事件について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。

<事案概要>

今年7月、千葉市に住む男子高校生が、大阪府内で女子中学生Vにわいせつな行為をしたうえ、けがをさせたなどとして逮捕されました。
強制わいせつ致傷などの疑いで逮捕されたのは、千葉市稲毛区に住む少年A(16)です。

警察によりますと、Aは、7月上旬、通学途中のVに後ろから抱き着き、体を触るなどのわいせつな行為をした疑いや、同じころに集合住宅の通路で別の女子高校生の体を触るなどした疑いが持たれています。

Vは、抱き着かれたあと、近くの公園に連れ込まれていましたが、その際、すり傷などのケガをしました。
警察では、防犯カメラの映像や、Aが使っていた自転車から関与が浮上したということです。
(9/25に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「男子高校生を逮捕 女子中学生に抱き着き体触るなどした疑い「家出中で一度女の子を触りたかった」」記事の一部を変更して引用しています。)

<強制わいせつ等致傷罪とは>

強制わいせつ等致傷罪とは、令和5年7月に施行された改正刑法によって名称が「不同意わいせつ等致傷罪」に変更されています。
ただ、今回の事件では改正前の強制わいせつ等致傷罪が適用されているため、事件が起きた時点では、まだ改正刑法が施行されていなかったと考えられます。

強制わいせつ等致傷罪(現:不同意わいせつ等致死傷罪)については、刑法第181条で以下のように規定されています。

刑法第181条(不同意わいせつ等致死傷)

第百七十六条若しくは第百七十九条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯し,よって人を死傷させた者は,無期又は三年以上の懲役に処する。

条文に記載されている刑法第176条は不同意わいせつ罪、第179条第1項は監護者わいせつ罪を指しています。
ただ、不同意わいせつ罪は改正後に新しく施行されたものなので、今回の事例のような改正前の強制わいせつ致傷罪は、強制わいせつ罪(旧刑法第176条)準強制わいせつ罪(旧刑法第178条1項)監護者わいせつ罪またはこれらの罪の未遂罪を犯し、相手に傷害(怪我)を負わせた場合に成立します。

今回の事例では、AはVに抱き着いた後に近くの公園に連れ込もうとし、その際にVは怪我を負っているため、「暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした」という旧刑法の強制わいせつ罪に該当し、怪我を負っていることから強制わいせつ等致傷罪で逮捕されたと考えられます。

<少年事件だと刑事事件の手続きが変わる?>

今回のように、刑事事件を起こした人が20未満の少年であれば、少年事件として扱われ、成人が刑事事件を起こした場合の手続きと少し異なります。
少年が刑事事件を起こすと、全て家庭裁判所に送致される全件送致主義が採られています。
その後、家庭裁判所の調査員が少年について調査して処分を判断しますが、事件によっては、検察に事件を戻して(逆送)成人と同様の手続きをとって刑事処罰を与えられることもあります。

今回のような強制わいせつ致傷事件は、逆送対象となる可能性もある重大な事件です。
逆送長期的な身柄拘束を免れる可能性を高めるためにも、お子様がわいせつ致傷事件を起こしてしまったら、早急に弁護士に相談することをお勧めします。

弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、様々な少年事件の弁護・付添人活動を担当した実績を持つ、刑事事件少年事件に特化した専門の法律事務所です。
千葉県内で、お子様がわいせつ致傷事件で逮捕されてしまったという方は、まずは弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。

すでに逮捕されてしまっている場合は、最短当日に弁護士が接見に向かう初回接見サービス(有料)をご案内していますので、ご依頼の際は24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)よりお電話をお待ちしております。

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