今回は、千葉県野田市で起きた器物損壊罪による逮捕事例について、、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説します。
<事案概要>
千葉県警野田署は16日までに、器物損壊罪の疑いで住所・職業不詳の男A(36)を現行犯逮捕した。
逮捕容疑は15日午後0時35分ごろ、野田市桜台の「櫻木神社」のコンクリート壁に黒色油性マーカーのようなもので落書きした疑い。
同署によると、目撃者の男性が「30歳ぐらいの男が落書きしている」と110番通報。
Aは神社を立ち去ったが、神社の神主の男性(70)=同市=がAを追跡し、署員が確保した。
「そのようなことは知らない」と容疑を否認している。
(※9/17(日)に『Yahoo!JAPANニュース』で配信された「櫻木神社のコンクリ壁に落書き 器物損壊の疑いで男逮捕 神主、容疑者を追跡 千葉・野田署」記事の一部を変更して引用しています。)
<落書きも器物損壊罪が成立する?>
今回の事例では、Aは壁に落書きをしたとして、器物損壊罪の疑いで逮捕されています。
落書きは物を壊してる訳じゃないのに、なぜ器物損壊罪が成立するのか疑問に思った方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、落書きでも器物損壊罪は成立します。
それでは、ここからは、器物損壊罪についてみていきましょう。
器物損壊罪とは、刑法第261条で以下のように規定されています。
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
条文に記載されている「前三条」とは、公用文書等毀棄罪(刑法第258条)と私用文書等毀棄罪(刑法第259条)、建造物等損壊罪(刑法第260条)を指します。
つまり、これら3つの罪で規定されていない他人の物を損壊した場合に、器物損壊罪が成立するということです。
また、器物損壊罪が成立する要件の一つである「損壊」は、物理的な物の破壊だけではありません。
器物損壊罪における「損壊」とは、財物の効用を害する一切の行為を指し、その物本来の使用用途で使えない状態にすることも含まれます。
落書きは、その物の外観を変えて本来の効用を失わせる行為に該当するため、器物損壊罪の「損壊」に該当します。
なので、今回の事例でのAの行為は器物損壊罪が成立するということになります。
<器物損壊罪による刑事事件を起こしたら弁護士へ>
単なるイタズラのつもりでも、落書きは立派な犯罪行為です。
今回の事例では器物損壊罪の疑いで逮捕されましたが、落書きした場所や内容によっては、建造物損壊罪(刑法第260条)や名誉毀損罪(刑法第230条)が成立する可能性もあります。
器物損壊罪による刑事事件を起こしてしまった後の対処法としては、反省の意を示して被害者との示談を締結させることが重要になります。
しっかりと反省していることや被害者と示談を締結していることは、検察官にとっては不起訴処分を決定するための重要な判断材料になるからです。
ただ、当事者間同士での示談交渉は難しく、別のトラブルが起きてしまう可能性もあります。
なので、器物損壊罪による刑事事件を起こして被害者との示談を締結したいという方は、弁護士に刑事弁護活動を依頼することをお勧めします。
弁護士が代理人として、被害者との示談交渉を進めてくれるので、スムーズに示談を締結できる可能性が高まります。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、器物損壊罪はもちろん、様々な刑事事件で被害者との示談を締結した実績を持つ、刑事事件・少年事件に特化した専門の法律事務所です。
千葉県内で器物損壊罪による刑事事件を起こしてしまった方や、ご家族が器物損壊罪で逮捕されてしまったという方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部までご相談ください。
まずは、24時間365日受付中の弊所フリーダイヤル(0120-631-881)までご連絡をお待ちしております。