千葉市美浜区で起きた特殊詐欺(キャッシュカード詐欺盗)について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部が解説致します。
千葉市美浜区の詐欺事件
20代大学生Aさんは、千葉県千葉西警察署の署員を名乗り、Vさん宅に
「あなたのキャッシュカードが偽造されて不正に使われています。」
と嘘の内容の電話をかけ、「ご自宅のキャッシュカードを確認しに行きますね。」と伝えました。
同日、Aさんは私服警官になりすまし、Vさんの自宅を訪ね、Vさんからカードを預かりました。
そして、Vさんが目を離した隙に、あらかじめ用意しておいた偽のカードと、本物のカードをすり替え、Vさんに対し「確認したのでお返ししますね。」と偽のカードを返却しました。
翌日、Vさんが会社の同僚に警察官から連絡があった話をすると「それは詐欺ではないのか」と指摘され、銀行に確認したところ、不正な出金の記録があり、Vさんは千葉県千葉西警察署に相談しました。
千葉県千葉西警察署の捜査の結果、Aさんは詐欺罪の疑いで逮捕されました。
(フィクションです。)
「口座が悪用されている」「キャッシュカードを確認する」は詐欺
キャッシュカード詐欺盗は、最近非常に被害が増加している詐欺の手口です。
上記した千葉県美浜区の事件例のように、嘘の手続きを説明した上で、キャッシュカードを盗み取ります。
詐欺罪は、刑法第246条第1項において「人を欺いて財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。」と規定されている犯罪です。
詐欺罪が成立するためには、以下の4つの構成要件を満たしている必要があります。
①欺罔(ぎもう)
被害者に対して財物交付に向けられた騙す行為を行うことです。
単に相手に嘘をつくだけではなく、財産を交付させるための嘘をつく行為がこれに該当します。
上記した千葉市美浜区の事件のように、警察官などと偽って電話をかけ、
「キャッシュカードが不正に利用されています。」
「預金を保護する手続をします。」
等と伝える行為がこれにあたります。
②錯誤(さくご)
被害者が加害者の欺罔により「真実ではないのに真実だと信じること」がこれにあたります。
③交付行為
被害者が、上記誤信に基づいて加害者に財産を交付する行為がこれにあたります。
④財産移転
上記の交付行為により、財産が被害者から加害者に移転した時点で、詐欺罪が成立します。
千葉県の特殊詐欺による被害額
千葉県内で起きている特殊詐欺の認知件数は、昨年に比べると減っている一方で、被害金額は増加しているようです。
例えば、いわゆるオレオレ詐欺の認知件数は、昨年8月が208件、今年8月は211件と、ほぼ同数です。
しかし、被害額で比較すると、昨年が4億649万9千円であるのに対し、今年は6億6876万2千円と、被害額が2億円以上も増えているようです。
(参考『千葉県警 電話de詐欺 令和3年8月末現在認知件数』より)
全国的に見ても、千葉県の特殊詐欺の被害件数は多く、東京(2,896件)、神奈川(1,773件)に次いで、千葉県は全国ワースト3位(1,217件)のようです。
(参考『警察庁・SOS47 特殊詐欺対策ページ』)
詐欺事件を起こしてしまった
もし、ご自身が詐欺事件を起こし、警察から捜査を受けている場合や、ご家族が詐欺事件を起こし逮捕されてしまった場合は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所千葉支部の無料法律相談または初回接見サービスをご利用下さい。
詐欺罪で逮捕されてしまった場合、公判請求され、公開の裁判を受ける可能性が非常に高いです。
検察庁の発表によると、令和元年の刑法犯全体の起訴率が20.9%だったのに対し、詐欺罪の起訴率は57.0%だったようです。
(検察庁統計『被疑事件の罪名別起訴人員,不起訴人員及び起訴率の累年比較 令和元年 起訴率』)
詐欺事件のご相談はフリーダイヤル 0120-631-881 にて、24時間 承っておりますので、お気軽にお電話下さい。